津波とその災害

津波とその災害
•世界語「津波・tsunami」
•日本で「津波」はいつから使われ始めたのか
•海底地震と津波の発生
•海底地震と津波の発生
•津波の規模尺度
•津波の統計
•津波地震
•津波の伝播速度
•津波の沿岸接近時の増幅
•津波のエネルギーが集中しやすい海岸地形
•検潮所の仕組み
•津波の検潮記録
世界語「津波・tsunami」
●津波が世界語となったいきさつ
英語でtidal waveと呼んでいたが潮汐現象も同じ
言葉を使っていた。そこで米国の海洋学者バン
ドーンがTSUNAMIを学術後として採用
●津波の定義
「津波は日本語に由来する単語であって、広域に
わたる海域に発生した短時間に起こった現象に
よって誘発された海の表面重力波である」
日本で「津波」はいつから使われ始めたのか
古代・中世
「日本書紀」
「三代実録」
「中右記」
「吾妻鏡」
“大潮高騰、海水漂蕩”
“驚濤涌潮”
“大波浪”
“引潮”
表記が一定しない
最古の用例
江戸時代
1611(慶長16)年「駿府記」 “世日津波云々”
海底地震と津波の発生
プレート境界のすべりによる巨大地震
フィリピン海プレートがユーラシアプレートの協会部分を引き
フィリピン海プレートが南海トラフからユーラシアプレートの下
ひずみが限界に達すると、プレートの境界がずれて跳ね上
へ沈み込む
ずり込むために、ひずみが蓄積される。室戸岬は沈降し、高
がり、元に戻る。このとき巨大地震が発生する。室戸岬は跳
知市付近は上昇する
ね上がって、1~2M上昇し、高知市付近は沈降する。海で
は津波が発生する。
海底地震と津波の発生
活断層のすべりによる地震
①正断層
②逆断層
③横ずれ断層
①と②の場合津波は発生
し、③による地震ではほと
んど津波は発生しない。
津波の規模尺度
今村・飯田の津波規模m
津波規模m
-1
0
1
2
3
4
津波の高さH
50cm
1m
2m
4~6m
被害程度
以下
程度
程度
程度
10~20m 程度
なし
非常にわずかの被害
潮沖および船の被害
若干の内陸までの被
害や人的損失
400km以上の海岸
線に顕著な被害
500km以上の海岸
線に顕著な被害
羽鳥
mH=2,7(log H+log R)=4.3
mH・・・津波規模
H・・・浸水高さ
R・・・波源からの距離
この式によって津波の
高さの測定値は震源か
らの距離が遠ざかるほ
ど小さくなっていくという
地震・・・気象庁マグニチュードMJ
効果を考慮したものに
記録振幅と震源距離によって定義
なった。
津波・・・津波マグニチュードMt
検潮儀による津波振幅と海洋伝播距離によって定義
30m 以上
津波の統計
津波地震
津波地震・・・地震の揺れが小さく、気象庁震度
が小さく見積もられるのに、非常に大きな津
波を伴う地震。
α=Mt-MJ
α≧0,6なら津波地震
例:2006年ジャワ島南方沖地震
津波の伝播速度
c
gL
 2D 
tanh 

2
 L 
e x  e x
tanhx  x  x
e e
c  gD
津波の伝播速度は、ほぼ水深の平方根に比例す
ることが分かる
L:波長[m]
D:水深[m]
c:伝播速度[m/s]
太平洋
g:重力加速度(9.8m/s2)
c  9.8  6,000  242.5m / s  873km / h
津波の沿岸接近時の増幅
津波は海岸線に近づくにつれて増幅する
グリーンの法則
 D0
H S  H 0 
 DS



1
4
津波の高さは、およそ水深の1/4乗
に比例して増幅する
水深D0の深海域を進行するとき波高H0
であった津波が、水深Dsの浅海域まで
来たときの波高Hs
津波の波源での海の水深が深いほど海
岸に達したときの津波の高さが高くなる
Ex:8000:2000=5:3
津波のエネルギーが
集中しやすい海岸地形
a.V字型湾の最奥部
b.等深線が沖に向かって舌状に突き出ている海岸
c.岬の先端付近あるいは、岬の先端を回りこんだ背後の海岸
d.スカート海域の大きな孤島
e.内湾の固有振動の「腹」に当たる点
検潮所の仕組み
津波の検潮記録
津波初動達時間
津波波源域の推定・地震を起こした断層すべり分布を推定