スライド 1 - 静岡大学 桑原義彦 研究室

6.2 アレーアンテナ
6.2.1 八木・宇田アンテナ
半波長アンテナの両側に無給電素子を置く。給電は放射器のみ。
無給電素子の数,配置間隔,長さのパラメータを適切に設定すると単
方向性ビームが形成される。
放射器からの電波を無給電素子が再放射。
合成ベクトルが導波器側で加算,反射器側で減算。
導波器20本での相対利得20dB(これくらいが限界)。
放射器を折り返しダイポールにしてインピーダンスを上げる。
偏波:直線
帯域:6%(HF〜マイクロ波で使用)
6.2.2 対数周期アンテナ
一定の比率の長さ,間隔で長さの異なる半波長アンテナを配置。
広帯域(10:1):下限は最長,上限は最短の半波長アンテナの共振周波
数。使用する半波長アンテナの前後数本が励振され,放射に寄与する。
絶対利得:10dBi, インピーダンス50〜100Ω
6.2.3 スーパーターンスタイルアンテナ(略)
6.2.4 金属反射板つきアンテナ
[1] 平面平板つき半波長アンテナ
金属反射板がxy面内に置かれ
る。半波長アンテナが原点から
dだけ離れた点におかれy軸方
向に電流Iが流れている。
金属反射板をはさんだ影像で
はy軸方向に電流-Iが流れる。
xz面の点Pでの電界
半波長ダイポールのxz面電界
ZI
1
60I 0  jkr


E 90  j 0 0 e jkr
cos cos   j
e
より
2r
sin 
2
r




1  e  j 2kd cos  e  jkd cos e jkd cos  e jkd cos  2 j sinkd cos e  jkd cos
d=λ/4,θ=0°のとき反射板がないときの2倍の合成電界が得られる。
半波長アンテナの入力インピーダンス(式5.65):
素子間距離λ/2のときの相互インピーダンスを図5.20より読み取り
半波長アンテナへの入力電力はW=85.6I2
相対利得
[2] スーパーゲインアンテナ(略)
[3] コーナーリフレクタアンテナ
金属反射板の影像を利用し,見かけのアンテナ素子数を増やす。
反射板の長さlと高さh:l≥2d, h≥0.6λ
開き角α=90°とし,実在の半波長アンテナに+Iの電流を流す:
x軸上の影像アンテナの電流は-I,-y軸上の影像アンテナの電流は+I
d=0.5λにとるとy軸方向に単方向性のビームが現れ、半波長アンテナ
の4倍の電界が現れる。
金属板の代わりに金属グリッドを用い風圧,重量の低減を図る。
半波長アンテナと同じ向きにグリッドを置く。グリッド間隔は0.1λ以下。
グリッド間隔が入射波の波長に比較して十分小さいとグリッド間を通過
できず,反射する。
例題6.4 α=90º,d=0.5λのコーナー
レフレクタアンテナの相対利得
各アンテナからP点までの距離
r2=r1+λ/2
180º遅れる
r3=r1+λ
360º遅れる
r4=r1+λ/2
180º遅れる
4つのアンテナの正面方向における合
成電界
アンテナの入力インピーダンス
図5.20より,素子間隔0.707λの相互インピーダンスは-24.6+j0.8Ω
素子間隔λの相互インピーダンスは4+j17.7Ω
入力インピーダンスは
アンテナ①への入力電力
W=Re{Z1}I2=126.3I2
アンテナの相対利得は
6.2.5 双ループアンテナ(略)
6.3 平面アンテナ
6.3.1 スロットアンテナ
[1] 同軸ケーブルでスロットに給電した場合
スロット内の電界Eと磁流Mの関係
z方向の単位ベクトルをnとすると
 xˆ yˆ
M  E  n  0 E y
0 0
zˆ 
0  E y xˆ
1
スロットからの放射界は半波長アンテナ
の放射界をバビネの定理に置き換えて
求められる
E  H
H  E
H , E のθ方向の指向性は
 k0 L

 k0 L 
cos
cos   cos

 2

 2 
D  
sin 
y軸のスロットの長さ:λ/2,x軸のスロットの長さ:<<λ
金属面の両側から放射される,偏波方向はx軸
[2] スロットに電波が入射した場合(略)
6.3.2 導波管スロットアレーアンテナ(略)
座標原点におかれた微小磁流,電流素子からの球面座標系における放射
Ms 2  1
1   jk0 r
E  
k0  j

sin 
e
4  k 0 r k 0 r 2 
 1
Ise jkr 2
1 


H 
k sin   j 
2 
4
 kr kr  
1 Ms 2  1
1   jk0 r
Hr 
k0 
j
e
cos
3
Z 0 2  (k 0 r ) 2
k0 r  
Er 
 1
Is
1   jkr
e cos
Z 0 k 2 

j
2
3 
2
kr  
 kr 
1 Ms 2  1
1
1   jk0 r
H 
k0  j

j
e
sin 
3
Z 0 4  k 0 r (k 0 r ) 2
k 0 r  
E 
Er  E  H  0
 1
Is
1
1 
Z 0 e  jkr k 2 sin   j 

j
2
3
4
kr
(
kr
)


kr


Hr  H  E  0
バビネの定理
ある問題に対し、電流・磁流のいずれかの解が分かっていれば、以下の置き換え
によって他方の解が求められる
 
EJ  H M
J M
H J   EM

Z0 

6.3.3 マイクロストリップアンテナ
ストリップ線路とマイクロストリップアンテナ
マイクロストリップ線路の特性インピーダンス,
波長短縮率
0.5
Z0
0
  1  1  10h 
Z
g 
 e  r  r 1 

e
e
2
2 
W 
Z0 
120
W
h 
h
 2.42  0.44  1  
h
W  W
 8h W 
Z 0  60ln  
 W 4h 
6
W
1
h
W
1
h
地導体が十分広いとき、ストリップ線を電流
Jが流れると、地導体を取り払い、間隔2hを
おいて反対方向に流れる電流―Jがある線
路と考えることができる.イメージ電流を考え
ると、平行2線式線路と等価である.
•ストリップ線路の両端を開放したときの定在
波分布
長さLをストリップ線路上の波長の1/2とする.
•線路幅は共振条件に関係が無いが、アンテ
ナの放射に関係する.
共振したストリップ線路端の電界分布
•アンテナ端からの電気力線は、端部に磁流を考えたものと同じ
マイクロストリップ線路のほかの部
分にも磁流を仮定する.
線路長方向の磁流による電界は
互いに逆向きで打ち消し会う.
線路端の磁流の方向は同一で放
射に寄与する.
放射パターンは2つの磁流による
電界の合成となる. (2つのスロットアンテナからの放射)
スロットアンテナ(磁流)からの指向性:
任意の長さのダイポールアンテナからの電界
Z 0 e  jkr coskh cos   coskh
E ( )  j
I0
2
r
sin 
kW
 kW

cos
cos   cos
2
 2

D   1
D  
sin 
間隔Lの2つのE面無指向性アンテナの合成電界は
e

jkLsin 
2
e
jkLsin 
2
 kL

 2 cos sin  
 2

I2モードの共振周波数
はI1モードより低い
切れ込み量を適当に
制御すると位相差を
90ºにできる
偏波:平面波の電界の向き
偏波が時間的に変わるケースを考える。
EyはExより位相がδだけ進んで
z軸方向に進行すると仮定する。
電界の各成分は
x  Ex cost ,
y  Ey cost   
ωtを消去すると
x2 y2
2 xy
2


cos


sin

Ex2 E y2 Ex E y
δ=0すなわちEyとExが同相の時、電界が直線上を移動する(直線偏波)
E x  E y  2 xyEx E y  E y x  Ex y   0  y 
2
y
2
2
x
2
δ=±π/2の時
x2 y2
 2 1
2
Ex E y
2
Ey
Ex
x
Ex=Eyの時円偏波:δ=π/2の時左旋偏波,δ=-π/2の時右旋偏波
x2 y2
 2 1
2
Ex E y
EyはExより位相が進むと仮定