医の倫理 第1回 総論 なぜ「医の倫理」を学ばねばならないのか 「医の倫理」とは何か? 「医の倫理」の二つの柱 (1) Medical Ethics = 医療倫理 ex. Hippocratic oath (2) Bioethics ≒ 生命倫理 cf. Institutional Review Board (機関内審査委員会) Hospital Ethics Committee (病院内倫理委員会) ⇒ 医療人の Professional Ethics もしくは Medical Profession の Ethics Profession とは何か the Professions = 神学・法学・医学 → Profession (al) ≠ Expert Profession の三つの特徴 (1)専門性 keyword: 制度化、公的なセクターによる教育と養成 (2)自律性 keyword: 集団としての裁量権、構成員間の監督義務 (3)倫理性 keyword: 知識の不均衡、依頼人の「不幸」と「搾取」 Professional Ethics への道 「医の倫理」を身につける四つの方法 (1)「実践」をつうじて ex. 「後ろ姿」=教師/反面教師 (2)「人間を知る」ことをつうじて ex. 生病老死、「ひと」と「ヒト」 (3)「社会を知る」ことをつうじて ex. 社会のなかの医学・医療 (4)「歴史を知る」ことをつうじて ex. Bioethics の「誕生」 ⇒ 「汝自身を知れ」( “Know yourself” ) MIC「医の倫理」の基本方針 ☆医療人に求められる Professional Ethics を その「根拠」「理由」にまで掘り下げて考える。 ⇓ 問:なぜ伝統的な Medical Ethics だけでなく、 いまや Bioethics までもが要請されるよう になったのか? ⇓ ①現代の医学・医療はかつてとどう違うのか? ②その「違い」は「医の倫理」をどう変えたのか? Q1.「抗生物質」が実用化された のはいつでしょう? A1. 1940年代前半 cf. ノルマンディー上陸作戦(1944年) cf. ペニシリンの発見(1928年) アレキサンダー・フレミング(英) Q2.「病原菌」の存在が確認された のはいつ、誰によってでしょう? A2. 1876年 ロベルト・コッホ(独) (炭疽病と炭疽菌の因果関係の立証) cf. 結核菌の発見(1882年) コレラ菌の発見(1883年) Q3.Informed Consent が初めて明文化 されたのは何という資料でしょう? A3. ニュールンベルク綱領(1947年) 第1項 被験者の自発的同意は 絶対的本質的なものである。 cf. ヘルシンキ宣言(1964年) 内科医は毎日、患者に対して治療と いう名の実験を行なっている。そして 外科医は毎日、手術を受ける患者に 対して生体解剖を行っている。 クロード・ベルナール (『実験医学序説』、1865年)
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