第7回 日本文会計 日商簿記検定3級を中心に 上海市精華外語専修学院 特別講座(全十回) 講師:謝 少敏 2007年1月12日から 毎週金曜日於吴泾总部 第七章 決算整理(2) • • • • • 貸倒引当金の設定 有価証券の評価 固定資産の減価償却 補足ー固定資産の売却 練習問題 貸倒引当金の設定 • 貸倒れ(かしだおれ) • 貸倒引当金(かしだおれひきあてきん) • 貸倒引当金の役割 • 貸倒れの見積もり • 差額補充 貸倒れ • 貸倒れとは、売掛金や受取手形(債券)な どは、その相手取引先の倒産などによっ て、回収できなくなることをいう。 貸倒引当金 • 貸倒引当金とは、貸倒れが発生する前か ら、売掛金や受取手形のうち回収できない ものを見積もっておき、用意しておく引当 金のことである。 貸倒引当金の役割 • 貸倒引当金を見積もることで危険な状況 を予測することができる。 • 収益と費用が違う年度に計上されるのを 防ぐことができる。 見積もり • 貸倒引当金の見積額 = 売上債権(売掛金や受取手形など)の 期末残高 × 設定率 収益と費用の対応 貸倒の見積もり • 売掛金の期末残高100,000円に対して、 5%の貸倒れを見積もる。 • 100,000× 売上債権の残高 • 0.05 =5,000 設定率 貸倒引当金の見積額 仕訳 (借)貸倒引当金繰入 (貸)貸倒引当金 5,000 5,000 差額補充 • 差額補充(さがくほじゅう)とは、決算の時 期に貸倒引当金を見積もり、貸倒引当金 の残高と貸倒引当金の見積額の差額を求 め、足りない分を補充することをいう。 差額補充のケース • 見積額 > 残 高 • 見積額 < 残 高 見積額 > 残 高(1) • <例>売掛金の期末残高100,000円に 対して、5%の貸倒れを見積もる。ただし、 貸倒引当金残高が3,000円ある。 見積額 > 残 高(2) • 貸倒引当金の見積額: • 100,000×0.05=5,000 貸倒引当金の見積額と残高の差額: • 5,000- 貸倒引当金の見積額 • 3,000= 貸倒引当金の残高 • 2,000 補充する貸倒引当金の額 見積額 > 残 高(3) (借)貸倒引当金繰入 (貸)貸倒引当金 2,000 2,000 見積額 < 残 高(1) • <例>売掛金の期末残高100,000円に 対して、5%の貸倒れを見積もる。ただし、 貸倒引当金残高が6,000円ある。 見積額 < 残 高(2) • 貸倒引当金の見積額: • 100,000×0.05=5,000 貸倒引当金の見積額と残高の差額: • 5,000- 貸倒引当金の見積額 • 6,000= 貸倒引当金の残高 • -1,000 補充する貸倒引当金の額 見積額 > 残 高(3) (借)貸倒引当金 1,000 (貸)貸倒引当金戻入 1,000 貸倒になった場合 • 貸倒金額 <貸倒引当金残高 • 貸倒金額 >貸倒引当金残高 貸倒金額 <貸倒引当金残高 • <例>得意先の尾張商店が倒産したため、 同店に対する売掛金20,000円が貸倒れ になった。なお、貸倒引当金残高が 50,000円ある。 仕訳 (借)貸倒引当金 (貸)売 掛 金 20,000 20,000 貸倒金額 >貸倒引当金残高 • <例>得意先の尾張商店が倒産したため、 同店に対する売掛金90,000円が貸倒れ になった。なお、貸倒引当金残高が 50,000円ある。 仕訳 (借)貸倒引当金 貸倒損失 (貸)売 掛 金 50,000 40,000 90,000 有価証券の評価方法 • 売買目的有価証券:時価評価し、評価差額は当期損益 とする。 • 満期保有目的の債券:取得原価評価もしくは償却原価 法 • 子会社株式及び関連会社株式(支配目的):取得原価評 価 • その他有価証券(上記以外の目的):時価評価し、評価 差額は全部もしくは部分の資本直入 時価法(じかほう) • 値上がりした場合(取得原価 < 時 価) • 値下がりした場合(取得原価 > 時 価) 取得原価 < 時 価 • <例>売買目的で所有するA社の株式 100株について評価替えを行うことにした。 (取得原価 15,000円 、時価 18,000円) 会計処理 • 取得原価と時価の差額: • 18,000円-15,000円=3,000円 時価 取得原価 有価証券評価益 (借)有価証券 3,000 (貸)有価証券 3,000 評 価 益 取得原価 > 時 価 • <例>売買目的で所有するY社の株式 100株について評価替えを行うことにした。 (取得原価 25,000円 、時価 17,000円) 会計処理 取得原価と時価の差額: 17,000円-25,000円=-8,000円 時価 取得原価 有価証券評価損 (借)有価証券 8,000 評 価 益 (貸)有価証券 8,000 減価償却 • 減価償却の意味 • 定額法の公式 • 定額法により減価償却の処理 減価償却の意味 • 固定資産の価値の減少を帳簿に反映させる手 続きを「減価償却 (げんかしょうきゃく)」という。 • 減価償却により計上された費用を「減価償却費 (げんかしょうきゃくひ) 」という。 定額法 • 定額法とは、毎年同じ額の減価償却費を 計上する方法である。 定額法の公式 取得原価 • 取得原価とは、 購入価格に購入手数料ま たは売買手数料などの付随費用を含めた 金額のことで、固定資産を取得するのに 支払った金額のことである。 耐用年数 • 耐用年数とは、固定資産が何年間使用で きるかを予想した使用可能な年数をいう。 残存価額 • 残存価額とは、耐用年数が過ぎた後に売 却したらいくらで売却できるかという金額 のことである。 例示 • 決算にあたり、当期の期首に購入した備 品(取得原価 25,000円、耐用年数5年、 残存価額は取得原価の10%)について、 定額法で減価償却を行った。 減価償却費の計算 仕訳 (借)減価償却費 4,500 (貸)減価償却累計額 4,500 固定資産の売却 売却益になる場合の簿記 • <例>取得原価700,000円、減価償却累 計額120,000円、残存価額70,000円の 建物を950,000円で売却し、代金は月末 に受け取ることにした。 売却損益の計算 • 700,000- 取得原価 • 950,000- 売却価格 120,000= 580,000 減価償却累計額 帳簿価額 580,000= 370,000 帳簿価額 売却益 仕訳 950,000 (借)未 収 金 減価償却累計額 (貸)建 物 固定資産売却益 120,000 700,000 370,000 売却損になる場合の簿記 • <例>取得原価700,000円、減価償却累 計額120,000円、残存価額70,000円の 建物を350,000円で売却し、代金は月末 に受け取ることにした。 売却損益の計算 • 700,000- 取得原価 • 350,000- 売却価格 120,000= 580,000 減価償却累計額 帳簿価額 580,000= -230,000 帳簿価額 売却損 仕訳 350,000 (借)未 収 金 減価償却累計額 120,000 固定資産売却損 230,000 (貸)建 物 700,000 練習問題(1) (1)次の取引を仕訳しなさい。 前期より繰り越された売掛金のうち、70,000円を貸し倒れとして処理 することに決定した。なお、貸倒引当金の残高は100,000円でした。 (2)次の資料により、備品の減価償却費を計算し、決算整理仕訳を行 いなさい。 備品の取得原価 耐用年数 80,000円 8年 残存価額は取得原価の10% 練習問題(2) 次の取引を仕訳しなさい。 (1)売買目的で所有するA社の株式100株について評価替えを行うこ とにした。(取得原価 500,000円 、時価 800,000円) (2)取得原価3, 000,000円、減価償却累計額2,500,000円のトラッ クを売却し、代金350,000円は月末に受け取ることにした。
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