仕事と家事の二重役割 - 慶應義塾大学 湘南

女性の有償労働への参加率
1997年
スウェーデン
日本
米国
韓国
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「価値」による基準測定による女性の不利
発展途上国の男女区別
男性
識字率
一日間の
働く時間(分)
有償労働への
参加率
賃金
女性
無償労働の
時間
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世界の有償労働への参加率(男女区別)
1995年
国際連合の『人間開発報告書』は、
全世界における女性の無償労働は
一年で$1,100,000,000,000 (¥110億)
に相当することを明らかにした。
更に、男性労働の75%は有償労働であるが、
女性労働の33.3%だけが有償労働である。
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仕事と家事の二重役割
家の中・家の外で、現在に男女区別があるのか?
両性別のアンケート
•仕事する・しないことにとっての意識
•仕事をやめることにとっての意識
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仕事と家事の二重役割
•
家庭と仕事の間に、「自由選択肢」がある?…
両性別へのアンケート調査の結果
・止むを得ず仕事しなければならない場合,その理由?
“家族”
・止むを得ず仕事をやめなければならない場合、その理由?
家族?いや、“家事の性別分配意識”
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仕事と家事の二重役割
国レベルの制度と働く人・家族のある人の二重役割:
1. 近代賃金(報酬)制度:「世帯主優先」
2. 近代税制度:「世帯主優先」
近代労働制度・職場における制度の不満点:家事や子
育てとの不適合性
1. 母性保護規定の「不備」。
2. 保育園と労働時間との「不整合」。
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ジェンダー役割・二重役割
日常の時間の利用
両性別への調査
•近代生活における一日の必要な活動と
これに相当する時間
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仕事と家事の二重役割
•
性別別共働き・非共働き生活時間寄与【表4-1】:
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3.
個人の必要な活動への時間:睡眠,食事、身体のまわりの用事
義務への時間:仕事,家事,育児(他人のため)
余暇への時間:ニュースを聞く、娯楽、休養、ストレスの開放、体操
•
就業における家事(料理、掃除、洗濯、他)の省略
【表4-2】:
1. 無職の場合
2. 有職(自営業か家族従業・民間・官公庁・パート)の場合
結果:省略なし=40%~60%
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仕事と家事の二重役割
•
家事(食事の仕度)の女性への集中度:国際比較
【表4-3】
1. 無職
2. フルタイム
3. パート
一般的な結論:国別、職業有無にほぼ関係なし、
食事仕度の平均80%~98%は女性
時間:一日 2~3時間(購入や準備:先進国)
時間:一日 1~2時間 (片付け:先進国)
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仕事と家事の二重役割
•
就業女性の緊急時の「授助者」【表4-4】
自分の親(母などの女性)
夫の親(姑などの女性)
隣人、友人(女性)
ベビーシッター(女性)
企業が女性労働力をより求めると、
以上のような「授助する女性」もより求められてしまう。
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4.
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仕事と家事の二重役割
「子育てという仕事」:近代以降、なぜ「仕事っぽく」なったか?
「自分が子供のスケジュールに合わせない場合、働く女性に【も、男性にも】
とって もっともつらい」
p163
以下の「子供という仕事」は、延期できない仕事をどう計算するか?
「仕事」
一ヶ月での時間(推定)
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定期検査・摂取
疾患の時の看病
疾患の時の通院
保育園への送りと迎え
学校の行事
PTA活動
受験における親ぐるみ
半日~一日
2-3回(24時間ずつ)
2~3回(半日ずつ)
一日2時間
週1回 4時間~
2~4時間
一日。。。時間
手が離せない場合、「授助」の人又は制度はないのか?
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仕事と家事の二重役割
結果・結論。選択肢ではない選択肢?
1. 「パート」の誕生:専任の職場にとっての不利を
認めてからパートだけになるか、
2. 「責任ある仕事」をしたくなくなるか、
3. 家族の経済的な負担が増えても他よりも家事を一手
に引き受けるか、
4. 二重労働をせざるを得なくなるか
を、いずれかを選ばなければならない。
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日本の製造企業における女性従業者比率
経済産業省 平成10年
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仕事と家事の二重役割
• 疑問点:
1 先進国・途上国の多くの女性が働かない場合,
国の経済が進められるのか?
• ① 払われる仕事の場合(日本の製造業を参照)
• ② 払われない仕事の場合
家族の歳出、学費、老人の医療費の負担は男性だけが担える?
2. アンケートによる男性が家事に参加する場合とその「理由」
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① 家事・育児が男女平等で「やりたい」
② フレックス・タイムのある仕事をもつ
③ 子供の母はいない
④「他 」?「子育て」、老人の世話に参加したい」反応は可能?
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