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ガウス幾何
Johann Carl Friedrich Gauss (1777-1855)
宮崎大輔
2002年8月30日(金)
CVLセミナー
本日のお話
微分幾何学
 微小回転幾何学

スライドの枚数は68枚
(自己新記録達成ならず)
2
微分幾何学
微分の記号
偏微分記号の省略
f x  2 f
f xx 

x x 2
ベクトルの微分
 A
 
A  B
C 
 
fx 
f
x
f y
fy 
2 f
f xy 

x xy
f
y
f x  2 f
f yx 

y yx
f y
2 f
f yy 

y y 2
∇はナブラと読み、△はラプラシアンと読む
 Ax 
 
勾配 A  grad A   By 
C 
 z
発散   A  div A  Ax  By  Cz
 C y  Bz 


回転   A  rot A  curl A   Az  C x 
B  A 
y
 x
ラプラシアン 2 A  A  Axx  Byy  Czz
4
偏微分

定理
– C2-級の関数f(x,y)に対
して
 2 f ( x, y)  2 f ( x, y)

xy
yx
が成り立つ

ちなみに法線は、
 f 
 
 x 
f
n   
 y 
 1 




として表される
5
積分可能性制約 or 可積性制約
(integrability constraint)
計測された法線データが先ほどの条件を満たせば、
逆に正しい法線である事が分かる
 積分する事によりロバスト性が増す
 今、ある領域内で、法線の候補として2種類得られ
たとしよう
 どちらが正しい法線かを調べるためにそれぞれの
法線データで以下を計算する

2
  f1  f1 

 dxdy


xy yx 
( x , y )R 
2

2
2
  f2  f2 

 dxdy


xy yx 
( x , y )R 
2
2
そして、0に近いほうが正しい法線となる
6
グリーンの定理

Greenの定理
– x,y平面において内部をDとし、そこで定義されたベクトルa(x,y)があるとする
と、a=(a1,a2)として、

 a2 a1 
D  x  y dxdy  D a1dx  a2dy
Stokesの定理
– グリーンの定理は平面上を考えるときに使うが、これを3次元まで広げたの
がストークスの定理である
– a=(a1,a2,a3)として、
 rot a  dS   a  dr
S
S

Gaussの定理
–
–
–
–
左辺はある物体の内部についての発散を調べたもの
div a が発散についての式でdvが微小体積を表す
右辺はある物体の表面の微小面積を積分した式
a・dSは、任意のベクトルaと法線ベクトルの内積
 div adv   a  dS
D
D
D
∂D
7
定理

定理
– 円盤(中身がある、有界な平面)
から
円(円盤の縁のみ、閉じた曲線)
へは連続写像は存在しない
円盤
円から円盤へも1対1の
連続写像は存在しない
円
8
ガウス写像(Gauss’ map)

単位法線の終点が単位球面上の点に写るよ
うな、曲面から単位球への写像をガウス写像
と言う
物体
ガウス写像
単位球
(ガウス球)
9
ガウス写像の例
ガ
ウ
ス
球
物
体
10
オイラーの定理

はじめに
–
–
–

定理
–
–
1.
2.
3.

曲面S上の1点をPとし、PにおけるSの単位法線ベクトルn
と、PにおけるSの単位接ベクトルXをとっておこう
Xとnを含む平面でSを切り、切り口に現れる曲線をcとする
切断面上の平面曲線cのPにおける曲率をκXとする
PにおけるSの単位接ベクトルXをいろいろにとったとき、κX
は定数ではないとする
この時、2つの単位接ベクトルX1, X2があって、以下が成り
立つ
κX1はκXの最大値、κX2はκXの最小値
X1とX2は直交する
XとX1のつくる角をθとすると
定義
–
 X   X cos2    X sin 2 
1
2
n
X
P
c
S
κX1、κX2を点Pにおける主曲率(principal curvatures)、
X1、X2を主曲率方向(principal directions)という
11
ガウス曲率(Gaussian curvature)

定義
– 主曲率(最大値)を 1 、主曲率(最小値)を  2 としたとき、
K  1 2 をガウス曲率という

定義
– 物体表面上の微小曲片 s とそれに対応するガウス球面
上の微小曲片  s  に対して以下をガウス曲率という

定理
s 
K  lim
s  0  s
– 上の2つの定義のK は等しい
12
ガウス曲率の求め方
1.
2.
3.
4.
5.
2つの主曲率を計算して求める
ガウス写像を求めて面積から求
める
ヘッセ行列の行列式から求める
tomのパラメタ推定手法を使って、
曲面の局所部分に、楕円放物面
と双曲放物面をアラインメントする
事により求める
その他
←楕円放物面(K>0)

ヘッセ行列(Hessian)とは、
 2 f
 2
x
H  2
 f

 yx
2 f 

xy 
2 f 

y 2 

ヘッセ行列Hとガウス曲率Kの関係
は、
det H
K
( EG  F 2  0)
2

噂によると、ヘッセ行列の固有値が
主曲率になり、固有ベクトルが主方
向になるらしい
曲面を1次の項までTaylor展開する
と曲面は接平面で近似できる事が
分かり、2次の項までTaylor展開す
ると曲面は2次曲面で近似できる事
が分かる

EG  F
双曲放物面(K<0)→
13
楕円・双曲・放物
ガウス曲率が正(K>0)の点を楕円的点
(elliptic point)という
 ガウス曲率が負(K<0)の点を双曲的点
(hyperbolic point)という
 ガウス曲率が0(K=0)の点を放物的点
(parabolic point)という

14
ガウス曲率と曲面1
楕
円
面
平
面
K>0
楕円的(elliptic)
K=0
放物的(parabolic)
円
筒
面
双
曲
面
K<0
双曲的(hyperbolic)
K=0
放物的(parabolic)
15
ガウス曲率と曲面2
K=0
ト(
ド
ーー
ラナ
スツ
面面
)
K=0
K>0
K<0
K=0
ス(
滑
ロり
ー
プ台
面面
)
K=0
K<0
モ(
サ
ンル
キノ
ーコ
サシ
ドカ
ルケ
面面
)
K=0
K>0
K=0
ベ
ル
面
16
ガウス写像
17
オイラー数(Euler number)

定義
– 曲面Sのオイラー数χ(S)は以下のように定義され
る
 (S )  v  e  f
(vertexの数-edgeの数+faceの数)

オイラーの公式
– gを種数(genus)としたとき閉曲面Sに対して以下
が成り立つ
 (S )  2  2 g
球とトポロジーが同じ曲面はg=0つまりχ=2
トーラス(ドーナツ)とトポロジーが同じ曲面はg=1つまりχ=0
18
フルネ標構(Frenet frame)




空間曲線(curve)p
接(tangent)ベクトル
[速度(velocity)ベクトル]
e1=p’(長さ1とする)
主法線(principal normal)ベクトルe2は
e’1=p’’を長さ1にしたもの
従法線(binormal)ベクトルe3=e1×e2
e3
e1
e2
19
フルネ・セレの公式
(Frenet-Serret formulas)
κ:曲率(curvature)
 τ:捩率[れいりつ or ねじれりつ](torsion)

 p
 e
 1


e
 2

e3




e1
 e1
e 2
 e 2
 e 3
20
曲率と法曲率と測地的曲率











曲面上の曲線p
接ベクトルp’
加速度(acceleration)ベクトル[曲率ベクトル(?)]k=p’’
測地的曲率(geodesic curvature)ベクトルkg
法曲率(normal curvature)ベクトルkn
測地的曲率κg=|kg|
法曲率κn=|kn|
kg
k=kn+kg
p’
kn
曲面に接する:p’、kg
k
曲面⊥kn
p’⊥kg、p’⊥kn、kg⊥kn
21
この発表資料における注意点

測地的曲率ベクトルkgの長さはκgとあらわす
としたが、κgの代わりにkgと書いてしまってま
す
– 文章中に出てくるkgはベクトル
– 積分記号の中に出てくるkgはスカラーκg
22
ガウス-ボンネの定理

GLOBAL GAUSS-BONNET THEOREM
– Let R⊂S be a regular region of an oriented surface and let C1,…,Cn be the
closed, simple, piecewise regular curves which form the boundary ∂R of R.
Suppose that each Ci is positively oriented and let θ1,…,θp be the set of all
external angles of the curves C1,…,Cn. Then
p
n

i 1
Ci
k g ( s)ds   Kd  l  2 ( R)
R
l 1
where s denotes the arc length of Ci, and the integral over Ci means the
sum of integrals in every regular arc of Ci.

LOCAL GAUSS-BONNET THEOREM
– Let x: U→S be an orthogonal parametrization (that is, F = 0), of an oriented
surface S, where U⊂R2 is homeomorphic to an open disk and x is
compatible with the orientation of S. Let R⊂x(U) be a simple region of S
and let α: I→S be such that ∂R = α(I). Assume that α is positively oriented,
parametrized by arc length s, and let α(S0),…,α(Sk) and θ0,…,θk be,
respectively, the vertices and the external angles of α. Then
k

i 0
Si1
Si
k
k g ( s)ds   Kd  i  2
R
i 0
where kg(s) is the geodesic curvature of the regular arcs of α and K is the
Gaussian curvature of S.
23
ガウス-ボンネの定理(tomの場合)
n

i 1

Ci
p
k g ( s)ds   Kd  l  2 ( R)
R
l 1
COROLLARY
– Let S be an orientable compact surface; then
 Kd  2 (S )
S


 Kd を総曲率(integral curvature)と呼ぶ
S
EGIなどで使われる場合は、主に球面とトポロジー
が同じ曲面を扱うため、χ=2としている
 Kd  4
S
Integral curvature=4pi
24
ガウス-ボンネの定理(宮崎の場合)
n

i 1
Ci
p
k g ( s)ds   Kd  l  2 ( R)
R
l 1
kgを測地的曲率(geodesic curvature)と呼
ぶ
 kg=0となる曲線を測地線(geodesic)と呼ぶ
 C k g ( s )ds を総測地曲率(integral geodesic
curvature)と名付ける事にする(正式名称・
不明)

25
大円と小円

定義
– 球を平面で切った時に切断面上に現れる円に関
して、その円の直径が球の直径に等しい時、そ
の円を大円(great circle)と呼び、そうでないとき、
その円を小円(small circle)と呼ぶ
小円
大円
26
閉測地線

geodesicの例1
– 球において、任意の大円は
閉測地線
– 球において、2点間を結ぶ、
距離最小の曲線は測地線
(=大円の一部の円弧)

geodesicの例2
– 楕円球には3つの閉測地線
がある

定理
– どのような閉曲面にも、必ず
3つ以上の閉測地線が存在
する
27
全曲率に関する定理

Fenchelの定理(宮崎の場合)
– 空間内の閉曲線p(s)(a≦s≦b)の曲率をκ(s)とすると
b
a  (s)ds  2
かつ、等号はp(s)が平面に含まれた卵形線のときにだけ成り立つ



卵形線(oval)とは凸閉曲線(convex closed curve)の事である
上の式の左辺を閉曲線の全曲率(total curvature)という
Fary-Milnorの定理(j-taka、もりたくの場合)
– Knottedな空間内の閉曲線p(s)(a≦s≦b)の曲率をκ(s)とすると
b
  (s)ds  4
a
Unknotted
Knotted
28
等高線(level curve)

定義
– 物体表面上の曲線が平
面に含まれ、かつ、その
平面が視線方向に垂直
なとき、すなわち、その
曲線の各点の高さが等
しいとき、その曲線を等
高線(level curve)と呼
ぶ事にする
Rahmann&Canterakis2001より抜粋
29
微小回転幾何学
θの曖昧性
2
2
2
2
2
2
2
ρ
偏光度を計測
 偏光度ρから天
頂角θが求まる
(=法線が求ま
る)

偏 1 2 sin  cos n  sin 
光   n  sin  1 n  2 sin  
度
ρP
天
頂
角
θ

曖昧性を除去す
れば表面形状が
求まる
0
θ1 P
θ2 P
90°
ブリュースタ角θB
曖昧性の問題が発生!
31
物体の微小回転
物体を微小な角度だけ傾ける
 傾斜角の異なる2つの偏光度データを比較
する事により、曖昧性を除去する

カメラ
微小回転
物体
32
領域分割

偏光度データを偏光度1の点(ブリュースタ角
の点)で分割
領
域
分
割
物体の偏光度を計測
偏光度画像
領域分割結果
偏光度1:白
偏光度0:黒
3つの領域に分割された
33
N
ガウス写像
N
N
B線
B線
赤道
赤道
ガウス球
N
N
B線
B線
赤道
ガウス球
赤道
ガウス球
ガウス球
または
Brewster-Equator領域
Brewster-Brewster領域
Brewster-Northpole領域
34
領域の分類

Brewster-Equator領域
– 外縁線(occluding boundary)を含む領域

Brewster-Northpole領域
– 北極(θ=0の点)を含む領域

Brewster-Brewster領域
– 上2種以外の領域
35
グローバルな折り返し線と
ローカルな折り返し線

定義

– 1つの領域のガウス球面上
の像において、ガウス球面上
の領域を囲む曲線のうち、ブ
リュースタ線と赤道以外の曲
線をグローバルな折り返し線
と呼ぶ
折り返し線
定義
– 曲面の局所領域のガウス球
面上の像において、ガウス球
面上に曲線があり、曲線をは
さんで一方の側にだけ写像
されるようなとき、その曲線を
ローカルな折り返し線と呼ぶ
折返し線
B線
グローバルな折り返し線はローカルな折り返し線でもある
折返線
36
グローバルな折り返し線と
ローカルな折り返し線

領域の内部にたくさんのローカルな折り返し
線が存在する事もありうる
グローバルな折返線かつローカルな折返線
ローカルな折返線
ローカルな折返線
B線
37
グローバルな折り返し線と
ローカルな折り返し線

ベル面のB-B領域にはグ
ローバルな折り返し線が一
本

この形には、ローカルな折
り返し線が2本あり、そのう
ち一本はグローバルな折り
返し線を含んでいる
B-E領域
B-N領域
K>0
B-N
K<0
領
域
K>0
38
対応点
グローバルな折り返し線
 回転方向を表す大円
この2曲線の交わる点を対応点として用いる

対応点
折返し線
B線
回転方向
39
対応点

対応点[北側]=大円と
折り返し線の交わる点
i.e.回転方向に沿った、
偏光度最小の点
対応点
物体を回転

対応点[南側]=大円と
折り返し線の交わる点
i.e.回転方向に沿った、
偏光度最小の点
対応点
物体を回転
40
グリーンの定理と可積性制約

可積性制約では

2
–
 2 f
2 f 
D  xy  yx  dxdy

を計算する
グリーンの定理より
が成り立つ
定理
– ブリュースタ線で囲まれた領域
では、
2
2
 f
 f 


D  xy yx dxdy
の値が同じになる
 f
f 

dx

D  x y dy
の値が、2つの法線の候補では
全く同じ値になる
– というのも、領域の境界∂Dはブ
リュースタ線なので曖昧性が無
く、2つの法線の候補は全く同じ
法線になるからである
– (証明終わり)
 2 f
 f
2 f 
f 




dxdy

dx

D  xy yx 
D  x y dy

証明

つまり、(積分の中身を2乗して
るかしてないかの違いはあるが)、
可積性制約ではブリュースタ線
で囲まれた領域の曖昧性を除去
する事はできない
41
定理

定理


1
偏
光
度
ρ
– 偏光度の関数は、ブ
リュースタ角をはさんで、
左側の部分は単調増加
関数、右側の部分は単
調減少関数となってい
る(ただし屈折率n>1)

2 sin 2  cos n 2  sin 2 
 2
n  sin 2  1  n 2  2 sin 2 
証明
– 簡単のため省略
0
θB
ブリュースタ角
90°
入射角θ
42
定理

定理
– 回転方向をあらわす大円の上の点は、物体が回転しても
大円上にのる

証明
–
–
–
–
 cos2 r  sin 2 r cos r cosr sin r (1  cos r ) sin r sin  r 


2
2
R   cosr sin r (1  cos r ) sin r  cos r cos r  cosr sin  r 


 sin r sin  r
cosr sin  r
cos r


大円上の点p
回転行列R
回転軸を(θ=π/2,φ=φr)、回転角をθr
回転後の点p’=Rp
p’を計算するとp’が大円上にのっている事が分かった
– (証明終わり)
回転方向
回転方向
物体を回転
43
定理

Remark
– 回転をあらわす大円とグローバルな折り返し線の交点p
– B-B領域内で大円上にのっている点の中で偏光度最小の点を点pと定義

定理
– 物体を回転しても点p’=Rpは大円上にのっている点の中で偏光度最小の点

証明
– 大円上にのっている点でpではない点をqとする
– このとき、pの偏光度はqの偏光度より小さい
– p’=Rpとq’=Rqを計算すると、p’の偏光度はq’の偏光度より小さいままであ
る
– (証明終わり)
p
q
p’
q’
q
p
q’
p’
44
物体を回転
物体を回転
折り返し線の定義

ベル面では折り返し線が現れる
45
ベル面以外の場合は?

折り返し線の特別な場合として曲線や点に
なってしまう事があるが、ガウス曲率の定義
と、曲線や点の面積は0である事からK=0
s 
K  lim
s  0  s
46
ドーナツ面とサルノコシカケ面

折り返し線の定義からはずれるので考えない
47
定理

定理
– (ローカルな)折り返し線は放物的曲線(parabolic line)
になる
s

r’
証明
r
p’
p
s’
q
q’
ガウス球面上
物体表面上
pr q
0
prq 0 prq
psr 
K  lim
0
psr 0 psr
K  lim
K 0
(証明終わり)
48
定理

証明2
– 折り返し線はガウス球面上で臨界点(critical
point)になっている
– 法線は n   f x ,  f y , 1   p,  q, 1
– 臨界点では p  q  0
 f
 f 


f 
– よって
f
xy 
 x


2
Kの分子  det H  det
 f yx
xx
– ゆえにガウス曲率は0
2
2
 det 2
 f
f yy 

 yx
xy
2 f 

y 2 
0
– (証明終わり)
49
定理

定理
– ブリュースタ線一本のみによって囲まれた領域において、そのブリュースタ
線がガウス球面上で小円になる場合、その領域は北極を含む

証明
– 物体表面上において、ブリュースタ線一本のみによって囲まれた領域は、円
盤と1対1の連続写像が存在する
– ガウス球面上において、対応する領域が北極を含まないものと仮定
つまり、北極部分に穴が空いた領域となる
この領域は、円と連続写像が存在する
– 円盤から円への連続写像が無いので、矛盾
– (証明終わり)
円盤
物体表面上の領域
円
仮定
北極を含まないガウス球面上の領域
50
折返線
定理

B線
定理
– ブリュースタ線一本のみによって囲まれた領域に
おいて、そのブリュースタ線がガウス球面上で小
円にならない場合、その領域は折り返し線を含む

証明
– ブリュースタ線がガウス球面上で途中で切れて
いるのが、領域は閉じているため、そこに折り返
し線が発生しなければならない
– (証明終わり)
51
定理

定理
– ブリュースタ線一本のみによって囲まれた領域において、その領域内部にグ
ローバルな折り返し線が存在しない場合、その領域は北極を含む

証明
–
–
–
–
ブリュースタ線がガウス球面上で小円にならないと仮定
先ほどの定理より折り返し線が存在するので矛盾
よって、ブリュースタ線はガウス球面上で小円になる
さらに前の定理より、この領域は北極を含む
– (証明終わり)

定理
– 複数のブリュースタ線によって囲まれた領域において、その領域内部にグ
ローバルな折り返し線が存在しない場合、その領域は北極を含む

Remark
– 上と同様の証明によって証明される
– そのような領域があるのかどうかは不明だが・・・
52
定理

定理
– B-B領域は必ず折り返し線を含む

証明
– B-B領域の定義より明らか
– (証明終わり)
53
B-N領域の検出

手法A

その領域のガウス像を求める
(その際、曖昧性は適当に解除してやる
→どっちかに勝手に決める
→N側の角度にしてしまう)
グローバルな折り返し線が存在するか?
YES
微小回転により
曖昧性を除去
NO
手法B
対応点(=回転方向に沿った法線を
持つ点のうち、偏光度が最小の点)
において、物体を微小回転させたとき、
偏光度が変わらず、偏光度が0の場
合、その領域はB-N領域である
•偏光度が0 (ρ=0) → θ=0 or θ=π/2
•Self-occlusionは発生しないと仮定
•外縁線以外ではθ=π/2とはならない
よって、θ=0
その領域は
B-N領域
54
定理

定理
– ある領域を囲む全ての領域境界線が閉測地線
のとき、その領域の総曲率は2πχとなる

証明
n
– ガウス-ボンネの定理より 
– kg=0つまり   k (s)ds  0
– すなわち  Kd  2 ( R)
i 1
n
i 1
Ci
Ci
k g ( s)ds   Kd  2 ( R)
R
g
R
– (証明終わり)
55
視線
定理
外縁線
k=kn

定理

– 外縁線が等高線のとき、そ
の外縁線は閉測地線となる

– 外縁線が全て等高線のとき、
北半球に相当する領域の総
曲率は2πχになる
証明
– kとknの向きが同じになる
– なぜならば

• 等高線は平面上にあるので、
kはその平面上にのる

• 外縁線ではknと視線ベクト
ルとのなす角がπ/2となり、
knはkと同じ平面上にのる
– k=kn+kgかつknとkgが直交
– よってk=kn、kg=0
– (証明終わり)
定理
証明
– 左の定理と前のスライドの定
理より、証明される
平面や半球とトポロジーが
同じ領域の場合はχ=1なの
で、このとき、北半球に相
当する領域の総曲率は2π、
つまり、球の面積のちょうど
半分になっている
56
未解決の定理

定理
– 外縁線が等高線でなくとも北半球に相当する領
域の総曲率は2πχになる

この定理の証明もしくは反例は考え中
57
未解決の定理

定理
– ブリュースタ線は決して閉測地線にならない

この定理の証明もしくは反例は考え中
58
定理

定理

– B-B領域が2つのブ
リュースタ線で囲まれて
いて、2つの総測地曲率
に以下の関係があると
き、B-B領域の総曲率
は0になる
 kg (s)ds   k g (s)ds
C
C'
証明
– 線積分には正負がある
– よって、2つのブリュー
スタ線の総測地曲率の
2
和は
  k g (s)ds  0
i 1
Ci
– 総曲率は2πχになるが、
χ=0なので総曲率は0に
なる
– (証明終わり)
59
定理

定理
– B-B領域が2つの滑らかなブリュースタ線で囲ま
れていて、2つのブリュースタ線が等高線であり、
2つのブリュースタ線が卵形線であるとき、B-B
領域の総曲率は0になる
60
証明
ブリュースタ線の接ベクトルをrとする
 視線ベクトルをvとしたとき、等高線は視線に
垂直であり、kは視線と垂直な平面に含まれ
るので、v・k=0
 kとrは直交するので、r・k=0
 knはrに直交するので、r・kn=0
 knとvとのなす角はθBであるので、
v・kn=|v||kn|cosθB
 (つづく)

61
証明(つづき)


よって、knはkとvのなす平面に
含まれ、右図のようになる
ブリュースタ線は平面に含まれ
る卵形線であるので、Fenchel
の定理から、

C


θB
θB
kg
kn
v
もう一方のブリュースタ線p’の総
測地曲率も同じ値になる
よって、
k
C

k g ds  2 cos  B
k
g
ds   k g ds
C
積分の符号を考慮に入れると、
B-B領域の総曲率が0である事
が示される
 (証明終わり)
62
未解決の定理

定理
– B-B領域が2つの滑らかなブリュースタ線で囲ま
れていて、それぞれのブリュースタ線が平面に含
まれた卵形線であるとき、B-B領域の総曲率は0
になる

注意
– 等高線である必要はない

この定理の証明もしくは反例は考え中
63
定理

定理
– B-B領域が2つの滑らかなブリュースタ線で囲ま
れていて、2つのブリュースタ線が等高線であり、
一方のブリュースタ線をスケーリングして平行移
動したとき、もう一方のブリュースタ線と形状が一
致するとき、B-B領域の総曲率は0になる

注意
– 回転すれば一致する、というのはナシ
64
証明








ブリュースタ線p(t)とブリュースタ線p’(t’)が相似
pとp’ の接ベクトルをr、r’とする
全てのt(0≦t≦t0)においてr=r’となるようにt、t’を決める
(0≦t’≦t0)
このとき曲率ベクトルはk=k’
視線ベクトルをvとしたとき、等高線は視線に垂直であり、k、
k’は視線と垂直な平面に含まれるので、v・k=v・k’=0
kとrは直交するので、r・k=r・k’=0
knはrに直交するので、r・kn=r・k’n=0
knとvとのなす角はθBなので、
– v・kn=|v||kn|cosθB
– v・k’n=|v||k’n|cosθB

(つづく)
65
証明(つづき)





よって、knはkとvのなす平面に
含まれ、右図のようになる
k=k’とkn//k’nが示された
k’=k’n+k’gである事と、k’nとk’g
が直交する事から、kn=k’n
よってkg=k’g
すなわち、
 
 k dt  
C

g
C
k
θB
θB
kg
kn
v
k g dt
積分の符号を考慮に入れると、
B-B領域の総曲率が0である事
が示される
 (証明終わり)
66
未解決の定理

定理
– B-B領域が2つの滑らかなブリュースタ線で囲ま
れていて、2つのブリュースタ線が相似であるとき、
B-B領域の総曲率は0になる

注意
– 回転させて一致する場合でもOK。ブリュースタ線
が平面に含まれている必要はない

この定理の証明もしくは反例は考え中
67
Kleinとparabolic curve
Felix Christian Klein (1849-1925)
Koenderink “Solid Shape”
Kleinは胸像”Apollo of
Belvedere”にparabolic
curveを書き込み、美の
法則と数学との間の関
係を見いだそうとしたが
失敗に終わった
よ
り
抜
粋
Klein bottle
Göttingen大学所蔵
parabolic curveは昔から重要視されてきた!
68
(c) Daisuke Miyazaki 2002
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