Higashino Lab. アプリケーションレベル マルチキャストの一方式の 提案とその性能評価 大阪大学基礎工学部情報科学科 東野研究室 中村嘉隆 2015/9/30 特別研究報告 1 Higashino Lab. 本研究の背景と内容 背景 通信環境の発展 →電子会議システムなどグループコミュニケーションの需要増加 既存のマルチキャストの問題点 対応ルータの必要性 グローバルマルチキャストアドレス割り当ての問題 本研究の内容 会議アプリケーション向けにアプリケーションレベルマルチキャ ストのプロトコルを提案 ネットワークシミュレータns-2による提案プロトコルの性能評価 2015/9/30 特別研究報告 2 Higashino Lab. アプリケーションレベルマルチキャスト エンド間のユニキャスト通信を仮想リンクとみなした論理ネット ワーク上のマルチキャスト 利点 現在の通信基盤での実現が容易 ユニキャストトランスポートプロトコルの制御機能が利用可能 問題点 エンドホストの離脱によるネットワークの流動性 経路木のコスト エンドホスト間の帯域制約 高帯域メディアを扱う場合、受信者の受信要求を満 たせない可能性大 2015/9/30 特別研究報告 3 Higashino Lab. 提案プロトコル概要 参加者A 電子会議アプリケーションを対象 C 配送メディアを分割 B オーディオメディア ビデオメディア 各参加者のビデオへの要求度 プリファレンスとして設定 全参加者のプリファレンスの総和を 最大化するように転送制御する 2015/9/30 D A A D B C 参加者C A 参加者B B 特別研究報告 参加者D C D D B A C preference 高 低 4 Higashino Lab. 提案プロトコル概要 参加者A 電子会議アプリケーションを対象 C 配送メディアを分割 B オーディオメディア ビデオメディア 各参加者のビデオへの要求度 プリファレンスとして設定 全参加者のプリファレンスの総和を 最大化するように転送制御する 2015/9/30 D A A D B C 参加者C A 参加者B B 参加者D C D 他の参加者の画面 特別研究報告 D B A C preference 高 低 5 Higashino Lab. 提案プロトコル概要 参加者A 電子会議アプリケーションを対象 C 配送メディアを分割 B オーディオメディア ビデオメディア A A D B C 参加者D D B B D A プリファレンスとして設定 全参加者のプリファレンスの総和を 最大化するように転送制御する 話者の映像に対する要求が 高まるためPreferenceを上げる C 各参加者のビデオへの要求度 D 参加者B 参加者C A 主話者 2015/9/30 特別研究報告 C preference 高 低 6 Higashino Lab. 提案プロトコル概要 参加者A 電子会議アプリケーションを対象 C 配送メディアを分割 B オーディオメディア ビデオメディア 各参加者のビデオへの要求度 プリファレンスとして設定 全参加者のプリファレンスの総和を 最大化するように転送制御する 2015/9/30 D A A D B C 参加者C A 参加者B B 参加者D C D D B A C 無関係 話題に関係ない参加者の 映像のpreferenceを下げる 特別研究報告 preference 高 低 7 Higashino Lab. 提案プロトコル プロトコルの構成 Overlay ネットワーク 既存のネットワーク基盤上の論 理ネットワーク 二層の論理レイヤで構成 制御レイヤ 双方向ユニキャストチャネルである制 御チャネルの集合 制御メッセージを流す データレイヤ 制御レイ ヤ データレイヤ 2015/9/30 有向チャネルであるデータチャネルの 集合 メディアデータを流す 既存のネットワーク基盤 特別研究報告 8 Higashino Lab. 提案プロトコル ①レイヤ・経路木の構築 ノード間遅延を基にOverlayネットワーク 構築 適当な短い遅延の2ノード間に制御チャネ ル構築 制御チャネルを介してデータチャネル構築 データレイヤ データレイヤ上に経路木構築 オーディオ:低遅延、低ロス率が必要 制御レイヤ 遅延を基にした共有木を構築 ビデオ:高帯域が必要 フラッディングによりメディアごとに最短経路木を 構築 定期的に更新 2015/9/30 特別研究報告 9 Higashino Lab. 提案プロトコル ②メディア配送の制約 オーディオ:全参加者へ配送可能 構築した共有経路木に沿って全隣接ノードへ配送 ビデオ:全参加者への配送は不可能 エンド間帯域、処理能力に限界 1. 2. 3. 各ビデオに対する参加者の要求度を表すプリファレンス導 入 プリファレンスの高いビデオを優先的に配送 アプリケーション全体でプリファレンスの総和がなるべく大 きくなるようメディア転送を制御 2015/9/30 特別研究報告 10 Higashino Lab. 提案プロトコル ③プリファレンスの集約 V A ビデオ配送の要求時 PB(V) =pB(V) +pC(V) +pE(V) =4 各ビデオに対するプリファレンス を設定 MEDIA/Join(V pB(V)=1 経路木の親ノードへプリファレン ) B MEDIA スをつけた制御メッセージ MEDIA/Join(V) /Join(V MEDIA/Join(V)を転送 ) MEDIA/Join(V)を受け取ったノー C D E ドは子ノードのプリファレンス総 pC(V)=1 pE(V)=2 和を計算 自らのプリファレンスを加えて親 pX(Y):XにおけるYのプリファレンス ノードへ転送 PX(Y):X以下におけるYのプリファレンス総和 2015/9/30 特別研究報告 11 Higashino Lab. プリファレンスによる 配送メディアの変更 A B 集約したプリファレンスを 比較し、大きいメディアを 選択して配送 VA VB VC D MEDIA/Join(VC) PF(VB)=2 PE(VC)=5 E pE(VC)=5 PG(VA)=1 G F pF(VB)=1 Dの配送できるメディアは 2つまでであるとする 2015/9/30 C 特別研究報告 pG(VA)=1 H pH(VB)=1 12 Higashino Lab. 性能評価 ネットワークシミュレータns-2による性能評価 レスポンス時間を測定 メディア要求メッセージの送出から、メディア受信までの時間 メディア転送制御メッセージの総量を計測 全てのノードから全てのメディアに対するMEDIA/Joinを送出 し、配送木が確定するまでに必要なメッセージの総量 8ノード 9ノード 10ノード 11ノード レスポンス時間 0.1~1.5s 0.1~1.6s 0.1~1.6s 0.1~1.6s メッセージ総量 198 373 2015/9/30 273 特別研究報告 426 13 Higashino Lab. まとめと今後の課題 まとめ 会議アプリケーション向けに参加者の各ビデオに対する要 求度を考慮したプロトコルを提案 ns-2を用いたシミュレーションによる性能評価 今後の課題 シミュレーションによる計測の継続 エンドホストを増やしたネットワークで計測 パケット重複率、エンドホストの転送数の測定 他の制御方式との効率比較 会議アプリケーションの実装 ワイヤレスへの応用 2015/9/30 特別研究報告 14 Higashino Lab. シミュレーションした ネットワークトポロジー 8 600k 400k 2M 0 2 2M 5 500k 9 10 2M 2M 3 500k 6 11 2M 2M 1 2015/9/30 4 300k 特別研究報告 7 15
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