8章第3節 ・ 有形固定資産=物理的な数量の減少は無い →使用により価値が徐々に減少する。 使用可能期間(耐用年数)が経過すると僅かな評価額 (残存価額)まで低下する。 ・ 取得原価から残存価額を控除し、耐用年数にわたり 費用として配分する必要がある。 減価償却 ・ 計算のための4要素 (a)取得原価 (b)残存価額 (最終的には0にする) (c)耐用年数 (税務上の法定耐用年数を使用) (d)減価償却方法 (4種類+1種類) ・ (a),(b),(c)はあらかじめ決定しておく必要がある ・ 減価償却費=取得原価÷耐用年数 ・ ある時点で、それまでに減価償却が行われた 合計金額 減価償却累計額 ・ 取得原価から減価償却累計額を控除したもの 未償却残高 ・ 期首の未償却残高に毎期一定の償却率を乗じて、 各期の減価償却費を算定する。 減価償却費=(取得原価-減価償却累計額)×償却率 ※償却率=1÷耐用年数×2.5 ・ 耐用年数に基づいて計算した算術級数を利用する。 n(n+1)÷2 1から耐用年数までの数値の合計 (例) 6年であれば合計21 n-k+1 減価償却費=取得原価× n(n+1)÷2 (k年目の配分割合) ・ 資産の利用度に応じて原価配分を行う。 各期の実際利用量 減価償却費=取得原価× 利用可能総量 ・ 資産の利用可能総量を客観的に推定する必要があ り、適用可能な資産は狭く限定される。 (例) 航空機や自動車など (例) 取得原価200万円、残存価額0の採掘機械 当期に9万トンの鉄鉱石を採掘し、推定埋蔵量が 72万トン 減価償却費=2,000,000×(9万トン÷72万トン) =250,000 ・ 鉄道のレールや電力会社の送電線など同種の資産 が多数集まって1つの機能を果たす資産群のこと。 取替資産 ・ 老朽品の部分的な取替が生じるまで最初の取得原 価で資産を計上したまま減価償却を行わない。 ・ 取替が生じた時点で要したコストをその期間の費用 として処理する。 メリット ・ 正規の減価償却計算を要しないため簡便な会計処理 方法である。 デメリット ・ 取替が生じるまで取得原価の期間配分が行われない ため、費用の過小計上と資産の過大評価が生じる。 ・ 取替が特定の期間に集中すると費用計上も期間的に 偏る。 ・ 残存価額と耐用年数は見積りにより決定されたもの であるため事後に変更が必要になることがある。 ・ 定額法や定率法などの減価償却方法は継続適用し なければならないが、正当な理由により変更される こともある。 ・ 残存価額・耐用年数等の変更 中古資産の市場価格変動や新生産技術の発明などにより 当初に見積った残存価額や耐用年数を変更すべきことが 事後に判明した場合の会計処理には2通りの方法がある。 ① 変更後の残存価額や耐用年数を最初から適用していたと 仮定して再計算した未償却残高に合致するよう、旧来の計 算に基づく未償却残高を修正し、差額を過年度の減価償 却修正分として特別損益に計上した上で、その後は新しい 残存価額や耐用年数に従って償却計算を継続する方法 ② 過年度の償却計算を修正することなく、変更の影響を変更 後の会計期間の減価償却計算に吸収させる方法 ・ 減価償却方法の変更 ① 変更後の新方法を最初から適用していた場合との 差額をいったん前期損益修正として計上し、その後 は新方法を用いて償却計算を行う方法 ② 過年度の償却に関する修正を行わず、変更の影響 を変更後の期間で吸収する方法 ・ 一般には②の方法が多く採用されている ・ 有形固定資産は予定された耐用年数が経過した時 点または除却や売却されることで消滅する。 ・ 除却した場合には未償却残高を固定資産除却損と して処理する。 ・ 売却した場合には未償却残高と売却価額との差額 を固定資産売却損益として計上する。 8章第4節 ・ 固定資産への投資=その事業から回収される金額 が投資額を十分に上回ることを期待して実施する。 ・ ところが、技術革新や市場環境変化などでその資産 の収益性が急激に低下することがある。 ・ 実際生じた場合には、固定資産からの回収可能価 額の低下を反映させるよう帳簿価額を減額する。 減損処理 ・ キャッシュ・フローはいくつかの資産が相互に関連し て生み出される場合が多く、このような場合に減損 処理を行う際には単独の資産または多数の資産を 含む資産グループを基準とする。 ・ 区分した個別資産または資産グループごとに減損 の兆候の有無を確認する。 ① 損益計算書における営業損益やキャッシュ・フロー 計算書における営業活動からのキャッシュ・フロー の継続的なマイナス ② 事業再編の実施 ③ 経営環境の著しい悪化 ④ 当該資産の市場価格の著しい下落 ・ 当該資産又は資産グループに減損の兆候がみられる 場合には減損損失の認識を行う。減損損失の認識は いわば減損処理を行うか否かを判断することである。 ・ 減損損失の認識が必要な資産については、その帳簿 価額を回収可能価額まで減額して、減額分を減損損失 として当期の特別損失に計上する。 ・ 固定資産の回収可能価額は ①売却による回収額としての正味売却価額 ②継続使用による回収額としての使用価値から いずれか高い方を選択する
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