教育内容は誰が決めるか

教育内容は誰が決めるか
学校の発生
• 一人前になるための教授・学習(有史以来)
• 直接活動(体験)=教授・学習がほとんど
独立の教授・学習過程の分離
直接活動の前に必要な修得=文字を使
用した内容→学校
大人の学校(大学)→予備門(文字文化
の基礎)
近代以前の教育内容
• 各々の社会的地位が決める
– 官吏・僧侶 学校で文字文化と法律・教典
– 農民・職人 仕事をしながら、仕事を学ぶ
– 商業の発達にしたがって、文字学習拡大
– 行事・祭で習慣・習俗・規範を学習
• 貴族等の自由人 自発的・創造的行為・学習
– 科学・哲学 ピタゴラス・プラトン
– 芸術 ギリシャ劇・紫式部・
近代(近世)の教育1(武士)
• (西欧は市民革命以後を近代、日本では江戸時代を近世と
呼ぶ。近代初期と近世は教育現象が比較的近い)
• 藩校(狭義の藩校以外に、医学校・洋学校・
兵学校・国学校・郷学校などが併設)
– 狭義の藩校は藩士の義務教育機関で、文(朱子
学)武を学んだ。(素読・講義・会読・輪読・質問の
形式)
– 85%の藩が設置、幕末に改革が進行
• 西洋の大学(開放的)・中等学校(古典中心)
cf ヘルマン・ヘッセ「車輪の下」
近代(近世)の教育2(庶民)
• 郷校(下級藩士・陪審・農民・町人のための藩
が経営・援助する学校、開放的)
– 論語等の朱子学が主な内容、往来物も
• 寺子屋(寺社や武士の浪人が運営、対象は
庶民、国際的に高い就学率と識字率)
– 往来物が主な教材
• 西洋 教会が設置する学校、産業革命以後
は、個人が経営する学校(cf 小公女)
義務教育成立後の教育内容
• 国力増進が目的
– 徳育 教育勅語
– 教科 学問的領域の基礎
– 選抜制度の導入(能力で上級学校に)
• 国民全員が学ぶことと伝統的な文化中心で
あることの矛盾→新教育運動
– 実科的内容の導入と経験主義的方法
今最も重要な教育内容問題
• 身につけるべき能力(学力)は何か(ポストモ
ダン論・PISAの提起すること)
– 実質陶冶 vs 形式陶冶
– Progressivism vs essentialism
– モダン vs ポストモダン
• ポスト・モダン論的学力像
– 課題発見
– 転換能力(新領域への適応能力)
– 創造性
国家基準を浸透させるシステム
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学習指導要領
教科書検定
視察
全国学力テスト
教師の研修
予備校・塾
考えてみよう
• 本当に必要な学力なのか(高校までの学習)
• 必要なのに学んでいない学力は
• 国際関係の中で考えるべきことは
– ドイツとポーランド コペルニクス・コシューシコ・
ナチス
– 日本と韓国 古代国家の形成・秀吉の出兵・植民
地化・従軍慰安婦
– EUの歴史教科書
• 共通に必要なことと、選択可なことは
何を、何から学ぶのか
• 大田堯「学力とは何か」壮丁検査で残ったも
の 学力ではなく、天皇的価値観
• 学生は、何をどこから学んだか
– 教科書・授業
– 塾・試験勉強・参考書
– 家庭・テレビ・メディア
• 何が、どこまで残っているか
PISAと学習指導要領改訂
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PISA順位低下
ゆとり路線の修正
学習量の増大・総合的学習の縮小
この動向は矛盾がないか
– PISA・総合的学習は何をめざしたのか