確率・統計Ⅱ 第9回 2つの母集団(1) 母平均の差の検定・推定 1. 母分散が既知の場合 2. 母分散が未知だが等しい場合 3. 母分散が未知で等しくない場合 復習:母平均の検定(母分散既知) 母分散σ2 とする。 母平均μ=μ0 と仮定 (帰無仮説 H0) 標本の大きさ n が大きい場合、 または(nが小さくても) 母集団が正規分布に従う場合 X 0 Z は 標準正規分布に従う n 母平均の差の検定(母分散既知) 母分散σX2 , σY2 とする。 母平均μX=μY と仮定 (帰無仮説 H0) 母集団が正規分布に従う場合・ 標本の大きさ n, m が大きい場合 Z X Y -(μX-μY) X n Y m 2 2 は 標準正規分布に従う 母平均の差の検定(母分散既知) (有意水準5% , 両側検定の場合) xy X 2 n Y 2 m と ±z0.025 の大小をチェック つまり xy X n Y m 2 2 と ±1.96 の大小をチェック [演習]母平均の差の検定(母分散既知) [1] 二つの都市の小学校1年生男子そ れぞれ50人, 100人の平均身長を調べ たところ、116.2cm, 114.8cm であった。 両都市の平均身長に有意差がある か、有意水準5%で検定せよ。 ただし、身長の標準偏差は両都市と も5cmとする。 2つの母集団(1) 母平均の差の検定・推定 1. 母分散が既知の場合 2. 母分散が未知だが等しい場合 3. 母分散が未知で等しくない場合 復習:母平均の検定(母分散未知) ① 標本の大きさ n が大きい場合 (n≧30) σ2 のかわりに s2 を用いる以外は同様。 ② 母集団が正規分布に従う場合 σ2 の代わりに s2 を用い、正規分布の代 わりに 自由度 n-1 の t 分布を用いる。 母平均の差の検定(母分散未知) 標本の大きさ n, m が大きい場合 は、 σX2 , σY2 のかわりに 標本分散 SX2 , SY2 を 用いて同様にやればよい。 では小標本の場合は? 例によってt分布を用いるのだが、 2つの場合に分ける。 母平均の差の検定(母分散未知) ① σX2 = σY2 と仮定できる場合 X Y -(μX-μY) t S 1 n 1 m は自由度 n+m-2 の t分布に従う ただし (n 1) S X (m 1) SY S nm2 2 2 2 [演習]母平均の差の検定 ( 小標本、母分散未知だが等しい場合) [2] ある缶ジュースをA社とB社が作っているが、サンプ ルの果汁率を調べたところ、次のようであった: A社: 12.2, 14.3, 12.6, 13.8, 14.2, 12.7 13.7, 14.0, 12.4, 13.6, 12.8 B社: 12.3, 11.8, 12.4, 13.2, 11.7, 13.4 12.1, 12.6, 12.1, 11.7, 13.6, 12.4 A社とB社の製品の果汁率の平均値に差があるかどう か、危険率5%で検定せよ。ただしどちらの会社も製 造機械は同じメーカーのものを使用しているとする。 2つの母集団(1) 母平均の差の検定・推定 1. 母分散が既知の場合 2. 母分散が未知だが等しい場合 3. 母分散が未知で等しくない場合 母平均の差の検定(母分散未知) ② σX2 = σY2 と仮定できない場合 X Y ~ t SX 2 -(μX-μY) n SY m 2 は 近似的に t分布に従うとみなせる。 ( S X n SY m) 自由度は 2 2 2 2 ( S X n ) ( S Y m) n 1 m 1 2 2 2 に最も近い整数 (検定としてばかり述べているが、これらの定 理はもちろん推定として使うこともできる。) たとえば2つの母集団が正規母集団で、母分 散が既知の場合は、 z0.05 x y ( X Y ) X n Y m 2 2 z0.05 を解いて、平均値の差μX-μYを区間推定できる: | X Y | | x y | z0.05 X n Y m 2 2 メニューに戻る メニューへ
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