小切手の実務 小切手とはどのようなものか? 小切手は、一定の金額の支払いを約束する有価証券です。ま た、支払期日が特に決められておらず、受け取ったらすぐに現金 化できる性質を持っています。 ・小切手は便利!! 例: 取引において多額の金額を支払う場合 現金だと・・・ 小切手なら・・・ 小切手 銀 行 小切手の法的システム 小切手は、短期決済のため法的システムが用意されています。 ①呈示期間 小切手の呈示は振出日 10日以内 ②支払権限 支払いの権限は銀行など 金融機関のみがもつ ③支払時期 小切手の呈示があったときに 銀行が支払う ④振出人の義務 呈示期間内に銀行に 資金を用意しておく 小切手の流れ ①銀行などの金融機関と当座勘定取引契約を結びます ②統一小切手用紙の綴られた小切手帳の交付を受けます ③振出人は小切手に金額や振出日、署名押印をして受取人に渡します ④受取人は振出日後10日以内支払銀行に呈示します ⑤支払銀行より取立銀行へ支払を受け、受取人の口座へ入金されます 残高確認!! ①契約 ④小切手(呈示) 振出人 ②小切手帳 ⑤現金 ⑤現金 ③小切手 受取人 ④小切手 ④小切手 (取立) 小切手の種類 ①線引小切手 線引き小切手とは、盗難などによる不正支払いを防止するために考え出された小切手です。 一般線引小切手と特定線引小切手の2種類あります。 ・即、現金化できない。 ・持参人の預金口座へ入金される為、誰の口座へ入金されたか追求できる。 ・取立から入金まで若干の時間がかかる為、万一の場合支払いをストップができる。 (盗難や紛失によるリスクを防ぐことができる。) 一般線引小切手 銀行に指定がない。 東京1301 0001-222 特定線引小切手 東京1301 0001-222 指定された銀行に、口座のあ る人でなければ支払いを受ける ことができない。 (支払いされる先は、限定され る) 東京1301 0001-222 東京1301 0001-222 ②預金小切手 預金小切手が使用されるのは、商売をはじめたばかりでまだ信用を得られていない 場合や、一度不渡りをだして信用を落とした場合などに利用されます。 ③ 依頼人 (振出人) ① ①小切手相当額の現金を預けておく 銀行 ② 預金 小切手用の ②当座預金とは別口の口座に入金 される。 口座 ③①②が終わってからはじめて 小切手が振り出される。 預金小切手は、銀行などの金融機関が自行を支払人として振り出す小切手です。 銀行が振出人兼支払人となるので、その支払いが確実、安全なものになります。 AD 00028 小 切 手 東京1301 0001-222 東京都千代田区丸の内1丁目 全国銀行 東京支店 金 額 上記の金額をこの小切手と引替えに 同じ 持参人へお支払いください 拒絶証書不要 平成 年 月 日 振出地 全国銀行 東京支店 東京都千代田区 振出人 支店長 岡田太郎 ? 小切手要件 小切手の振出には法律で定められた事項(小切手要件)を記入しなけ ればなりません。その要件とは、以下の8事項をさします。 ①小切手であることを示す文字 ⑤支払人 ②小切手金額 ⑥振出日 ③委託文句 ⑦振出地 ④支払地 ⑧振出人の署名・押印 AD 00028 AD 00028 ① 小 切 手 東京1301 0001-222 東京都千代田区丸の内1丁目 ④ 全国銀行 東京支店 \100,000 ⑤ 金 額 ¥ 100,000 ※ ② 金城商事 印 上記の金額をこの小切手と引替えに ③ 持参人へお支払いください 拒絶証書不要 株式会社 田中商店 材料仕入れ ⑥ 平成 年 月 日 16 4 15 印 振出地 代表取締役 田中次郎 東京都千代田区 振出人 ⑦ 16 4 15 平成 年 月 日 金 額 渡 先 摘 要 ⑧ 火水木金土日月火水木金土日月火 振出日も呈示でき るので実際は11 日です 最終日が休業日な ら、翌営業日まで 延長 振出日が休業日で も関係なく数える 振 出 日 ①②③④⑤⑥⑦⑧⑨ 振 出 日 ①②③④⑤⑥⑦⑧⑨休 振 出 日 ①②③④⑤⑥⑦⑧⑨ 先日付小切手 実際の支払日より振出日を延ばして記入された小切手。 先日付小切手は、一般的に「小切手上の振出日までは銀行へ 取立てに出さない」ということを受取人と約束して振り出されます。 ところが、その受取人がその約束を破って、振出日より前に支 払呈示された小切手は、先日付小切手であることを理由に支払 いを拒否することは出来ません。よって、預金残高がない場合 は小切手は不渡りとなります。 ※ポイント 振出人、受取人、更に受取人の経理担当者 が充分に確認し合い注意することが必要です。 小切手の裏書き 取立に回した場合の、受取人の裏書き 法的には必要記入事項はありませんが、銀行に取立を依頼すると き受取人は記入を求められます。小切手の場合受取人の名はどこ にも入っていないので、この小切手が誰の口座に入るべきものなの か示すために入金口座の名義をかくのです。 受け取った小切手をすぐに現金化する場合の裏書(裏判) 受け取った小切手をすぐ現金化したい場合には、振出人に裏書 きしてもらい届出印を押印してもらえば、線引き小切手であっても 表記の支払銀行の窓口で即座に換金することができます。 AD 00028 小 切 手 東京1301 0001-222 東京都千代田区丸の内1丁目 全国銀行 東京支店 金 額 上記の金額をこの小切手と引替えに 持参人へお支払いください 拒絶証書不要 平成 年 月 日 振出地 東京都千代田区 振出人 岡田太郎 表 岡 田 裏 岡 田 小切手の受取り 受取時のチェックポイント ①金額 ・チェックライターまたは、漢数で書かれているか? ・数字に誤りはないか?(桁が少なくないか、多くないか) 金額の訂正は、たとえ訂正印があっても受付されない!! ②振出人 ・署名は正しいか? ・押印がされてるか? ・会社名、代表社名、肩書きが記入されているか? ③振出日 ・受取日が記入されているか? ※小切手を受け取った時は、上記の事項をすばやくチェックして、少しでも不審な 点があれば、その場で確かめ必要な場合は、再度振り出してもらいましょう。 小切手の時効 小切手所持人が振出人や裏書人に対して小切手金を請求する権利は、支払 呈示期間経過後6ヶ月で時効消滅します。同様に裏書人が自分の前者に対し て請求する場合の時効期間も6ヶ月です。
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