1998.5 No.8 4 第45回大会 シンポジウム特集 r水産物消費をめぐる現代の課題」 先にお送りしたプログラムにもありま すように、今大会のシンポジウムでは消 費問題を取り上げ、業界の方2名を含む 4名の方から報告をいただき、その後パ ネルディスカッションというかたちで議 論を深めていく新しい取り組みとなりま した。この研究分野を専門領域とする学 会員が必ずしも多くはないという状況の 下で、あえてこのようなテーマを設定し たことに対するご異論もあろうかと思い ます。しかし、消費問題に限らず窮境問 題やその他の関連額域の問題を含め、将 来的な学会の研究テーマの広域化を考え ると、いずれは学会員外をも含めた議論 の場をもつ必要があるでしょうし、この ことを通じて学会員の拡大につながれば という意図も今回のシンポジウムには含 まれております。 新たな試みということもあってシンポ ジウムの準備が遅れ、会員の皆様に大変 ご迷惑をおかけしておりますことをお詫 び致しますとともに、ここに掲載しまし た報告要旨をご参考いただき、当日のシ ンポジウムでは活発な意見交換をお願い 申し上げる次第です。 漁業経済学会 総務担当 馬場 冶 日次 1.我が国消費者の酔買行動からみた食品小売 業態とその品揃えの変化の方向性-.岩成 2.スーパーマーケットの水産物仕入.販売職 学会事務局 略と既存流通への影響-.........-田坂 〒108-0075東京都港区港南4-5-7 3.都市型卸流通の問題と提案.-.......崎浦 東京水産大学内 4.ボランタリーホールセラーからみた水産物 TEL:03-5463-0566 流通の裸題-----.-----本郷 ∴it 我が国消費者の購買行動からみた 食品小売業態とその品揃えの変化の方向性 東京水産大学客員助教授 岩成和子 平成8年度農林水産省食品流通局委託調査「小売業態別食品価格調査」における消費者 調査(注1 )結果から、次の2つの視点を検証したので、これを報告いたします。ここでの業態 とは、以下の食料品小売薫態類型を指す。 食料品小売業態類型とは、食料品小売店舗を分類する概念である。 a type of formatとも 表現する。現在、食料品小売販売における小売タイプの主要なものとして、以下のものがあ げられる。本調査では、これらを調査対象小売タイプとした。 1.百貨店 2. GMS (Genera一 Merchandising Store) 3. SM (Super Market Store) 4. CVS (Corwenience Store) 5.専業店 なお、ディスカウンターについては、これらの小売タイプと関連づけて調査をした。 1. rワンストップショッピング」と「当用削、」が同時並行する購買行動の視点 脇田Ej帯 流通の変化を見ていく上で重要なことは消費者行動(特に購買行動)の趨勢である。 消費者の購買行動を見るには重要な二つの点がある。一つは、先進国に共通するワンスト ップ・ショッピングの拡大である。なお、このワンストップ・ショッピングは探索時間が短い商品 (たとえば食料品、日用雑貨など、買物に時間・労力をかけたくない商品)において特に進む ことに注意されたい。これからの消費者においては、個々人が-定期間に様々な場面に遭遇 する、という意味での生活の多様化が進む。生活が多様化すると、探索時間が短い商品にお いては、時間節約志向がますます強まり、ワンストップ・ショッピングの拡大がさらに進んでい く。すなわち、生活が多様化してくると人々は忙しくなり、一店一店の中小専業店を回って商 品を買うことが非効率になるために、スーパ-・マーケット( SM )やコンビニエンス・ストア ( CVS )で多品目を同時に購入する、といったワンストップ・ショッピングをするようになるの である。 こうしたワンストップ・ショッピングが普及すると、探索時間が短くて済む商品領域では、 SM やCVSのような多品目小売業態が一般化し、業種別専業店は姿を消していくことになるであ ろう。このように考えると、卸売過程でも、たとえば日用雑貨と食料品の垣根が崩れ去ってい くことも予想される。その結果、アメリカのように、グローサリー・ホールセラーが生まれてくる 可能性が高い。すなわち、小売業態に適応した流通(業態型流通)に向けてシステムが変化 していくであろう。 また、流通を見ていくうえでの消費者購買行動についてはいま一つの重要な点は、探索時 -2- 間の短い商品領域における家庭内在庫と出向頻度(店に出かける頻度)である。一般に、前 者を大きく後者を小さくする買物行動を「計画買い」と呼び、前者を小さく後者を大きくする行 動をr当用買いJと呼ぶことができる。人々がr計画買い」をすれば、大きな店舗が密度薄く (少数)分布し、 r当用買い」をすれば、小さな店舗が密度濃く(多数)分布するようになる。日 本人の購買行動においては、家庭内在庫を小さくして、何度も店に行く買い方、すなわち「当 用買いjが定着しているといわれている。 我が国において、探索時間が短い商品分野において、ワンストップ・ショッピングと同時に r当用凱ヽ畑(持続されることを考えると、 SMのほかにCVSの成長が考えられる。既にCVS は我が国で大きな成長を示してきたが、まだまだ伸びるに違いないoただし、ここで重要なこ とは、従来型CVSと異なったタイプのCVSが大きく成長してくるだろう,という点である。今ま でのCVSの主充は単身男性をターゲットとしたものであったが、これからは、有職主婦等をね らったCVSが生み出されるだろう。おそらく、業種別中小専業店の多くが、こうした多様なCV Sにとって替わられるであろう。 調査結果から導出されるこ まず、食料品購入における出向頻度はどの程度であろうか。豊艶1のように、年齢・身分に 拘わらず月平均30回と出向頻度が高いことが分かった(各業種別に独立回答した出向頬鹿 の合計値算出)。 また、その出向頻度を業種別にみてみると、豊里里のように、多品目小売業への出向頻度 が極めて高いことがわかった。 次いで・各業態別にrワンストップショッピングj度合いく1回当たりの購入品目数)を皇室担 にみてみると、多品目小売業におけるそれは食料品以外も含めて高い品目数を示している。 以上のことから、我が国においては、ワンストップショッピングが可能な業態が志向されると 同時に、出向頻度の高い買物(当用買い)が行われていることが分かった。このことから、間 題意謎に挙げたCVSの成長性についても充分考えられるといえる。また、有職主婦のCVS 利用は専業主婦に比べかなり高いことが分かり(資料2)、このことから有職主婦をターゲット とするCVSの成立も充分考えられる。 つぎに、定性調査の結果も踏まえ、これらを志向する背景にあるものを探ってみることとす る(従来、出向頻度が高いのは、日本人の賛沢説、鮮度重視説があった)。 ①メニュ-の当日決定傾向(皇室担) ②家庭内個食化傾向(jaRi) ③鮮度志向傾向(糞盟旦) ④買物ロスを減らすための家庭内在庫小の傾向(グループインタビュー調査結果) ⑤惣菜化傾向 -3- 2. HMS(注2)的な業態選択傾向の視点 匝垂重囲 前述したように、我が国において、家族の自律的な行動が活発化したことにより、家族全 員が一定時同一食事を家庭内で摂ることは不確実となる傾向にある。このことにより、家庭 内において個食化が進んでくる。 この家庭内食の不確実性との関係で、メニューの決定を投機する(メニューをやや長いス パンで事前に計画決定しておく)か、延期する(メニュ-を食の直前で決定する)かを決めるこ ととなる。家庭内の食の不確実性が低ければメニュー決定は投機され、逆に、その不確実性 が高ければメニュー決定は延期されることとなる。このメニューの延期は家庭内在庫削減化 と惣菜化傾向を強めることとなる。ところで、こうした傾向は、個食化が進む中、消費者が負 担する食料品の購入コストで説明できると思われる。 さて、消費者は食料品購入に際してのコストを、単に「食料品の価格Jのみで測るのでなく、 r食料品の価格」とr調理に至るまでの時間・労力コスト」との合成でのコストパフォーマンスで 測ろうとする。すなわち、主婦もしくはその代理人の生活が多様化すればするほど、 「食料品 の価格」だけでなく、食料品の買物時間、食料品の在庫チェック時間、食材加工時間等のr調 理に至るまでの時間・労力コストJ対するコスト意鼓が高まってくるだろう。 W- αY,+βY2 【α. βは正】 W :食料品購入コスト Yl:食料品購入価格 Y,-チ,(P) 【f,は増加関数】 Y2:調理に至るまでの時間・労力コスト Y2-f2(P) 【f2は減少関数、 Y2は0以上】 P:メニュー決定延期の程度 メニュー決定の延期が進むと、売り手で調理加工や個別対応化を進めなければならなくな るのでY.は高くなるが、買い手にとっての「調理に至るまでの時間・労力コスト」が省略に向か うのでY2は下がる。他方、メニュー決定が投機されれば、売り手は素材に近い段階で販売で きるのでY,は低くなるが、その分だけ「調理に至るまでの時臥労力コスト」を要するのでY2は 高くなる。消費者は、このY,とY2との合成から得られる食料品購入コストによって、食生活の TPOにあわせてメニュー決定時点を決め、食料品の業態を選択することになるだろう。 一方、供給側は情報技術、調理技術の食イノベーションによって、メニュー決定の延期の 程度が進んでも(Pが大きくなっても)Y,がPの増分ほど上がらなくすることができるようになる。 このことが、消費者がメニューの決定を延期してもY、とそれほど上げずにY2を下げることにな り、惣菜化とその需要拡大を促す方向に作用するだろう。 査結果から導出されること 1.消費者の食生活ニーズからみた2つの軸の抽出 消費者調査中の食ニーズ質問項目に数量化Ⅲ類分析を施した。そして、以下のような、 -4- 1軸(買物への労力・時間軸)と2軸(料理への労力・時間軸)の2つの軸(説明力が高い順)杏 抽出し、この2つの軸の組み合わせにより4つのクラスターを作成した。 男物時間・労力 かける 男物時間・労力 かけない CLl 僂L2 クラスターの構成 クラスターの特故 侘) ゥ リ*(抦彙 テ2 纈R r 28.8% 9 ツ 3.3% 00.0% 料理は好きでな い.若い層で所得 か低い○ 剳w多 い.時間があり料 理にも時間をかけ る 剪rtヌレDb i い層である○ 鳧ュH,リ* . 「 x+ x. ネ ケ *「 *(. ィシh皦* 子育てが終わり自 分の時間かもてる 層か多い.時間は 節約したいが、時 には料理に時間を かけたい 剽L職主婦か多い○ 秦 独身の比率 R縒R 専糞主婦の比率 .4% パート主婦の比率 .0% 有職主婦の比率 平均年齢 家族年収 テB R R 澱テc#づ" 1人当り食料費 .9% 3才 5円 安売店ヘビイ利用比. 釘 x冷 3.7% 38. #8冷 鉄 唸蓼 36 25.帆 402% 32.8% 隧 メ 俐イ 7,223,529円 242,414円 R 坦 偵rR 店ワイ 8,342,59 "テ .4% 2 b絣R 纈R 2円 19.3% 弍H r繆ワイ 途緜cゅ3 bテ 13.8% 7.7% 37.1才 ,544,355円 51.033円 0.4% 30863円 5.1% 2.クラスターの性格からの分析 我々の消費者調査において抽出したra・メニュー延期タイプクラスター」とrb.メニュー投 機タイプクラスター」における業態選択のウェイトのおき方にみると、 aよりbのほうが価格志向 業態をよく利用している傾向が読み取れる。また、惣菜の利用はaのほうがbよりもその利用 頻度を高くしている。その結果、食料品購入価格からみると、 「家族一人当たり食料品支出」 はaのほうがbを上回っている。 今後、我が国におけるの高齢化傾向、主婦の有職化傾向の方向性からみて、 「 a.メニュ ー延期タイプクラスター」層へのシフトが予想される(aはbよりも有職率が高く、平均年齢も高 い)。つまり、消費者の食生活ニーズからみて、メニュー延期化と惣菜化傾向は今度強まるこ とが予想される。 -5- 資料1 :各小売業態へ出向頻度(回/月) 業態 僖驃饅「 H h ク8イ 回/月 糞態 1.盲貨店 独身 3 白綯 主婦25-34 8 主婦35-44 サ〃○A, 弌 蔘ゥ)ィ ネ 独身 3 8 主婦35-44 57 主婦45-49 8 唐 .1 独身 3 「綯 "絣 ウ" イ 3 ウ2 1 独身 8 釘繧 主婦35-44 57 釘繧 主婦45-49 9 ,H ヲ薀 主婦35-44 12.2 絣 凵[58 hナネョテイ 独身 9 ネルX鬟ケ? MB O榎り自? #2 釘絣 迭 迭 剴 パート ウ#B 主婦35-44 0 主婦45-49 8 5.2 5.1 3,6 卜5業態計 侈b 独身 r 都2 尊貴主婦 綯 イ #B その他 27.9 !三男 独身 釘纈 討羌 免ツ 3 専業主婦 鉄B パート 絣 鼎 有職主婦 算出方法:各業態別に左の回答を得、それに右のウェイト付けを施した 宮≡ニ尚盤故鍵鰍明 立山虎雄ぎ≡; ほほ魚E) 凋3-4回 .n同/月 友B蔔H謦 凋1-2持ー 月2-3r6) 月lr司搾好 1L.-).a 利用なし 佗i - 31: ネ 牌也#S ネ 綺: ネ .n同/月 .5同/良 .0回/月 h- (.y_ィ*メ 28.9 31.9 有職主婦 ィ抒 ;-; 31.4 X パート 3 4 2.2 ウS 有職主婦 r 主婦25-34 都2 専業主婦 4 9 4.8 7.3 5.食品 専業店 主婦35-44 凵[58 主婦45-49 3.5 有職主婦 :L;:I:;i:::.三叩 萄ヤク蔘ウ2 7 イ S" パート 纈 3 主婦25-34 都2 独身 7 主婦45-49 独身 S #B 専兼主婦 3 主婦25-34 $ 8 有職主婦 主婦25-34 独身 その他 俎 都2 4.コンtt'二 エソス.スけ 独身 cィ皷*ネ 4.ー パート 」 蔘ゥK 」ゥ? cウメ 」」」カニテ「 ク 6.1 7.9 」」B 専兼主婦 8 ィ #2 独身 57 5.食品 専業店 唸 パート 0 主婦35-44 8 6.5 S 3.食品 スーパー 主婦25-34 主婦45-49 都2 専葉主婦 有職主婦 豚 唐 1.5 ≡.≡6 踏2 独身 澱繧 1.9 一.9 有職主婦 迭 *テイ イ ウ#2 2.縫合 ス-パー :::圭6.滴 澱絣 主婦25-34 3.食品 ス-′ヾ- 凭亥碓異 4.コ1/t.ニ エンス.スト7 ル? 1.6 X パート 絣 s 都2 専業主婦 「繧 9 ナ)OΚ贊」モ 独身 白 56 主婦45-49 2.%% スーパ- 沫 1-5業態計 唳? yZゥ¥「 1.盲貨店 唐 4.6 2.2 4.9 資料2:資料1のグラフ化 . A ︼ H r 2 = = 0 8 6 4 2 業態別出向頻度 (月当り回数) = <年齢別> n U 百貨店 GMS SM CV S 食品専業店 <身分別> 4 - 2 - 0 - 8 6 4 2 業態別出向頻度 (月当り回数) 0 CV S 食品専業店 7 資料3:直近1週間の買物行動を調査した結果から算出 品目:肉、魚、野菜・果実、調理済食品、パン、飲料、その他の食料品、食料品以外 貴料4‥料理に開する考え(下左の遭択政でEg)答を得、それに右のウェイト付けを施した) 身分別 ∴∴∴,⊥ a・素材重視b・日常料理C・時々こだd・便利な食e.珍しい料f.健康重視g.メニューh.夫の好み1.子供の好 重視 わり料理 材利用 理志向 その日決定 重視 み重視 選択肢 全くその通り ややその通り ふつう ややそうでない 蔦 全くそうでない 蔦" わからない 「不明」は集計に含めない ー8- B 資料5:家庭内食の臭態 夕食に家属全員 冰ケ 揃うことが多い 傀 ,X, (+ ,h*「 25-34才 35-44才 幸姶45-49才- 儿9 X*「メ 夕食に子供が- 儻9k リ*" 籍でないことカ 多い R纈R 64.1% 偵rR % ツR 64.6% .qq.4% 資料6: ー9- R 鉄rR 匹u OO篤 00% BR 4_3% 注l )調査の概要 ∴調査療病∴ -「町田市.相模原市」 I.消章者 ゲルづC. ネ揵HHシi HュJH揵HHシi I> コ9 インタビュー 調査 ノ9h・ 霎i+(ロ ィネ8+X*)&闔h,ネンリ ィ / ク / 決岑,ノ x,兒ィ* ,JCH5 ク ,h+x.停 ク5 ネ4 "リ7h48985 (8X ケ+(ロ (定性調査) 倡ク+X+レ ①専業主婦20-54才②専業主婦35-45才 ③専業主婦45-55才④有職主婦20-55才 ●調査期間:平成8年11月1月(金)、2日(金)、8日(金) -r町田市.相模原市」、r松戸市ムr浦和市」、r川崎市」 ●調査会社のモニターを利用し、以上の地区から以下の層別に500サンプルを抽 Ⅱ.消費者 購買行動 定量網査 ネ揵HHシi HュJH揵HHシi I> コ9 ィネ8+X*(決岑,ノ&闔hンリ ィ / ク,h+x.停 班.これらに質問調査票による郵送回収調査を実施した. ①専業主婦20-49才(年齢5才刻みで抽出) ②有職主婦20-49才(年齢5才刻みで抽出) 冨芸……芝…::;;;)(単身世帯' ●有効回収数は378票である. ●調査期間:平成8年11月28日(木)∼12月16日(月) -10- 注1の続き)定量調査サンプルの概要 ●居住地属性: Plの5つの食料品小売類型とディスカウンターが居住地の近くに比較的密に分布して いる地区。つまり、小売業態間・小売業態内競争が激しい地域。 ●有効回収数:N-376 以下に基本属性の分布を示す(各100%) 3 <年齢分布> 0 <身分分布> 4 L h 一 C 丁 ) 乃 3 L h 謝 32.的 3 0 2 2 ゅ4鳴 紮イ 駘r > R r r L 柑 12.7Il 〇 - 一 ヽ _ ● l O 9.3#10.1% 鼎 ツ 7.叩 L h C > 25・29 30-34 35-39 40-44 45149 未推男 東沖女 書薫圭枯 ∧'-は姓 有Q主格 *今回の調査対象は、自分で食料品を選択購入する可能性が高く、 また.集態評価が可能な年齢層とした。 *東京執こおける20代から30代の約2割が未婚者である。ここで は.男女ともその半数が一人暮らしと仮定し、約1割の20代から30 代の一人暮らし女性と約1割の20代から30代の一人暮らし男性 をサンプルに加えた。 <生収分布 剴 < 1 5才以下の子供の有無分布> 70 81.帥 38.4* 60 50 12.伯l3 8.2* 薗ー薗_ 偵" 20. ヽ12.4㌔ I 7.7IS 薗鮎 40 3D i( 10 300300400500日0700州- 川801 )21l1501万不明 0 万円乗万円台7=円合方FE)台万円台万円壬=DO1万はM万1511万円Ll上 有り 無し ) 円乗JI R乗j一円兼SA *平均税込み一世帯年数は754万円 *参考として.全国一世帯年数は659万円(95年度)という参考デ ータがある(厚生省調べ: r96年度国民生活基礎調査J) -iF1- 注2)HMSについて 辛 (財)涜通経済研究所,根本主席研究員によると、 rHMRは外食産業サイドがテイクアウト 市場の開拓を強化し、さらに飲料や調味料などの関連商品の販売を行なうことにことで食 品小売市場に参入することを意味している。これに対してMS(HMS)は、食品小売業サイド が主力の食材市場においてのメニュー提案力の強化を行なうとともに、テイクアウト市場で の展開レベルを高め、さらにイートイン需要への対応にも大きく踏み出すことを意味してい る。 」とのこと。これを参考とし、小売業における消費者の時間節約型需要へのクオリティ提 供方法としてのPrepared Food展開等を指して、 HMS(ホ-ムミール・ソリューション)という 言葉を使用するこことする。 *調理済食品という言葉はplepared Foodを日本語に約したものである。日本語としてはふ さわしいものであると思われるが、原語のPrepa-ed(準備された状態)にはより広範囲な意 味が含まれる。 Prepared Foodの4段階 RTE V すぐ食べられる状態にあるもの. G友 V Cィェ 9+)yリ7H8ネ6(5h8R RTH V適温に加熱することで食べられる状態になるもの。例えば、冷 G友 V Cィェ 9+)yル )8 ]ケ b 凍アントレや缶詰スープなど。 RTC V下栴えをした状態の料理、あるいは半調理品○例えば、マリネ G友 6 ウゥYIZゥ+)yリ岔 ネ*b -ドした肉や魚で、焼くなどの簡単名プロセスで料理できる○フ ライの衣を着けた状態もこれに相当する. RTP V料理に必要な素材や調味料を準備することで、例えば、サラ G友 &W &Sゥ+)yリ OY 胃韶h. X*b ダ用、妙め物用のミックス野菜、なべ物セットなど. アメリカFMl(Food Marketing lnstkute)のWiJlard Bishop氏が提唱する概念 (財)流通経済研究所1 997年rミール・ソリューションとホームトル・ rJプレイスルトJの資料より作成 -121 2 スーパーマーケットの水産物仕入・販売戦略と既存流通への影響 臼坂 行男(中央水研) 水産物をスーパーマーケットで購入する比率は年々高まっている。鮮魚の場合でも7割 近くがス-/トマーケットで販売されている(総務庁r全国消費実態調査報告J)。水産 物販売に対するスーパーマーケットの姿勢が水産物消費の動向をかなり規定する時代が来 たと言っても過言ではない。また・スーパーマーケットの業態特性や店舗規模の違いが水 産物の仕入れ・販売姿勢の差異をもたらしている一方, HMR (ホームミールリプレイス メント)への取り組み強化が中食市場の量的・質的変化をもたらしつつあるなど、既存水 産物流通に与える影響は大きい。ここでは最近のスーパ-マーケットにおける仕入・販売 戦略の動向から水産物流通研究に求められる研究視角を提示する。 1 ・生鮮フロア面税の拡大やアウトソーシングへの取L)組み状況と水産物流通 ス パ マーケットの経営活動は多様であり.水産物に対する仕入・販売姿勢も様々で ある。また近年・ GMSの経営悪化に伴う仕入れ体勢の変化や業態の見直しが検討される など・流動的な状況下で水産物流通関連産業の業務変化が生じている。一般にスーパーマ ーケットの仕入・販売活動の特徴とその変化を解明していく際には「業態の違い」と「店 舗規模の違い」の2点に注目することが重要である。中でも規制緩和に伴う店舗大型化と それに伴う生鮮フロア面積の拡大が水産物流通に与える影響が重要である。例えば,スー パーマーケットのうち売場面積の大型化を図る・いわゆるrス-′トス-ルーマーケット」 (売場面積2,000m'以上の店舗・以下SSM型店舗という. )では、水産物の取り扱いに関 連して・ ①生鮮各部門のフロア面積が既存ス-ルーマーケットの2-3倍あることから安 定的に仕入量を確保するために仕入先を一部変更する動きがあること、 ②店舗が都市型立 地であるために設備投資額が嵩み、かつ限られた敷地面積での営業が必然化するためにバ ックヤード面積の縮小が検討されていること、 ③このため,経営資源量の多寡や経営方針 によってその程度は規定されるものの、加工作業のアウトソーシングのあり方が試行錯誤 の過程にあること,等の動きに注目していくことが重要である。 また・スーパーマーケット全体がもつ共通の経営課題として鮮魚売場での入時生産性の 向上など経営の効率化問題が重要である。入時生産性の低さは総菜売場などでも課題とな っており・加工業務のアウトソーシングのあり方が検討されてきた。現在までのところ. 売場面積の拡大は品揃え面で不効率さが持摘され,バックヤードで内生化されてきた加工 業務をあうとソ-シングで対応していく方向は・高鮮度商品をタイムリーに商品棚に並べ ていくことのほうが競争政策上有効であるとの評価となってきている。加工業務のアウト ソーシングは・ス-/トマーケットが自社ではまだ対応できない額域を補完するために使 う方策でもあり・アウトソーシングするか否かの問題はス-ルーマーケットが鮮魚売場を テナント対応するか自社対応するかの問題とともに,今後重要な経営課題となろう。 また、加工業務のアウトソーシング対応は外食産業・中食産業等でもみられる動向であ り・流通過程内に様々な機能を有する食品加工産業群が形成され,既存の流通構造や価格 形成メカニズムに影響を与えている。 -13- 2.中食市場の量的・箕的変化をもたらすHM Rの動向が水産物流通に与える影響 外食産業や中食産業はスーパーマーケットとともに戦後食料市場でのイノベーターであ る。このうち中食産業は主に弁当・総菜産業から形成されており,コンビニエンスストア やスーパ-マーケットにおける弁当・総菜コーナーを窓口として消費者の需要を顕在化し てきた。外食市場の頭打ち傾向が長引いている中にあって,弁当総菜市場は拡大の一途に ある。また、近年,スーパーマーケットでは、従来の単品商品中心の販売姿勢を改め,衣 庭食の代替化を強く意識した品揃え政策、提供方法の見直しを行っている。 HMR (ホー ムミールリプレイスメント)と呼ばれるスーパーマーケットの総菜市場への取り組みはま だ初期段階であり、その影響はまだ見通すことはできない。ただし,総菜商品の外食的提 供方法を加速化させ.中食市場の畳的・質的変化をもたらす可能性は高い。 今後日本において展開するであろうスーパーマーケットのHMR戦略は、当面以下のよ うな方向が出されてくるものと考えられる。 (》基本はマスマーチャンダイジング、 ②周1 回ショッピング型MD、 ③夕方中心の販売、 ④品揃えは単品訴求(主食型メニュー), ⑤ 和食・洋食・中華と調理法別発想のアソートメント. ⑥販売のみ(商品の受け渡しまで) の販売姿勢、 ⑦料理の水準は料理の得意な主婦レベル以下, ⑧生鮮3品の訴求連動なし. ⑨開発力はなく外部依存的(開発能力の不足), ⑳パートタイマーを活用した製造姿勢。 今後、スーパーマーケットにおけるHMR戦略はアメリカのものとは異なる日本型の戦 略として展開し、現在の総菜販売の延長線上に位置づけちれる公算が強い。そこではどこ までの械能をスーパーマーケットが持ち、どの械能が外部に重ねられるかという外部依存 度の問題が経営効率化という視点から改めて問われることになろう。 -14- 3 都市型卸流通の問題と提案 崎浦 利之(中島水産㈱) 当社は百貨店を中心とした小売業の展開で,次第に認められつつあるが. SMチェーン や生協を対象に,リティールサポート機能を持つ卸売り事業も関東主体に繰り拡げている。 しかし、卸流通をめぐる混乱と、業界の低迷に加速がついており、時代遅れの対応ばか りが目立つ。現状分析と,根深い原因と併せて、改善への試案を提起してみたい。 1.バブルの残骸 バブル後の今でも、流通の中流から下流部分に手抜きが続き、その度合いも強まってき ている。ライフスタイルの変化に逆行するニーズ解釈や,商物流システムの対応間違い、 などはその典型である。また,これを放置しっづけた行政の無能貧困も無関係ではあり得 ないだろう。 2.中央卸売市場の疲弊増幅 コスト高が明白にもかかわらず.また、量販店が自分の怠慢をカモフラージュするのに、 「産直による差別化」を打ち出し、これが流行病のように蔓延してしまい,そして中央卸 売市場の疲弊に追い打ちをかけている。 産直が市場口銭節減を含め、量販店の収益改善に役立っているのなら結構な話だが、現 状は、逆に業績悪化に輪をかけているのが実態であるし、ろくに突っ込んだ分析も実態把 握もしない行政が、 「産直こそ時代の流れ」とばかりに助成に乗り出すに及んでは‥ 「市 場は毎日.産直を実施しているのに,何故、無駄なことを」と指摘せざるを得ない。 半面、卸売市場の内部は、既に手遅れ状況になっているにもかかわらず,旧態然たる運 営から脱却できず、日を追って悪化の一途である。荷受も仲卸も川下(量販店中心の)か らの要望にもプレッシャーにも、反発もリードも出来ぬまま、ずるずると共倒れに甘んじ ている。 また、場外の流通勢力も中途半端な理解をエスカレート。 PCセンターなどの大型投資 や,空想的アウトソーシングを組んでアイデアに溺れ、ろくにシュミレーションもせず、 結局,低稼働に泣く失敗を繰り返している(他社の失敗情報を収集すれば回避できるのに、 業界レベルの低さを示す一面でもある)。 一方,流通業者のほとんどが,卸売市場を、 r商品の投げ場」と心得て、市場のグレー ドイメージを向上しようとする努力に水を差している事実もあり.卸売市場の内外両面が 抱えているキズは深く、大きく、大手術の不可欠なことが理解されよう。 さらに、地域差はあるが.流通ルートの段階では最も零細と言える仲卸会社においては, その経営危繊是正に向けての動きは鈍い。扱い量の減少に、手数料を上乗せする安易な対 応では,時代への逆行が明白であり、近視眼的な発言が増えている現状が、卸売市場の疲 弊増幅に加速をかけていることへの認識も薄い。 中心となる築地がこの状態だから、衛星都市の市場は更に悲惨である。 r待ったなし」なのに・妙に危機意識の伝わってこないのは, r一国-城の主」気分か -15- ら脱けられない体質に起因しているのだろう。 3.加工品卸売り流通の窮状 加工品の分野は、消費の二極化を反映して品質重視メーカーは,その経営も着実なもの が多いが・加工度の低い分野のメーカーは、激しい価格競合にさらされ川下からの「安 かろう悪かろう」のプレッシャーも受け,昨今の円安下での原材料コストプッシュ等の影 響も受けて厳しさを増している。零細規模の整理統合が急がれるのに、その具現性となる と極めて薄い。結局、助成金頼みの域から出られない。 また・大手食品会社等が,喝り物入りで取り組んだHACCP仕様工場が大きな赤字を 生み,コスト転嫁どころか、商品力そのものでも行き詰まるケースが増えている。いわん や・ 90%が零細会員の加工業界は、稼働率の急落という追い打ちを受けて苦しんでいる。 都市型の密集商圏では、ライフスタイルの変化も早く、そこからの他品種少量ニーズは 反工場生産的に他ならず、川上の望む単品量販につながる商品開発もまたままならない。 4.水揚げに柔軟対応できない小売末端 「海の物」だから産地(浜)の水揚げは、当然不安定である。小売りの主導権(シェア) がスーパーに移るにつれて・ 「計画販売」という硬直化病が拡がり、計画に乗れない商品 は淘汰され・週末に集中するチラシの目玉商品は必ず相場がハネ上がり,小売り現場の調 理能力不足で扱い品が制限される、等々。 5.解決への提案 (1)卸売市場の整理・統合 (2)荷受の合併・統合 (3) 「荷受機能Jプラス「リティールサポートできる仲卸機能」の大型組織を市場内 に設置し,大手の小売りチェーンに商品供給と売場指導を実施する。 (4)川上(浜)の収入を保証する最低価格制度の具現化 ※品質基準の確立を付帯させる ※川下からのバイイングパワー抑制 (5)小売り現場の人材育成強化への助成 ※効果測定により助成管理を厳しくし、販売力強化による流通価格の向上改善に 結びつけてゆく -16- 4 ボランタリーホールセラーからみた水産物流通の課題 本郷俊作(アルビス㈱) 1.アルビス株式会社の紹介 (1)食品ス-/トマーケットを支援する新しいタイプの卸売業 (2)生鮮食品を中心にフルライン商品供給 (3)充実したリテールサポート (4)食品スーパーは食料品販売の主役 概 要 ◆事業内容 食品スーパーマーケットを総合的に 支援するボランタリーホールセラー ◆資 本 金 17億円 ◆所 在 地 本社:富山県射水郡大門町流通センター 水戸田3-4 ◆年 商 590億円(98/3実練見込) ◆従業員数 約1,200人 ◆直営店舗 13店舗(富山県11・石川県2) ●加盟店舗 100店舗(直営店を含む) ●店舗売上高 1, 000億円 事 業 エリ ア 石川県12店舗 98年3月兼現在 鶴 句 や 旬 9㌢遺品繍bb 匂 q a匂(県内シェア32%) E7: 匂 岐阜県 4店舗 ー17- a 2.会社案内ビデオ 従来の流通形態 メーカーメーカーメーカー メーカーメート_メーカー 業種問屋業種問屋 」----------一一_琴由由畠叫声る多義東 な宙蓮■` --------一一-一一 ⑬ -18- 小売支援のトータルシステム リ■テ」 :席由廟薮 ( ぺ ′レサボ -ト 劔亂レ" 6ネ キ'EEE ツ ヲ ネ485h ネ985 li:出庫線素 r (985H8ク6X48984 ツ 畑野分析 唸ヲX顗ヌh枴zx沓 唸キ8 x (粐メ 「 †チ†Y. タ●イシ'ン 「 ネ8ツリ5c 唸ⅸン饅「 92 ・&# ・売場埠尭 : ・価格換秦 i.,膚舗甘酢 唳uネ螽ャyyリ轌; 唸淤 i'?々ライン#:品御連 刪鼕 ィ流 剌﨣 Y¥「 ・販促軽尭1人 冓 システム 」`草地PIBJ;≡TP配 剌W荷分散. 勍商品すわ-讐港∴∴'. itL*革同塵..:. 冕ル.メ 中加工.鮮度管理 勍po岳 :.ク●岬リー I.て ;th 剪闔檮祷A′ _■`.せ. 勍申.七〇二 」 ・;::i 售 颯 *エ」「ノ i 唸ⅸン馼 ィ985 -19- イ 唸 皐ク2 加 盟 店 ( 小 売 ) :沸早舟垂 冩ク 唳7ィ*兔延 3.中間流通の変化(全国レベルでの統合) -201 フルライン化と広域化が進む卸集界 道 棚 展開地域の広さ 批 」」「 LrL 陸 中 那 <花王∨自社物流 脈 巴∧メ;カン j -ifl- 誓言併 書 くアルビス, ∨ 近畿 松下鈴木 … リョ-ショク ⊂= 中国四国 四国ケンショー 傘下へ 業務提携 ー酒類-加工食品・菓子 < -化粧品-日用雑貨-紙製品 食品 日用品 取扱ラインアップの広さ ⊆⊆=⊆====H 花王製品 4. 7ルビスの水産物流通について (1)魚は日本の食文化 (2)消費の多様化と食品スーパーが担う役割 (3)カテゴリー・クリエ-タ-としての横能 日本の食文化と食品スーパーマーケットの役割 食品スーパーマーケットでの作業と課題 店舗での商品化作業 作業上における課題 1.作業計画 2.販売計画 3.相場による価格変動 4.鮮度管理 5.ロス管理 6.作業の効率化 (作美人員の削減) 7.人員不足 8.技術レベルの低下 (拙者の滅少) など ー22- 店舗での鮮魚に対する要求 (9安定供給(安定価格) ②安心感(地域性) ③鮮度(時間) ④話題性 (9浜情報の入手 生産者と消費者の関係 rl H I .・IL・ .L.・ ・ト_ おいしいお魚 ネットワーク どんど胤転封ヒ 魚をとることに==>価値を脚慮 脚ント> ① ムタをなくす仕組み(ロス管理) ②価紬る㈱ ③脚性・傭便姓鵬愉 ー23- 「カテゴリークリエイター」への変革ステップ 明確な店舗コンセプトの確立 l I 消弾者に受け入れられるか否かのチェック l I 具体的な店舗スペックへのr翻訳」 I l 店舗スペックを維持するオペレーションの確立 I I 聯客観足度の測定 5・アルビス(中間と末端:川下)から見た水産業界(川上)について ( 1 )規制と既得権益に保渡された糞界 (2)消費者鐘先の新しい仕組みの必要性 消費者傷先の仕組み ー24-
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