051100-1109

第11回 商事関係法
2005/11/09
前回の内容
• 文言証券性・厳格な要式証券性
(96~97頁)
• 白地手形(98~99頁)
• 裏書(100~101頁)
• 裏書の連続(102~103頁)
支払を拒めることもある
(104頁~)
手形抗弁とは
手形金の請求を受けた者が、手形金の支払
を拒むために請求者に対して主張できる一切
の事由をいう
物的抗弁
人的抗弁
考えてみよう!
Cさんの手元には、Aさんの署名のもとに振り出され
た手形があり、満期は平成16年5月1日となっている
。手形の外観上は、何の問題もない。そこで、満期
にCさんは、Aさんのもとをたずねて、手形金を支払
うよう請求した。しかし、Aさんは、「こんな署名をした
覚えはない。これは偽造手形だよ」と支払を拒絶さ
れた。こんなことが許されるのか。
物的抗弁
①特定の債務者のみ主張できるもの
手形債務の有効な成立を否定する抗弁
②すべての債務者から主張できるもの
手形上の記載に基づく抗弁
物的抗弁② 約束手形の手形要件
1 約束手形文句
2 支払約束手形文句
3 支払期日(満期)
4 手形金額
5 支払地
6 受取人の名前
7 振出日
8 振出地
9 振出人の署名(銀行に届け出た印鑑)
物的抗弁② 手形要件の事例
振出日!書いて
ないけど?
No.123
収入
約束手形
AB
株式会社池袋
12345
殿
印紙
之社
金額
¥1,000,000※
印長
支払期日 平成○年△月△日
支 払 地 東京都新宿区
支払場所 東京銀行新宿支店
上記金額をあなたまたはあなたの指図人へこの約束手形と
引替えにお支払いいたします
平成○年○月○日
振出地
振出人
不渡り!
裏書人
手形所持人
住所
東京都新宿区
振出人
新宿商事株式会社 事株式
新宿商
代表取締役社會社印
長 新宿
之社
太郎
印長
物的抗弁②
絶対的記載事項を欠く場合
(ただし白地手形を除く)
振出人、受取人、満期、手形金額
手形要件の記載を欠けば・・・無効
欠けている要件の補充を将来行う権利
(白地補充権)が存在している
人的抗弁の制限
手形の流通促進を図るため
手形法第17条
為替手形ニ依リ請求ヲ受ケタル者ハ振出人其ノ他
所持人ノ前者ニ対スル人的関係ニ基ク抗弁ヲ以テ
所持人ニ対抗スルコトヲ得ズ
但シ所持人ガ其ノ債務者ヲ害スルコトヲ知リテ手形
ヲ取得シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
人的抗弁
①特定の債務者からのみ主張できるもの
手形行為自体には瑕疵がなく、手形外の法
律関係に基づいて生じる抗弁
②すべての債務者から主張できるもの
その所持人が実質的にみて無権利である場
合
人的抗弁①
約束手形がどんなものか理解したAさん、「
それなら、後は満期が来るのを待てばよい
わけだ」と、その日を指折り数えて待ってい
たところ、突然、買主が、「買った商品に、欠
陥があったので買うのをやめる」と言ってき
た。この場合、手形はどうなるのだろうか。
人的抗弁① 無因証券性
原因関係
手形関係
原因関係が消滅しても手形関係に影響なし
人的抗弁○
買主
原因関係 売主
振出人 手形関係 受取人
裏書人
所持人
No.123
収入
約束手形
AB
株式会社池袋
12345
殿
印紙
之社
金額
¥1,000,000※
印長
支払期日 平成○年△月△日
支 払 地 東京都新宿区
支払場所 東京銀行新宿支店
上記金額をあなたまたはあなたの指図人へこの約束手形と
引替えにお支払いいたします
平成○年○月○日
振出地
住所
東京都新宿区
振出人
新宿商事株式会社 事株式
新宿商
代表取締役社會社印
長 新宿
之社
太郎
印長
人的抗弁×
人的抗弁○
知っていた
信じる者は救われる(106頁~)
善意取得
手形取引の安全
を保護する制度
人的抗弁の切断
考えてみよう!
Bさんは、Aさんから振出を受けた約束手形を
Cに保管させた。しかし、Cはこの手形を勝手
にB名義でDさんに裏書譲渡し、Dさんはさら
にこれをEさんに裏書譲渡した。この場合、E
さんは、Aさんに対して手形金を請求できるの
か。
考えてみよう!
振出人
受取人
保管
偽造
裏書
A
B
裏書
C
D
無権利者
無権利者
E
善意
無重過失
買収の脅威!
企業防衛に走る企業