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ドイツ
患者記録(診療録)
医師職業規則から
§10 記録作成義務
(1) 医師は、その職業従事において確認したこ
と及び施した処置について必要な記録を作成
しなければならない。これは医師の記憶に役
立つだけでなく、規定に従った記録を作成する
ことにより患者の利益にも役立つ。
(2) 医師は、患者の要望があれば、原則として当
人に関連した診療記録を見せなければならな
い:医師の主観的印象または感知したことを含
む部分は除外される。請求があれば、患者に
費用負担をさせて記録のコピーを渡さなけれ
ばならない。
(3) 他の法律規定によってそれより長期の保存
義務が存在しなければ、医師の記録は診療終
了後10年の期間保存しなければならない。
(4) 診療所の閉鎖後は、医師はその医療上の記録
と検査所見を (3) により保存するか、または管
轄の監督に渡されるように配慮しなけければなら
ない。診療所の閉鎖または診療所の委譲により、
患者に関する医師の記録を監督のため渡された
医師は、これらの記録を施錠して保管しなけれ
ばならないが、患者の同意があったときにのみ
中を見たり、または引き渡すことができる。
(5) 電子データ記録媒体または他のデータ記
憶装置上の記録は、変更、破棄または非合
法的使用を防ぐために、特別な安全及び保
護処置を必要とする。医師はこれに関して
医師会の提案に注意しなければならない。
部長医と患者記録

部長医は患者の記録が作成されることに配慮。

患者記録は病院開設者の所有物となる。

病院開設者は情報保護規定を守って保管する。

部長医は常に部局の患者記録を見ることができ
る。

患者記録の原本とその附属資料(マイクロフィル
ムも同じ)は病院の外に持ち出してはならない。
止むを得ない理由で持ち出すときは(例えば裁
判による押収)、引渡しの前にコピーを作成しな
ければならない。

謄本、抜粋及びコピーは、正当で、部長医または
その後継者の同意があるときにのみ引き渡して
差し支えない。

法規定により病院開設者に引渡の法律上の義
務があるときは、同意は必要がない。

病院の他の部局で患者が検査または治療される
場合に、そこで作られる患者記録と統合するた
めに、部長医は自分の記録をその部局の指導医
に渡さなければならない。

患者記録に対する上記の規定はレントゲン撮影、
心電図または同様の記録に準用される。