スライド 1

主観評価実験の調査と適用
1DS04180Y 阪本真一郎
1NC04019K 福原菜美
1DS04208T 山根章平
高木先生担当
目 次
1.主観評価法の調査
2.符号検定の適用
2.1 男女の左右折傾向
2.2 整列乗車ラインの効果
3.Shefféの一対比較法の適用
3.1 CGアート作品の評価
4.まとめ
主観評価法とは?
• 人間の心理尺度に基づいて2つ以上の対象
物を主観的に評価・比較し,統計的に違いを
検定
有意な差があるかどうか
「有意な差がある」とは?
• 同じことを繰り返すと見えてくる“傾向”
• その“傾向”は偶然か、意味のある必然か
• 「意味のある必然」=「有意な差がある」
偶然に赤領域に入ることがある可能性は否定しないが,
偶然ではなく意味があるのではないか(危険率○○%で有意)
「有意差がある」
「有意差があるとはいえない」
• 差がないという仮説
• 「仮説は棄却されなかった」
(帰無仮説)
• 肯定でも否定でもない結論
• その仮説が否定される
有意な差がある
有意な差がない
有意な差があるとはいえない
危険率とは
危険率5%(1%) または
有意水準(p < 0.05とかp<0.01) とは?
「20(100)回に1回間違えるかもしれないが,
有意な差がある」という意味
慣習的に,危険率5%や1%がよく使われる.
検定(2つを比較する場合)
• t 検定:
正規分布する集団の平均値の差
• 符号検定: 勝ち負け(正負の符号)数の情
報を利用して,有意な差があるかの検定
• Wilcoxonの符号検定: 勝ち負け(正負の符
号)数だけでなく勝ち負けの程度情報も利用
して,有意な差があるかの検定
検定の感度
t 検定 > Wilcoxon検定 > 符号検定
パラメトリック
ノンパラメトリック
パラメトリック‥‥ 正規分布などの分布を仮定
(正規分布は平均と分散の2パラメータで記述)
(仮定する分布でないと使えないが,感度が高い)
ノンパラメトリック‥ 分布の仮定が不要
検定(3つ以上を比較する場合)
• Schefféの一対比較: 3つ以上の対象を
対にして順に比較し,分散分析を行う
• Schefféの一対比較(浦の変法)
全員が全対を比較し,順序効果を考慮する場合
(音の比較など)
• Schefféの一対比較(中屋の変法)→今回の調査で使用
全員が全対を比較し,順序効果を考慮しない場合
(画像の同時比較など)
目 次
1.主観評価法の調査
2.符号検定の適用
2.1 男女の左右折傾向
2.2 整列乗車ラインの効果
3.Shefféの一対比較法の適用
3.1 CGアート作品の評価
4.まとめ
女性は無意識に右折してしまう!?
「女性は、
有意に右折する」
Hamptonら(カナダWestern Ontario大学)
の研究
「男脳と女脳こんなに違う」新井、1997
Hamptonら(カナダWestern Ontario大学)
の研究
• 男性35人、女性40人
• 被験者は音の出ている
スピーカに向かう
• 真後ろからの音に対して
右回りをするか、左回りを
するか
• 160回繰り返す
Hamptonらの実験より
• 男性も女性も有意に右折する
• さらに、男性よりも女性の方がはるかに有
意に右折する
「始発電車の整列乗車で、ドアを入ったら左折して
席を取る方が有利である。特に前に女性がいると
きは有効な戦略と言えるだろう」(新井、1997)
果たして実際は?
•
•
•
•
•
2006年7月2, 3日調査
西鉄天神駅:
男性27人、女性27人
地下鉄中洲川端駅:男性29人、女性35人
始発電車、一列整列乗車の場合のみ
空の電車に中央扉から乗り込むとき、
右折するか、左折するか。
男 天神駅
1
右
2
右
3
左
4
左
5
左
6
左
7
左
8
右
9
左
10
右
11
右
12
左
13
右
14
左
15
左
16
右
17
左
18
左
19
左
20
左
21
左
22
右
23
右
24
左
25
左
26
左
27
左
女 天神駅
1
左
2
左
3
左
4
右
5
右
6
左
7
右
8
右
9
左
10
左
11
左
12
左
13
左
14
右
15
左
16
左
17
右
18
右
19
左
20
右
21
右
22
左
23
左
24
左
25
右
26
左
27
左
男 中洲川端駅
28
左
29
右
30
左
31
左
32
右
33
右
34
右
35
左
36
右
37
右
38
左
39
左
40
右
41
右
42
左
43
左
44
左
45
右
46
左
47
右
48
左
49
左
50
左
51
右
52
左
53
右
54
右
55
左
56
右
天神駅
右9、左18
右10、左17
中洲川端駅
右14、左15
女 中洲川端駅
28
右
29
右
30
右
31
左
32
左
33
左
34
右
35
右
36
左
37
右
38
左
39
右
40
右
41
左
42
右
43
左
44
左
45
右
46
左
47
右
48
左
49
右
50
左
51
左
52
右
53
右
54
左
55
右
56
左
57
右
58
左
59
右
60
左
61
左
62
右
右18、左16
仮説:「男性も女性も有意に右折する」
「女性の方がさらに有意に右折する」
天神駅の場合
男性
右折:左折=9:18
女性
右折:左折=10:17
右折ではなく、
左折が有意に多い (p<0.05)
中洲川端駅の場合
男性
右折:左折=14:15
女性
右折:左折=18:16
右折も左折も
有意な差はない
なぜ天神駅では有意に左折が多い?
混雑しないための誘導効果
• 混雑しないために
「人の流れを作る」
施策が行われている。
・・・整列時の斜めライン
一方通行
目 次
1.主観評価法の調査
2.符号検定の適用
2.1 男女の左右折傾向
2.2 整列乗車ラインの効果
3.Shefféの一対比較法の適用
3.1 CGアート作品の評価
4.まとめ
CGアート作品の評価
CG静止画5作品
↓
独創性、技術力で比較有意な差が出るか調査
(作品の共通のテーマは、「時計」)
• アンケート対象
芸情の学生30人
芸術、CGを学んだ経験のない学生30人
• 検定法
Schefféの一対比較法(中屋の変法)
使用作品
地方コンペ佳作作品
芸情三年生作品
高校生コンペ最優秀作品
CGコンペ佳作作品
CGコンペ最優秀作品
実際のアンケート
芸情 独創性
-0.1
-0.2
0
+0.1
+0.2
0
+0.1
危険率1%
+0.2
危険率5%
他学部 独創性
-0.2
-0.1
危険率5%
危険率1%
芸情 技術力
-0.4
-0.2 危険率5% 0
+0.2
+0.4
危険率1%
他学部 技術力
-0.4
-0.2
危険率5%
0
+0.2
危険率1%
+0.4
調査から
• 技術力のほうが独創性よりも有意差
が出た
• 独創性は有意な差が出にくい
→主観的だから
目 次
1.主観評価法の調査
2.符号検定の適用
2.1 男女の左右折傾向
2.2 整列乗車ラインの効果
3.Shefféの一対比較法の適用
3.1 CGアート作品の評価
4.まとめ
4.1 社会実例
4.2 全体まとめ
社会での実例
• 実際に広島の通販会社も主観評価の実験を行い、商品の信
頼性を確立している
まとめ
• 主観評価法を学び、どの対象にどの検定を
使うかが分かるようになった
• 主観評価法を身に付けることで、主観的な考
え方だけでなく、客観的な意見を得ることがで
きる