序章 計画の策定にあたって

序章 計画の策定にあたって
1 特定健診・特定保健指導の実施の趣旨
わが国は国民皆保険制度のもと保健医療水準を高位で維持し、世界最高レベ
ルの平均寿命となっています。しかし、少子高齢化も世界に類を見ない早さで
進行し、高齢者にかかる医療費の増加など、大きな環境変化に直面しており医
療制度を堅持・持続可能なものとすることが求められてきました。
このような状況に対応するため、平成18年度の医療制度改革において、糖
尿病等の生活習慣病予防を徹底する方向性が示され、これまでの治療重点の医
療から、国民のライフスタイルの多様化にそった疾病の予防を重視した特定健
康診査(以下「特定健診」という。)・特定保健指導の実施が医療保険者に義務
付けられました。
山形市においても、平成20年3月に、特定健診・特定保健指導の実施方法や
その成果に関する目標といった基本的事項について定めた、
「山形市国民健康保
険特定健康診査・特定保健指導実施計画書」(第一期計画期間:平成20年度~
平成24年度)を策定し、事業を実施してきたところです。
本計画は、第一期における実施結果等を踏まえ、生活習慣病の発症、重症化
を抑制し、医療費の適正化を図ることを目的に、第二期計画(計画期間:平成
25年度~平成29年度)を策定するものです。
① 40歳から74歳の加入者を対象に、メタボリックシンドローム※
に着目した特定健診の実施。
② 特定健診の受診者で、健康の保持に努める必要がある対象者
に対しての特定保健指導(動機付け支援・積極的支援)の実施。
※詳しくは 13 ペヸジをご覧下さい。
-1-
2 計画の性格
本計画は、
「高齢者の医療の確保に関する法律」
(以下「法」という。)第18
条の「特定健康診査等基本指針」に即して、法第19条に基づき山形市国民健
康保険が策定するものであり、健康増進法第9条に規定する健康診査等指針に
定める内容に留意する必要があります。
また、山形市が乳幼児から高齢者まですべての市民を対象とする健康づくり
計画である「山形市健康づくり21」の基本理念として、
『市民一人ひとりが健
やかで心豊かに暮らすことができる活力ある地域社会』が掲げられています。
基本方針には「市民主体・市民参加の健康づくりの推進」、「健康づくり関係団
体との連携」、「一次予防と重症化予防の重視」、「心身両面にわたる健康づくり
の推進と健康寿命の延伸」等が掲げられております。
このため、本計画は「山形市健康づくり21」の施策の一部「一次予防と重
症化予防の重視」を計画化したものと位置付けます。
3 計画の期間
本計画は、法第19条に基づき5年を一期として、平成20年度から平成2
4年度までの5年間を第一期、平成25年度から平成29年度までの5年間を
第二期としたものです。また、今後の国の動向や取組みの成果、進捗状況によ
り必要に応じて見直しを行います。
平成
20年度
21年度
22年度
23年度
24年度
25年度
26年度
27年度
28年度
29年度
第一期計画期間
(必要に応じて見直し)
(必要に応じて見直し)
見直し
第二期計画期間
-2-
見直し
第1章 山形市の現状と課題
1 人口及び国民健康保険加入者の状況
平成25年1月31日現在の本市人口は251,659人となっています。
このうち国民健康保険加入者は56,619人で本市人口の 22.5%となってい
ます。
国民健康保険加入者の年代別加入状況は、60歳から加入率が増えており、
60歳~64歳の区分で45%、65歳~69歳の区分で69%、70歳~74
歳の区分で78%となり、65歳以上になると市民の大半の方が国民健康保険
加入者となっていることがわかります。
山形市の人口構成では、60歳~64歳が占める割合が大きく、以降の若い
年代では減少する見込みですが、第二期計画期間における特定健診受診対象者
(40 歳~74 歳)については、ほぼ同数で推移すると思われます。
-3-
2 医療費の状況
平成20年度以降の医療費(山形市国保)は、年々増加しており平成 23 年度
には 194 億 8 千万円に達しています。前年度比伸び率では、平成 21/20 年
度 2.8%、22/21 年度 3.3%、23/22 年度 0.3%と増加傾向が続いていま
す。
また、一人当りの医療費も平成23年度では、329,112 円で県平均よりも
高い額となっています。
国民健康保険制度における医療費の負担増への対応は重要な課題であり、こ
の医療費を抑制するためにも特定健診・特定保健指導の役割は重要になってき
ます。
【医療費(山形市国保)の推移】
【1 人当たり医療費(山形市国保)の推移】
-4-
【疾病の状況】
平成24年5月の診療分受診件数 57,647 件となっています。主要疾病別に
みると、全体の 17.1%にあたる 9,880 件が歯の疾患で占められ、ついで高血
圧性疾患(15.4%
8,862 件)、糖尿病(3.9% 2,256 件)の順となってい
ます。医療費の総額は、15億6千2百万円となっています。
主要疾病別にみると、全体の 12.5%にあたる1億9千5百万円が悪性新生物
で占められ、ついで高血圧性疾患(9.1%、1 億4千2百万円)、歯の疾患(8.1%、
1億2千6百万円)の順となっており、件数及び医療費とも県合計と比較して
もほぼ同じ傾向になっています。また、どちらも生活習慣病関連疾患の医療費
(高血圧性疾患・糖尿病等)の占める割合が高くなっています。
【生活習慣病に関する件数割合】
生
活
習
慣
病
山形市
県合計
悪性新生物
2.7%
2.9%
糖尿病
3.9%
4.2%
15.4%
16.2%
心疾患
2.0%
2.2%
脳血管疾患
1.7%
1.6%
25.7%
27.1%
74.3%
72.9%
100.0%
100.0%
高血圧性疾患
小
計
そ の 他
合
計
【生活習慣病に関する医療費割合】
山形市
県合計
12.5%
12.2%
糖尿病
4.6%
4.9%
高血圧性疾患
9.1%
9.6%
心疾患
3.1%
4.2%
脳血管疾患
4.0%
4.7%
33.3%
35.6%
66.7%
64.4%
100.0%
100.0%
悪性新生物
生
活
習
慣
病
小
計
そ の 他
合
計
-5-
3 特定健診の結果
平成23年度までの山形市国保の実績を見ると、目標値及び県合計より低い
実施率でほぼ横ばいの状況です。また、男女別では、女性の実施率が高く、年
代別では、40 歳から 50 歳代の実施率が低く、年齢が高くなるほど実施率が高
い状況です。
特定健診実施率
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
平成24年度
65%
目標値
31%
35%
45%
55%
山形市
33.8%
34.8%
34.6%
34.7%
県合計
38.9%
39.4%
42.3%
42.9%
※結果については、法定報告値のため年度内の加入者や脱退者の異動者等は除外し
ています。
-6-
メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の割合は減少傾向です。
また、服薬中の者の割合は年々増加の傾向にあります。
-7-
【特定健康診査有所見率について】(H23 実績より)
BMIについては、男性は年齢があがる程、有所見率は下がる傾向にありま
すが、女性は逆に上がっています。また、腹囲については、男性はほぼ一定の
割合となっていますが、女性は年齢が上がる程割合が上がる傾向にあります。
空腹時血糖と HbA1c 共に男女の年齢が上がるとともに有所見率も上がって
います。
-8-
中性脂肪ついては、男性は年齢が上がれば有所見率が低くなりますが、女性
は年齢が高くなると率も上がっています。
HDL コレステロールについては、男性は若年層での有所見率が高く、女性は
各年代ともほぼ同じ率となっています。
血圧については、男女とも年齢が上がるほど有所見率が上がっており、女性
より男性の率が高い傾向にあります。
喫煙者の割合は、全体としては年々減少の傾向にあり、県合計より下回って
います。ただし、男性では減少傾向にあるものの、女性はほぼ同じ割合で推移
しています。
-9-
4 特定保健指導の結果
平成23年度までの山形市国保の実績を見ると、目標値及び県合計より低い
実施率でほぼ横ばいの状況です。また、動機付け支援終了者率及び積極的支援
終了者率についても県合計より低い状況です。
特定保健指導実施率
平成20年度
平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度
目標値
10%
15%
25%
35%
山形市
8.1%
5.5%
9.8%
9.2%
県合計
21.1%
27.2%
30.8%
30.0%
※法定報告値を使用している
- 10 -
45%
5 メタボリックシンドローム該当者及び予備軍の減少率
第一期計画に設定したメタボリックシンドローム該当者及び予備群の減少率については、
平成24年度の健診が終了し数値が確定した後に算出され、目標値「10%減少」
に対するデータが確定するのは平成26年度の予定です。
なお、メタボリックシンドローム該当者等の割合は、平成20年度では30.9%、平成23
年度では、27.9%となっています。
目標値
H20
H21
H22
H23
H24
メタボリックシンドロームの
該当者ヷ予備群の減尐率
基準年
-
-
-
10%
6 課
題
第一期実施計画では、特定健診実施率の目標を65%、特定保健指導実施率の
目標を45%と設定し、目標達成のために、対象者に対し受診案内を個別に通知
しているほか、市のホームページや「広報やまがた」、「健診べんり帳」等で
特定健診に関する情報を積極的に提供し、市医師会等と協働で事業を実施して
きました。
しかし、平成20 年度から平成23年度の実績では、特定健診が34%台、特
定保健指導が9%台の実施率にとどまっています。
この実績は、全国の市町村国保の特定健診実施率の平均(32.0%:平成22年
度)を上回っているものの、特定保健指導実施率では全国平均(20.9%:平成22
年度)を下回っている状況です。
平成23年度実績における、年齢毎の受診者の状況をみると、男女とも60歳
以上の実施率が高くなっていますが、40歳代前半の男性の実施率は15.7%、女
性では16.9%と低くなっており、60歳代以降の実施率に比べ20ポイント以上
の差があります。
また、
平成 23 年度の健診結果では、
「メタボリックシンドローム該当者」の割合は 15.4%、
「予備群」の割合は 12.5%と、いずれも県平均を上回る結果となっています。
メタボリックシンドロームが疑われる肥満者においては、高血圧・糖尿病等
の重複有所見率が40歳代、50歳代の男性で特に高い割合を示しています。
- 11 -
年代が高くなるにつれ、一人あたり医療費や生活習慣病の発症が増加してい
る現状です。
医療費で高い割合を占める高血圧疾患や糖尿病等の発症を防ぐため、若い世
代からの早期予防、重症化や合併症の進行の予防の取組が重要となってきます。
特定保健指導においては、本人の関心が薄いことや職場や家庭事情などで忙
しく時間が取れないことなどから参加率が少ないことに加え、支援をスタート
しても終了できなかった者が多く、その結果、翌年度も特定保健指導該当者と
なる場合も見受けられます。
このような現状から、下記事項が課題として上げられ、検討が必要です。
・若い世代からの生活習慣病予防の重要性について認識を深めてもらうための
啓発の充実。
・休日における健診機会の確保。
・特定保健指導において、可能な限り対象者を初回面談につなげられるよう、
健診センターでの休日参加を可能とするなど、実施方法や体制の整備。
・特定保健指導プログラム終了までの間、電話や手紙等により利用者のフォロ
ーをきめ細かく行い、利用の継続を促していく体制の整備。
国民健康保険加入者が健やかで心豊かに暮らすことができるよう、今後も増
加が見込まれる国民健康保険給付費の抑制のために、高血圧疾患、糖尿病等の
生活習慣病は、継続した治療はもちろん、生活の質の向上の観点から予防が重
要となってきます。生活習慣病の発症は若い年代からのライフスタイルが大き
く関与することもあり、特定健診・特定保健指導の実施と、「運動普及推進員
の活動」や「食生活改善推進員の活動」等の地域における保健活動と併せてよ
り望ましい生活習慣の確立を図ることが重要となっております。
- 12 -
第2章 特定健診・特定保健指導の実施
1 基本的な考え方
特定健診は、糖尿病等の生活習慣病の発症や重症化の予防を目的として、
メタボリックシンドロームに着目し、この該当者及び予備群を減少させるため
の特定保健指導を必要とする者を的確に抽出するために行うものです。
特定保健指導は、メタボリックシンドロームに着目し、その要因となってい
る生活習慣を改善するための保健指導を行うことにより、対象者が自らの生活
習慣における課題を認識して行動変容と自己管理を行うとともに、健康的な生
活を維持することができるよう、糖尿病等の生活習慣病を予防することを目的
として実施するものです。
《メタボリックシンドロームとは》
内臓脂肪型肥満に加え、高血糖、高血圧、脂質異常という危険因子を2つ以上持っている状
態をいいます。メタボリックシンドロームの状態になると、動脈硬化が急速に進み心臓病や脳
卒中といった循環器病や糖尿病の合併症等の発病につながりやすくなります。
《メタボリックシンドロームの判断基準》[日本肥満学会(JASSO)基準]
【内臓脂肪型肥満】
― 腹 囲 -
男性 85cm以上
女性 90cm以上
+
① 高血糖
空腹時血糖 110mg/dl 以上
② 高血圧
収縮期(最大) 130mmHg 以上 又は
拡張期(最小) 85mmHg 以上
③ 脂質異常
中性脂肪 150mg/dl 以上 又は
HDL コレステロール 40mg/dl 未満
内臓脂肪型肥満に加え、
①~③のうち2つ以上が該当の場合、メタボリックシンドローム
(1 つ該当の場合は、予備群となります。)
- 13 -
2 目
標
値
国の「特定健康診査等基本指針」では、第二期計画期間の最終年度におけ
る市町村国保の実施率参酌基準をそれぞれ60%としており、山形市において
も年次目標値を次のように設定します。
(1)各年度の目標値
H25
H26
H27
H28
H29
特定健診実施率
40%
45%
50%
55%
60%
特定保健指導実施率
20%
30%
40%
50%
60%
(2)各年度の対象者数の見込み(推計値)
H25
H26
H27
H28
H29
40%
45%
50%
55%
60%
対 象 者 数
42,233
42,074
41,968
41,911
41,902
実 施 者 数
16,893
18,933
20,984
23,051
25,141
20%
30%
40%
50%
60%
対象者数(合計)
2,268
2,549
2,832
3,121
3,416
動機付け支援
1,452
1,629
1,805
1,983
2,162
積極的支援
816
920
1,027
1,138
1,254
454
765
1,133
1,561
2,050
実
特
定
健
診
実
特
定
保
健
指
導
施
施
率
率
実 施 者 数
※対象者数及び実施者数については、過去 4 年間における国保加入被保険者数
の伸び率を基に推計
- 14 -
3 特定健診の実施
加入者が受診しやすいよう健診体制を整備するとともに事務の効率化を図り
ます。
受診者の利便性向上のため、土曜・日曜日における受診日の設定などの受診
機会の拡大を行うとともに、自己負担額の軽減を行い実施率の向上を目指しま
す。
また、特に実施率の低い40~50歳代の未受診者に対して、コールセンター
利用による電話勧奨やダイレクトメール等による受診勧奨を行い、受診行動を
促し、実施率の 向 上 を 図 り ま す 。
(1)対 象 者
40歳から74歳までの山形市国民健康保険の加入者
(2)実施方法
医療機関、健診機関等へ委託します。
①集団健診・・・公民館・健診センター等の会場で実施します。
②個別健診・・・直接医療機関で実施します。
③一括健診・・・特定健診の健診項目と市のがん検診に詳細な検査項目
(ミニドック)
等を併せて実施します。
(3)実施期間
通年実施とします。
①集団健診・・・4月
~
2月
②個別健診・・・4月
~
3月
③一括健診・・・4月
~
3月
(ミニドック)
(4)案内方法
対象者へ直接通知します。
- 15 -
(5)健診項目
「特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準」
(平成 19 年厚生
労働省令第 157 号)
(以下「実施基準」という。)の規定に則して、基本
的な健診項目及び詳細な健診項目の両項目を実施します。
ア 問
診 票 ヷヷヷ既往歴、喫煙歴等
イ 身 体 計 測 ヷヷヷ身長、体重、BMI、腹囲
①基本的な健診項目
(必
須)
ウ 理学的検査 ヷヷヷ医師の診察、血圧等
エ 尿
検
査 ヷヷヷ尿糖、尿蛋白
オ 脂 質 検 査 ヷヷヷ中性脂肪、HDL、LDL コレステロヸル
カ 肝機能検査 ヷヷヷAST(GOT)、ALT(GPT)、γ―GT(γ―GTP)
キ 血 糖 検 査 ヷヷヷ空腹時血糖、ヘモグロビン A1c
②詳 細 な健 診 項 目
ア 心電図検査
イ 眼底検査
ウ 貧 血 検 査 ヷヷヷ赤血球数、血色素数、ヘマトリット値
(6)外部委託の選定にあたっての考え方
実施基準を満たしている医療機関等を対象とします。
(7)周知方法
対象者に対し、受診案内を個別に通知するほか、市の広報紙、「健診
べんり帳」やチラシ、ホームページ等を活用し周知を図ります。
また、実施機関や関係機関にも協力を依頼し、リーフレット等による
周知を行います。
- 16 -
4 特定保健指導の実施
特定保健指導の重要性や効果についての啓発を行い、特に若い世代の利用
者と特定保健指導修了者の増加を目指します。
また、健診センター等での土曜・日曜日における参加枠の拡大を行うとと
もに、健診結果について、説明会を開催し受診者に直接手渡しを行い、その
際に初回面談を実施するなど、対象者が参加しやすい実施機関や方法の見直
しにより、実施率の 向 上 を 目 指 し ま す 。
(1)対 象 者
特定健診受診の結果、メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の
方を対象とします。
(2)実施方法
健診機関等へ委託します。
(3)実施期間
通年実施とします。
(4)案内方法
対象者へ直接通知します。
(5)指導内容
健診結果により、リスク(危険因子)に応じて、①動機付け支援、②積
極的支援に階層化して実施します。
(6)外部委託の選定にあたっての考え方
実施基準を満たしている医療機関等を対象とします。
- 17 -
1 肥満リスクを判定
(1) 腹 囲 ヷヷヷヷヷ(ア)
「男性」85cm 以上
「女性」90cm 以上
(2) (1)に該当せず、BMI※が 25 以上ヷヷヷヷヷ(イ)
(3) 上記(1)ヷ(2)のいずれにも該当しないヷヷヷヷヷ特定保健指導対象外
※BMI(体格指数)=体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)
2 特定健診の結果から、リスク(危険因子)の数をカウント
空腹時血糖 100mg/dl 以上 又は
(1)血糖
HbA1c5.6%以上(NGSP 値) 又は
血糖に関する薬剤治療を受けている
中性脂肪 150mg/dl 以上
(2)脂質
又は
HDL コレステロヸル 40mg/dl 未満 又は
(1)~(4)の
リスク該当数
血中脂質に関する薬剤治療を受けている
収縮期(最大)血圧 130mmHg 以上 又は
(3)血圧
拡張期(最小)血圧 85mmHg 以上 又は
血圧に関する薬剤治療を受けている
(4)喫煙
たばこを習慣的に吸っている※
※喫煙リスクは、(1)~(3)で 1 つ以上該当する場合のみカウントする
1のリスク
2のリスク該当数
2 個以上
(ア)の場合
40~64 歳
齢
65 歳~74 歳
積 極 的 支 援
1個
動 機 付 け支 援
該当なし
特定保健指導対象外
3 個以上
(イ)の場合
年
積 極 的 支 援
1~2 個
動 機 付 け支 援
該当なし
特定保健指導対象外
3 特例事項
(1) 服薬中の人については、保険者による特定保健指導の対象としない。
(2) 前期高齢者(65 歳以上 75 歳未満)については、積極的支援の対象となった場合
でも動機付け支援とする
- 18 -
動機付け支援
個別又は集団による初回面接を行い、特定健診の結果と対象者の生活習慣
を踏まえた支援及び行動計画を作成し、初回面接から6ヶ月以上経過後に計
画の達成度、身体状況や生活習慣に変化が見られたかについての評価を行い
ます。
『動 機 付 け支 援 の内 容 』
<初回面接>
実施形態 : グルヸプ支援
支援内容 : 生活習慣と健診結果、生活習慣改善の必要性
栄養ヷ運動の生活習慣に必要な実践活動
行動目標ヷ行動計画の策定
<6ヵ月後評価>
実施形態 : 電話ヷe メヸルヷFAX 等による支援
支援内容 : 身体状況、生活習慣に改善が見られたか
次回の健診までに確立された行動を維持できるよう支援
- 19 -
積極的支援
動機付け支援に加え、きめ細かな支援を行います。具体的には、初回面接
の後、3ヶ月以上の継続的な支援を行い、初回面接から6ヶ月以上経過後に
計画の達成度、身体状況や生活習慣に変化が見られたかについての評価を行
います。
3ヶ月以上の継続的な支援については、最低限必要な指導内容を決めて、よ
り効果的な保健指導を行います。
『積 極 的 支 援 の 内 容 』
<初回面接>
動機付け支援と同じ
<3ヶ月以上の継続的な支援>
時 期
実施形態
2週間後
個別支援
1ヵ月後
電話ヷe メヸル
2ヵ月後
FAX 等
3ヵ月後
グルヸプ支援
4ヶ月後
電話ヷe メヸル
5ヶ月後
FAX 等
<6ヵ月後評価>
支援内容
行動目標ヷ計画の実施状況の確認ヷ修正
行動計画の確認ヷ賞賛ヷ励まし
体重ヷ腹囲の測定から行動計画ヷ目標確認ヷ修正
行動計画の確認ヷ賞賛ヷ励まし
グルヸプ支援と評価
- 20 -
第3章 結果の通知と保存
1 結果通知
健診結果や検査値の推移など、毎年の健康状態とその変化がわかる「特定健
康診査受診結果通知表」を受診者全員に送付します。特定保健指導の対象とな
らなかった方については、個人の生活習慣やその改善に関する基本的な情報を
併せて送付します。
2 記録の管理・保存期間
特定健診・特定保健指導に関するデータの管理は、
「標準的な健診・保健指導
プログラム」で定める電子的標準様式により、原則 5 年間保存します。
なお、データの保管業務は、山形県国民健康保険団体連合会へ委託します。
3 記録提供・受取の考え方
保険者の異なる移動があった場合のデータの提供・受取は、個人情報保護に
充分配慮して行います。また、労働安全衛生法に基づく事業主健診等の他の健
診を受けた場合の結果のデータは本人の了解のもと受取を行います。
4 個人情報保護対策
個人情報保護の観点から個人情報保護対策としては、個人情報保護に関する
法律及び山形市個人情報保護条例に基づき、情報の厳重な管理や目的外使用の
禁止等を特定健診等業務委託契約書に定めるとともに、契約遵守状況について
厳格に管理します。また、特定健診等の委託先(データの管理を含む)につい
ても、同様の取扱いとするとともに、業務より知り得た情報については守秘義
務を徹底し、終了後も同様とします。
- 21 -
第4章 実施計画の公表・周知
本計画の周知は、法第19条第3項で「保険者は、特定健康診査等実施計画
を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならな
い」とされていることから、市の広報紙やホームページ等を活用し、公表・周
知を図ります。
第5章 実施計画の評価及び見直し
平成29年度の目標値にまで確実に数値を上げていくためには定期的に計画
の評価を行い、その結果を次年度の事業へ反映させていくことが重要となりま
す。評価は、
「特定健診・特定保健指導」の成果について、有病者や予備群の数、
生活習慣病関連の医療費の推移等で評価されるものです。
① 特 定 健 診:受診率、年代別・地域別における状況
など
② 特定保健指導:対象者の生活習慣改善状況、肥満度・血液検査の結果
の変化、プログラム参加継続率(脱落率)
など
③ 実 施 体 制 等:職員の体制、予算、他機関等との連携体制
など
これらの評価及び見直しについては、国民健康保険事業運営に関しての重要
事項と判断されることから、進捗状況等を本市国民健康保険運営協議会におい
て報告をするとともに、状況に応じ特定健康診査等実施計画の見直しを行いま
す。
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第6章 その他
1 特定健診の実施にあたっては、山形市で実施する「各種がん検診」につい
ても、市民の利便性を考慮し同時に受診することができるようにします。
【検診内容】
が ん 検
診
① 胃がん検診(バリウム造影検査)
② 大腸がん検診(便潜血2日法)
③ 呼吸器<肺がん>検診(胸部 X 線検査ヷ痰検査)
④ 子宮がん検診(細胞診)
⑤ 乳がん検診(視触診とマンモグラフィ)
※③の痰検査は該当要件があります。④、⑤は該当年齢等があります。
2
20 歳 ~ 39 歳 の 方 で 、 会 社 等 で 健 診 を 受 け る 機 会 の な い 市 民 を
対象として実施している「すこやか健診」事業とタイアップし、若い世代か
らの健康づくりの重要性についての啓発を行うことにより、40 歳から対象と
なる特定健診の受診者の増加を目指します。
3
メタボリックシンドロームや生活習慣病の予防に関心のある市民を対象と
して実施している健康講座(食事や運動などに着目した事業)も活用しなが
ら、特定健診・特定保健指導の啓発を行うことにより受診者の増加や継続受
診者の確保を目指します。
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山 形 市 国 民 健 康 保 険
特定健康診査・特定保健指導実施計画書
(第二期:平成25年度~平成29年度)
平成25年3月
山形市市民生活部国民健康保険課
〒990-8540 山形市旅篭町2-3-25
電話 023-641-1212(代表)
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