教育実習事前指導 第二回目

教育実習事前指導
第1回目
E5-208
2004.09.30
金城学院大学教職課程委員会
第1回担当 長谷川 元洋
© 2004 M.Hasegawa
今回の内容
 事前指導、事後指導の予定
 教育実習に臨むにあたって
 絶対にやめて欲しいこと
 絶対にやってきて欲しいこと
 公立学校の採用試験を落ちても教壇に立つ
チャンスはある。
事前、事後指導について
事前、事後指導+教育実習で「教育実習の単位」と
なります。
 つまり、事前、事後指導を出席し、課題に取り組ま
ないと教育実習に行っても、単位は出ません。(逆
はもちろんです)
 事前指導はあと4回行います。詳しい日程について
は、各学部の教職担当教員に確認してください。
(文学部:二杉、人間科学部:山田、生活環境学部:
上野、現代文化学部:長谷川)
 事後指導は実習終了後1回行います。

今年の場合
第1回 1月<=本日行っているものです。
第2回、第3回、第4回 4月、5月、6月
<=春就職の活動の真っ最中に指導案の書き方、
模擬授業等の指導を受けます。毎回、リクルート
スーツのまま、参加している人がいました。
第5回 6月 教育実習の直前
事後指導 7月または9月(現代文化学部は、原則7
月とし、9月実習の人、7月上旬まで実習があった
人だけ、9月末に行いました)
事後レポート提出 9月末(これを出さないと、教育実
習の単位がでません。実習にいったが、レポートを
出さず、単位認定されなかったケースが昨年、あり
ました)
「こんなに大変だとは思わなかった」
昨年、4月になってから、「就職活動と教育実習の準
備が重なることがこんなに大変だとは思わなかっ
た」と辞退したいと言ってきた学生がいました。
 無責任で、自分勝手な理由で直前に辞退を申し出
られても困ります。
 毎年、6月時点での内定率は数%です。つまり、ここ
にいるみなさんの90%以上は内定をもらえないま
ま、教育実習に取り組むことになります。(7月時点
でも30%台です。教職課程履修者の割合は出して
いませんが、就活ピークの6月に教育実習が入るこ
とを考えると、この数字より低いと推定できます)
 それを覚悟して、教育実習の準備を進めてください。

さらに・・・
現在、中央教育審議会で、教員の資質向上策の一
つとして、教員免許の更新性について、議論されて
います。
 運転免許のように、一定期間に一度、講習を受けな
ければ、免許が無効になってしまう制度の導入が検
討されています。
 現在のところ、現職教員だけを対象にするのか、す
べての免許取得者を対象にするのかが、決まって
いません。
 せっかく、とった免許が無効にならないように、この
件に関するニュースを新聞等でチェックしておく必要
があります。

ここまで、話を聞いて
 質問はありませんか?
 もしも、ここまでの話を聞いて、教育実習を取
りやめたいと思った人がいたら、この後、残っ
てください。相談に乗ります。
教育実習に臨むにあたって
 来年度、教育実習に行くにあたっての心構え
について、今から話します。
過去に顰蹙(ひんしゅく)をかった
言葉
 アルバイト料をもらえないのか。
 どうせ、教師にならないんだし。
 就活で忙しくて、指導案や教材研究の時間が
無い。
多くの人が・・・
(自分の経験も含めて)
 教壇に立った瞬間に自分がそれまで生徒
だった時の気持ちを忘れてしまう。
 アルバイト料ももらえないと文句をたれながら、
へたくそな授業をしている先生に教えて欲し
いか?
 どうせ、教師にならないんだから、適当にやっ
ておけばいいやと思っている先生に教えて欲
しいか?
へたくそなのは当たり前
授業の練習をしに行っているのだから、へたくそな
のは当たり前。
 自分が出会った、「教生先生」でいい印象が残って
いる人を思い浮かべてみよう。
 きっと、一生懸命で気持ちが伝わってきた人のはず。
 技術は無いが、「若さ」と「元気」が武器。
 ひたむきさがあれば、それは生徒に通じる。

厳しい実習を経験する人もいます。
指導教員に、「もう、実習に来なくていい」と言われ
た。
 帰りは、毎日、0時を回った。(1週間に20時間程度
の授業(教科、学活、総合的な学習の時間+クラブ
の早朝練習、放課後の練習+指導案を何度も書き
直し+複数クラス担当)
 指導担当の先生は昼で帰ってしまい、ろくに指導し
てもらえない。担当クラスはチャイムがなって、15分
たたないと全員がそろわない。授業は、すべて0か
ら、考え、なくてはならない。そのようなクラスを複数
担当。(1週間に12時間程度)

指導法に疑問を感じても・・・
 習熟度別クラスのある進学校で、できるクラ
スとそうでないクラスで先生の指導の仕方が
違う
 在籍している大学によって、実習生の扱いが
違う
 言葉は悪いが、教育実習生はあくまでも「見
習い」にすぎない。おかしいと思ったら、本当
の先生になって、自分の実践で自分の疑問
を解決すること。
絶対にしてほしくないこと
消極的な取り組み。
=>高校、中学の先生も時間を割いて指導をしてくれている。
失敗をしてもいいから、積極に取り組む。
 実習中の就職活動。
=>たとえ、教職が第一志望ではなくても、実習期間中は実習
に専念すること。そうでないと、実習先の学校、先生、生徒に
迷惑がかかる。さらに、来年度以降の実習希望の学生に迷
惑がかかる。
 教員採用試験の申し込み忘れ
名古屋市、愛知県は教育実習の受け入れ条件に教員採用
試験の受験があります。試験の申し込み忘れが多くなると、
金城学院大学の受け入れ枠が小さくなる可能性があります。
現に、昨年から、名古屋市が教育実習受け入れ人数制限を
始めました。

昨年、現代文化学部の学生には・・
地歴、公民、中学社会、福祉、情報の採用枠を考え
ると就職活動と平行して、教育実習の準備を行う必
要があること。(就職活動をするなとは言わない)
 それでも、就職活動は教育実習に関する準備等が
できない理由にはならないこと。
 就職活動のスケジュールを立てて、教育実習までに
内定をもらえるようにするか、面接が教育実習に重
ならないようにすること。
 何が何でも教職を目指すという人は、小学校教員免
許を取る計画を立てること、講師登録をすること。

小学校の免許をとる方法
文部科学省教育職員免許認定試験
過去にこの試験に合格し、免許をとり、教員採用試験
もパスして、小学校の先生をしている人がいます。
 卒業後、佛教大学等の通信教育課程で免許取得
 愛知教育大学大学院に進学し、学部の授業を受け
て、免許取得(大学院修了とともに専修免許が取れ
る)
 3年間常勤講師を経験し、その間に所定の12単位
(教育実習、介護等体験は必要なし)を通信または科
目等履修生で取り、免許取得
 (愛知教育大学の授業を科目等履修生で取り、足ら
ない単位を卒業後、通信教育課程で取る方法)<=
できるかどうか未確認(京都教育大学はOK)

絶対にして欲しいこと
 教育実習までに、自信を持って、教えられる
だけの準備をしっかりとしておく。
 実習中は生徒と話をする時間を作る。
(昼休みでもクラブ活動でもいい。)
 担当の先生の指導を守りながら、自分を出す。
(まってく指導を守らないのは論外。しかし、
すべていう通りやっている人は伸びないし、
楽しくない)
ここまでで質問は?
授業の考え方の説明に入ります。
授業の考え方、指導案の書き方は、各教科の教育
法(「○○教育の研究」)で習得してください。
 教育実習事前指導は、「指導案は書ける」ことが前
提です。
 模擬授業をすべての人が経験することは、人数等
の制約により、不可能な場合があります。その場合
は、友達や家族に生徒役になってもらって、自分で
練習をしてください。
 ここでは、大まかな説明のみ行います。

1.授業を考えるにあたって、最初に行
うこと
 自分が担当する授業は「知識習得型授業、
技能習熟型授業、思考力伸張型授業、強調
学習型授業、調べ学習型授業、成果発表型
授業」のどれに該当するかを考える。(授業の
タイプによって、授業の仕方が変わる)
 まず、その授業の中で何が大切なポイントか
を考える。
 それをつかませるためにどのような題材や実
習を持ってきたらいいかを考える。
例:縄文時代の生活
 たとえば、社会(中学歴史)の「縄文時代の生
活」の導入場面授業ならば・・・。
<Point>
 生徒に興味関心を持たせる。
 考えさせ、気づかせることによって、より学習
が発展していくように、数時間後まで見通して、
授業を構成する。
頭蓋骨(X線写真)

教えたいことは
 縄文時代の人の生活
 教科書に書いてあることを説明すれば10分で
授業が終わってしまう。
 でも、それでは、おもしろくない。
 興味がわかない。
 頭に残らない。
大切なこと
いかに生徒に興味を持たせるか?
 興味を持たせれば、難しい内容にもくらいついてくる
ようになる。
 考えさせたり、気づかせたりすることで理解が深まり、
記憶に残る。
 可能なら、実習を入れると良い。


もちろん、プリント学習等、知識を定着させる学習場
面を設定することも大切。
今から、自分が得意な分野の授業
を考えてください。
 授業の最初の5分を考えてみてください。
 まず、自分が得意なところの単元を決める。
 題材を考える。
模擬授業
 5分以内の模擬授業をしてもらいます。
 その後、どこを工夫したか?なぜ、そのように
したのか?何を教えたいと思ったのかを説明
してください。
愛知県の中学校で
教育実習を行う人へ
 愛知県教委への申し込み用紙を配布します
ので、この後、前に取りに来てください。
 各自、教務カウンターに期限までに提出してく
ださい。
 教育委員会への書類提出期限がありますの
で、締め切り厳守でお願いします。(後日、
持ってきても、追加不可能です)
現代文化学部の人は残ってください。
 課題等に関する連絡と相談があります。
現代文化学部の人への課題
 福祉、社会、地歴、公民で実習する人は1時
間分の指導案を書いてきてください。
 また、事前指導が可能な曜日、時限を相談し
て、今から、決めます。