緩やかなネットワーク・コミュニティの 形成支援

緩やかなネットワーク・コミュニ
ティの形成支援
Supporting Formation of Network Community with Weak Ties.
修士課程最終審査
2001年2月20日
知識システム構築論講座 林研究室
950099:吉田 誠博
もくじ
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背景,動機,目的
モデルの提案
処理概要
機能
実装システム
評価実験
まとめ
背景
家庭
(血縁・地
縁)
新しい社会
会社
(情報縁)
(社縁)
究極:ネットワーク・コミュニティ
メッセージ交換コミュニケーション
WWWコミュニケーション
動機
長所
GioCities
コミュニティサーバ内の
サイトのURLを管理.
・容易な参加
(URL提示)
短所
・参加を限定
・URL一覧を介した閲覧
WebRing
独自のリンク情報
(ナビゲーションバー)を
サイト内に設置し、
CGIプログラムで管理.
・参加を限定しない
・参加にはサイト修正要
・次サイトを直接閲覧
・ナビゲーションバー
の設置がバラバラ
研究の目的
[目的]
WWWコミュニケーションを用いた緩やかなネットワー
ク・コミュニティを形成する場の提供.
研究のアプローチ
既存システム
の問題点の
解決
+
参加者の意志
でコミュニティを +
つなげる機能
操作を向上す
るための機能
モデルの提案、実装、評価.
モデルの提案
サイトに対応するハイパーテキストをコミュニティサーバ
内に生成し、ハイパーリンクで繋いでコミュニティを管理
利用者に提供
・参加サイトを限定しない.
・参加が容易(URLの提示)である.
・次サイトのハイパーテキストへ直接移動できる.
・ハイパーリンクを定位置にできる.
処理概要(1)
HTML-Frameによるハイパーリンクとサイト情報の提示.
ハイパーリンク情報
link1.html
利用者のWWWブラウザ
フレームファイル
frame1.html
Download
WWWサイト
<HTML>
site1.html
<FRAMESET>
<FRAME SRC=“link1.html">
<FRAME SRC=“site1.html">
</FRAMESET>
</HTML>
処理概要(2)
ハイパーリンクでフレームファイルをリング状につなぐ.
frame1
link1
frame2
link2
link3
<HTML>
<HEAD></HEAD>
<BODY>
<A HREF=“frame2.html “ TARGET="_top">next</A>
</BODY>
</HTML>
frame3
機能(1)(マルチコミュニティ・サイト)
[目的]参加者の意思によるコミュニティの接続.
中高年
筋肉マン
sports
System
Community
site
health
foods
ビタミンおたく
Multi-Community
site
Community
機能(2)(自動閲覧モード)
[目的]受動的なブラウジング.
• コミュニティに参加している複数のサイトを紙芝
居のように連続して表示する機能.
→表示時間は利用者が指定できる.
→HTMLのmetaタグのリロード機能を利用し
て、利用者のWWWブラウザから本システムを
再帰的に呼び出すことで実現している.
機能(3)(サイト評価&並べ替え)
[目的]コミュニティのお薦め順のサイト配置.
• 参加しているコミュニティ内のサイトを評価する機能.
→5点評価で投票し、投票得点と評価時の得点の平
均点で決定する.
(コミュニティ参加時の初期得点:3点)
• 評価点の良い順にサイト配置を並べ替える機能.
→一週間毎に自動実行する.
→ダウンロードサイズをチェックして、更新したサイト
を上位に配置する.
実装システム
perlによるCGIでシステム“TSUNAMI”として実装.
TSUNAMI
WWW
Brawser
WWW
Server
コミュニティ生成処理
tsunami_add.cgi
ランダム表示処理
tsunami_random.cgi
コミュニティ削除処理
tsunami_delete.cgi
自動閲覧モード処理
tsunami_auto.cgi
コミュニティ参加処理
tsunami_enter.cgi
電子掲示版処理
tsunami_bbs.cgi
コミュニティ脱会処理
tsunami_exit.cgi
サイト評価処理
tsunami_rank.cgi
定期実行
サイト並べ替え処理
tsunami_bat_rank.cgi
マルチ・コミュニティ処理
tsunami_bat_multi.cgi
(http://www.jaist.ac.jp/~n-yoshi/tsunami/)
評価実験(1)(サイト閲覧操作
①)
[方法]
連続するWWWサイトを順番にブラウザで
閲覧して、作業負荷(マウスクリック数)と
閲覧時間を計測する。
[実験システム]
URL一覧処理、WebRing、TSUNAMI。
[実験データ]
WebRing上のコミュニティに参加している
サイト(素材屋さんRING)。33サイト。
評価実験(1)(サイト閲覧操作
②)
URL list
WebRing
TSUNASMI
31
28
25
22
19
16
13
10
7
4
70
60
50
40
30
20
10
0
1
click
クリック回数
site
URL一覧:サイト数×2(一覧画面を介しての閲覧)
WebRing:サイト数+α(ナビゲーションバーがリンク先画面にない)
評価実験(1)(サイト閲覧操作
③)
閲覧時間
URL list
WebRing
TSUNAMI
400
time
300
200
100
0
5
10
15
20
site
25
30
33
URL一覧:一覧画面を介しての閲覧。一覧画面での選択作業.
WebRing:ナビゲーションバーを探しながらの閲覧.
評価実験(2)(サイト評価機能
①)
[方法]
実験用コミュニティを作成して、一週間システムの機能
(特にサイト評価機能)を使用してもらい、変化するサイ
ト配置を記録する。
(サイトの並べ替えは毎日実行)
[実験用コミュニティ]
ダミーサイト1:不当なURLのサイト。
ダミーサイト2:テーマと無関係なサイト。
実社会でつながりがある3人(30歳前後の女性)のサイト。
評価実験(2)(サイト評価機能
②)
Bad URL
ranking
Bad Theme
A
B
C
6
②
Dummy11 5
1
Dummy22 4
2
A 33
3
B 42
4
C 51
5
③
①
0
1
2
3
4
day
5
6
7 day
①低い評価のため、Bad URLとBad Themeが下降.
②高い評価のため、Cが上昇.
③Bがサイトを更新したため、一時的に上昇.
→サイト評価機能の使用回数が低い.
まとめ
評価実験で以下を確認した
• WebRingと比較して、連続するWWWサイト
を簡易かつ高速に閲覧した.
• WWWサイト評価機能によって参加者の意思
をコミュニティの構成に反映した.
今後の課題
• WWWサイト評価機能を使用する動機付けの不足.
• TSUNAMIを基盤としたコミュニティの調査.
WWW閲覧操作のシステムを作成し、インパクのパビリオン閲覧
システムとして提案。
(http://www.jaist.ac.jp/~n-yoshi/parapara/)