第3回学力向上支援教員等協議会 平成25年度 全国学力・学習状況調査結果を受けての 授業改善について 算数・数学科 平成25年9月26日 △ABPと△CDQにおいて 仮定より BP=DQ ・・・① 平行四辺形の向かい合う辺は等しいから AB=CD ・・・② 平行四辺形の向かい合う辺は平行だから AB//CD 平行線の錯角は等しいから ∠ABP=∠CDQ ・・・③ ①②③より 2組の辺とその間の角が等しいから △ABP≡△CDQ 合同な図形の対応する辺の長さは等しいから AP=CQ 調査結果の主旨 基本理念 主として 「知識」 に関する 問題 身につけておかなければ後の学年等 の学習内容に影響を及ぼす内容や、 実生活において不可欠であり常に活 用できるようになっていることが望まし い知識・技能など 主として 「活用」 に関する 問題 知識・技能等を実生活の様々な場面 に活用する力や、様々な問題解決の ための構想を立て実践し評価・改善す る力などに関わる内容 算数 調査結果から全体的な状況 ◆ 図や表を観察して、問題の解決に必要な情報を選択す ることに課題がある。 ・ 円柱の側面の辺や長さを求めるために、必要な情報を見取り図から読み取る こと。〔A7(2)〕 ・ 複数の条件全てに当てはまる乗り物を判断すること。〔B1(1)〕 ◆ 場面の状況や操作の意味に基づいて、式を的確に読む ことに課題がある。 ・単位量あたりの大きさを求める除法の式と商の意味を理解すること。〔A4〕 ・示された平均を求める式から、その計算の結果が何を求めているのかについて 理解すること。〔B2(1)〕 数学 調査結果から全体的な状況 ◆ 数量の関係を文字式で表すことや多角形の外角の意味 を理解することなど、身につけておかなければ後の学習 に影響を及ぼす内容の習得に課題がある。 〔A1(4)、A2(3)、A6(2)、A9、A11(2)など〕 ◆ 数学的に表現したり、数学的に表現された事柄を読み 取ったりすることに課題がある。 〔A2(2)、A7(2)、B6(2)など〕 ◆ 数量の関係を一次関数とみなして問題を解決する方法 や、資料の傾向からわかった事柄などを、他の事象に適 用してもとの事象との関係を捉えることに課題がある。 〔B3(3)、B5(3)など〕 調査結果の推移 小6・算数 教科 3 中3・数学 区分 A知識 B活用 A知識 B活用 大分県 7 8 .7 5 7 .8 6 2 .0 3 9 .2 全国 7 7 .2 5 8 .4 6 3 .7 4 1 .5 算数 H21 2 全国11位 0 H22 H24 H25 -0.5 ◆努力した -1.5 0 -2 2 3 -1 ■全国との差 -2 -3 -4 H21 H22 H24 ◆努力した -1 1 1 数学 4 -2.5 -3 -3.5 -4 -4.5 -5 ■全国との差 H25 算数 調査結果から 大分県の状況 特に台形の面積を 求める問題では ◇ A問題では全国平均を1.5ポイント上回る。特に・・・ B問題でも全国平均との差が小さくなってきている。 ◇ A、Bすべての問題で無解答率が全国平均を下回る。 ◆ 面積が等しくなることをことばと数を用いて記述すること に課題がある。 ◆ 比例の問題で、根拠となる数値を示して記述することに 課題がある。 図形領域、根拠を示して説明することについて、県の学力調査でも課題がみられた 数学 調査結果から 大分県の状況 ◆ 身につけておかなければ後の学習に影響を及ぼす内容 の習得に課題がある。 ① ② ③ ④ ⑤ 5/8×3/4の計算 数量関係等を文字式で表す 基本的な図形の性質や言葉の意味 一次関数の表から変化の割合を求める 簡単な場合についての確率を求める ◆ 数学的に表現したり、表現されたことを読み取ったりする ことに課題がある。 ① 文字式の意味を読み取る ② 図形の性質等を記号で表す 数学 調査結果から 大分県の状況 図形 ◆ 示された方針に基づいて証明することや、与えられた条 件を整理したり、着目すべき性質を見いだしたりするな どして、証明の新たな方針を立てることに課題がある。 ① 方針に基づいて証明する(例年全国平均を大きく下回っている) ② 証明の方針を立てる 関数 ◆ 事象を数学的に解釈し、問題解決の方法を数学的に説 明することや、言葉で表された事柄の数学的な意味を的 確に捉え他の事象との関係を考えることに課題がある。 ① 与えられた表から情報を適切に選択し、処理する ② 事象を数学的に解釈し、問題解決の方法を数学的に説明する 特に2年生での関数領域、図形領域で全国平均を大きく下回っている 児童生徒質問紙からから 大分県の状況 ◆ 分かる授業、力を伸ばす授業へ 算数・数学的な見方や考え方の良さにふれさせる・実感させる 調査問題から 算数 B3(2) 図形の観察と 判断の根拠の説明 調査問題から 数学 A3(2) 時差を「-7(時間)」と表 すことによって、同じ計 算で時刻を求めること ができる。 ウェリントンの時刻=東京の時刻+(+3) カイロの時刻=東京の時刻+(-7) 調査問題から 数学 B4(1)(2) 理由の 説明 証明の新たな方針を立てる 指導の充実を図るために 1.算数・数学的な活動の充実 数学的な表現を用いて、根拠を明確にし、説明し伝え合う活動の重視 算数科・数学科の学習において、言葉や数、グラフ、図、 表、式などを根拠に、筋道を立てて説明したり論理的に 考えたりして、自ら納得したり他者を説得したりできること が大切。 明確な説明ができるように、ノートにまとめさせたり、説明 に不足している点や数学的にどのような表現をすべきか を考えさせたりする授業。 方法や理由を言葉や数を用いて記述する際、場面の状況や問題の条件に基 づいて、必要な事柄を過不足なく記述させることが大切。 指導の充実を図るために 1.算数・数学的活動の充実 授業の「ねらい」を明確にし、追求させる 単元計画、評価規準の適切な設定 ・言語活動の有効利用 手段としての言語活動 ・見通しやふり返りの設定 構想を立て実践し、評価・改善 ・事実、方法、理由を問う場面の設定 事柄や事実を説明する 「~は、・・・である」 方法を説明する 「~を用いて、・・・する」 理由を説明する 「~であるから、・・・である」 指導の充実を図るために 2.数学的な用語を使った表現力の育成 【「それ」「あそこ」で、授業が曖昧になっていないか】 → 算数・数学の用語を用いて、児童・生徒は的確に自分の考えを話した り、ノートに書いたりすることはできているか? → 教室の中で、定義や性質に基づいて考えることを曖昧にしていないか? ・用語をただ教えるだけでなく、児童生徒に考えさせる場面を ・正しく使えないときはやり直しも (繰り返し定着させていく) 算数・数学の用語を的確に用いることは、小・中学校の接続においても重要である。 指導の充実を図るために 3.過去の学力調査問題を活用した授業や宿題、テスト ・調査問題を活用した単元を構想し、実施(特に中2では、関数・図形を) ・調査問題の家庭での活用 4.習熟度別少人数指導の充実 ・評価規準、到達目標を統一した指導の実施 ・児童生徒の実態に応じた 5.数学科教員のネットワークの強化と利用 ・指導教諭や学力向上支援教員等の優れた実践と追実践の日常化 ・中学校における教科部会の充実
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