新しい地球観」 「火山の話」

上田誠也著
「新しい地球観」
中村一明著
「火山の話」
新しい地球観
この本は、大陸移動説がどのように始まりどのような道筋をた
辿っていったのかや、移動説の説明に欠かせない海洋底地学、
プレート・テクトニクスについて分かりやすく説明した本である。
<内容>
・大陸移動説の誕生、死、復活
・海底の科学
・海洋底拡大説
・弧状列島
・ニュー・グローバル・テクトニクス
大陸移動説の歴史
大陸移動説は、約90年前にアルフレッド・ウェゲナーが初めて
提唱した。当時にしてはあまりに先んじた考えであった。
大陸が移動するための原動力についての説明に欠けていたこ
とや、地球が固いという当時の根強い地球観に反していたこと
などの理由によって、移動説は1930年代に一度見放された。
しかし、地磁気の歴史の研究の結果、磁極の移動と大陸の移
動が一致することをきっかけに、大陸移動説は1950年代に復
活した。
海洋底地学
大陸が移動するための原動力について、1930年代に一つの
説が生まれた。ホームズのマントル対流論である。マントル対
流論とは、固いマントルでもゆっくり流動する性質があり、その
流動ー熱対流が大陸移動の原動力であるという考えである。
この考えも当時は評価されなかったが、後々、海洋底地学の研
究が進むとともに見直された。海溝、海嶺などの海底の地形が
明らかになり、さらに海嶺の頂上部からの熱流量が大きいとい
う事実、地震、海底の地磁気の分布などの調査結果は、マント
ル対流論、ひいては大陸移動説が正しいことを証明するきっか
けになった。
海洋低拡大説
大陸移動説が復活し、マントル対流論が注目され始めると、多
くの学者たちが、固定した大陸、固定した海などに対する固定
した概念を捨てて、新しい地球観を打ちたてようとした。
ハリー・ヘスや、ロバート・ディーツは、海洋底拡大説という、プ
レートが海溝に沈み込んだり海嶺から出てきたりという、現在よ
く見られる海底の模式図のような説を発表した。地殻がベルト
コ
ンベアーのように動き、またテープレコーダーのように磁気を記
録していく事実も明らかになった。海底のさまざまな研究の結
果、
現在のプレート・テクトニクスが確立されていった。
この本を読んで、大陸移動説の多くのことを知りました。大陸移
動説が一度は見放されたのには驚きました。今でこそ当たり前
のことだけれど、当時にしてはどんなに驚異的な考えだったか
よく分かりました。初めてこの説を提唱したウェゲナーは勇気の
ある素晴らしい人物だったと思います。大陸移動説が長い時間
かけ、途中賛否両論を浴びながらも、多くの研究をもとに徐々
に完成されていったことに、研究者の熱意のすごさを感じまし
た
大陸移動説やその他の説についての知識を増やせただけでな
く、一つの説が確立されるまでの過程も知ることができてよかっ
たです。
火山の話
この本は、一般的な火山像や基本的な考え、言葉についてや、
いくつかの具体的な火山やその他の自然、火山の歴史、成り立
ちについて説明した本である。
<内容>
・一般的な火山像
・伊豆大島
・ハワイ島とオアフ島
・アイスランドと地球の割れ目
・地球上の火山