貨幣供給 金融概論(小川担当分)2014 1 ハイパワードマネーと マネーストック ハイパワードマネーorマネタリーベースorベースマネー =中央銀行が供給する現金通貨。 ハイパワードマネー(H)は、公衆保有の現金通貨(C)と銀 行保有の支払準備(R)から構成される。 H CR マネーストック =一国経済の消費、投資及び生産等の実物経済の経済 活動に影響を及ぼす、銀行以外の家計や企業等の経済 主体が保有する貨幣量。 マネーストック(M)は、公衆保有の現金通貨(C)と預金通 貨(D)から構成される。 M CD 金融概論(小川担当分)2014 2 マネーストック マ ネ ー ス ト ッ ク 金融概論(小川担当分)2014 3 ハイパワードマネーとマネース トックの関係 ハイパワードマネーとマネーストックの関 係 C 1 m 1 D H M H C R mr D D m:公衆保有の預金通貨に対する現金通貨 の比率、r:市中銀行の支払準備率 (0 r 1) 金融概論(小川担当分)2014 4 貨幣乗数 ハイパワードマネーの増減は、貨幣乗数 倍のマネーストックの増減をもたらす。 m 1 M H mr m 1 1 mr 公衆保有の預金通貨に対する現金通貨比 率mが低下すると、貨幣乗数は上昇する。 支払準備率rが上昇すると、貨幣乗数が低 下する。 金融概論(小川担当分)2014 5 ハイパワードマネーの増減要因 ハイパワードマネーは中央銀行の負債で あるために、中央銀行の資産項目が増 減すると、ハイパワードマネーが増減す る。 (1) 国内信用残高 ①対政府信用残高 ②対民間信用残高 (2) 外貨準備残高 金融概論(小川担当分)2014 6 中央銀行のバランスシート 資産 負債 国内信用残高 (対政府信用+対民間信用) ハイパワードマネー ハイパワードマネー 外貨準備残高 金融概論(小川担当分)2014 7 公開市場操作(国債の買いオペ) と通貨当局のバランスシート 資産 負債 国内信用残高 (対政府信用+対民間信用) ハイパワードマネー ハイパワードマネー 外貨準備残高 買いオペによる 対政府信用残高増 ハイパワードマネー増 金融概論(小川担当分)2014 8 市中銀行貸出と通貨当局のバランス シート 資産 負債 国内信用残高 (対政府信用+対民間信用) ハイパワードマネー ハイパワードマネー 外貨準備残高 市中銀行貸出による 対民間信用残高増 ハイパワードマネー増 金融概論(小川担当分)2014 9 為替介入(外貨買い介入) と通貨当局のバランスシート 資産 負債 国内信用残高 (対政府信用+対民間信用) ハイパワードマネー ハイパワードマネー 外貨準備残高 外貨買い介入による 外貨準備残高増 ハイパワードマネー増 金融概論(小川担当分)2014 10 信用創造メカニズム 信用創造=ハイパワードマネーが乗数倍 のマネーストックに創造される。現金通貨 を預金として預かった銀行が一部を支払 準備として残しながら残りを貸し出すことに よって、預金通貨が創造されていく。 金融概論(小川担当分)2014 11 公衆A:現金通貨H1を受け取り、 現金通貨 C1 と預金通貨D1 に配分 公衆A C1 H1 m H1 1 m 1 D1 H1 1 m C1 D1 金融概論(小川担当分)2014 12 銀行a:預金D1 受け入れ、一部 R1を 支払準備として、残り L1を貸し出す 公衆A C1 H1 銀行a R1 L1 D1 r R1 r D1 H 1 1 m 1 r L1 (1 r )D1 H 1 1 m D1 金融概論(小川担当分)2014 13 公衆B:借入額 L1を 現金通貨C2 と預金通貨D2 に配分 公衆A C1 H1 銀行a D1 C2 R1 L1 公衆B D1 D2 L1 m m 1 r L1 H 1 1 m 1 m 1 m 1 1 1 r D2 L1 H 1 1 m 1 m 1 m C 2 金融概論(小川担当分)2014 14 銀行b:預金D2受け入れ、一部R2 を 支払準備として、残り L2を貸し出す 公衆A C1 H1 銀行a D1 D2 銀行b R2 C2 R1 L1 公衆B L1 D1 R2 r D2 D2 L2 r 1 r H1 1 m 1 m 1 r L2 (1 r )D2 H1 1 m 2 金融概論(小川担当分)2014 15 金融概論(小川担当分)2014 16 公衆保有現金と預金通貨 ハイパワードマネーと公衆保有現金 2 m m 1 r m 1 r C 1 m 1 m 1 m 1 m 1 m m C H mr H ハイパワードマネーと預金通貨 2 1 1 1 r 1 1 r D 1 m 1 m 1 m 1 m 1 m 1 D H mr 金融概論(小川担当分)2014 H 17 m m 1 r m 1 r A 1 m 1 m 1 m 1 m 1 m 1 r (1) 1 m 2 (1) 1 r m 1 r m 1 r m 1 r A 1 m 1 m 1 m 1 m 1 m 1 m 1 m (1) (2) 2 m 1 r 1 A 1 m 1 m mr m A 1 m 1 m m A mr 金融概論(小川担当分)2014 3 (2) 18 支払準備と貸出 ハイパワードマネーと支払準備 2 r r 1 r r 1 r R 1 m 1 m 1 m 1 m 1 m r R H mr H ハイパワードマネーと貸出 1 r 1 r 2 1 r 3 L H 1 m 1 m 1 m 1 r L H mr 金融概論(小川担当分)2014 19 マネーストック ハイパワードマネーとマネーストック M C D m 1 H H mr mr m 1 H mr 銀行システム全体における預金・貸出・支 払準備 D L R 金融概論(小川担当分)2014 20 日本のマネタリーベース 金融概論(小川担当分)2014 21 マネーストック指標 マネーストック指標の側面 ①経済活動に影響を及ぼしうる貨幣量 ②中央銀行が管理可能である貨幣量 金融革新に伴ってマネーストック指標が変わる。 ①決済機能の付いた金融商品 ②電子マネー 金融概論(小川担当分)2014 22 マネーストック指標の種類 M1=現金通貨+預金通貨(預金通貨の発行者は全預金取扱機関) M2=M1+準通貨+CD(預金通貨+準通貨+CDの発行者は国内銀行 等) M3=M1+準通貨+CD(預金通貨+準通貨+CDの発行者は全預金取 扱機関) 広義流動性=M3+金銭の信託+投資信託+金融債+銀行発行普通社 債+金融機関発行CP+国債・FB+外債 現金通貨=銀行券発行高+貨幣流通高 預金通貨=要求払預金(当座、普通、貯蓄、通知、別段、納税準備-対象金融機関保有小 切手・手形) 準通貨=定期預金+据置貯金+定期積金+外貨預金 CD=譲渡性預金 国内銀行等=国内銀行(ゆうちょ銀行を除く)+外国銀行在日支店+信用金庫+信金中央 金庫+農林中央金庫+商工組合中央金庫 全預金取扱機関=「国内銀行等」+ゆうちょ銀行+信用組合+全国信用協同組合連合会+ 労働金庫+労働金庫連合会+農業協同組合+信用農業協同組合連合会+漁業協同組合 +信用漁業協同組合連合会 金融概論(小川担当分)2014 23 日本のマネーストック成長率 金融概論(小川担当分)2014 24
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