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医の倫理
第9回
バイオエシックスの原理と制度
~「医の倫理」の諸原則と諸制度~
1.バイオエシックスの基本方針
☆ insiders only の「医療倫理」から
insiders and outsiders の「バイオエシックス」へ
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医学研究・医療上の意思決定と結果に対する
(ⅰ) 「透明性」(transparency)
(ⅱ) 「説明責任」(accountability)
※しかも「個人の判断」ではなく「合議制」が基本
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「ガイドライン=委員会体制」の構築
Reference
国家研究規制法(National Research Act, 1974)
→ IRB(Institutional Review Board)において、国の
策定したガイドラインにもとづく審査を受ける義務
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生物医学・行動科学研究におけるヒト被験者保護の
ための国家委員会」(National Commission for the
Protection of Human Subjects of Biomedical and
Behavioral Research)
cf. Hospital Ethics Committee
2.バイオエシックスの「四原則」
The Belmont Report
(The National Commission, 1977)
“respect for persons, beneficence, and justice”
Principles of Biomedical Ethics
(T. Beauchamp and J.F. Childress, 1979)
“autonomy, beneficence, non-maleficence, and
justice”
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原則主義(principlism)の立場
「四原則」のポイント
① autonomy
「自分自身について、自分自身の身体と精神に
ついては、その当人が主権者である」 (J.S. ミル)
→ パターナリズム的倫理への批判として発展
② beneficence
「他人に善をなせ」 cf. キリスト教などの宗教倫理
→ autonomy の原理とどのようにして調和させるか
ex. 精神分裂病にかかっているホームレスの
人を強制的に精神病院に入院させる場合
「四原則」のポイント
③ non-maleficence
“First, do no harm” (「第一に、危害を加えるな」)
→ 医療倫理の第一にして最低限の原則
④ justice
医師は患者を公平にあつかい、性や人種、裕福さ
といった要素を度外視するべきである
→ どのような観点から「公平に」あつかうべきか
ex. 医療資源の配分における「正義」