第1回室蘭工業大学特色GPシンポジウム 『技術者倫理教育の現状と課題』 基調講演 倫理学から見た技術者倫理教育の課題 北海道大学大学院文学研究科 倫理学講座 新田孝彦 2006年12月2日 ホテルサンルート室蘭 0.0 技術者倫理教育 安全で健全な社会 信 頼 貢 献 技術者にしか できないこと 技 知 術 者 恵 倫 誠 理 実 概観 1. 倫理とは何か:倫理問題の発生 2. 技術者倫理教育:基本的視座と目標 3. 倫理学的論証:構造と問題考察法 4. 実演:倫理学的分析例 5. 補遺:倫理的意志決定法と倫理テスト 1.1 人は誰でも倫理のなかで生きている 倫 道 嘘をついてはならない 人 人 人 お互いに助け合うこと 理 人 1.1 人は誰でも倫理のなかで生きている 倫 道 嘘をついてはならない 人 人 人 人 内面化 お互いに助け合うこと 理 徳 1.2 技術者も倫理のなかで生きている 技術者 共同体 技術者 倫 理 技 術 者 技 術 者 公衆の安全・健康・福利の最優先 明文化 専門的知識・技能の向上 技 術 者 技 術 者 倫理綱領 1.3 人はさまざまな共同体に属している 会社 地域社会 学校 家族 国 人類社会 サークル 1.4 技術者もさまざまな共同体に属している 父 技術者 会社員 家族 市民 人間 1.5 人はさまざまな規範のもとにある 技術者 倫 理 父 会社の 行動基準 家族愛 法規 人間としての普遍的倫理 1.6 倫理問題の発生(1) 自 然 社 会 規 範 ② 人 社 会 人 人 人 ③ 人 人 ① 1.7 倫理問題の発生(2) ① ヒューム問題 人間の利己性 + 資源の希少性 正義の必要性 倫理 + 技術 ○○倫理問題 ② 規範の一般性・抽象性 「法の文字」の「解釈」が必要 ③ 規範間の葛藤 「ジレンマ」の「解決・解消」が必要 概観 1. 倫理とは何か:倫理問題の発生 2. 技術者倫理教育:基本的視座と目標 3. 倫理学的論証:構造と問題考察法 4. 実演:倫理学的分析例 5. 補遺:倫理的意志決定法と倫理テスト 2.1 倫理教育の構造 教育の一般的目標:ソクラテス的理念 ∥ 〈よく生きること〉 「われわれは正しいことをすることによって、正しいひとになる。」 (アリストテレス) よく生きるとは? 正しく生きるとは? よく生きるためには? 正しく生きるためには? 倫理学教育 倫理教育 2.2 技術者倫理教育の構造 技術者倫理教育の一般的目標 ∥ 〈技術者としてよく生きること〉 「技術者も正しいことをすることによって、正しい技術者になる。」 技術者として よく生きるとは? 技術者として よく生きるためには? 技術者倫理教育 2.3 教育の本質的困難 「教育とは、人間に課せられた最大の課題であり、もっと も困難な課題にほかならない。というのも、〔教育に関す る〕見識は教育に依存すると同時に、教育はまさにこの見 識に依存しているからである。それゆえ、教育はまた一歩 ずつ前進するほかはない。」(カント『教育論』) 外 的 な 刺 激 教育に関する 見 識 循環 教 育 2.4 技術者倫理教育を促す要因 高度技術社会における技術の根本的変質 産業革命以前の社会 現在の高度技術社会 本性 自然を模倣する技術 自然を解体する技術 危険 感覚的に知覚可能 科学的記号によってのみ認識可能 範囲 局所的・限定的 全地球的・包括的 課題 自然の脅威からの保護 技術そのものの危険からの保護 市民社会の成熟 → 技術(者)に対する不安と期待 技術者倫理教育の課題 (cf. ベック『危険社会』、加藤尚武『価値観と科学/技術』) 2.5 技術者倫理教育の基本的視座 人間 技術 相互依存関係 思想 社会 (1) 技術は思想(人間と社会)を変える。 (2) 技術は思想(人間と社会)を映し出す。 技術者としていかに行為すべきか 2.5.1 技術は思想を変える(例) 生命観のパラダイム転換 生物的モデル 16C 17C 機械論的モデル 自動制御機械 モデル 2.5.2 技術は思想を映し出す(例) 「ユニバーサル・デザイン」 設計思想 ← 道徳的理念(ワイズマン) 誰にでも 使いやすい わかりやすい ミスを許容する 倫理的価値:公正・人間の尊厳 ○人を差別しない (健常者・障害者・高齢者) ○多元的価値を承認する 政治的理念:民主主義 (梶本久夫監修『ユニバーサルデザインハンドブック』) 2.5.2 技術は思想を映し出す(例) 「ユニバーサル・デザイン」 設計思想 ← 道徳的理念(ワイズマン) 誰にでも 作り出す 使いやすい わかりやすい ミスを許容する 倫理的価値:公正・人間の尊厳 ○人を差別しない (健常者・障害者・高齢者) 市民とともに ○多元的価値を承認する 政治的理念:民主主義 (梶本久夫監修『ユニバーサルデザインハンドブック』) 2.6 倫理教育の目標 学校で道徳を教えること(デュルケム『道徳教育論』) ≠ 道徳を説教すること ≠ 道徳をたたき込む = 道徳を説明すること ↓ 自律的な価値選択能力の育成 2.7 技術者倫理教育の目標 自立・自律した市民技術者 倫理的判断力 論証構成力 ・ 技術者として「よく生きる」ために ・ 問題に直面して ・ 適切な倫理的判断を下す ・ 事例研究 ← 倫理学 ・ カリキュラム横断型倫理教育 ・ 市民とともに「考える」ために ・ 問題の解決に関して ・ 自らの考えを論理的に説明する ・ 論文指導 ← 論理学 ・ カリキュラム横断型論理教育 技術者倫理教育 2.8 室蘭工業大学:教育目標 1) 工学を通じて社会に貢献し、科学技術に寄与したいという意欲を持った 学生を受入れ、一人ひとりの多様な才能を伸ばす教育を行う。 2) 幅広い教養と基礎科学及び工学に関する専門知識を教授する総合的な 理工学教育を行う。 これにより, ① 幅広い教養に支えられた豊かな人間性を持ち、国際感覚を有する柔軟な 思考力、実行力を備えた技術者を養成する。 ② 基礎科学と工学に関する専門知識を確実に身に付け、それを適切に応 用するとともに新しい分野に積極的に対応できる創造的な技術者を養成 する。 ③ 論理的な思考の展開ができ、それを他者へ的確に伝えることができると ともに、他者の意見を理解することのできる国際的なコミュニケーション能 力を持った技術者を養成する。 ④ 人間、社会、自然と科学技術との望ましい関係を追求し、科学技術を活 用し創造する者としての倫理観と社会的責任を有した技術者を養成する。 ⑤ 自然界や人間社会の変化、発展に常に関心を持ち、併せて自己の能力 を永続的に高めていくことができる技術者を養成する。 概観 1. 倫理とは何か:倫理問題の発生 2. 技術者倫理教育:基本的視座と目標 3. 倫理学的論証:構造と問題考察法 4. 実演:倫理学的分析例 5. 補遺:倫理的意志決定法と倫理テスト 3.1 論証構造:トゥールミン・モデル Data So explicit direct (questions of fact) Conclusion Since Warrant implicit (questions incidental of law) general On account of Backing more general (S.E. Toulmin, The Uses of Argument, Cambridge, 1964) 3.2 倫理学的論証の構造(1) D C relevant facts relevant factors decision action W moral rules law code of ethics B principles of ethics 3.2 倫理学的論証の構造(1) D C relevant facts relevant factors decision action B principles of ethics ethics test W moral rules law code of ethics 3.2 倫理学的論証の構造(2) D1 C1 D2 C2 D3 W W B 3.2 倫理学的論証の構造(3) 行為 行為の理由 常識でしょ 規則だからね 幸福:みんな仕合せになる 倫理的原理 自由:自由は大事です ・・・ 正義:そんなの正しくない 根源的な倫理的原理 普遍性 自律 ・・・ 倫 理 学 理 論 3.2 倫理学的論証の構造(4) 倫 嘘をついては ならない 理 普遍性 人理性 人的 存人在 者 人 お互いに 助け合うこと 自律 3.2 倫理学的論証の構造(5) 類型 公開可能 倫 理 テスト publicity, defensibility, public disclosure, gag, transparency, golden rule, colleague, organization, fairness, legal, ・・・ 倫理的原理 根源的原理 公正 普遍性 他者危害防止 人間性の尊厳 harm, effect, balance, right, utilitarianism, cost-benefit, ・・・ 安全 feeling about myself, one’s best self, Würde der Menschheit, ・・・ 尊厳 自 律 3.3 問題考察法の代表例 線引き法 (demarcation method) 決定根拠(warrant)の妥当性が承認されている 規則の「文字」の解釈が求められる トレードオフ法 (trade-off method) 決定根拠の間に対立がある ジレンマの解決が求められる 再構築法 (reframing method) 所与の要素(data, warrant)を見直す 創造的解決が求められる 3.4 線引き法(demarcation method) 前提:ある倫理規則の妥当性 考察方法 1. パラダイム事例の配置 2. 事例特性のリストアップ 3. テスト事例の評価 結論:ある行為の規則適合性 (Ch. ハリス他『科学技術者の倫理』(第2版)、丸善、2002) 3.4.1 線引き法(例) 嘘をついてはならない N P ? 神 に 背 く 嘘 人 を 傷 つ け る 目 的 で な さ れ る 嘘 利一 益人 をを 意傷 図つ すけ るて 嘘、 も う 一 人 の な嘘 さを れつ るこ 嘘う と す る 欲 望 か ら 誰 か を 喜 ば せ よ う と す る 嘘 他 人 の 利 益 に な る 嘘 他 人 の 死 を 阻 止 す る よ う な 嘘 の他 を人 阻の 止身 す体 るが 嘘不 法 に 汚 さ れ る 住民の安全確保を目的とした虚偽の申請書の作成 3.4.2 線引き法(例) 嘘をついてはならない N P ? 不誠実 小 大 × 公務員の職務規程 誠実 住民の安全への貢献 申請書の偽造度 その他 × × 大 小 ? 住民の安全確保を目的とした虚偽の申請書の作成 3.4.3 線引き法:留意点 1. 規則の「解釈」(「精神」の理解) a. 原理的思考を回避する危険性 b. 判断の恣意性 → 限定的使用 c. 社会的合意に基づく合理性 2. 特性の「重みづけ」 a. 特性間の序列 trade-off method 3.5 トレードオフ法(trade-off method) 前提:倫理的価値(責務)の対立(ジレンマ) 考察方法 1. パラダイム事例の設定 2. 価値のトレードオフによる選択肢のリストアップ 3. 選択肢の評価 結論:制約条件の下での行為選択 (Ch. ハリス他『科学技術者の倫理』(第2版)、丸善、2002) 3.5.1 トレードオフ法(例) O1 O2 O1 O2 (公衆の安全) (誠実義務) (公衆の安全) (誠実義務) 虚偽の 申請書 ? 創造的第三の道 正確な 申請書 3.5.2 トレードオフ法(例) 完全トレードオフの場合 虚偽の報告書 1 ○ O2 ( 安 全 ) 0 ? ○ O1(公正) ○ 1 正確な報告書 3.5.3 トレードオフ法(例) 価値序列が明確な場合 ( O1 > O2 ) 1 ねばり強く交渉し 補助金を獲得する ○ ○ 大型車を運行している 企業に通学時間帯の 通行自粛を求める ○ 簡易歩道などの 代替措置を取る O2 ( 安 全 ) 0 O1(公正) 1 3.5.4 トレードオフ法(例) 創造的トレードオフ 1 ○ O2 ( 安 全 ) 0 ? 知慧と工夫 行為可能領域 O1(公正) ○ 1 3.5.5 トレードオフ法:留意点 1. 技術的観点(ウィットベック『技術者倫理1』) a. b. c. d. 指定条件・明示された基準の遵守 リスク評価 あらゆる価値をトレードオフ可能とみなす危険性 関係者ごとに異なる優先的価値 2. 倫理的観点 a. 最低条件:法・倫理綱領 b. 倫理的・絶対的制約条件 c. 選択肢評価の倫理的三条件 3.5.6 倫理的・絶対的制約条件 キケロ(『義務について』) 暴力 不正 欺瞞 3.5.7 選択肢評価の倫理的三条件 1. 「短期的効用」 < 「長期的効用」 規則功利主義的考察を行為功利主義的考察に 優先させる 2. 「行為の結果」 < 「行為そのもの」 義務論的考察を目的論的考察に優先させる 3. 「制度的問題」 < 「技術者倫理」 技術者個人に可能なことを優先させる reframing method 3.6 再構築法 (reframing method) 前提:完全な倫理的解決の不可能性 考察方法 1. 未解決問題の発見 2. 完全な解決の構想 3. 現実化の構想 結論:問題(ジレンマ)回避の予防策 demarcation method trade-off method (cf. A. Weston, A 21th Century Ethical Toolbox, Oxford, 2001.) 3.6.1 再構築法:不可能からの発想 ② 完璧な解決法の構想 ブレーン ストーミング = 不可能 ③ 可能な解決策まで立ち戻る でたらめ 連想法 ① 未解決問題 (cf. A. Weston, A 21th Century Ethical Toolbox, Oxford, 2001.) 3.6.2 再構築法:不可能からの発想 ② ジレンマの完全解決 ブレーン ストーミング でたらめ 連想法 ④ 予防策の構想 ③ ジレンマの現実的解決策 In the middle of difficulty, lies opportunity. ① ジレンマ (cf. A. Weston, A 21th Century Ethical Toolbox, Oxford, 2001.) 3.6.3 再構築法 ジレンマ 補助金制度 住民の要求 乏しい予算 ? ジレンマ ? 制度改正 住民の納得 ? 豊かな財政 概観 1. 倫理とは何か:倫理問題の発生 2. 技術者倫理教育:基本的視座と目標 3. 倫理学的論証:構造と問題考察法 4. 実演:倫理学的分析例 5. 補遺:倫理的意志決定法と倫理テスト 4.1 演習問題 N県土木部道路建設課:Y地方道の2車線化計画 財政部:新規事業化の基準:便益/費用=1.5以上 道路建設課の当初見積もり:B/C=1.6 → 予備申請 調査結果:B/C=0.9 W課長の判断: 新規路線の採択は費用対効果だけが判断基準ではなく、 地元の要望やネットワークとしての必要性などを総合的に 勘案して決まる。 道路建設課で当初想定したB/C=1.6で予算請求する。 → 事業化決定 → 地元紙のニュース/地元住民の感謝 ((社)土木学会・技術推進機構・継続教育実施委員会編『土木技術者倫理問題』、丸善、2005年) 4.1 演習問題 A主査の悩み W課長は「費用対効果」の値を 修正しなかった。 不満だ・・・ 私も財務部に報告しなかった。 悔やまれる・・・ でも、地元住民は大喜びで、 感謝している・・・ どうしよう。 4.1 演習問題 A主査のジレンマ ① W課長に修正を正式に申し出 るよう進言し、断られたら土木部長 に報告しよう。それでもダメなら、 組織の一員としてあきらめよう。 ② 土木部長も「ノー」と言ったら、 新規事業はダメになるが、自分で 財務部に修正報告をしよう。 ③ やはりW課長の判断に従い、 精度の高い最終判定値は棄却しよう。 4.2 演習問題の考察(土木学会の分析) 考察方法:「功利主義的費用/受益テスト」 この事例の費用対効果の内規は「費用/受益テ スト」そのものであり、費用対効果の算定値が大き い方の選択が望まれる。 ゆえに、A主査は②の選択肢をとるべきである。 ↓ 私見:この分析は誤り(結論は正しい) 考察方法の選択の誤り:A主査のジレンマそのも のを考察対象としていない。 4.3 演習問題の考察(私見1) トレードオフ法 倫理的観点 選 択 肢 ① ③ ② (1) 最低条件:法・倫理綱領 内規違反 内規遵守 (2) 倫理的・絶対的制約条件 虚 偽 誠 実 短期的効用<長期的効用 短期的効用優先 長期的に見て 望ましい? 行為の結果<行為そのもの 行為の結果優先 行為そのものと して望ましい? 制度的問題優先 技術者として 実行可能? (3) 選択肢評価の倫理的三条件 制度的問題<技術者倫理 4.3 演習問題の考察(私見2) 再構築法の適用 自課事業の最優先 ↓ 道路建設課内の当初見積もりの誤り → 職員:行政全体への視野拡大 ← ? → 見積もり策定方法の改善 W課長の独断 → 管理職研修、決裁手続きの見直し・・・? 地域住民対策 → 説明責任の遂行 増収対策・・・ 4.3 演習問題の考察(私見3) W課長の誤り ← 線引き法の罠 原理的思考の回避 従来のやり方を踏襲 → 「内規」の意味を考慮しない 特性の重みづけの誤り ステークホルダーのうち、当該地域住民のみを考慮 ↓ そもそも「ジレンマ」に直面していない ゆえに、絶対的制約条件をも考慮しない 土木学会の分析の欠陥 考察方法の単純並記=価値序列への無配慮 5.3 土木学会:「着眼点」 (1)関連する事実 1) 共通のモラル 2) 個人の倫理 3) 集団の倫理 (2)事実関係の一致 (3)概念の一致 (4)適用の一致 (5)何を行うべきか (6)線引き問題 (7)相反問題 (8)功利主義の三つのテスト 1) 行為功利主義テスト 2) 費用/受益テスト 3) 規則功利主義テスト (9)個人尊重の三つのテスト 1) 黄金律テスト 2) 自滅テスト 3) 権利テスト (10)考慮すべき重要事項 ((社)土木学会・技術推進機構・継続教育実施委員会編『土木技術者倫理問題』、丸善、2005年) 4.4 倫理的意志決定法:N-model 同定 構成 問題認識 関連事実 問題類型 参照 考察 選 択 肢 評 価 の 考察・評価 検証 法・倫理綱領 倫理テスト Demarcation Trade-off 公開可能 倫 理 的 三 条 件 Reframing 倫理的・絶対的制約条件 検証 再考察 他者危害 防 止 人間性の 尊 厳 概観 1. 倫理とは何か:倫理問題の発生 2. 技術者倫理教育:基本的視座と目標 3. 倫理学的論証:構造と問題考察法 4. 実演:倫理学的分析例 5. 補遺:倫理的意志決定法と倫理テスト 5.1 Seven-step Guide to Ethical Decision Making 1. State problem. 2. Check facts. 3. Identify relevant factors. 4. Develop list of options. 5. Test options. Ethics Tests a. harm test b. publicity test c. defensibility test d. reversibility test e. colleague test f. professional test g. organization test 6. Make a choice based on steps 1-5. 7. Review steps 1-6. (M. Davis, Ethics and the University, Routledge, 1999. p.166f.) 5.2 Six Steps to Ethical Decision Making Six Steps Ethics Filter (PLUS) 1. Define the problem PLUS. ・ P=Policies 2. Identify alternatives. 3. Evaluate the alternatives PLUS. 4. Make the decision. 5. Implement the decision. 6. Evaluate the decision PLUS. Is it consistent with my organization’s policies, procedures and guidelines? ・ L=Legal Is it acceptable under the applicable laws and regulations? ・ U=Universal Does it conform to the universal principles/values my organization has adopted? ・ S=Self Does it satisfy my personal definition of right, good and fair? (http://www.ethics.org/resources/pf_plus_mode.html) 5.3 土木学会:「着眼点」 (1)関連する事実 1) 共通のモラル 2) 個人の倫理 3) 集団の倫理 (2)事実関係の一致 (3)概念の一致 (4)適用の一致 (5)何を行うべきか (6)線引き問題 (7)相反問題 (8)功利主義の三つのテスト 1) 行為功利主義テスト 2) 費用/受益テスト 3) 規則功利主義テスト (9)個人尊重の三つのテスト 1) 黄金律テスト 2) 自滅テスト 3) 権利テスト (10)考慮すべき重要事項 ((社)土木学会・技術推進機構・継続教育実施委員会編『土木技術者倫理問題』、丸善、2005年) 5.4 土木学会:「もう一つのPDCA」 倫理的意志決定のPDCA Problem 問題の認識 具体的行為 の選択 Action Detail 関係事実 の整理 Check 倫理問題の特定 ((社)土木学会・技術推進機構・継続教育実施委員会編『土木技術者倫理問題』、丸善、2005年) 5.5 A Process of Ethical Decision Making Identify action, decision, of behavior you are about to take Articulate all dimensions of proposed action, decision or behavior Ethics Screen Conventional Approach Standards/Norms ・Personal ・Organizational ・Societal ・International Principles Approach Ethical Principles ・Justice ・Rights ・Utilitarianism ・Golden Rule ・Virtue ・Caring Course of action passes ethics screen Engage in course of action Repeat cycle when faced with new ethical dilemma Ethical Tests Approach Ethical Tests ・Common Sense ・One’s Best Self ・Public Disclosure ・Ventilation ・Purified Idea ・Gag Test Course of action fails ethics screen Do not engage in course of action Identify new course of action (Carroll, A.B. & A. K. Buchholtz, Business and Society, 6ed., 2006.) 5.6 Simple ethical tests for a business decision Transparency Do I mind others knowing what I have decided? Effect Who does my decision affect or hurt? Fairness Would my decision be considered fair by those affected? (http://www.ibe.org.uk/tests.html) 5.7 Ethics Check Is it legal? Will I be violating either civil law or company policy? Is it balanced? Is it fair to all concerned in the short term as well as the long term? Does it promote win-win relationships? How will it make me feel about myself? Will it make me proud? Would I feel good if my decision was published in the newspaper? Would I feel good if my family knew about it? (Carroll, A.B. & A.K.Buchholtz, Business and Society, 6ed., 2006.) 5.8 The TI Ethics Quick Test Is the action legal? Does it comply with our values? If you do it, will you feel bad? How will it look in the newspaper? If you know it’s wrong, don’t do it. If you’re not sure, ask. Keep asking until you get an answer. (http://www.ti.com/corp/docs/company/citizen/ethics/quicktest.shtml)
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