第6章 リージョナリゼーションとアジア経済 -APECー APECの主要経済指標(2004年) メンバー名 ASEAN 北米 中南米 大洋州 ロシア 日本 中国 韓国 チャイニー ズ・タイペ 中国香港 シンガポー ル インドネシ ア マレーシア タイ フィリピン ブルネイ ベトナム カナダ 米国 メキシコ チリ ペルー オーストラ リア ニュージー ランド パプア・ ニューギニ ア ロシア 人口 面積 (百万人) (1000km2) 127.3 378 1,285.00 9,561 47.1 99 GDP 実質GDP 輸出 輸入 (10億ド ル) 3,986 1,287 476 一人当た りGDP (ドル) 31,408 1,002 9,965 成長率 (%) 4.4 9 4.6 (10億ド ル) 417 326 162 (10億ド ル) 337 295 152 22.3 36 282 12,467 5.4 131 113 7 1 162 23,720 7.5 201 207 4.1 1 87 20,895 8.8 125 116 214.8 22.6 63.6 77.1 0.36 79.2 31 285.9 100.4 15.4 26.1 1,904 333 513 300 6 331 9,971 10,446 1,973 757 1,285 173 95 126 78 4 34 736 9,373 637 66 57 807 3,869 1,991 939 12,911 423 23,428 36,407 6,256 4,414 2,126 4.8 6.5 6.2 5.2 1.1 7 2.9 4.3 4 4.9 4.5 65 95 69 37 3 15 252 693 149 18 7 40 82 65 40 2 18 244 1,161 158 17 7 19.3 7,682 399 20,143 3.6 65 70 3.8 271 58 14,916 4.2 14 15 4.6 463 3 558 2.5 3 1 144.7 17,075 347 2,385 7.3 102 46 世界最大規模の地域統合 APECの目的と組織 貿易と投資の自由化 組織 APEC成立の経緯 1989年1月:ホーク豪首相、アジア太平 洋地域の協議システム創設提唱 11月:第1回閣僚会議(キャンベラ) 12ヶ国 ①世界経済及び本地域経済における進展 ②グローバルな貿易自由化-アジア太平洋 地域の役割 ③特定分野における地域協力の可能性 ④アジア太平洋経済協力のための将来の方途 1991年:第3回閣僚会議(ソウル)→中国、 台湾、香港参加 ①世界経済の成長と発展に貢献 ②財、サービス、資本及び技術のフローを奨 励と経済的相互依存関係の進展の増進 ③開かれた多角的貿易体制を推進・強化する APECの輪郭形成 1993年:第5回閣僚会議(シアトル)→メ キシコ、パプア・ニューギニア ①ウルグァイ・ラウンドの目標期日までの成 功裏の終結・追求 ②貿易と投資の自由化 ③APECはアジア太平洋経済の地域社会 ↓ 【アジア太平洋諸国が地域経済協力に ついて一堂に会した歴史的会議】 ボゴール会議と貿易・投資自由化 1994年:APEC非公式首脳会議(ボゴー ル) ①開放的な多角的貿易体制の強化 ②アジア太平洋における貿易および投資の自 由化の促進 ③アジア太平洋における開発協力の強化 →2020年までに目標達成 (先進国2010年、途上国2020年) →【APECの全容と方向性明示】 1995年:大阪APEC ボゴール宣言を具体化する中長期の 「行動指針」策定→クリントン大統領の 欠席、議長国日本のイニシアティブ不 足により具体的成果なし 1996年11月:マニラ会議 「理念から、投資へ」→貿易・投資の自 由化の「行動元年」 各国は個別行動計画提示(関税撤廃に関 して日本、マレー シア、シンガポー ル、タイは具体的提示無し) ↓ 自由化に対する懐疑(アジア諸国) APECはボゴール会議以後、停滞の一途へ 具体的行動計画を示さ(せ)ない 日本の責任は重大 アジア経済論課題 「ハノイAPECの特徴(内容)と課題を明記し、 貿易と投資の自由化を達成するため には何が必要かを述べなさい。」 提出日:12月5日(火)授業内 字数:1000字(A4・1枚) ハノイAPEC(2006.11.15/19) APECの主要日程 12-13日 高級事務レベル会合 15-16日 閣僚会議 18-19日 首脳会議 2006年のテーマ 「持続的な成長と繁栄のための躍動的なコミュニティに向けて」 (Towards a Dynamic Community for Sustainable Development and Prosperity) 閣僚会議討議内容 1.多角的貿易体制の強化 2.自由貿易協定(FTA) 3.釜山ロードマップ実施のための行動計画 4.知的財産権の保護 5.投資 6.人間の安全保障 7.その他 釜山ロードマップ APEC加盟の先進国が2010年、 途上国が2020年までとされた 期限を達成するために、 多角的貿易体制の支持や質の 高い自由貿易協定(FTA)の 推進などの方策を示した 1.WTOドーハ・ラウンド交渉の再開のために、 あらゆる手段を尽くすことについて合意 2.ボゴール目標の達成に向け、今後APECが 実施すべき具体的な行動計画を策定 3.(1)WTOドーハ・ラウンドを喫緊の課題、 (2)ボゴール目標を中期的な目標、 (3)アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)を 長期的な研究課題として位置づけ 4.人間の安全保障の重要性を認識し、 APECにおける テロ対策・不拡散問題や感染症対策、エネルギー 安全保障などの取組を歓迎 首脳会議議題 1.経済問題 2.テロ対策・安全保障(地域情勢を含む) 3.APECのあり方 APEC首脳宣言 1.自由貿易及び投資の推進 2.人間の安全保障の強化 3.より力強い社会及びより躍動的で 調和的なコミュニティに向けて 1.中断しているWTO・DDA交渉に政治的推進力を与え るべく準備と決意を示す必要があることを呼びかけ 2.APECとして、長期的展望としてのアジア太平洋の 自由貿易圏を含め、地域経済統合を促進する方法に ついて研究を行うこととなった 3.ハノイ行動計画が策定され、ボゴール目標達成に 向けての具体的作業が明確化 4.テロ対策・感染症対策について、閣僚共同声明に 盛り込まれた内容が改めて首脳により合意 5.北朝鮮に関しては、議長より、北朝鮮による ミサイル発射や核実験への強い懸念を表明 Doha Development Agenda(ドーハ開発アジェンダ) ・2001年11月に開催されたWTOドーハ貿易相会議で、 貿易の促進と経済成長の助長に向け貿易障壁を 削減するため野心的な交渉を行うことに合意。 ・途上国が競争力を持つ分野での関税削減や 農業分野等、途上国にとって関心の高い事項に 焦点を当てることで合意 アメリカがAPEC内でFTAを提唱した背景 ブッシュ大統領が自由貿易圏創設を訴えたのは、 アジア太平洋地域での米国の存在感を強調し、 米国抜きで経済統合の論議が進むことをけん制する狙い ハノイAPECの評価 アメリカがAPECへの取り組みに本腰 APECのFTA構想 APECの現状 経済格差が著しい ビジョンの違い リーダー争い 米vs中vs日
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