競争の戦略 マイケル・E・ポーター

競争の戦略
マイケル・E・ポーター
藤井 海太
概要
 30年ほど前に出版された、経営学あるいは戦略論
の古典
 競争および競争戦略の基本原理について説明
目的
 競争とは?
 戦略とは?
 これらの基本について理解する
構成
 パートⅠ;競争戦略のための分析技法
業界の構造および競争業者を分析するための技法
 パートⅡ;業界環境のタイプ別競争戦略
分析手法を用いて、どのように競争戦略を作り上げるか
 パートⅢ;戦略デシジョンのタイプ
主要な戦略決定のタイプについての分析
パートⅠ;競争戦略のための分析技法
 1章;業界の構造分析法
 2章;競争の基本戦略
 3章;競争業者分析のフレームワーク
 4章;マーケット・シグナル
 5章;競争行動
 6章;買い手と供給業者に対する戦略
 7章;業界内部の構造分析
 8章;業界の進展・変化
1章;業界の構造分析法
 5つの基本的競争要因を理解するためのフレームワークと
して、構造分析法というコンセプトを明らかにする
 5つの競争要因が業界の競争状態を決定する
 5つの競争要因の強弱は業界の構造特性によって決定
 構造分析法とは、競争戦略をつくるための基礎作業
5つの競争要因
新規参入業者
新規参入の脅威
売り手の交渉力
競争業者
買い手の交渉力
供給業者
買い手
業者間の敵対関係
代替品の脅威
代替品
2章;競争の基本戦略
 構造分析法を用いて、競争の基本戦略3つを広義のレベ
ルで明らかにしていく
 競争戦略とは、業界内で防衛可能な地位をつくり、5つの
競争要因にうまく対処し、企業の投資収益を大きくするため
のアクション
 ベストの戦略は各企業で違う
 しかし、もっとも広義な意味では3つの基本戦略にまとめら
れる
3つの基本戦略
 コストリーダーシップ戦略
 製品差別化戦略
 集中戦略
2種類の選択
 コストリーダーシップ戦略をとるか、製品差別化戦
略をとるか
 競争範囲を狭くとるか広くとるか
最適な戦略とは
 企業の強みにもっとも適しており、競争相手が応
戦しにくい戦略
 構造分析がこの選択をするのに必要となる
3章;競争業者分析のフレームワーク
 競争相手の今後の戦略と同業者の反応を予測し、将来発
生するであろう業界の変化とそれに対する反応を知るため
 4つの診断的要素
 「将来の目標」「現在の戦略」「仮説」「能力」
競争業者分析の構成要素
将来の目標
現在の戦略
競争業者の反応
仮説
能力
4章;マーケット・シグナル
 マーケットシグナル;企業の意図・目標・動機・社内状
況などを直接、間接に示す行動のこと。
 行動の中からシグナルを見つけ正確に読み取ることは、
戦略策定に非常に重要
 競争業者分析の結果と行動とのずれから仮説の精度
を高めていく
5章;競争行動
 競争行動を開始するための原則について
 複数の競争行動のタイプを説明し、行動時に考慮しなけれ
ばならない点について
 “約束”;自社の意図についてはっきりと伝える方法
 情報の公開も競争戦略の一部
6章;買い手と供給業者に対する戦略
 買い手と供給業者への戦略を策定するのに、構造分析が
どのように利用できるか
 買い手の選定により、買い手の脅威も決まってくる
 自社にとって好ましい買い手の特性は何かを検討する
買い手選定のフレームワーク
 買い手の購入ニーズと自社の能力
 買い手の成長率
 買い手の地位(有する交渉力)
 買い手との取引コスト
 構造分析と競争分析の考えを使って買い手の状況を分析
買い手選択の基本的戦略
 自社にとってもっとも好ましい買い手を狙う
 自社の能力、業界内での地位も考慮する必要がある
7章;業界内部の構造分析
 構造分析を発展させ、業界内での企業間の差につい
て考える
 戦略の次元(専門度、品質、コストなど)を組み合わせ
ることで、戦略グループ単位に分けることができる
戦略グループマップ
業界内構造分析
 戦略グループごとに、5つの競争要因について分析
 自社の特性、他社にない競争力、業界内の環境につ
いて、より具体的に把握可能
8章;業界の進展・変化
 業界は必ず変化するものであり、その変化を予測する
ことも重要になってくる
 業界変化を予測するフレームワーク;進展過程分析
 変化の原動力になったものは何かを知る
まとめ
 戦略を策定するには、自社への理解、他社への理
解、環境への理解が欠かせない
 そのために役立つ分析手法について紹介
次の目標
 パートⅡ;業界環境のタイプ別競争戦略
 パートⅢ;戦略デシジョンのタイプ
 類型的環境、主要な戦略決定への分析から、競争
戦略に対する理解を深めていく
以上で発表を終わります