7 04 年 2 月号 【編集後記】夜が寒い。電気マットを敷いている と、熱いか

04 年 2 月号
【
編集後記】
夜が寒い。電気マットを敷いている
と、熱いか寒いかで適切なところがない★その
ためか、夜間に小用におきる★そんな話で盛り
上がった。ところが、泌尿器の医師は「歳をと
れば、誰だって一回や二回、夜間尿がでるのは
当たり前。寒さのせいじゃない」と、忘れたい
ところを突かれてシュン★「思い通りにならな
いこと」が現実におこると、理由をつけて転嫁
したい気持ちになる★★★2 月に病院の講堂を
借りて小さな学会を主宰することとなったので、
「がん告知」をテーマに演題を募集した★「が
ん告知」を行うのは医師であって、看護師は行
えない。看護師は「告知された患者さん」に分
かり易く説明を加えることができるだけだ★だ
から、
患者さんの最も近くに居る看護師が、
「本
当のことを知らせたい」と思ってもできない★
告知された患者さんと告知されない患者さんの
違いは、看護師が主体的に関われるか否かだ★
告知された患者さんの葛藤や不安に関わる経験
をもつ看護師は、「将来の予定を否定的に覆し
てしまう事実を知らされ」ても、人は「人生に
意味を見出して、その事実を肯定的に変えてし
まう精神のしなやかさ」を知るようになる。こ
れは喜びだ★一方、がん病巣の除去に専念する
医師は、
「人間精神のしなやかさ」
が生命の延長
には関係ないし、深刻な病状の説明はうざった
いので説明したくない★看護師は、嘘を交えな
いで説明してほしい。治療しても治らないなら
「治らない」
と伝えてほしい★医師は、
「家族が
本当のことを話してくれるな」という理由をた
てに、状態の良いときはそこそこ話すのに、病
状進行のときは話すのをやめる★そんなことの
思いを会で吐き出してほしいと思っているのだ
が、そいつは難しいだろう★本当のことを話し
合うなかでおこる喜びや悲しみの心地よさを私
たちは未だ自分のものにしていない〈種村〉
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