映像に与える吹替えの影響力の分析

映像に与える吹替えの影響力の分析
経営学部 経営学科 ITビジネスコース
06-1-016-0008
恵須川 希美
目的・概要

目的
通常と異なる音声を映像に加えたとき、視聴者に対してイン
パクトを与えることができるのかどうかを明らかにする。
また、よりインパクトが大きく、好感度を上げることに繋が
る映像にするためには、どのように音声を変えることがより
効果的なのかを分析する。
概要

普段自分が思っている概念と異なる音声が、登場している人
・物から発せられたとき、インパクトを受ける。
インパクトのある映像は後に記憶に残すことに繋がり、よっ
てCM映像として効果があるといえる。
よりインパクトを与える映像にするためにはどのような
効果の音声を使えばいいのかを明らかにする。
方法
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

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インターネット上に、該当のCM映像を流し、それに
対するコメント・意見を調査。
音声の異なるパターンのCM映像を不特定多数の人に
見てもらう。
ターゲットはインターネットユーザーを主にし、映像
媒体は知名度の低いもの高いもの両方を対象にする。
日を置いてから「覚えているか」「好感をもったか」
を改めて調査。
以上の調査を繰り返し、結果を比較、表・グラフ化
意義


こだわりとして、アンケート調査の場は主にインターネット
上になるため、文字だけで相手に意図を伝えられるようア
ップの方法に工夫をした。ただし、一般的な意見が欲しか
ったため、こちらの意図は伝えずに行っている。
「インパクトのある映像」という概念を明確にするため、「1
度見てもらった映像を、時間を置いて再度見てもらい、覚
えていたか」という、あえて時間を置いた調査を実施
紙媒体には頼らず、あくまでユーザーの意見を頼りに分析
をすすめる
CM映像の現状
①ランキング上位に選ばれる映像の共通点
 「面白さ」「独自性」「今までに類を見ないCM映像」「新し
さを感じるCM映像」
→「好感度の高いCM映像」といっても、好感度を上げた
原因が映像自体にあるのか、映像に出ているものにあ
るのかで、大きくジャンルが異なる
②「視聴者にどこまでを求めるのか」という基準をおく
 商品やサービスそのものをまず覚えてもらう
→インパクト重視であるため、展開が速い
吹替えのバリエーション(対象)
人間の言葉を話さないものが話すというギャップを生む。
 人間の吹替えとなると、通常の吹替えでは慣れているた
めギャップに至らない
→人間を対象として吹替えをしようとすると、物・動物以上に
工夫せざるを得ない。

元々話すものの声を工夫するよりも、吹替えのインパクト・
ギャップを最大限に視聴者に感じてもらうには物・動物な
ど元々話さないものに話させるといった方が効果は大き
い。
吹替えのバリエーション(方法)
音の高低(子どもに老人)
→面白みという点においては抜きん出るものがない
 男女逆の声
→インパクトを与えることが可能になり、また違和感を覚えさ
せることも容易
 外国人に日本語
→ただのドラマのような吹替えになってしまわないよう、更な
る工夫が必要

以上をふまえ、あえてギャップをつくり実験を行う
アンケート調査1
1.声の高低に差をつけ、比較考察
元のCM
声の高いCM
面白さ
20
好感度
50
声の低いCM
好感度
20
好感度
30
面白さ
面白さ
内容の把握
内容の把握
面白さ
好感度
内容の把握
好感度
内容の把握
47

面白さ
18
好感度
面白さ
62
内容の
把握
15
内容の把握
38
声の高低を変えるだけでも、映像の印象は変わり、
インパクトを与えられる、という結果が得られた。
アンケート調査2
2.認知度の低いキャラクターに2種類の声をあて、比較考察
(「記憶に残る」「覚えてもらう」を明確なものにする)
覚えているかの調査
好感度の調査
81
100
80
80
60
100
48
40
20
20
グループA(通常)
72
60
40
0
59
グループB(異なる) 音声
0
グループA(通常)
グループB(異なる)
声を変えることで視聴者にインパクトを与えることができる・効果
があるということが明らかになった。
「覚えてもらう」「インパクト」のためには、普段と異なるという「違
和感・ギャップ」が重要であるといえる。

アンケート調査3
3.喋らないものに2種類の声をあて、比較考察
好感度の調査
覚えているかの調査
100
79
100
73
80
83
80
62
60
60
40
40
20
20
0
0
グループA(男声)
グループA(男声)
グループB(女声)
グループB(女声)
「喋らないものに吹替えをする」ことがインパクトを与えることに強く効果
があるという結果が得られた。
ただし、元々喋らないものに声を充てたため、男声・女声の差は結果に
現れなかった。

アンケート結果分析
①声を高く変えたCMの方が面白さが上がり、インパクトを与
えられる
→声の高いCMは記憶に残すことに繋がる
②吹替え映像は、見てから時間をおいてもその映像を覚え
ている
→吹替えはインパクトを与える要素として効果をもつ
③吹替えが与えた意外性というインパクトは大きいもの
→「喋らないものに吹替えをする」ことがインパクトを与えるこ
とに強く効果がある
考察・まとめ

考察
通常のCM映像より、吹替えをとりいれるとインパクトはあがる。
低めの声で吹替えを行うことによって、インパクトを保ちながら
より好感度を上げることができる
「こういった商品・サービスがある」ということを知らせるための「
新商品のCM」として使うと、効果が現れやすい

まとめ
自分が想像していた以上に影響力を持っていることがわかった。
少し変えるだけでも雰囲気が異なったりCMというのは特に短
い中でも何か伝えなくてはならないため、インパクトを与えられ
る吹替えは良い手法なのだと感じた。