あるべき温泉の姿を求めて ~温泉地をきっかけとした温泉本来のあり方の提唱~ 第40回経営学部研究発表大会 塚田ゼミナールBチーム 遠藤・北野・藤田 2015/9/28 1 【目次】 はじめに 第1章 温泉について 1-1 温泉の概要 1-2 温泉の歴史(ヨーロッパ、日本) 第2章 サービス業化する温泉 2-1 2-2 2-3 2-4 高まる温泉人気 二極化する温泉地 躍進する温浴施設 サービス業化した温泉地・温浴施設の大罪 第3章 温泉の価値観を取り戻すために 3-1 3-2 3-3 3-4 温泉地の存在 温泉や温泉地の持つ価値 温泉地の現状分析 改善策の提案 おわりに 2015/9/28 2 はじめに 『温泉大国ニッポン』で代表されるように、 温泉=世界に誇る日本の文化・歴史 BUT!! その豊富さゆえ、温泉は多様な姿に変えられ… 現在 温泉の持つ価値の軽視化 信頼の低下 etc… 2015/9/28 が問題視されている 3 研究目的 本来の姿を取り戻し、温泉の真の価値を後世に 伝えていきたい!! 現在の温泉ブームの裏にある温泉の価値が下 がった根本的原因を見つけ出した上で、私たち が求める ”温泉のあるべき姿” を提唱してい きたいと思う。 2015/9/28 4 第一章 温泉について 2015/9/28 5 温泉の概要 【温泉の定義】 低くても温泉になる!! ※「温泉法」第2条より ①泉源における水温が摂氏25度以上 ②指定された19の成分のうち、いずれか1つ以上 を含む 温泉数・・・・・27,043個 温泉地数・・・3,102ヶ所 2015/9/28 実際は 動力>自噴 (※2002年現在) 6 ヨーロッパの温泉の歴史 【古代ローマ時代】:起源 温泉 =身を清める (沐浴、飲料水) 公共浴場の誕生 【中世】庶民の憩い・社交の場 【近世】温泉の効能が医学的に認められる 「療養」のスタイルは現在も続く… 「療養」の機能を果たすように 2015/9/28 7 日本の温泉の歴史① 【古代・中世】:医療未発達の時代 温泉 = ・疲労回復 ・病気やケガの治療→湯治の誕生 ・療養を目的とした滞在型温泉施設湯治場の設置 「療養」兼「保養」「社交」の場 2015/9/28 8 日本の温泉の歴史② 【明治時代】:資本主義経済の発展 ・温泉の機能=「療養・保養」→「休養」へ 新規掘削が相次ぐ 【昭和時代】:高度経済成長期 ・温泉の機能=「休養」+「行楽・レジャー」 現在、「療養」機能は薄れつつある 2015/9/28 9 第二章 サービス業化する温泉 2015/9/28 10 高まる温泉人気 現在「温泉めぐり」がブーム。 96年以降「温泉旅行」が「周遊観光」や「テーマ パーク」を上回り第1位 ※「旅行者動向2003」より 「癒し・健康ブーム」が、温泉人気に更なる拍車 をかける状態となっている。 2015/9/28 11 二極化する温泉地 高度経済成長・バブル崩壊等の時代背景の変化 の影響もあり、温泉地は繁栄・衰退という二極化 を迎えている この原因として 温泉の価値をどのように扱ったかで 大きな差が生まれたのではないだろうか!? 2015/9/28 12 衰退要因 (事例:熱海・鬼怒川温泉) ①職場の慰安旅行ブーム期 大型ホテル・団体客向け施設(宴会場など)を提供 ②東武鉄道の開発【鬼怒川】 →鬼怒川温泉を営利目的として扱う BUT!! ・時代背景の変化:高度経済成長→バブル崩壊へ ・ニーズの変化:団体旅行→個人旅行へ ブームに便乗し、設備投資やレジャーを最優先 要因 にした対応 2015/9/28 13 躍進する温浴施設 「温泉の安・近・短」を売りに、日帰り温泉施設が 急増 安価で食事も取れる“スーパー銭湯”や、大型複 合温浴施設”温泉テーマパーク”が開設ラッシュ BUT!! オープン数年目にして 既に業績が下がってきている… 2015/9/28 14 サービス業化に走った 温泉地・温浴施設の大罪 ①温泉の品質を下げる原因 ②温泉の持つ本来の価値を消し去る サービス業化による失敗 本質を失わせる原因 2015/9/28 15 第三章 温泉の価値観を取り戻す為に 2015/9/28 16 温泉地の存在 温泉はどのようにあるべきなのか!? 温泉とは、温泉地と共に発展してきた為、 温泉地の存在が必要不可欠 温泉の本質を活かした温泉地にこそ 温泉本来のあるべき姿がある!! 2015/9/28 17 温泉や温泉地の持つ価値 【温泉が持つ価値】 ・効能・・・治療,精神安定・鎮静作用 【温泉地が持つ役割】 ・温泉情緒,自然環境 ・人との触れ合い,憩いの場 2015/9/28 温泉=療養 +自然環境,社交の場 18 温泉地の現状分析 【温泉地の二極化】 繁栄 温泉 衰退 施設 経済的な意味合い 本当の二極化 温泉地 2015/9/28 19 二極化の二分化 温泉 自噴 理想の “あるべき 1 温泉の姿” 動力 2 温泉地 施設 自噴 改善の余地 あり 3 動力 改善の余地ナシ!! 2015/9/28 20 ①温泉重視の 自噴泉利用型温泉地 温泉の源泉やその泉質を最大限に活かした温 泉地 【特徴】 ・独自の温泉資源を活かした温泉地づくり (外湯めぐり・共同浴場の設置・飲泉) ・長い歴史や自然環境を持つ ”あるべき温泉”の理想の姿 2015/9/28 21 事例:塩原温泉(栃木県) 温泉を活かした新たな取り組み 地域再生整備計画”新たなまちづくり運動” ・豊富な資源である温泉を有効活用 ・千年以上続く歴史・文化を体感出来る温泉街の 創造 この事業の一環として 〈塩原温泉公園整備案〉 足湯、吸入浴、飲泉、湯滝…etc 2015/9/28を取り込んだ回遊式温泉庭園 22 本当の あるべき温泉の姿である!! 塩原温泉が持つ療養効果や、 文化・自然環境を、 視覚と体験から実感することが可能 2015/9/28 (http://www.mmjp.or.jp/sirakaba/news/yuppo.htm) 23 ②温泉重視の 動力泉利用型温泉地 温泉中心だが、湯量不足を補う為に動力 化された温泉も使用している温泉地 ・・・例)湯布院、奥飛騨温泉郷、指宿温泉 今後も温泉資源を中心に続いていく事は 困難な為、改善の余地あり 2015/9/28 24 改 善 策 ヨーロッパ型の温泉地 【環境・飲泉】 あるべき温泉の姿が ①飲泉への取り組み 当てはまっている 事例)バーデンバーデン【ドイツ】 モンテカティーニ【イタリア】 (http://www.hi-ho.ne.jp/~aya-ko/toscana05.htm)l 温泉=療養をメインに、 ②専門医の設置による温泉治療の促進 事例)バーデンヴァイラー 【ドイツ】 自然環境や飲泉といった 温泉地作りを目指す!! ③自然環境の整備 (http://www.norte.co.jp/yu/sekai/europe/germany_02.htm) 2015/9/28 25 ③施設重視の 自噴泉利用型温泉地 温泉ではなく施設に特化したが、豊富な湯 量や泉質を持っている温泉地 ・・・例)箱根、別府温泉 このままでは温泉を活かせず、 温泉本来の姿が消えてしまう恐れがある為 改善の余地あり 2015/9/28 26 改 善 策 本来の日本型の温泉地 【入浴】 あるべき温泉の姿が ①湯治文化の復元 当てはまっている ②湯治場や共同浴場の設置 ③外湯めぐりの促進 豊富な湯量や泉質を 【事例:玉川温泉(秋田県)】 最大限に活かし、 ・・・湯治を中心とした滞在型温泉地 ・治療困難とされる病気の療養を行う 湯治を元にした温泉地作りを目指す (http://www.automatics.jp/luckylife/onsen) (http://www.norte.co.jp/yu/akita/29_tamagawa/) ・診療所や看護師が存在し、湯治相談を実地 2015/9/28 27 まとめ 温泉 =療養と共に天の恵み この事を 念頭に置いて 温泉地は温泉の本質を活かした取り組みを行う ⇒温泉は正しい方向へと進んで行く。 これこそが 温泉のあるべき姿なのである!! 2015/9/28 28
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