第12章 活発化するリージョ ナリズム

第13章
リージョナリゼーション
とアジア経済
-APECとアジア経済-
APECとは
Asia –Pacific Economic Cooperation
(アジア太平洋経済協力会議)のこと
1989年1月にホーク豪首相(当時)が
アジア太平洋地域の協議システム創設を提唱
11月:第1回閣僚会議(キャンベラ)が開催
(12ヶ国)
以降、各国持ち回りで毎年開催
地域統合の拡大・深化
地域統合の類型(バラッサ)
自由貿易地域 域内関税を撤廃
関税同盟
域外関税を共通化
共同市場
資本や労働移動も自由
経済同盟
租税措置、各種規制、経済政策の共通
化
完全経済同盟 予算、通貨の一本化
現在のAPECメンバー
・ アセアン(フィリピン、インドネシア、マレイシア、タイ
、シンガポール、ブルネイ、ヴィエトナム)
・ 米州(米国、カナダ、メキシコ、チリ、ペルー)
・ オセアニア(オーストラリア、ニュー・ジーランド、パ
プア・ニューギニア)
・ 他のアジア(日本、韓国、中国、中国香港、チャイニ
ーズ・タイペイ、ロシア)
(注)太字は当初メンバ
APECの三本柱
・
「貿易・投資の自由化」
・
「貿易・投資の円滑化」
併せてTILF(ティルフ:Trade and Investment Liberalization and Facilitation)と呼ばれています。
・
「経済・技術協力」 (Economic and Technical Cooperation)
Ecotech(エコテク)と呼ばれています。
APECの基本原則
・
開かれた地域協力
・
多角的自由貿易体制の推進・強化
・
WTO原則との整合性
・
アジア太平洋地域の多様性への配慮
・
コンセンサス主義 等
第1回 APEC(キャンベラAPEC)
APECの変遷過程
1989年1月:ホーク豪首相、アジア太平
洋地域の協議システム創設提唱
11月:第1回閣僚会議(キャンベラ)
12ヶ国
①世界経済及び本地域経済における進展
 ②グローバルな貿易自由化-アジア太平洋
地域の役割
 ③特定分野における地域協力の可能性
 ④アジア太平洋経済協力のための将来の方途
1991年:第3回閣僚会議(ソウル)→中国、
台湾、香港参加
①世界経済の成長と発展に貢献
②財、サービス、資本及び技術のフローを奨
励と経済的相互依存関係の進展の増進
③開かれた多角的貿易体制を推進・強化する
↓
【APECの輪郭形成】
1993年:第5回閣僚会議(シアトル)→メ
キシコ、パプア・ニューギニア
①ウルグァイ・ラウンドの目標期日までの成
功裏の終結・追求
②貿易と投資の自由化
③APECはアジア太平洋経済の地域社会
↓
【アジア太平洋諸国が地域経済協力に
ついて一堂に会した歴史的会議】
ボゴール会議と貿易・投資自由化
1994年:APEC初の非公式首脳会議(ボ
ゴール)
①開放的な多角的貿易体制の強化
②アジア太平洋における貿易および投資の自
由化の促進
③アジア太平洋における開発協力の強化
→2020年までに目標達成
(先進国2010年、途上国2020年)
→【APECの全容と方向性明示】
1995年:大阪APEC
ボゴール宣言を具体化する中長期の
「行動指針」策定→クリントン大統領の
欠席、議長国日本のイニシアティブ不
足により具体的成果なし
1996年11月:マニラ会議
「理念から、投資へ」→貿易・投資の自
由化の「行動元年」
各国は個別行動計画提示(関税撤廃に
関 して日本、マレーシア、シンガポー
ル、タイは具体的提示無し)
↓
自由化に対する懐疑(アジア諸国)
APECはボゴール会議以後、停滞の一途へ
具体的行動計画を示さ(せ)ない
日本の責任は重大
釜山APEC(2005.11.18/19)