日医健診標準フォーマットの 運用開始について

日医健診標準フォーマットの
運用開始について
平成27年4月15日
公益社団法人 日本医師会
1.生涯保健事業の推進による健康寿命の延伸
【日本医師会の考え方とあるべき姿への方向性】
乳幼児期から高齢期に至るまで、医療等IDを
活用して、必要な健診項目を網羅した保健事業
を展開し、蓄積されたデータが国民の健康管理
に適切に反映されるような仕組みを講じる。
Japan Medical Association
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2.日医健診標準フォーマットの運用開始
健診データの
変換ツール
日医健診
標準フォー
• 平成26年に公開
• 健診データ861項目、特殊健診データ127項目を格納
• 国内のデータ交換規格に対応
※健康診断結果報告書規格(JAHIS/HL7)
• 国際標準規格ISO13606や世界規模のアーキタイプの仕様で管理
マット
健診データの
活用
• 平成27年4月より提供開始(原則として無償提供)
• 健診システムのメーカーや種類は問わない
• CSV形式のデータが出力できれば変換できる
• ナショナルデータベースにおける特定健診データよりも広い疾病
分野の健診データ集積が可能
• よりエビデンスの高いデータとして管理することが可能
<日医健診標準フォーマットの利用対象>
◆特定健康診査
◆一般定期健康診査 ◆特殊健康診断
◆対策型がん検診 ◆任意型がん検診
◆人間ドック
◆妊婦健診、乳・幼児健診、児童生徒健診(平成27年中に追加)
Japan Medical Association
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3.国際標準規格ISO13606とアーキタイプ
【ISO13606】
生涯カルテ(EHR)を実現するために、国際標準規格であるISO13606
がある。
【アーキタイプ】
①相互運用性の観点から、共通的なデータモデルを定義する仕様がアーキ
タイプである。
②アーキタイプは「血圧」「尿検査」「心電図」などといった単位で作成
され、それを組み立てることで、データモデルが完成する。
③世界規模で利用されているアーキタイプとして 「OpenEHR」 の
アーキタイプがあり、平成27年2月現在で2500種類まで公開されている。
※国が設置した「次世代医療ICT基盤協議会」におけるデジタルデータ収集・
利活用事業の組成促進の協議の場とも連携して進めていく。
Japan Medical Association
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4.ビッグデータ構築にむけた実証試験
標準化された健診データ
健診機関内の
個々のシステム
管理項目
平成26年度、日医総研で
は日医健診標準フォーマッ
トを利用し、アーキタイプ
によるデータベースの設計
を行い、
実証用システムを構築して
動作確認を行った。
身長
体重
BMI
下限値
上限値
肥満度
体脂肪率
腹囲測定法
腹囲
下限値
上限値
内脂肪面積
下限値
上限値
聴力検査方法
(青枠内)
受信側
聴力右1000Hz所見区分
聴力右4000Hz所見区分
聴力左1000Hz所見区分
聴力左4000Hz所見区分
聴力1000Hz所見区分
聴力4000Hz所見区分
聴力右1000HzdB
聴力右4000HzdB
国際標準
身長
体重
BMI
下限値
上限値
肥満度
体脂肪率
腹囲測定法
腹囲
下限値
上限値
内脂肪面積
下限値
上限値
聴力検査方法
聴力左1000HzdB
聴力左4000HzdB
聴力その他右
聴力その他左
聴力その他
5m視力裸眼右
5m視力裸眼左
相互運用型
ビッグデータ
5m視力裸眼両
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5.横断的なデータ集積による健診データの活用
A社仕様
特定健診
がん検診
事業主健診
職域がん検診
A診療所
データ変換
して取込み
(例)日本医師会
健診データベース
⽇医健診
標準
フォーマット
特定健診
がん検診
事業主健診
職域がん検診
⼈間ドック
日医健診標準フォーマット
の形式でデータを取込み
独自の健診システム仕様
⽇医健診
標準
フォーマット
特定健診
がん検診
事業主健診
職域がん検診
⼈間ドック
B病院健診センター
日医健診標準フォーマット
による取込み
健診結果の参照機能
健診データの参照
日医標準フォーマット仕様
健診データの分析機能
【健診受診者】
【医療機関・健診機関等】
◆分析機能
地域・職域間、自治体間、団体間の
連携による健診データの分析が可能
となる
◆データ参照機能
医療機関や健診機関が異なっても健診受診者に
対して健診履歴の提供ができる
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6.標準化された健診データの活用と今後の検討
1.健診機関においては、各健診結果を標準化された仕様で蓄積
していくことで、健診システムの更新時における「既存データの
移設コスト削減」等に活用できる。
<今後の検討>
◆医師会共同利用施設を対象に、大規模データの長期保管をサポートしていく。
2.住民が自身や家族の健康管理のため、健診を受診した健診
機関や医療機関が異なっても中長期にわたって健診データを
把握できる。
<今後の検討>
◆医師会や医療機関が健診データを閲覧するシステムを構築していく。
3.地域健診や職域健診等のデータを標準化した仕様で集積する
ことで、健診実施状況の把握や健診内容に関する比較・分析等
が行える。
<今後の検討>
◆集積したデータを分析する機能や体制を構築していく。
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