2006. 11. 21 Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng. Keiichi MIYAJIMA 先週の補足と極値問題 先週の補足 作用素について、もう少し説明を行う。 関数 f について d df と の違いとは? dx dx 結論から述べると: d :作用素 dx df :導関数 dx 作用素と導関数 作用素と導関数の違いと は? d :作用素は、この記号の後に来る関数をxで微分 dx せよ、という命令記号のようなもの。 df :導関数は、関数fをxで微分した後の関数 dx f の記号の場合も全く同様 x 具体的な例として、次の先週の課題を例にとって説明する。 作用素と導関数 教科書p.141問6.2 2 f 2 f 2 0 を、極座標 (r , ) を用いて書き換えよ。 2 x y 解答例: 2 f 2 2 f 2 x x 関数 作用素 f x x 偏導関数 f f sin cos x r r 作用素と導関数 f f sin cos x r r 作用素 F x 偏導関数 関数 F 関数 (6.30)式を適用 sin F cos F F を元に戻す r r f f sin cos cos r r r f f sin sin cos r r r 作用素と導関数 f f sin cos cos r r r 作用素 偏導関数 関数 f f sin cos cos r r r r 偏導関数 関数 の内部は関数の積になっているので、 積の微分公式を適用する。 作用素と導関数 f f sin cos cos r r r r f f f sin f sin cos cos cos r r r r r r r r 2 f 2 f sin f sin cos 2 cos 0 2 2 r r r r 作用素とはその直後の関数に作用する命令 記号のようなもの 以下、第2項以降の各項についても同様に計算する。 極値問題 関数の極大・極小 極大 極小 2変数関数における極大値・極小値を求める問題 を考える。 極大値・極小値 まず、1変数の場合と同様に考えるとする。 1変数関数の場合: f (x) a 0 x aで極値ならば f (a) 0 f (x) x f ( x) 0 となる方程式を解いて、極値の候補を探した。 極大値・極小値 2変数の場合も同様に考えるとする。 定理6.11: 領域 D で全微分可能な関数 f ( x, y ) が点 (a, b) D で極値をとるならば f x ( a , b) f y ( a, b ) 0 注)この定理の逆は成り立たない。1変数関数 でも f ( x) x 3の場合があるのと同様。 鞍点 2変数では極大点・極小点でもないもう一 種類の点が存在する。 もし、下のような山があったとして、手前側から向こう 側へ行きたいとき、どのルートを通るか? 峠 鞍点 鞍点 峠 この峠に相当する点は、x軸方向に対しては極小点 だが、y軸方向に対しては極大点。 鞍点 (この考え方は、後に、最適制御などで用いる。) 極大値・極小値 極大値・極小値の求め方 定理6.12: 関数 f ( x, y ) は点 (a, b) を含む領域で C 2級で、 f x ( a , b) f y ( a, b ) 0 を満たすとする。 f xx (a, b) f yy (a, b) f xy (a, b) 2 と置くとき、次が成り立つ。 1) f xx (a, b) 0 かつ 0 のとき、 f (a, b) は極大値 2) f xx (a, b) 0 かつ 0 のとき、 f (a, b) は極小値 3) 0 のとき、 f (a, b) は極大値でも極小値でもない 注 0 のとき、 これだけでは判定出来ない 本日の課題 2変数関数 f ( x, y) 3x 2 6 xy 2 y 2 の極値を調べよ。 定理6.12については、次回に詳しく説明する。
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