地震に対する学生の防災

地震に対する学生の防災
~防災意識の現状と課題~
30616001 村越研究室
赤松 圭介
阪神大震災における学生の被害
20代前半の死者数が多い
図1
20代前半の人口が
兵庫県南部地震の年齢別死者数 (わが国の災害医療対策の新たな構築に向けての法医学的検討─阪神・
淡路大震災における死体検案結果を中心に、42(13)、30-36、1995.)
多いわけではない
表1 神戸市の人口比率 (平成二年神戸市統計局)
年齢
~4
~9
~14
~19
~24
~29
~34
~39
~44
~49
~54
~59
~64
~69
~74
75~
人口
(%)
5.0
5.8
6.5
8.2
7.6
6.6
6.1
7.0
8.7
7.6
6.6
6.5
5.5
4.0
2.9
4.6
学生の現状

備えの側面
知識の側面
犠牲者が多い原因 (目黒2006)
→耐震性の低い建物
 地震の備えの比較 (河田ほか2004)
地震の際役立つものの備蓄 一般人 46.6% 学生
25.4%
食料飲料の準備
一般人 18.6% 学生 13.3%

その他学生の現状 (西川ほか2007)
○興味関心はあるが知識意識が不足し、防災行動に結
びついていない。
○大学から配布されている防災資料に対する認知は低
地震に対して弱者
研究目的
• 学生 = 地震災害に弱い集団
• しかし、学生を対象に行われた調査は少なく、十分で
はない。
• 学生の防災の現状を調査
• 防災力向上に必要な要因を明らかにする
• 防災力=代表的な『地震の備え』をカテゴリー化し、
それを実施している項目数
カテゴリーの例
『家具の固定』『水、非常食の備蓄』
『最寄の避難所を知っている』 など
自由記述形式アンケート調査

目的
○静岡大学の学生の防災意識の現状を知る
○防災力向上に必要なことを明らかにする

対象
○静岡大学の学生78人 (回収率100%)

質問事項
①回答者属性
⑥揺れが収まった後とるべき
②地震の際、不安に思うこと
行動
⑦地震に備えるためにあれば
③地震が起きた際行うべき行動
④地震に備えてやっておくべきこと よいと思う情報
⑤地震に備えてやっておくべきことの実施
質問紙の例
項目ごとにエクセルにデータベース化
データベース化の例
学生A
学生B
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
統計解析ソフトSPSSを用い分析
調査結果1

知識はあるが、行動
に結びついていない
→防災力は低い
静大生の備えの現状
一人暮らしの静大生の地震の備え実施率と認知率
調査結果2 分散分析
・何が防災力に影響を与えているのか明らかにするた
め『防災力』を対象に分散分析を行った。
分散分析結果
これらの3つの項目で
5%水準の有意差
①性別 (女>男)
②住居形式(自宅生>下宿生)
③地震の備えに対する知識 (知識あり>知識なし)
知識は防災力向上の重要な要素の1つである
しかし、この結果は調査結果1に矛盾する
『防災に関する授業経験』『地震に対する不安』
は防災力に影響を与えていない
考察、結論、今後の予定




地震に対する備えの面で、学生は地震災害に対して
弱者である。
地震の備えを行うことに影響を与えている要素は知識
である。しかし知識という面だけでは学生の防災力の
弱さを説明できない。
現在大学で行っている防災教育は十分とはいえない
。今後どのように学生の防災力を向上させるか、考え
て実験、検証していきたい。
リスクコミュニケーションの考えを取り入れた配布物を
開発し、学生に配布し、その効果を検証する予定。
以上で発表を終わります。ありがとうございました。
研究目的
・ 学生 = 地震災害に弱い集団
・学生に対して行われた研究は少
く、いずれも具体案を導き検証する
までに至っていない。
そこで!!
・静大の学生の防災の現状を調査。
・必要な要因を明らかにする。
・具体的に実践。
・大学生の防災力を高めること
図1-1 兵庫県南部地震の年齢別死者数
(わが国の災害医療対策の新たな構築に向けての法医学的検討─阪神・
淡路大震災における死体検案結果を中心に、42(13)、30-36、1995.)
防災力 = 地震の備えを
実施している数
地震に備えて学生が求める情報