特定健診・特定保健指導と 医師会の役割 平成18年12月20日 日本医師会常任理事 内田健夫 医師法第1条 医師は医療および保健指導 を掌ることによって公衆衛生 の向上および増進に寄与し、 もって国民の健康な生活を 確保するものとする 医療保険者による保健事業の 取組強化 健診未受診者の確実な把握、保健指導の徹底、 医療費適正化効果までを含めたデータの蓄積と 効果の評価といった観点から、医療保険者によ る保健事業の取組強化を図る。 → 医療保険者に糖尿病等の予防に着目した 健診・保健指導の実施を義務付け →健診受診率20%アップ 有病者・予備軍25%削減 医療費2兆円抑制(2015年) 平成20年度において特定健診の 対象となる人数について(推計) 単位:(千人) 非保険 40~74 歳 加入者 数 政府管 掌 健康保 険 組合 健康保 険 10,462 6,885 4,148 14,610 船員 保険 共済 組合 市町村 国保 国保 組合 合計 40 2,515 25,711 1,785 47,398 3,552 28 1,062 10,437 68 3,577 者 被扶養 8,790 者 合 25,711 1,785 56,188 計 厚生労働省保険局推計 糖尿病等の予備群有病者の減少 → 国民の健康増進・生活の質の向上 → 中長期的な医療費の適正化 健診費用、医療費の大幅な増加? 1兆円~6兆円? 保険者による健診・保健指導の円滑 な実施方策に関する検討会 (1)医療保険者における企画立案・実施 体制について (2)被扶養者に対する健診・保健指導に 係る決済やデータ移動の仕組み (3)特定健診・特定保健指導の取組の評 価方法 (4)その他 保険者協議会との関わり 保険者協議会への医師国保としての参加(委員) 保険者協議会への都道府県医師会としての参加 (委員またはオブザーバー?) 健診データとレセプトデータの突合 • • • • • 健診データ・レセプトデータの保険者への集積 レセプトとの突合 個人情報保護 レセプトの目的外使用 管理医療、医療への介入 〈データは本人管理、かかりつけ医のバックアップが原 則では?〉 生活習慣病で治療中の患者に対 する健診 ・特定健診は別立てにするのか? ・治療中の検査データか? ・検診項目、問診項目の整合性 ・費用に関する取り決め ・保健指導は保険者が実施するのか? ・保健指導の実施、連携 ・保険者との契約 治療中の者への保健指導 ・対象者が現在医療機関において治療を行っ ている場合の保健指導については、事例毎の 特性を踏まえた上で、主治医との連携の下に 行うことが望ましい。 ・なお、現在治療を行っている医療機関は、診 療報酬における生活習慣病管理料や管理栄養 士による外来栄養食事指導料、集団栄養食事 指導料等を積極的に活用することが望まれる。 ・受療中のものに対する医師の各種指導は、 特定保健指導で代替されるものではない。 第3者評価機構について • 保険者、健診・保健指導実施機関に対する第3者評 価機構が必要である。 • 医療機能評価機構(ただし評価を受けるものの負担 が過大とならないようにする)や、介護保険不服申し 立て制度等を参考とし、制度発足後できるだけ早期 に設立する。 • 評価機構には保険者、健診・保健指導担当者、医 療担当者、法律家、学識者等が参加する 実施体制についての課題 • 償還払いは受診意欲をそぐ。窓口負担以外 は後で決済する方式 • 被扶養者の健診・保健指導は利便性を考え、 市町村国保に実施を委託することも選択肢に • 健診機関から保険者に確実にデータ送付す る仕組みの構築 委託方式をめぐる課題 • 大量の事務が発生するため代行機関の設 置を検討する • 保険者間の委託は年度当初の短期間に それぞれが結ぶ必要があり、契約を束ね る団体が必要 • 各健診機関と被用者保険が契約する場合、 健診機関の取りまとめ団体が必要 • 既存の多様な委託様式の継続 その他の制度との関係(検討中) • 75歳以上、40歳未満の健診 従来どおり、実施主体と折衝 • がん検診 従来どおり、実施主体と折衝 利便性を配慮 • 介護保険:生活機能評価 従来どおり介護保険で実施 健診・保健指導への取り組み状況調査 (途中経過) 調査手法:郵送法 対象者:全国の郡市区医師会 (大学医師会等は除く) 対象数:831 回答数:482 (12月14日現在) 回答率:58.0% 実施期間:平成18年12月 今後の重要課題 • • • • • • • • • 統一料金設定の検討(予防保険制度創設の是非) 健診の基盤整備と精度管理 保健指導の基盤整備と精度管理 行政・保険者との折衝・連携 看護協会、栄養士会等との連携 労働安全衛生法との整合性 被扶養者の健診・保健指導実施体制整備 アウトソーシングの把握、評価 第3者評価機構のあり方
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