ツッパリ生徒と泣き虫先生 〜伏見工業ラグビー部 ・日本一への挑戦〜 NHK プロジェクトX 2000年12月17日 (再放送) 1 日本のスポーツ •教育の枠組みの中でと らえるスポーツの功罪 2 「セイシン」と日本ラグビー −高校・大学ラグビーの分析から− • 文化としての日本ラグビー – スポーツの普及と伝播 • 違うスポーツに発展 • 違う形(プレイスタイル)に発展 • スポーツを完全に文化に組み込まれたも のではなく、イデオロギーや価値・意味が 競い合っているものをみる 3 「セイシン」と日本ラグビー −高校・大学ラグビーの分析から− • 文化としての日本ラグビー – 日本独自の社会・文化的要因が日本ラグビー に影響を及ぼしているはず – 高校・大学ラグビーのプレイスタイルを検証し、 その特徴を文化規範と結びつける試み – キーワードは「セイシン」「セイシンリョク」 – プレイの四領域−ペース・連続性・パターン化し たプレイ・暴力性を分析 4 「セイシン」の概念 • 「セイシン」−自己鍛錬によって不屈の精神を生み 出し、強固で自己との調和のとれたものに育成す るための身体訓練によって身につく、内的存在 • 「セイシンリョク」−評価の基準はパフォーマンスで、 困難や苦痛に耐える力、強敵に直面したときの冷 静さ、忍耐力、信頼性、根気、やる気など 5 ゲームスタイル分析と文化 • ペース – ワンパターン−パターン化したラグビーの中で 訓練を受けてきた結果 – ハイスピード−個人の判断や複雑な駆け引きの 軽視。相手のスタミナや判断力を試したり、自 分たちの「セイシンリョク」を試す – 反知性的−高いレベルでプレイする時に求めら れる知的プレイ、複雑で創造的な思考や個人 的決定、戦略意識の欠如の危険性 6 ゲームスタイル分析と文化 • 継続性 – 豪−オープン攻撃重視で、プレイの継続性重視 – 日本−継続性を犠牲 すべてのプレイでディフェ ンスの突破を目指す – チームへの犠牲や献身、滅私忍耐を理想化す ることで、ペースが一本調子で、自暴自棄なく らいの肉弾性になる傾向 7 ゲームスタイル分析と文化 • パターン化したプレイ – パターン化した既知のプレイの優先 – 試合中のみならず、練習方法でも重視 – スクラムの実力は男らしさの象徴 – 武道の「型」に通じる 8 ゲームスタイル分析と文化 • 暴力 – 暴力的行為に対する認知の文化的違い – 豪は比較的寛容、日本は厳格 – 日本では、ルールに示されていない行動につ いての習慣が、選手の間で受け入れられ、守ら れている – 感情に走るプレイはみっともないことで、自らを 律することの大切さが説かれる−武士道セイシ ン 9 日本ラグビーと「セイシン」 • 「セイシン」と肉体の強さが重視される • 認知的関わり、駆け引き、個人の独創性、技術重 視のプレイスタイルとは対称的 • 日豪、その他の国でも、ラグビーが社会的・動的 的教育の手段として重視される • 文化・社会的環境がプレイや練習方法などの違 いを生じされる一因 • グローバル化で変化が生じているのは事実だが、 特有の文化形態が身体のなかの潜在意識のレ ベルで再生産される 10
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