大地の躍動を見る。 第3章 地震の動きを考える 佐野 友絵 地震の繰り返し 東海沖の様子 東海沖:静岡県から三重県にかけての沖合いでフィリピン 海プレートがユーラシアプレートの下に潜り込んでいる南 海トラフといわれている場所あたり。 東海沖・南海沖における 巨大地震の繰り返し例 147年 90~92年 このように、100~150年の周期で地震は発生するのだろうか? アメリカ合衆国パークフィールドの例 カリフォルニア州パークフィルド 北アメリカ大陸と太平洋プレートが水 平方向にすれ違っている。 ※東海沖のプレートの動きとは異なっている。 ここでは、M6程度の地震がほぼ22年周期で起きている。 しかし、 6番目の地震がきてから今もまだ発生していない!!! 数少ないデータを用いて将来を予測することは とても難しい! どうして規則的に発生するのか? 簡単な地震モデル 石の突然のすべり:地震 石と地面で挟まれた所:断 層 石を引っ張る人:プレートの ゆっくりとした動き ユーラシアプレート 断層 フィリピン海プレート 1年間に数センチ程度、フィリピン海プレートはユーラシアプ レートに沈み込んでいるので、日に日に断層に加わる力は 増している。 石が滑った後も、同じように断層に加わる力がたまり、また 滑りだす。 地震 不規則性の原因は? プレートの動く速さは長い間ほとん ど変化していない。 →規則的になるはず!! 地震の不規則さの要因は、 プレートの動き以外だと考えられる 影響の及ぼしあい 「影響」の正体 切れ目:断層 切れ目が大きいほど、その周りは大きく歪み、 小さな力で切れ目を広げることができる。 地震に置き換えると・・・ ある所で地震が起きるとその周り は大きく歪む。 歪む:形や体積が大きく変化するコト このような場所には大きな力 が働く。 地震の起きた断層の近くに別の断層 があれば、大きな影響をうける。 起きかかっているような断層に突然 歪みが加わると引き金となって、地 震を起こしてしまうこともある。 複雑系 複雑系 一つ一つの物事が互いに強い影響を及 ぼしあうことによって全体が成り立って いるもののこと。 ある断層での地震の起こり方は、ほかの 断層での地震の起こり方に関係する。地 震の起こり方を調べるためには、互いに 影響する全ての断層を一緒に考えなけれ ばならない。 及ぼし合いモデル(前提) 石Aと石Bを考える。(石と石の間 にはバネがついている) それぞれ1年間ごとに力が1増え る。 Aが滑るとBに1.2の力、Bが滑る とAに0.7の力が伝わる。 Aは5、Bは3になったら滑る。 及ぼし合いモデル それぞれ、お互い の滑りをしたあと、 12.2年後にAと Bが同時に発生 する。 Aは、ほぼ4年周 期で繰り返されて いるのに対して、 Bでは不規則に滑 る。→Bの方が影 響をうけやすい 余震 1946~1955にかけて、地震が頻発して起こっている。 これは1946年南海地震の余震。 小さな地震は大きな地震の影響をうけやすい→ 大きな地震の起きた近くの断層が影響を受ける。 →小さい地震ほど良く起こる。 まとめ 地震の動き・規則は互いに影響を 及ぼしあっているため非常に複雑 である。 複雑の中にも小さい地震ほど頻繁 に起こるという単純さももつ。
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