最近の肺結核の治療と診断 浜松医大救急部 白井 正浩 最近の肺結核の診断と治療 疫学 診断 治療 院内感染対策 全結核罹患率の推移 1000 500 70~ 100 人 口 1 0 万 対 60~69 50 総数 10 5 20~29 1999 年 人口 10 万人あたり 38.1 人 1965 70 75 80 15~19 85 90 年 地域罹患率の格差(10 万人) 高い地域 低い地域 大阪府 62.8 長野県 16.3 和歌山県 52.1 山梨県 18.8 高知県 50.9 栃木県 23.9 兵庫県 50.1 埼玉県 24.5 結核の現状 新規登録者約 48264 人 結核罹患率の再上昇 新登録患者の高齢化 地域罹患率の格差 在日外国人新登録患者数の増加 結核が増えているのはなぜ? 大流行期に濃厚感染を受けた人 たちが高齢化した。 年齢階級別結核死亡率の推移 死 亡 率 人 口 一 0 万 対 600 1940 500 1950 400 1960 300 1981 200 100 0 10 20 30 40 age 50 60 70 80 by hebisawa 最近の肺結核の診断と治療 疫学 診断 治療 院内感染対策 ツ反が強陽性でも 発病しているわけではない。 結核の診断は菌の証明が必要 年齢別にみた既感染率(推定) (%) 100 1950 年 80 60 2000 年 1990 年 40 2010 年 20 0 age 10 20 30 40 50 60 70 80 90 なぜツ反に二段階反応が必要か 抗酸菌感染やBCGによる反応は年月とともに 減弱する。 2週間後に再度ツ反を行うと反応は回復する。 (ブースター現象) ブースターによるツ反の増大を最近の感染と 誤って解釈されるのを避けるため。 最近の肺結核の診断と治療 疫学 診断 治療 院内感染対策 結核菌に感染すると 約10人に1人が発病する。 発病は感染後2年以内が多い 乳幼児期の感染は 発病率が高い。 (特にBCG未接種の場合) 救急部新たなる陣容 要 注 意 要 注 意 救急の仕事に 燃える7人の 戦士達。 2人の要注意 人物が含まれ ていた。 副作用 114/153 自他覚症状 54 件 末梢神経 関節痛 例 74.5% 検査値異常 152 件 腎障害 Plt 低下 WBC低下 第8神経 皮疹 39% 発熱 18.5% 高 UA 26.3% 消化器 27% Eo 上昇 35.5% 肝障害 26.3% 副作用出現時期 % 自他覚症状 14 皮疹 12 10 8 消化器 第8神経 発熱 末梢神経 6 4 2 0 〜1 W 1〜2W 2W〜1M 1〜2M 2〜3 M 3M〜 副作用出現時期 % 検査値異常 35 30 Eo 上昇 WBC 25 高尿酸 Plt 20 肝障害 15 10 5 0 〜1 W 1〜2W 2W〜1M 1〜2M 2〜3 M 3M〜 結核菌暴露後の経過 感染不成立(70%) 充分に機能 飛沫吸入 非免疫学的防御機構 不充分 感染成立 (30%) 早期発病(5%) 不充分 免疫学的防御機構 後期発病 不充分 充分に機能 早期発病を免れる (95%) 免疫学的防御機構 充分に機能 終生発病しない (90%) Five-Year Follow-Up of a Controlled Trial of Five 6-Month Regimens of Chemotherapy for Pulmonary Tuberculosis AM REV RESPIR DIS 1987; 136:1339-1342 Relapse in patients with drug-susceptible strains pretreatment Relapses Patients N N % PZA series 626 21 3.4 Non PZA series 166 17 10.3 肺結核初回標準治療法 A INH・ RFP・ PZA SM・ (EB) INH・ RFP・ (EB) 2 カ月 6 カ月 INH・ RFP・ SM・ (EB) INH・ RFP INH・ RFP B 6 カ月 C INH・ RFP 9 カ月 INH・ RFP 6 カ月 9 カ月 12 カ月 結核の入所命令は急性伝染病のごとく 即時強制ではない 。 最近の肺結核の診断と治療 疫学 診断 治療 院内感染対策 ツベルクリン反応の比較(1997年) 若年結核患者 N=200 2.5 看護学校1年 N=574 36.5 18.5 16.7 42.5 64.7 9.6 9 0-9mm 10-29mm 30-39mm 看護婦 N=216 4.2 職員全体 N=481 42.6 11.2 0% 20.8 45.5 20% 40% 17.9 60% 40mm〜 32.4 25.4 80% 100% 病院での結核集団感染事例 1980年代 10例 1990〜1997 13例 看護婦の結核発病の 相対危険度は、約2〜3倍高い。 感染源 患者 15例 看護婦 1例 医師 2例 ボイラー室用務員 1例 不明 4例 医療従事者の結核患者が 出現した場合 地域全体にパニックを引き起こす。 結核院内感染対策について スタッフおよび患者の選定 接触状況が重要(咳の持続期間(月)×ガフキー号数≧0.1)以上 問診 胸部レントゲン ツベルクリン反応基準値の把握 右記以外 ツ反強陽性者 感染者発見後から2ヶ月後に再度ツ反 右記以外 ツ反が基準値より10mm以上の反応あり。 予防投与 2年間(3ヶ月・6ヶ月・12ヶ月・24ヶ月)の胸部レ線検査を施行する。 院内感染防止対策 2週間以上咳の続いている患者には外来で待たせ ることなく診療する。 咳の続いている患者にはマスクを付けさせる。 結核が疑われる患者には、独立した換気システ ムをもつ個室に収容する。 内視鏡検査や痰の吸引を行う場合は、N95マス クを着用する。 職員の定期健康診断を徹底する。 菌陽性患者の自然経過 Tuberculosis in a rural South India. A five year epidemiological study, Bull WHO,51:473-488 1974 100% 28 35 菌陰性 菌陽性 42 30 0 1 18% 25 41 2 3 33% 死亡 4 49% 5 年
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