スライド 1 - 国立大学法人 東京農工大学

T. Sameshima, TUAT
Introduction
1.教科書 タイトル:理工学系の基礎教育 物理学
出版社:学術図書出版社
ISBN:4-87361-938-6
2.講義ノートはホームページからダウンロード
1)http://www.tuat.ac.jp/~sameken/
2)講義ノートのメニューバーをクリック
3)2011年 物理学及び演習 (1年次後期) のコーナー
の物理 (ppt)をクリック
Introduction
3.演習と宿題は学習支援室蓮見室長が協力する。
学習支援室ホームページからダウンロード
1) http://www.tuat.ac.jp/~gakusyu/
2)演習問題 及び 宿題 をクリック
Introduction
4.必修科目
5.成績評価: 絶対評価
S:100〜90,A:89〜80,B:79〜70,C:69〜60,
D:59〜0
S〜Cは単位認定される。E1クラスと同一評価、
宿題&演習50点 (特別加点10点)
中間試験+期末試験 50点
Introduction
6.物理授業用ノートを用意すること
解説しよう
ちから
F がある。これはベクトルである。
実はこうなっているとする:
F 0
じゃあ
のとき
F 0
F  F1  F2
F1, F2
はつりあっている。
ならピクリとも動かないのか?
実は違う。物体の運動は重心の運動と相対運動
に分けられることを勉強する。
解説しよう
相対運動って何?
例えば円運動である。
dp
力は運動量の時間微分 F 
と表す。
dt
だから力を時間積分すると運動量の変化になる。

t2
t1
Fdt  p(t2 )  p(t1 )
これを力積と呼んでいた。
解説しよう
そのうち、力はポテンシャルエネルギーのベクトル空間微分
で表される場合を勉強する。
F  gradU
少しも難しくないのだが、とても大切である。
積分してみると、

r2
r1
F  d r  U (r1 )  U (r2 )
空間r1-r2間のポテンシャルエネルギーの変化即ち仕事とな
る。皆さん馴染み深い。例えば重力ポテンシャルエネル
ギーmgxの力は下向きであり、 F  (mg,0,0)
である。
解説しよう
ポテンシャルエネルギーUはスカラーである。
でも、ちからはベクトルである。
簡単なようだが間違い易いので良く勉強しよう。
F  gradU のちからを保存力という。
空間積分できるという意味である。
保存力ではない力は沢山ある。
有名な粘性抵抗を学ぶ。これは保存力ではない。
F  Cv
とても面白いし重要である。実は電流電圧特性で有名な
オームの法則は粘性抵抗作用である。
摩擦もまた保存力ではない。
解説しよう
円運動を学ぶ。そして角運動量なるものを学ぶ。
とうとう外積(ベクトル積)が登場する。
L r p
時間微分すると、力のモーメントになる。
N  rF
力が、位置ベクトルと同じか反対向きなら、 N  0
だから力が回転中心の方向を向いているなら
角運動量は常に不変である。(角運動量保存則)
この法則からコリオリのちから2mvωが導かれる。
解説しよう
慣性モーメント I なるものが登場する。
回転されにくさの量である。結構面白い。
同じ重さ、同じ半径の円板とリングでは、円板の方が慣性
モーメントは小さい。よって回しやすい。どのくらい小さいか、
皆さんは直ぐに分かるようになる。
いろいろな言葉を学ぶ。
保存力・中心力・粘性抵抗・ポテンシャルエネルギー・角運
動量・力のモーメント・保存則・第一宇宙速度・第二宇宙速
度・慣性モーメント・剛体 等々。大したことないが言葉は理
解とコミニュケーションに重要である。しっかり勉強しよう。
解説しよう
単位は重要である。単位には歴史的意義がある。いろいろ
な表現に強くなろう。
例えばエネルギーの単位は?
J, Nm, eV, cal, FV2などなど沢山ある。全部使えるようにな
ろう。
数学の勉強:指数関数
指数関数を使って三角関数trigonometric functionを制覇しよう。
a b
ee
e 
a b
ab である。Multiplication rule
e
e
ab
である。Power rule
deax
 aeax である。ordinary differential equation
dx
a, b はどんな数でも成り立つ。
定義:
e  cos a  i sin a
ia
Euler's formula
aは実数
位置・速度・加速度
時間によって位置を変える質量mの物体がある。時刻
ゼロでは物体は原点にある。
位置ベクトルは:
r t   rx t  , ry t  , rz t 
Y
このとき、
rx  0  0
0 m
ry 0  0
rz  0  0
Z
X
位置・速度・加速度
位置の時間微分は速度である。
d
v t   r t 
dt
速度の時間微分は加速度である。
d
a t   v t 
dt
位置・速度・加速度
位置ベクトル
r t   rx t  , ry t  , rz t 
速度ベクトル




v t    rx t  , ry t  , rz t 
t
t
 t

加速度ベクトル
 2

2
2
a  t    2 rx t  , 2 ry t  , 2 rz t 
t
t
 t

演習
問 半径rの円周上を角速度ωで運動する質量mの
物体の座標ベクトルの成分を
r t    r cost, r sin t 
と書くとき、
物体の線速度ベクトルの成分を求めよ。
物体の加速度ベクトルの成分を求めよ。
物体の座標ベクトルの成分を
r t   re
it
と複素指数表示するとき、物体の線速度を求めよ。
物体の加速度を求めよ。
演習
問
r t    r cost, r sin t 
dr t 
v t  
  r sin t, r cost 
dt
dv t 
a t  
 r2 cos t, r2 sin t
dt

r t   re
it
dr t 
v t  
 ireit
dt
dv t 
a t  
 r2eit
dt

ベクトルとスカラー

1.ベクトルは成分表示される量 A  Ax , Ay , Az
2.ベクトルは加算的である。

A B  C
 A  B , A  B , A  B   C , C , C 
x
x
y
y
z
z
x
y
z
掛け算は2種類
1)内積(inner product, scalar product)
ベクトル・ベクトル=スカラー
A B  C
Ax Bx  Ay By  Az Bz  C
A  B  AB cos
A A  A
2
A B  B  A
ベクトルとスカラー
2)外積(outer product, vector product)
ベクトルxベクトル=ベクトル
A B  C
A B  A B ,A B
y
z
z
y
z
x
 Ax Bz , Ax By  Ay Bx   Cx , Cy , Cz 
A B  ABsin e
A A  0
いいこと
A  B  B  A
外積のXYZ成分はYZ→ZX→XYの順番に並べて
行けば簡単に求められる。
ベクトルとスカラー
問: +x方向に磁束密度Bで磁場が働いている。また、
荷電粒子が+y方向に速度vで運動している。
(1)磁束密度B,粒子の速度vをベクトル表示せよ。
(2)磁束密度Bの中を速度v で運動する荷電粒子には

 
F  qv  B
(1)
という力が働く。qは帯電粒子の電荷量である。この式
(1)を用いて、荷電子が受ける力の大きさと、その方向
を求めよ。
ベクトルとスカラー
問
(1) v   0, v,0
B   B,0,0
(2) F  qv  B  q 0,0, vB
∴粒子は-Z方向にvBの大きさの力を受ける。
このように、外積は 3次元ベクトルを考えた時に初め
てでてくる不思議な掛け算である。
位置・速度・加速度
問.位置ベクトル
r t   t, t 2 , t 
の軌跡をとる物体の速度と加速度ベクトルを求めよ。
物体の運動を説明せよ。上記、位置ベクトル、速度ベク
トル、加速度ベクトルの時刻ゼロでの、お互いのなす角
度を求めよ。
位置・速度・加速度
問. a t   0, 2,0 v t   1, 2t,1
cos 
2 t  t 3 
r t   t, t 2 , t 
2 1  t 2 
r t   v t 


2
2
r t  v t  t 2  t 2 1  2t 
2  t 2 2 1  2t 2 
v t   a t 
4t
2t
cos 


2
v t  a t 
2  4t 2
2 1  2t 2 
t=0のとき:位置ベクトルと速度ベクトルの角度はゼロ。
速度ベクトルと加速度ベクトルの角度は90度。
某大学平成23年度大学院入試物理問題抜粋
壁に掛けてあった気に入りの絵が
図1-1のように傾いていた.何かの
拍子に右肩を止めていたピンが外
れ,左肩のピンを支点にして回転
し傾いたのだろう.図1-1のように
絵が傾いて運動して止まるまでの
運動の過程を調べよう.簡単化の
ために絵は図1-2に示すように辺
の長さがaとbの長方形であり,質
量Mの一様な密度の剛体板とする.
この剛体板を図1-1と区別してPeintureと呼ぼう.最初辺O-Pの辺は水
平に静止していたとする.Pにあったピンがはずれ,鉛直下方に重力
加速度 gが働き点O回りにPeintureが回転して落下する.図1-2のよう
に重心を通る線OQと鉛直線の挟む角をθとする.時間微分係数の記
2
号は d , d  のように書くことにする.以下の問いに答えよ.
dt dt 2
某大学平成23年度大学院入試物理問題抜粋
[1] まず摩擦などの抵抗が無いとしよう.最初Peintureは静止してい
たから,運動エネルギーKはゼロであった.Peintureの重心は落下に
より低下し,その際位置エネルギーが運動エネルギー K に変わる.
コーナーの位置Qが最下点に達した時,Peintureが獲得するKをM, a,
b, gを用いて表せ.
[2] Peintureは最初静止していたからそのときの角運動量L もゼロで
dL
あった.一般に L は力のモーメント N が働くことにより dt  N の関係に
よって発生する.Peintureが図1-2に示す位置にあるときPeintureに
は重力によりNが働く.Nは負の値である.NをM, a, b, g, θを用いて
表せ.
某大学平成23年度大学院入試物理問題抜粋
[1]
[2]
Mg
K
2


a2  b2  b
a2  b2
N 
Mg sin
2
1-2 速度と加速度
位置の時間微分は速度である。
d
v t   r t 
dt
速度の時間微分は加速度である。
d
a t   v t 
dt
1-2 速度と加速度
位置ベクトル
r t   rx t  , ry t  , rz t 
速度ベクトル




v t    rx t  , ry t  , rz t 
t
t
 t

加速度ベクトル
 2

2
2
a  t    2 rx t  , 2 ry t  , 2 rz t 
t
t
 t

数学の勉強:指数関数
指数関数を使って三角関数trigonometric functionを制覇しよう。
a b
ee
e 
a b
ab である。Multiplication rule
e
e
ab
である。Power rule
deax
 aeax である。ordinary differential equation
dx
a, b はどんな数でも成り立つ。
定義:
e  cos a  i sin a
ia
Euler's formula
aは実数
数学の勉強:指数関数
eia  cos a  i sin a
定義:
aは実数
ちょっとしたお遊び
i

e 2  i imaginary unit である。
ならば、
i

i

i 2  e 2 e 2  ei  cos  i sin   1
問.それでは
i
1
2
はいくらか。

i
 i 2 

 1 i
4
i   e   e  cos  i sin 
4
4
2
 
数学の勉強:指数関数
(1) ei ei
i  
e
 cos      i sin    
 cos  i sin  cos   i sin  
  cos cos   sin sin    i  cos sin   sin cos  
これらの式を見比べて the sum formulas
cos      cos cos   sin  sin 
sin      cos sin   sin  cos 
i i
(2) e
e
 ei0  cos 0  i sin 0  1
 cos  i sin  cos  i sin 
 cos 2  sin  2
これらの式を見比べて
cos 2  sin 2  1
数学の勉強:指数関数

de
(3)
dx
i  x 
d
d

cos  x     i sin  x   
dx
dx
i x 
 i e
 i cos  x      sin  x   
d
cos  x      sin  x   
dx
d
sin  x      cos  x   
dx
と書く
上下を見比べれば
これらの式を見比べて
x
n
(4) e   an x
n
d x
e   an nxn1
dx
n
 e x   an xn
n
an n  an1
an1
an 
n
1
an 
n!
数学の勉強:指数関数
n
x
である。
定義を使って、
ex  
n n!
n
m m
n1 n
ix


i
x
i
x
ix
e 

 i
n!
n!
n
even m!
odd
 cos x  i sin x
i m xm
x2
x4
cos x  
 1


2! 4!
even m!
またもや見比べて
i n 1 x n
x 3 x5
sin x  
 x


n!
3! 5!
odd
僕らは三角関数をマスターした。
指数関数
問
cos4 を cos と
sin で表せ。
1-2 速度と加速度
i

e 2  i を考える。
再び

i は
角度回転したと考えることができる。
2

即ちx軸を
回転するとy軸になる。
2
だから、 re  r cos t  ir sin t
はx成分とy成分を表す複素数と考えることが出来る。
it
時刻tにおける角速度ωの等角速度円運動の位置に対して、速度
は
it
dre
v
 ireit
dt
と書くことができる。速度は位置に i をかけた形である。
だから、速度ベクトルは位置ベクトルより+90度角度が進んでいる。
1-2 速度と加速度
問.重さ3kgのカラスが毎秒10m/sで真北に水平に飛んでい
る。
1)カラスの速度ベクトルvを成分表示せよ。(東,北,上)
2)カラスの運動量ベクトルpを成分表示せよ。(東,北,上)
3)カラスの運動エネルギーを求めよ。
4)目標を見つけたカラスは、2秒間で30m降下した。
真北方向の速度は変わらないとき、降下中のカラスの平
均速度ベクトルvを成分表示せよ。(東,北,上)
5)目標地点は北方向に上る傾斜角30度の斜面だった。カラ
スが何とか静止しているとき、カラスにかかる力を全て答えよ。
そしてそれらを成分表示せよ。
1-2 速度と加速度
1)カラスの速度ベクトルv v  0,10,0
2)カラスの運動量ベクトルp p   0,30,0
3)カラスの運動エネルギーを求めよ。
1
p p 1
E  mv  v 
 0  30  30  0  150[ J ]
2
2m 6
4)降下中のカラスの平均速度ベクトルv v  0,10, 15
5)カラスにかかる力を全て答えよ。
・重力
G  0,0, mg  0,0, 29.4

・垂直抗力
・摩擦力
 



3
3
N   0, 
mg, mg    0, 12.7,22.1
4
4




3
1
F   0,
mg, mg    0,12.7,7.4 
4
4


1-3 運動の3法則
1.慣性の法則
2.運動の法則
F 0
dp
 0 the principle of inertia
dt
dp
F
dt
ma  F
Equation of motion
3.作用反作用の法則(運動量保存則)
Law of action and reaction
(Principle of Momentum Conservation)
問.上記3法則について皆さんの体験を述べよ。
1-3 運動の3法則
問.Impactのチェック:静止している質量mの物体に、時刻ゼ
ロで一定の力F0をT秒間加えた。
1)時刻Tのときの物体の速度vと移動距離rを求めよ。
2)もし v0  F0T が一定の関係にあるとき、rにたいする、
m
Tの寄与を調べよ。
p   F0dt F0T
T
0
p
v   v0
m
1
r  v0T
2
・Tが小さいとき物体の移動距離は小さい。
・Tが大きいとき物体の移動距離は大きい。
1-3 運動の3法則
質量Mの太陽の周りを等速円運動する、質量mの地球を考え
よう。
M=2.0x1030kg
地球の位置と運動量ベクトルを
Y m=5.9x1024kg
r   r cos t, r sin t 
r=1.5x1011m
p   mr sin t, mr cost 
と書こう。閉じた運動系において、
運動量の総和は絶対に不変である。
ー運動量保存の法則ー

m
r
O
θ
M
文句:しかし、 p   mr sin t, mr cos t 
は時間に対して変化するから保存していない。
太陽と地球の運動量を保存するためにはどのようにしたらよい
のか?
X
1-3 運動の3法則
M=2.0x1030kg
m=5.9x1024kg
Y
r=1.5x1011m
太陽の位置と運動量ベクトルを
R   R cos t  a  , R sin t  a 
P   MR sin t  a  , MR cos t  a 
と書こう。地球と太陽の重心が動かず
運動量の総和が不変であるためには、
P p0
この条件が常に満たされるには

m
r
O
a 
MR  mr
mr
mr
よって、


R  
cos t, 
sin t 
M
 M

P   mr sin t, mr cos t 
θ
M
X
1-3 運動の3法則
問:実は太陽も地球に付き合って位相差πで
回転していることがわかった。
M=2.0x1030kg
太陽の回転半径Rは何kmか。
Y m=5.9x1024kg
r=1.5x1011m
mr
R
 442500  442.5km
M

m
r
O
θ
M
X
1-3 運動の3法則
次に、物体mとMの運動エネルギーkinetic Y
energyを考えよう。
mr 22
mの運動エネルギー Em 
2
2 2
MR

Mの運動エネルギー E 
M
2
mrR2

2
二つの物体の運動エネルギーの和は、

O
θ
M
mr(r  R)2
mr
E

(r  R)2 2
2
2(r  R)

mM
(r  R)2 2
2(m  M )
m
r
X
1-3 運動の3法則
Y
面白いこと;
mM
K
(m  M )

のような質量Kを考えると
K r  R 
E
2
2
m
r
2
O
θ
M
となる。これは質量Kの物体の運動エネルギーの形をしてい
る。実際は2つの物質の運動だが、お互いに一体になって動
いている物体の運動エネルギーは一つの物体の運動エネル
ギーの形をしている。Kを換算質量reduced massと呼ぶ。
X
1-3 運動の3法則
太陽Mと地球mの場合、M>>mだから、
mr 22
K~m, r>>R であり、 E ~
2
Y

r
m
である。
O θ
即ち、重たい太陽の運動エネルギーは
X
M
全く小さい。
系全体の運動エネルギーは軽い物体の
運動エネルギーが支配している。
だから、重い物体の回りを回る軽い物体の運動を考えるとき、
軽い物体の運動だけを考えても重大な問題を生じないのであ
る。
しかし、軽い物体と重い物体の運動量の大きさは同じである。
1-3 運動の3法則
問:質量がともにmである物質1と物質2が
お互いに距離Rだけ離れて引力を及ぼしな
がら、角速度ωで回転している。物質1の座標が
r1   r cos t, r sin t 
のとき、
1)物質2の座標を求めよ。
2)2つの物質の運動エネルギーの総和を求めよ。
3)Rを求めよ。
4)換算質量Kを求めよ。

R
m
m
1-3 運動の3法則
問 :質量がともにmである物質1と物質2が
お互いに距離Rだけ離れて引力を及ぼしな
がら、角速度ωで回転している。物質1の座標が
r1   r cos t, r sin t 
のとき、
1)物質2の座標を求めよ。

R
m
r1   r cos t, r sin t 
2)2つの物質の運動エネルギーの総和を求めよ。
mr 22
3)Rを求めよ。
4)換算質量Kを求めよ。
R  2r
1
K m
2
m
1-3 運動の3法則
問 :実は外力なして自励運動している右図
のばね常数kのバネも相対運動である。
1)換算質量Kを求めよ。
2)角振動数ωを求めよ。
3)Mがmに比べて非常に大きくなったときの
角振動数ωはいくらか?
M
k
m
1-3 運動の3法則
問 :実は外力なして自励運動している右図
のばね常数kのバネも相対運動である。
1)換算質量Kを求めよ。
M
mM
K
mM
2)角振動数ωを求めよ。

k

K
m  M  k
mM
k
m
1-4 質点の放物運動 parabolic movement
Z方向のみに一定の加速度がある場合を考えよう。
時刻ゼロで質点は原点にある。時刻ゼロで、質点はX方向
にのみ速度v0を持つとしよう。
加速度は a t   0,0, a
速度は
位置は
だから、
v t   v0 ,0, at 
1 2

r t   v0t,0, at 
2 

1 2
x  v0t z  at
2
1-4 質点の放物運動 parabolic movement
2
1 2 1 x 1 a 2
z  at  a    2 x
2
2  v0  2 v0
これは放物線運動である。
・位置の大きさはどうなる?
2
1
1 a 
r  r  t   r t   v02t 2  a 2t 4  v0 t 1    t 2
4
4  v0 
位置は始めはtに比例して大きくなる。
そのうち、t2に比例して急激に大きくなる。
・位置の大きさの変化がt的からt2的に切り替わる時刻はいつ?
1-4 質点の放物運動 parabolic movement
・位置の大きさの変化がtからt2に切り替わる時刻はいつか?
2
1 a  2
t ~ 1だろう。


4  v0 
t0 ~
2v0
である。
a
物体はt0までは概ね等速度運動、t0を超えると等加速度運動と言える。
・XとZの角度はどうなる?
z 1 a
1 a
tan   
x
t
2
x 2 v0
2 v0
タンジェントは時間に比例して大きくなる。
タンジェントはX成分に比例して大きくなる。
そして遂に無限大になり、角度は90度になる。
1-4 質点の放物運動 parabolic movement
・タンジェントが1の時刻はいつか?
1 a
t 1
それは、
2 v0
2v0
t0 
a
物体の運動が等速度的運動から等加速度的運動に切り替わる
時刻である。
1-4 空気抵抗の中の物体の運動
空気の粘性抵抗下でt=0でz=0、z方向に速度-v0をもつ
質量mの物体の運動を考えよう。
粘性抵抗力は
運動の式は
v
F  Cv
v
maz  mg  Cvz
d 2z
dz
m 2  mg  C
dt
dt
を解こう
1-4 空気抵抗の中の物体の運動
dz
v
と置く。
dt
dv
m  mg  Cv
dt
mg
V v
と置く。
C
dV
m
 CV
dt
dV
C
割り算と掛け算をする。
  dt
V
m
積分をする。
整理する。
vは・・・・・・・・
C
lnV   t  a
m
V e
C
 t a
m
C
 t
m
v  Ae
 Ae
mg

C
C
 t
m
1-4 空気抵抗の中の物体の運動
mg
vはt=0で-v0だから、 v0  A 
C
よってvは
従ってzは
mg


v
 v0  e
 C

C
 t
m
mg

C
C
 t

m  mg
mg

m
z 
 v0  1  e  
t
C C

 C
1-4 空気抵抗の中の物体の運動
問:-v0=0のとき、落下のごく初期t<<小のとき、
v  gt
1 2
z   gt
2
と、近似できることを示せ。
-v0がゼロでない時どうなるか考えよ。
C

t
mg
mg


m
v
 v0  e 
C
 C

C

t

m  mg
mg

m
z 
 v0  1  e  
t
C C

 C
お話:オームの法則
電界強度中の電荷の運動以下の式で表される。
d 2 x m dx
m 2 
 eE
dt
t dt
ここでmは電荷の質量、tは運動のライフタイム、Eは電界強度である。
電荷の位置xが時間t=0でゼロ、速度ゼロのとき電界強度によって
生じる電荷の運動は上式を解くことによって与えられる。
問 上式は空気粘性抵抗下での物体の落下の式
d 2z
dz
m
について、
m 2  mg  C
mg eE
C
dt
dt
t
とした場合に相当する。時刻tでの電荷の速度を求めよ。
お話:オームの法則
速度は
t
 
dx et E 
t
v 
1  e 
dt
m 

単位面積当たりの電流は
i  env
だから電流値は、
t
 
e2nt E 
t
i  env 
1

e


m 

となる。ここで取り扱う時間tが電荷の運動のライフタイムτよりずっと
長い場合を考えよう。このとき、
であるから、電流と速度は、
e2nt E
i~
m
となり、時間に依存しない量となる。
お話:オームの法則
よって面積Sを通過する電流Iは I  S e nt E
m
であり、電界強度が一定なら、距離Lで電位降下はV=EL
2
となるから、
S e2nt
I
V
L m
電流は電圧に比例する。
これがオームの法則である。
e2nt
係数  
を物質の電気伝導率という。
m
1
m
係数 r   2 を物質の電気抵抗率という。
 e nt
抵抗は R  L r  L 2m
である。
S
S e nt
1-4 練習問題
問2
初速18 km/hで平らな凍結した路面に滑りこんだY君の乗った橇が
静止するまでに進む距離を求めよ。ただし、路面と橇との間の動摩
擦係数は0.05とする。
1-4 練習問題
問:本日の授業で空気抵抗中の物体の速度v と位置z は
次の式で書けることを学んだ。
 t
mg
mg


v
 v0  e m 
C
 C

C
C
 t

m  mg
mg

z 
 v0  1  e m  
t
C C

 C
この運動はC→0 のとき、通常の自由落下運動の速度、
位置と一致することを示せ。
1-4 練習問題
問:Z 方向に重力加速度を受けて落下運動する質量m
の物体が速さv で運動するとき、v及びv 2 に比例する抵
抗力F =-Cv +D v 2 を受けるとする。十分時間がたった
後、この物体の速度がどうなるか考えよ。
mg  Cv  Dv  0
2
C  C 2  4mgD
v
2D
1-4 練習問題
問1:角運動量ベクトル L t   r t   p t 
d L t 
を時間微分すると
 r t   F t 
dt
となる。図のようにX-Y平面において半径rで、
一定角速度ωで反時計回りに回転している
質量mの角運動量ベクトルを時間微分した
とき得られるベクトルの大きさはいくらか。
Y

m
θ
X
M
2.0x10-7
問2:図に示すように同じ質量mの物体を両端につけたばねが外
力を受けずに振動を続けているとき、ばねの振動の角振動数を
書け。
m
k
m
1-4 練習問題
問1 d L  t 
dt
Y
 r t   F t 
 r  t   ma  t 

m
 r  t   m r  t 
2
0
θ
X
M
2.0x10-7
問2
k
k
2k



m
K
m
2
m
k
m
1-4 演習問題
問4
Z 方向に運動する質量m の物体が速さv で運動するとき、v 2 に比
例する抵抗力F = -D v 2 を受けるとする。十分時間がたった後、こ
の物体の速度がどうなるか考えよ。
1-5 単振動と円運動
再び。X-Y平面において半径rを一定角速度ωで回転している質量
mの物体を考えよう。
位置ベクトルは
Y
r   r cos t, r sin t 

であるから、
運動量ベクトルは
m
p   mr sin t, mr cost 
力ベクトルは
F   mr2 cos t, mr2 sin t 
運動エネルギーは
1
mr 22
E
p p 
2m
2
θ
X
1-5 等角速度円運動
2
2
F


mr

cos

t
,

mr

sin t 

・物体には
の中心向きの力が常に働いている。大きさは
F  mr2
である。
・力によって運動の向きは刻々と変わる。
よって運動量は時間によって変化する。
p   mr sin t, mr cost 
・しかし物体の速さの大きさは変わらない。
運動量の大きさも変わらない。
v  r
p  mr
2
mr
・よって運動エネルギーは時間一定である。
2
2
1-5 等角速度円運動
これらはベクトルは時間変化するが、その絶対値は一定である
性質を持っている。
では、ベクトルそのものが時間不変であるベクトルはあるか?
L t   r t   mv t 
という外積ベクトルを考えよう。
このベクトルの成分はなんと、
L t   r t   p t   0,0, mr 2 
となる。大きさは L  mr 2 である。
Lベクトルを角運動量という。これは常に時間一定ベクトル。
不思議ではないか
1-5 等角速度円運動
円運動のX成分だけ取り出してみよう。
x  r cost
Y
px  mr sin t

Fx  mr2 cos t
m
θ
Fx  m x
2
Fx  kx
X
k  m2
即ち等角速度円運動のひとつの成分は、単振動の運動をする。
周期は
2
m
T
 2

k
角振動数は  
k
m
1-5 単振動
運動方程式は、
d 2x
m 2  kx
dt
で、このような形の方程式の解は
k
x  a cos(t   ),  
m
の形になる。このような形の一つの角振動数の三角関数で表される
ような運動を、単振動(調和振動)という。
例えば、右図のような、ばね定数k、質量m
m
のおもりがついたばねの運動は単振動周期
k
運動である。
単振動は、半径aの円周上を定角速度ωで回転する点の正射影と
同じ運動である。
1-5 単振動
F君の文句:ばねの自励運動は典型的な相対運動だ、と先生は解
説された。下図の場合、重心はばねの真ん中にあり、それは物体m
の二分の一の変位で動いているのではないですか?重心が動くな
らこれは純粋相対運動ではないと思う。
m
k
Y君の答え:大変良い指摘です。しかし、
ばねをとめている壁は大変重い。しかし運動量を保存するため
に物体mの運動とは逆位相で少しは動いていると考えるのが自然
だろう。重心は壁に限りなく近く、そしてそこは不動である。よってこ
のばねは純粋相対運動である。では質問、上図の場合の換算質量
を求めよ。
1-5 バネの難問
2つの質量mの物体がそれぞれバネ常数kに繋がれて振動して
いる。さらに物体同士が新たなバネで繋がれている場合の運動
を調べよう。
2
1
k
m
k*
m
k
Na君の予言:・1と2が同位相で動く時角振動数はAである。
・1と2が逆位相で動く時角振動数はBである。
・よって1と2はAとBの角振動数の合成振動
になる。
No君、AとBを理由を付けて予想せよ。
1-5 バネの難問
物体1と2の運動の式はそれぞれの変位をx1,x2とすると、
x1
x2
d 2x
m
1
2
 kx1  k *  x1  x2 
dx
d 2 x2
m 2  kx2  k *  x1  x2 
dx
2
1
k
m
k*
m
となる。上式は X= x1+x2, Y= x1-x2 とおいて解くように教
わった。
d2X
m 2  kX
dx
d 2Y
m 2    k  2k * Y
dx
k
1-5 バネの難問
X及びYは振動数、
k

m
*
と   k  2k
m
で振動する単振動である。
k
X  X 0 cos
t
m
とおけば、
k  2k *
Y  Y0 cos
t
m
X  Y X0
k Y0
k  2k *
x1 

cos
t  cos
t
2
2
m 2
m
X  Y X0
k Y0
k  2k *
x2 

cos
t  cos
t
2
2
m 2
m
ふたつのバネを新たなバネでつなぐことにより、2つの異なる振
動が生じた。不思議!
1-5 バネの簡単な問題
問 変位に比例する力が働く質量mの物体の運動方程式を
d2x
m 2  kx
dt
(1)
と書く。
  k/m
とする時、
(a)(ⅰ)
x  A cos t   
(ⅱ)
x  A sin t   
(ⅲ)
x  B sin t  B cos t
は、いずれも式(1)の解である事を示せ。但し、A,B,δ、εは任意
定数である。
1-5 バネの簡単な問題
問 変位に比例する引力が働くとき、質量mの物体の運動方程
式は
d2x
m 2  kx (1)
dt
で表される。
  k/m
とする時、
(b)次の初期条件が与えられた時の解を
x  A cos t   
の形に書いてみよ。
(ⅰ)t=0でx=a,v=0
(ⅱ)t=0でx=0,v=v0
(ⅲ)t=0でx=a,v=v0ただし、a,v0>0
1-5 バネの簡単な問題
問 変位に比例する力を受けて運動する質量mの質点の運動方程
式
(a)
d2x
m 2  kx
dt
  k/m
(1)
とする時
がある。ただしk>0とする。
x  Aeit  Beit
が(1)の解である事を示せ。但しA,Bは任意定数である。
(b)問(a)の解で初期条件がt=0でx=0,v=v0である時の解を求め
よ。
(c)質点に更に一定の力Fが加わった時の運動方程式は
d2x
m 2  kx  F
dt
である。この方程式の一般解を求めよ。
(d)問(c)の解で初期条件がt=0でx=0,v=v0である場合の解を求めよ。
1-5 バネの簡単な問題
問 角振動数 ω0 (固有振動数という)で単振動するば
ねに外力を加える。外力は A1, A2, ω1, ω2 を任意の
定数として
F = A1sinω1t + A2sinω2t
の形に書けるという。ω1 または ω2 がω0 に近いとき、
どのようなことが起こるか?
1-5 円運動と単振動
地球の重力により、図の矢印の方向に
運動する2つのシャトルを考えよう 。
シャトルAは北極から南極に貫くトンネ
ルを通る。シャトルBは地表すれすれを
一定速度で周回する。地球は真球であ
り、半径R、密度は均質な質量Mである。
シャトルは質量mであり、十分小さい。
トンネルも十分小さい。地球中心を原
点Oにとる。トンネルを貫く軸をY軸にと
り、図のようなX-Y平面をシャトルは運
動する。Z軸は紙面鉛直上向きが正で
ある。空気の抵抗は考えないとする。
地球は自転していないとする。
時間ゼロでシャトルは北極点におり、
右回りとする。
m
地球
北極点
Y
(0,R,0)
B(x,y,0)
A
θ
O
X
1-5 円運動と単振動
地球とシャトルの間に働く力は、 F  G mM  m GM
2
2
GM
F  mg だから、 g  2
R
R
R
である。
M= 5.974x1024 kg R= 6.37x106 m
計算すると g =9.81 m/s2 である。
重力加速度は地表いたるところで一定であり、地球の中心方向を
向いているから、X-Y平面上では a   g cos , g sin ,0
の形をしている。
GM
2
加速度の大きさ a  R  g  2
R
角速度は
周期は
GM
ケプラーの第三法則

3
R
R3
R
R
T  2
 2 R
 2
GM
GM
g =5060 s !
1-5 円運動と単振動
2 R
GM

 gR =7.9x103 m/s !
速度の大きさは v  R 
T
R
運動量の大きさは P  mv  mR  m gR
運動エネルギーは
P2 mGM mgR
E


2m
2R
2
もしシャトルの重さが10トンだとすると、 E=3.1x1010 J !
最後にシャトルの位置は、時刻ゼロで北極点、右回りだから

 
  
r t    R cos    t  , R sin    t  ,0 
2 
2  

1-5 円運動と単振動
地球トンネルを動くシャトルの場合を考えよう。
(0,y,0)にいるシャトルに働くY方向の力は、(x,y,0)にいる周回シャ
トルが受ける力のy成分に等しい。
d2 y


2
Fy  may  m 2  m R sin   t   m2 R cos t
dt
2

 m 2 y
だから、運動の式は
加速度は
Fy  m 2 y
d2 y
a  2  2 y
dt
となる。これはバネの問題と同じである。
1-5 円運動と単振動
式を解くまでもなく答えは求められて、
シャトルの位置は(y軸上) y  R sin    t   R cos t


2

dy
3
v
t



R

sin

t


gR
sin

t


7.9

10
sin t
速度は  
dt
運動量は P t   mv  m gR sin t
運動エネルギーは
周期は
2
mgR 2
E
sin t
2
R
T
 2
 5060s!

g
1-5 円運動と単振動
地球トンネルを動くシャトルの運動のまとめ
1.北極にいるときの
速度はゼロ、加速度の大きさは  2 R  g
2.地球の中心で速度最大=7.9x103m/s,これは周回シャトルの
速度と同じ。加速度はゼロ。
3.運動エネルギーは北極でゼロ、地球中心で最大 mgR
2
これは周回シャトルの運動エネルギーと同じ。
4.北極から南極まで行って帰ってくるのに5060秒かかる。
これは周回シャトルの1周期と同じ。
5.運動は往復周期振動運動。バネの運動と同じ。
1-5 円運動と単振動
GM
万有引力を見直してみよう。 F  m
R2
4
3
M


R
地球の密度をρとすれば、
3
4
G

だから
F m
R
3
4G
地表での重力加速度は
ag
R
3
地球トンネルのシャトルが感じる加速度の大きさは、
4G
a  y 
y
3
2
このことは、地球の中心から距離yにあるシャトルが受ける重力的
力は地球と同じ密度を持つ半径yの球状物体から受ける力と同じ
であることを示している。
1-5 円運動と単振動
重力の大きさ
問: 前ページの議論を参考にして、あなたが地球から受ける重
力の大きさを中心からの距離の関数として下のグラフに描け。
0
R
(半径)
距離
1-6仕事とエネルギーとポテンシャルの問題
質量mの静止していた物体が力Fを受けてΔt秒間にΔrだけ
移動したとしよう。
物体が受ける仕事はW=FΔrである。
Δt秒間にΔrだけ移動したのだから
r
その間の平均速度は vav  である。
t
しかし最初はv=0であった。ということは、
r
Δt秒後は v final  2 になる。
t
Δr
Δt
1-6仕事とエネルギーとポテンシャルの問題
仕事mechanical workは、
W  Fr  Fvavt  Fv final
t
2
Δr
Δt
と書くことができる。
力積(impact)はFΔtであり、これは運動量の変化量である。
静止していた物体は、力を及ぼされたことにより運動量を獲
得する。
mv final  Ft
仕事によって物体は力学的運動エネルギーを獲得する。
K  W  Fv final
t 1 2
 mv final t 
2 2
1-6仕事とエネルギーとポテンシャルの問題
位置r1からrnまでに物体に与えた(損した)総仕事量を
求めたい。力の向きを考慮して
n

W   F j  r j1  r j
j 1

もし、仕事が始めと終わりの点のみで決まり、途中の経
路によらないとする。このとき力と仕事の関係を
U  r    F (r)  dr
r
r1
と書くことができる。微分形式で書くと
 U U U 
F (r )  gradU  r    
,
,

y
z 
 x
Uを位置のエネルギー、ポテンシャルエネルギーという。
1-6仕事とエネルギーとポテンシャルの問題
与えた仕事により物体は運動エネルギーを獲得するので、
ポテンシャルエネルギーの変化量+運動エネルギーの
変化量=0となる。
即ち、位置ポテンシャルエネルギーと運動エネルギーの
和はいつも一定である。
F(r)  gradU  r 
力が
のような位置の関数で表
されるとき、この力を保存力 Conservative force という。
このとき、
位置ポテンシャルエネルギーと運動エネルギーの和はい
つも一定である。
1-6仕事とエネルギーとポテンシャルの問題
もし、物体が保存力の力によりある地点から移動して、再
び元に戻ったとする。このときポテンシャルエネルギーは
出発時点ともとに戻った時点では変わらない。よって運動
エネルギーも元に戻る。仕事ゼロ。エネルギーはもちろん
保存する。
1-6仕事とエネルギーとポテンシャルの問題
問: 以下の力は保存力か?
1)
保存力
Fx  kx
Fy  ky
kx
ky
Fx  2 2 2
Fy  2 2 2
2)
保存力
x  y c
x  y c
3)
Fx  4kx  3ky
Fy  2kx
保存力ではない
1-6仕事とエネルギーとポテンシャルの問題
問 スカラー関数Aは  gradA  0 が常に成り立つこと
を示せ。
 A A A 
gradA(r)   , , 
 x y z 


 gradA x   gradAz   gradA y
y
z
 
 

A
A0
y z
z y
1-6仕事とエネルギーとポテンシャルの問題
1)
もし
Fx  kx
Fy  ky
は保存力か?
 U U U 
F   gradU (r )   
,
,
ならば、

y
z 
 x
Fy Fx
Fx
2U Fy



0
y
yx x
x y
Fy
2U Fz


z
zy y
Fz Fx

0
y z
Fz
2U Fx


x
xz z
Fx Fz

0
z x
 F  0
kx
ky
0
y
x
ならば、Fは保存力である。
保存力&一回りで仕事ゼロ
1-6仕事とエネルギーとポテンシャルの問題
2)
kx
Fx  2 2 2
x  y c
ky
Fy  2 2 2
x  y c
Fx 
kx
2kxy


2
2
2
y y x  y  c  x2  y 2  c2 2
Fy 
ky
2kxy


2
2
2
x y x  y  c  x2  y2  c2 2
保存力&仕事ゼロ
1-6仕事とエネルギーとポテンシャルの問題
Fx  4kx  3ky
3)
Fy  2kx
Fx 
  4kx  3ky   3k C(0,b)
y y
B(a,b)
Fy 
 2kx  2k
x x
O
A(a,0)
保存力ではない。一周した場合
仕事あり。
もし、 Fx  4kx  2ky なら保存力だった。だから、余るのは
kyである。OA,BCについて力kyの仕事が、一周したときの仕事。

A
O
Fx dx   kydx  0
仕事は-kba
A
O

C
B
Fx dx   kydx  kba
C
B
簡単な問題
重力がなく、空気抵抗もない空間で、図のように
バネにつながれた質量mの物体を、自然長を
原点として、原点からx0だけ引き伸ばし、時刻
k
ゼロで手を離した。
1)時刻tでの物体の位置x(t)を求めよ。
m
x
2)物体に働く力、F(t)を求めよ。
3) 力のF(t)のポテンシャルエネルギーを求めよ。
4) x0から0まで移動する時に物体がもらう仕事を求めよ。
5) 0から-x0まで移動する時に物体がもらう仕事を求めよ。
6) -x0から0まで移動する時に物体がもらう仕事を求めよ。
7) 0からx0まで移動する時に物体がもらう仕事を求めよ。
簡単な問題
1) x  x0 cos
k
t
m
2) F t   kx  kx0 cos
3) F   gradU
U
k
t
m
1 2
kx
2
k 2
4) W  x0 F  dx  x0
2
0
 x0
5) W  0
k 2
F  dx   x0
2
6) W   0 F  dx  k x02
x
2
x0
k 2
W   F  dx   x0
0
2
0
7)
k
m
x
簡単な問題
以下の力は保存力か?
1.
F   kx,0
保存力
2.
F   kx, kx 
保存力ではない
3.
Mm
万有引力 F  G 3 r 保存力
r
4.
粘性抵抗力
保存力ではない
簡単な問題
力 F  ( x, y) は保存力であり、力の
方向を右図の上に書くと放射状の矢印
になる。以下の力は保存力か否か、を
答え、力の方向を右図にならって描け。
1) F  ( y, x)
2) F   x, x 
Y
O
X
簡単な問題
Y
力 F  ( x, y) は保存力であり、力の
方向を右図の上に書くと放射状の矢印
になる。以下の力は保存力か否か、を
答え、力の方向を右図にならって描け。
1) F  ( y, x)
2)
Y
O
O
X
F   x, x
Y
X
O
X
簡単な問題
問:平面内で運動する質点に働く力 f の直角座
標成分がfx=axy, fy=ax2/2(aは定数)と書けたとす
る。fが保存力であるかどうか調べよ。もし保存力な
らポテンシャルエネルギーを求めよ。
問:平面内で運動する質点に働く力 f の直角座
標成分が fx=axy, fy=by2 (a,bは定数)と書けたと
する。fが保存力であるかどうか調べよ。
X軸上の点A(r,0)からy軸上の点C(0,r)まで、半径r
の円周に沿って動く場合と、弦ACに沿って動く場合
のfのする仕事を求めよ
簡単な問題
問:平面内で運動する質点に働く力 f の直角座標成分が
fx=axy, fy=ax2/2(aは定数)と書けたとする。fが保存力であ
るかどうか調べよ。もし保存力ならポテンシャルエネルギー
を求めよ。
1 2
U   ax y  C
2
問:X軸上の点A(r,0)からy軸上の点C(0,r)まで、半径rの円
周に沿って動く場合と、弦ACに沿って動く場合のfのする仕
事を求めよ。
円周:
弦:
1
W    f xdx  f y dy   b  a  r3
3
1
a 3
W  b  r
3
2
F君の疑問
F君:保存力がよくわからんのですが
先生:君の頭では当然だろう。
F君:それじゃ困るじゃないですか・・
先生:その通り。
F君:たとえば、以下のような2次元の力を考えます。
F   kx, kx 
先生の解説によるとこれは保存力ではありません。
先生:その通り。
F君:しかし、x成分はばねの力です。ばねの力は保存力だった
んじゃないですか?
先生:その通り。
F君:例えば、x0→0 →-x 0 → 0 → x 0 の経路を考えた時、Fの
する仕事の合計はゼロじゃないですか?だったらFは保存力じゃ
ないのかな?
F君の疑問
先生:あらゆる経路を考えたとき仕事の合計がゼロにならなけれ
ばならないのです。一つでも例外があればダメ。
F君:つまり部分点なし?
先生:無し!
(0,0) → (x1,0) → (x1,y1) → (0,y1) → 0
の経路でのFのする合計の仕事を求めてみよう。
F君:それは簡単です。
1 2
1 2 

W  k  x1  x1問
y1 題 x1  0  kx1 y1
2
2

F君:やや!なんと合計はゼロにならないじゃないですか?
おかしいな?
先生:少しもおかしくないぞ、次の問題を考えてみよう。
F君の憂鬱
y
ジェット気流が図の矢印方向に
B(0,q)
吹き、A点(p,q)にいる飛行機は水平
右方向の力を受ける。ジェット気流は
上空程強く力は高さに比例するとする。
A
F jet  (ay,0)
もちろん重力の力も下向きに飛行機
に働く。
O
F gr  (0, mg)
(1)これらの力の合計の力は保存力かどうかを、A→B→OとA→O
との経路で飛行機がもらう仕事を求めて考察せよ
(2)飛行機がO点に到達するのにもっとも消費エネルギー少なく到
達する経路はどのような経路か?
x
F君の憂鬱
A→B→Oでもらう仕事:
WABO   aydx    mg dy  aqp  mgq
0
0
p
q
A→Oでもらう仕事:
0
q
WAO   F dr   aydx   mg  dy   a xdx   mg  dy
A
q
q
q
q
p
aqp

 mgq
2
O
0
0
0
F君の憂鬱
F君:なるほど、ジェット気流の仕事は経路によって違いますね。
これに対して重力は同じ・・・・わかったかも!
重力は保存力、ジェット気流力は非保存力、合計の力は非保存力
ということですか?
先生:その通り。
F君:保存力は一回りして元に戻っても損得なし、
非保存力は損か得かあり、ということですか?
先生:その通り。
F君:それじゃ私が解説してあげましょう!
先の問題 F   kx, kx  は、 F   kx,0 が保存力、
F  0, kx
先生:その通り。
が非保存力ですね。合計は非保存力。
F君の憂鬱
F君:非保存力がぱっとわかる方法はないんでしょうか?
先生:ここいらが、F君の限界か?
F君:・・・・・・・・・・
先生:
 F  0
F君:・・・・数式は苦手・・・・・
先生:文句言うな。
F君:そこをなんとか、タダでもう少し教えてください、お願いします。
先生:力ベクトルFが、 F  gradU の形をしているとき、必ず
 F  0 なんです。
F君:ふ~んそんなもんか?
先生:ふ~んじゃない、既に勉強したことです。
F君:じゃあ、ばねの力はどうやればできるんですか?
先生:既に勉強したことです。
U
1 2
kx  C
2
F  gradU   kx,0,0
F君の憂鬱
F君:じゃあ、これはどうかな?
1 2 1 2
U  kx  ky
2
2
先生:
F  gradU   kx, ky,0
F君:2次元バネですね。
先生:そうだね、しかし、決して F   kx, kx,0 にはならない。
F君:なるほど、なんか名案ないかな?
U
1
kxy で勝負!
2
先生:名案だが、残念でした。 F  gradU   ky, kx,0
F君:惜しい・・
先生:ちょっとも惜しくない。
F君:
F   kx,0,0 F   kx, ky,0 F   ky, kx,0
は保存力で、
F   kx, kx,0
は保存力ではない・・・・・不思議・・・・
F君の憂鬱
F君:納得いかないので、
F   ky, kx,0
について、(0,0) → (x1,0) → (x1,y1) → (0,y1) → 0
の経路でのFのする合計の仕事を求めさせて下さい。
先生:どうそどうぞ、
F君:
W  k 0  x1問
y1 題x1 y1  0  0
なるほど、2経路目と3経路目が打ち消し合うんですね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
先生、大発見しました!
F君の憂鬱
F君:
U  ax  by  cz
F   a, b, c
です。
すなわち、場所によらず一定の力は必ず保存力です!
先生:なるほど。
F   mg,0,0
F君:たとえば、重力は
これは自信をもって保存力です。
先生:F君にしてはよくできました。
ではいじわる問題。
「垂直抗力により生じる摩擦力は保存力か?」
F君:私に任せなさい、
垂直抗力により生じる摩擦力は Nμ です。一定です。
よって保存力です。
でも摩擦でエネルギーは必ず失われるな?おかしいな?
どうも引っかかったようです。
2-1惑星と人工衛星
万有引力
ケプラーの第一法則:楕円軌道
ケプラーの第二法則:面積速度一定
(角運動量一定)
ケプラーの第三法則:周期の2乗と軌道長軸半径の3
乗の比は一定
2-1惑星と人工衛星
F  a  r  r
このような力を中心力という。
万有引力は中心力である。
そして保存力である。
ポテンシャルエネルギーは
Mm
F  G 3 r
r
Mm
U  G
r
Fを満たす運動の軌道を調べよう。
2
d r
Mm
F  m 2  G 3 r
dt
r
2-1惑星と人工衛星
r   r cos , r sin ,0
とおく。

dr
 r cos  r sin  , r sin   r cos ,0
dt
d2r

2
dt






,  r  r  sin  2r  r  cos ,0
r  r 2 cos  2r  r sin  ,
2
中心力だから、
2r  r  0
であり、
2rr  r2  0
2-1惑星と人工衛星
よって、
r   rr  C
2
これを角運動量保存則という
中心力の場合、常に角運動量は一定であり保存する。
角運動量ベクトルは
問:
L r p
r   r cos , r sin ,0
である。
のとき、
運動量ベクトル成分を求めよ。
角運動量ベクトル成分を求めよ。
rr  C のとき、角運動量が保存することを確かめよ。
2-1惑星と人工衛星


問: r  r cos , r sin ,0
運動量ベクトル成分
 
のとき、
 
 
p  m r cos  r sin  , m r sin   r cos ,0
角運動量ベクトル成分

L  r  p  0,0, mrr
もし、
rr  C
なら

L  0,0, mC  0,0, L
2-1惑星と人工衛星
再び、
 



d2r
2
2
m 2  m r  r cos , m r  r sin  ,0
dt
d2r
Mm
F  m 2  G 3 r
dt
r
だから、大きさを比較して
GMm
mr  mr  
2
r
mr2  L を使うと、
2
L2
M
r  2 3 G 2
mr
r

2-1惑星と人工衛星
よって、中心力
d2r
Mm
F  m 2  G 3 r
dt
r
mr2  L
rの運動について
角運動量一定が得られ、
L2
M
r  2 3 G 2
mr
r
が得られる。
この式は難問です・・・・・・
から、
2-1惑星と人工衛星ー宿題
問
D
 1   cos
r
は
L2
M
r  2 3  G 2 を満たす関数である。
mr
r
DをL,m,M,Gで表せ。
L2
D 2
m GM
D
問 以下の条件での
 1   cos
r
ε=0のとき
ε <1のとき
ε >1のとき
rの軌道の絵をかけ。
2-1惑星と人工衛星
D
 1   cos
r
L2
D 2
m GM
は
L2
M
r  2 3  G 2 を満たす。
mr
r
ε=0のとき円軌道
L2
D 2
m GM
ε <1のとき楕円軌道
ε >1のとき双曲線軌道
軌道の形は運動エネルギー(速度)によって決まる。
2-1惑星と人工衛星
XY平面上で
1
 1  2 cos の絵を描け。
r
10
8
6
4
2
0
-2 0
-10 -8 -6 -4 -2
-4
-6
-8
-10
系列2
系列1
2
4
6
8 10
2-1惑星と人工衛星
運動エネルギーを考えよう。
D
 1   cos
r
r
D 2   sin
r
L2
D 2
m GM
mr   L
2
L
Dr   sin
m

dr
v
 r cos  r sin  , r sin   r cos ,0
dt
2
2
L
L
v2  v  v  r 2  r 2 2   2 sin2  2 2  2 2
Dm
rm

2
2
2

1
1
1
L

sin
 1
2
2
2 2
mv  m r  r  
 2

2
2
2
2 m
D
r 


2-1惑星と人工衛星
2
2
2

1
1
1
L

sin
 1
2
2
2 2
K  mv  m r  r  
 2

2
2
2
2 m
D
r 
  2 sin2 
1
1
 DmMG 
 2
2
2
D
r 



ε=0のとき運動エネルギー最少
ε が大きくなると運動エネルギー大きくなる。
2-1惑星と人工衛星
Kとε の関係をもっと調べよう
2
2
2

1
1
1
L

sin
 1
2
2
2 2
K  mv  m r  r  
 2

2
2
2
2 m
D
r 
  2 sin2 
1
1
D
 DmMG 
 2
2
 1   cos
2
D
r


r
  2 sin2 
1
1   cos 
 mMG 


2
r
 r 1   cos 



mMG 1 1  2 cos   2

r
2
1   cos
mMG 1
2

1


  1    cos 

r
2
2-1惑星と人工衛星
mMG 1
2
K
1


  1    cos 

r
2
ε=0のとき運動エネルギー最少
もともとポテンシャルエネルギーは
だから、
Mm
U  G
r
1 Mm
K U   G
2
r
ε が大きくなると運動エネルギー大きくなる。
K U  0
になる条件は
mM
K G
r
2-1惑星と人工衛星
1   2   1    cos  2
になるチャンスは、
  のとき。
1
楕円、円運動ではK+U<0であり、無限遠方には行くことができない。
  1のときはじめて、重力ポテンシャルに打ち勝って無限の彼方
に行くことができる。その時の運動エネルギーは、
mM
K G
r
mM
K G
 mgR
地球上では、
R
1
v  2 gR
K

mv 2から、
速度は
2
2-1惑星と人工衛星
v
2 gR
既に出た、
を第二宇宙速度という。
v
gR を第一宇宙速度という。
問:第一宇宙速度と第二宇宙速度の意味を考えよ。
問:双曲線軌道をとり地球に近づいた小惑星は、地球をの近く
を通り過ぎた後、再び地球に近づくのはいつか?
2-1惑星と人工衛星
地球を周回する人工衛星問題を纏めよう。
シャトルに地球が及ぼす力は、
Mm
F  ma  G 2
である。
r
Mm
r~Rなら、 F  ma ~ G 2
R
加速度の大きさ
角速度は
線速度は
周期は
m
r
R
地球M
GM
a  R  g  2
R
GM
第一宇宙速度

7.9 km/s
R3
GM
GM
v  r ~ R

 gR
3
R
R
2
R3
R
R
T  2
 2 R
 2
GM
GM
g
=5060 s !
2-1惑星と人工衛星
一般の場合:
力は、
Mm
F  ma  G 2
r
2
GM
R
加速度の大きさ a  r2  2  g 2
r
r
角速度は
線速度は
周期は
m
r
R
地球M
GM
gR


3
r
r r
GM
g
v  r 

R
r
r
2
r3
2 r r
T
 2


GM
R g
ケプラーの第3法則
2-1惑星と人工衛星
再び地上すれすれの人工衛星の場合 r~R
速度:
r
v  gR
1 2 mgR
mM
運動エネルギー: E  mv 
G
2
2
2R
ポテンシャルエネルギー
m
R
地球M
Mm
Mm
U   G 2 dr  G

r
R
R
Mm
Mm
Mm
E U  G
G
 G
2R
R
2R
2-1惑星と人工衛星
m
エネルギーの考え方:
U=0: 地球の重力の及ばない無限遠方
r
R
地球M
K+U<0
地球の重力に捕まっている運動。
無限遠方には決して行けない。
K+U=0
地球の重力ポテンシャルエネルギーに
丁度打ち勝つ運動エネルギーを持つ運動。
無限遠方で運動エネルギーゼロ。
K+U>0
地球の重力ポテンシャルエネルギーに
遥かに打ち勝つ運動エネルギーを持つ運動。
無限遠方で運動エネルギー正。
2-1惑星と人工衛星
v  gR
の場合はどうか?
K+U<0
m
Mm
E  U  G
2R
地球の重力に捕まっている運動。
無限遠方には決して行けない。
r
R
地球M
である。
第二宇宙速度
v  2gR
K U  0
の場合はどうか?
K+U=0
である。
地球の重力ポテンシャルエネルギーに
丁度打ち勝つ運動エネルギーを持つ運動。
無限遠方で運動エネルギーゼロ。
2-1惑星と人工衛星
再び一般の場合:
m
r
周期は:
2
r3
2 r r
T
 2


GM
R g
R
地球M
地球の自転周期をT0とする。
2 r r
T0 
R g
T=T0の場合のrは?
1/ 3
 T0 R g 
r  
2 

4



2
2
は静止衛星の地球の中心からの距離。
中間テスト
1.日時:
12月22日(木) 4,5限
試験時間:90分程度
2.場所:
1321番教室
3.試験範囲:
教科書1部、2部、12月1日までの授業、12月15日
までの演習・宿題内容、及び補講内容。
4.注意:
・集合時刻厳守のこと
・途中退出は認めない
・全員受験必須
・資料持込不可
2-2加速度系での運動
L t   mr t   v t 
 r t   mv t   r t   p t 
という外積ベクトルが角運動量ベクトル。
X-Y平面を半径r角速度ωで等速度円運動している質量
mの物体の角運動量は
L t   mr t   v t    0,0, mr 2 
角運動量の大きさは、質量に比例する。角速度に比例する。
半径の2乗に比例する。半径が大きいほうが運動量大きい。
2-2加速度系での運動
d L t  を力のモーメントという。
N
さらに
dt
d L t  d
N

r t   p t 
dt
dt


 v  t   p  t   r t   F t   r t   F t 
力Fと位置ベクトルrの向きが平行か反平行なら必ず、
よって、
r t   F t   0
d L t 
N
0
dt
力のモーメントはゼロ、角運動量ベクトルは時間不変。
2-2加速度系での運動
力の向きが、位置ベクトルと反対向きの場合を中心力
という。
例)円運動、バネの運動など
中心力で運動する物体の角運動量は不変である。
ー角運動量保存則ー
地球周回運動する衛星に働く力は地球の中心向きであり角運
動量は保存する。角運動量の大きさは、
L  m  r  v  m  r  r    mr2
 m GMr  mR gr
GM
r3
ケプラーの第2法則
2-2加速度系での運動
問:右図のように紐に質量mの物体をつけて回転運動
をさせる。始め紐の長さは2bである。角速度をω0とした。
1.物体mに働く力の大きさと向きを書け。
F  mr2  2mb02
2.物体mの速度の大きさと向きを書け。
v  r  2b0
3.物体mの運動量の大きさと向きを書け。
p  mv  2mb0
4.物体mの運動エネルギーの大きさを書け。
p2
K
 2mb202
2m
5.物体mの角運動量の大きさと向きを書け。
L  rp  4mb20
6.紐を引っ張る力Tの大きさと向きを書け。
2b
T
ω0
m
2-2加速度系での運動
問:次に中心方向に紐を引っ張って半径を半分のbにし
たところ、角速度はωになった。
2b
ω0
7. ωを求めよ。
8.物体mの速度の大きさは何倍になったか?
9.物体mの運動エネルギーは何倍になったか?
10.紐を引っ張る力Tの大きさは何倍になったか?
11.運動エネルギーの変化を議論せよ。
T
ω
b m
m
2-2加速度系での運動
7. 中心力は角運動量を変えないから、
L  m  2b 0  mb2
2
  40
8.速度は 2b0 から 4b0 に2倍になった。
9.運動エネルギーは4倍になった。
10.紐を引っ張る力Tの大きさは
T  2mb02 から 16mb02 へ8倍になった。
11.運動エネルギーの変化:
半径をrとすると、 L  mr2  4mb20
4
2
16b

2
0
T

mr


m
張力は
3
r
4
2
b
b
16b 0
8mb 0
W   Tdr   m
dr 
3
2b
2b
r
r2
4
2 2b
b
2b
ω0
m
T
ω
b m
 6mb202
運動エネルギーはW仕事分だけ増加した。
2-2加速度系での運動
右図のように紐に質量mの物体をつけて角速度
ω0の回転運動をさせる。始め紐の長さは2bで
ある。そして中心方向に紐を引っ張って半径
を半分のbにしたところ、角速度ωは4倍の、
4ω0になった。そして、線速度vは2倍の4bω0に
なった。
あなたが、物体mの中に居るとしよう。
紐で引っ張られて中心方向に移動すると、上述の
ように物体の移動速度が大きくなる。あなたは物理
を良く勉強しているので、物体mが進行方向に押さ
れて速度が速くなったと思うだろう。しかし、実際は
物体mは中心方向にしか引っ張られていない。
不思議ではないか!
2b
ω0
m
T
ω
b m
2-2加速度系での運動
時刻tにおいて物体は中心から位置rのところ
にいるとする。そして一定速度-vで中心方向に
引っ張られているとしよう。
r
ω0
m
物体の角運動量が時間にたいして一定である特徴を
つかって解析してみよう。
L  mr  である。Lは時間に対して一定だから
2
dL dmr 2
dr
2 d

 2mr  mr
0
dt
dt
dt
dt
d
dr
mr
 2m  2mv
dt
dt
T
ω
b m
2-2加速度系での運動
d
mr
は物体の回転方向の運動量の時間微分なので
dt
回転方向に働く力である。
d
F  mr
 2mv
dt
とは、回転方向に 2mv
の力が働くことを意味している。
これを
コリオリ 力
という。
コリオリ力によって回転方向の速度がどのように変化するかを
調べよう。
2-2加速度系での運動
角運動量保存とは、
dL dmr2
dr
dr
d 

2 d

 2mr  mr
 mr  2  r
0

dt
dt
dt
dt
dt 
 dt
だから、 2 dr  r d  0
dt
dt
d  r
dr
d
回転線速度の変化率は、
である。
 r
dt
dt
dt
dr
上の関係式を用いると、 d  r
 
dt
dt
となる。よって、紐が2bからbまでの線速度の変化分△(rω)は、
b
v
0
  r  
b
b
d  r
dr 
v
dt     dt     dr
0
2b
dt
 dt 
2-2加速度系での運動
L  m4b20  mr2
4b20
だから、 
であり、線速度の変化分△(rω)は、
2
r
4b20
  r  
dr  2b0
2
2b
r
b
紐が2bのとき、線速度は 2b0 だったから、
紐がbになったときの線速度は 4b0 である。
2-2加速度系での運動
問 あなたは小さな一定角速度ωで反時計回りに回転している
大きな平らな円盤の上&端に立っている。
1)今、あなたは速度vで円盤の上を円盤の中心に向かって走
り出したとする。あなたが受ける力の大きさと向きを答えよ。
2)円盤の中心に到達したあなたは、今度は元いた地点に向
かって、同じく速度vで走り出した。ことき、あなたが受ける力
の大きさと向きを答えよ。
2-2加速度系での運動
問 質量mの小さな固い物質が等速度vで
x軸に平行に走っている。時刻t=0でY軸上
r0の地点に達したとき、青い固い巨大な壁に
ぶつかり、非常に小さい△t秒間を要して反
射し、向きをY軸方向に変えて同じ速度vで
運動を続けたとする。
1)t<0のとき、物質の位置と運動量の
x、y成分を書け。
2)t>0のとき、物質の位置と運動量の
x、y成分を書け。
3)壁との衝突により物質mが受ける力積のx、y成分を書け。
4)t<0のとき、物質の角運動量の大きさと向きを書け。
5)t>0のとき、物質の角運動量の大きさと向きを書け。
6)壁との衝突により物質mが受ける力のモーメントの
衝突している時間の合計の大きさと向きを書け。
2-2加速度系での運動
問 質量mの小さな固い物質が等速度vで
x軸に平行に走っている。時刻t=0でY軸上
r0の地点に達したとき、青い固い巨大な壁に
ぶつかり、非常に小さい△t秒間を要して反
射し、向きをY軸方向に変えて同じ速度vで
運動を続けたとする。
1)t<0のとき、物質の位置と運動量
( x, y)  (vt, r0 ),( px , py )  ( mv,0)
2)t>0のとき、物質の位置と運動量の
( x, y)  (0, vt  r0 ),( px , py )  (0, mv)
3)壁との衝突により物質mが受ける力積のx、y成分を書け。
( I x , I y )  (mv, mv)
4)t<0のとき、物質の角運動量の大きさと向きを書け。
mr0v 紙面上向き (0,0, mr0v)
2-2加速度系での運動
問 質量mの小さな固い物質が等速度vで
x軸に平行に走っている。時刻t=0でY軸上
r0の地点に達したとき、青い固い巨大な壁に
ぶつかり、非常に小さい△t秒間を要して反
射し、向きをY軸方向に変えて同じ速度vで
運動を続けたとする。
5)t>0のとき、物質の角運動量の大きさと向きを書け。
ゼロ
6)壁との衝突により物質mが受ける力のモーメントの
衝突している時間の合計の大きさ(時間積分)と向きを書け。
(0,0, mr0v)
中間テスト
1.日時:
12月22日(木) 4,5限
試験時間:90分程度
2.場所:
1321番教室
3.試験範囲:
教科書1部、2部、12月1日までの授業、12月15日
までの演習・宿題内容、及び補講内容。
4.注意:
・集合時刻厳守のこと
・途中退出は認めない
・全員受験必須
・資料持込不可
補習情報
物理学基礎・物理学基礎演習:12月14日(水)3,4限
線形代数学Ⅱ:12月20日(火)1,2限
3-1 重心座標
複数の物体の運動は重心の運動と相対運動に分けられる。
質量mA、位置 rAとmB、rBとの2つの物体の運動を考えよう。
簡単のために2次元平面運動とする。
物体の位置は r A   x , y ,0 r B   x , y ,0
A
A
B
B
重心の位置は rG   x , y ,0  mA r A  mB r B
G
G
mA  mB
 mA xA  mB xB mA y A  mB yB 

,
,0 
mA  mB
 mA  mB

3-1 重心座標
rAとrBを重心を使って表すと、
r A   xA, yA,0
 mA xA  mB xB mB xA  mB xB mA y A  mB yB mB y A  mB yB 


,

,0 
mA  mB
mA  mB
mA  mB
 mA  mB


mB xA  mB xB
mB y A  mB yB 
  xG 
, yG 
,0 
mA  mB
mA  mB


r B   xB , yB ,0

mA xA  mA xB
mA y A  mA yB 
  xG 
, yG 
,0 
mA  mB
mA  mB


3-1 重心座標
従って2つの物体の運動量を重心の速度を用いて表すとそれぞれ、
x
x
y
y


m
v

m
v
m
v

m
v
B A
B B
B A
B B
x
y
P A   mAvG  mA
, mAvG  mA
,0 
mA  mB
mA  mB


x
x
y
y



m
v

m
v

m
v

m
v
A A
A B
A A
A B
x
y
PB   mBvG  mB
, mBvG  mB
,0 
mA  mB
mA  mB


全体の運動量は当然以下のようになる。

P  P A  PB   mA  mB  vGx ,  mA  mB  vGy ,0

3-1 重心座標
それでは2つの物体の運動エネルギーを重心の速度を用いて
表すとどうなるのか?
KA 
1
PA  PA
2mA

1
 mA vGx 2  vGy 2
2

1
1
2
 mAvG  mA
2
2
1
1
2
KB  mBvG  mB
2
2
x
x 2
y
y 2

1  mBv A  mBv B   mBv A  mBv B  
 mA 
  

2  mA  mB   mA  mB  



m2B v2A  v2B  2v A  v B
 mA  mB 

2

m2A v2B  v2A  2v B  v A
 mA  mB 
2

3-1 重心座標
従って全体の運動エネルギーは

1
1 mBmA
2
K  KA  KB   mA  mB  vG 
v2B  v2A  2v B  v A
2
2 mA  mB


1
1 mB mA
2
  mA  mB  vG 
vA  vB  vA  vB
2
2 mA  mB
第1項は重心の運動エネルギー
第2項はAとBの相対運動の運動エネルギー
mB mA
mA  mB
を換算質量という。


3-1 重心座標
物体A,Bの運動のまとめ
mA r A  mB r B  mA xA  mB xB mA y A  mB yB 

,
,0 
1:重心rG   xG , yG ,0 
mA  mB
mA  mB
 mA  mB

2:全運動量:重心の速度に総質量をかけたもの。

P  P A  PB   mA  mB  vGx ,  mA  mB  vGy ,0

3:運動エネルギー:総質量*重心の速度の2乗*0.5
+換算質量*AとBの相対速度の2乗*0.5


1
1 mBmA
2
K   mA  mB  vG 
vA  vB  vA  vB
2
2 mA  mB

3-1 重心座標
例1 一体並進運動& m  mA  mB
mAvG mB vG
r A  rB
1:重心 rG   xG , yG ,0 
2
2:全運動量: P  P A  PB  2mv x ,2mv y ,0
G
2
K

mv
3:全運動エネルギー:
G
G
3-1 重心座標
例2 原点回りに半径rで相対して、角速度ωの回転円運動
rG   xG , yG ,0  0,0,0
1:重心
2:全運動量: P  PA  PB  0,0,0
Y

3:全運動エネルギー:


mA

1m
K
v A  v B  v A  v B  mr22
22
X
mB
3-1 重心座標
問
1)あなたm1が速度v1で道を歩いていた。枯葉m2が速度v2で体に衝
突した。その後一緒に移動したとする枯葉衝突後のあなたと枯葉の
凡その運動エネルギーはいくらか?
2)直径1mの小さな隕石m1が地球m2に第二宇宙速度でぶつかっ
て地球にめり込んだとする。地球は静止していたとすると、衝突後
の地球と隕石の凡その運動エネルギーはいくらか?
3-1 重心座標
例3 衝突問題に取組もう
固い小さな物体m1、m2の衝突を考える。最初、m1は速度v0でm2
に向かって進み、m2は原点に静止している。空気等の抵抗は無
い。重力等の力は働かない。時刻ゼロで衝突後、物体m1、m2は
速度v1、v2で進むとする。
衝突後
衝突前
m1
m2
m1
m2
v0
v1
v2
A 衝突前:
 m1

m1 r 1  m2 r 2
m1

r1  
v0t,0,0 
1:重心 rG 
m1  m2
m1  m2
 m1  m2

2:全運動量:
P  m1 v0
m1 2
3:全運動エネルギー: K  2 v0
3-1 重心座標
B 衝突後、運動量と運動エネルギーが保存されるとき
全運動量保存:
m1v0  m1v1  m2v2
m1 2 m1 2 m2 2
v0  v1  v2
2
2
2
2m1
上2式を解いて、 v  m1  m2 v
v2 
v0
1
0
m1  m2
m1  m2
全運動エネルギー保存:
衝突後:
1:重心
2:全運動量:

m1 r 1  m2 r 2  m1
rG 

v0t,0,0 
m1  m2
 m1  m2

P  m1 v0
m1 2
3:全運動エネルギー: K  v0
2
3-1 重心座標
問 物体m1 は衝突によりm 2 に運動エネルギーを与える。衝突前
のm1の運動エネルギーをE0、衝突後のm2の運動エネルギーをE2
とする。エネルギー伝達率E2/E0 が最も大きくなる条件と、その時
のE2/E0の値を求めよ。
エネルギー伝達率E2/E0が最も大きくなる条件:m1=m2
その時のE2/E0 = 1
問 v2の最大値は何v0か?またその時のエネルギー伝達率はい
くらか?
v2が最も大きくなる条件は:m2/m1 =0
Max v2= 2v0
そのときのエネルギー伝達率 = 0
3-1 重心座標
C 運動量はあらゆる場合に保存される、宇宙不変の大原則である。
これに対し、運動エネルギーは保存されるとは限らない。
・例えばポテンシャルエネルギーに変化したりする。
熱エネルギーにも変わる、光エネルギーになる場合もある。
・もし、初め、全エネルギーが運動エネルギーだとする。
運動エネルギーが保存されないイベントがおこった場合、当然運
動エネルギーは小さくなる。
よって、
m1v0  m1v1  m2v2
m1 2 m1 2 m2 2
v0  v1  v2
2
2
2
である。典型的なのは、衝突後一緒に運動する場合である。
m1
衝突前
v0
m2
衝突後
m1 m2
v1
3-1 重心座標
このとき運動量の式は、
m1v0   m1  m2  v1
m1v0
v1 
m1  m2
m1
衝突前
v0
衝突後
m1 m2
m2
v1
衝突後の運動エネルギーは
m1 2 m2 2 1 m1
v1  v1 
m1 v02
2
2
2 m1  m2
m1 2 1 m1
2
v

m
v
これは当然、
2 0 2 m1  m2 1 0
である。衝突後、運動エネルギーが減少する衝突を非弾性衝突という。
3-1 重心座標
問
1)あなたm1が速度v0で道を歩いていた。枯葉m2が速度v2で体に衝
突した。その後一緒に移動したとする枯葉衝突後のあなたと枯葉の
凡その運動エネルギーはいくらか?
m1 2 m2 2 1 m1
1
2
v1  v1 
m1 v0 ~ m1 v02
2
2
2 m1  m2
2
2)直径1mの小さな隕石m1が地球m2に第二宇宙速度でぶつかっ
て地球にめり込んだとする。地球は静止していたとすると、衝突後
の地球と隕石の凡その運動エネルギーはいくらか?
m1 2 m2 2 1 m1
v1  v1 
m1 v02 ~ 0
2
2
2 m1  m2