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1 経過・背景
○ 関空会社の経営問題が顕在化 (平成14年)
海上空港建設に伴う事業費(1期:約1.5兆円)の7割が関空会社の借入金(有利子資金)
⇒国による政府補給金制度の創設へ(平成15年度~)
⇒その後、政府補給金制度(90億円/年)に見合う地元負担がないことについて、国は問題意識
○ 2007年の2期供用を実現するための地元努力 (平成16年)
平成16年の2期供用決定の際、国との間で地元支援の問題が再燃するが、2007年の供用を
強く求めたことへの地元努力が求められる
平成17年度から「関西国際空港全体構想促進協議会の枠組みを通じて利用促進事業を開始」
(平成16年 財務・国土交通両大臣合意)
【事業規模と参画団体】
平成17年度
5億円規模
大阪府、大阪市、兵庫県、和歌山県、神戸市
(+経済界)
平成18・19年度
7億円規模
大阪府、大阪市、兵庫県、和歌山県、神戸市、
堺市、奈良県、京都府、京都市、滋賀県、福井県、三重県、徳島県
(+経済界)
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《参考》大臣合意(抜粋)
関西国際空港2期事業の取扱いについて (平成16年 財務・国土交通両大臣合意)
関西国際空港2期事業については、以下に掲げる措置を前提として、2007年限定供用に向けて整備を進める。
1. 2期事業の整備は、2本目の滑走路を供用するために必要不可欠なものに限定して行うこととする。
先送りした事業は、限定供用後の需要動向、会社の経営状況等を見つつ行う。
2. 関西国際空港株式会社は、同社の安定的な経営基盤を確立し、有利子債務の確実な償還を期すために
設けられた補給金制度の趣旨等を踏まえ、一層の経営改善を進め、安定的に経常黒字を確保し、補給金
及び政府保証債に頼る必要のない安定的な経営基盤を1日も早く確立するよう努める。
3. 関西国際空港株式会社は、関西国際空港が国際拠点空港としての機能を十全に発揮するよう、関係地方
公共団体及び民間と一体となって、2007年度は13万回程度、2008年度は13.5万回程度、その後も
前号の経営基盤の確立に必要な需要の確保のために、集客・利用促進に向けた更なる努力を行う。
平成16年12月18日
財 務 大 臣
国土交通大臣
谷 垣
北 側
禎 一
一 雄
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2 主な事業内容・成果
(1)新規路線の開設・就航促進
◆就航奨励一時金制度(新規路線誘致のインセンティブ)
これまでに、国際線で13路線、64便/週の新規路線開設に寄与。就航都市数は+11都市
⇒新規就航、増便により、約150万席/年の増(平年度化ベース試算)
【主な新規就航】
○アジア方面:中華航空/台北線 就航時5便/週 ⇒ 18年10月~ デイリー化
マカオ航空/マカオ線 就航時 2便/週 ⇒ 20年7月~ デイリー化を予定
○中東方面:カタール航空/ドーハ線 就航時 4便/週 ⇒ 20年4月~ デイリー化
○オセアニア方面:ジェットスター航空/ブリスベン~シドニー線 就航時~ デイリー
○北米方面:エバー航空/ロサンゼルス線 就航時~ 3便/週
(2)物流機能の強化
◆国際物流戦略チームとの連携(18年度の関空=上海の社会実験に続き、19年度は関空=北米において実施)
⇒日本貨物航空:ロサンゼルス・サンフランシスコ 各0.5便/週、 全日空:シカゴ4便/週、上海5便/週、
日本航空:上海4便/週は定期便化へ
⇒全日空が中部空港から関空へ貨物便を集約
◆貨物就航奨励一時金制度の創設 ⇒20年2月~ ポーラーエアカーゴ/北米便 を誘致
(3)アクセス利便性の向上
◆連絡橋通行割引 (週末ワンコイン、平日ETC装着車) ⇒国による連絡橋買取りが実現
◆鉄道・バス・ベイシャトルを組み合わせたアクセス利便性向上策
三重・奈良方面:(近鉄+リムジンバス)「関西空港レール&バス片道特割きっぷ」⇒13,000枚発売(9ヶ月)
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《参考》高額な日本の着陸料
○関空は多額の有利子債務償還のため着陸料を一方的に下げられない。
○関空会社の自社割引と促進協の助成制度により、ようやく世界水準の競争力を確保。
万円
90
825,550(1機当たり)
85
80
770,250
75
会社
70
割引 新
65
制度 規
就
60
航
の
55
場
促進協
50
合
制度
45
40
35
30
25
20
15
10
5
0
成田
関空
(単位:円)
アジアの主要空港 着陸料比較
前提条件
機材:B747-400(395t)
655,700
455,844
両制度を適用して世界標準並み
347,481
314,241
304,373
295,953
88,462
中部
上海
香港
※成田の着陸料単価にはDクラスを使用
仁川
※騒音料は含まない
チャンギ
台湾
マレーシア
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※時間帯サーチャージは含めない ※実施中の一律割引を含む
※IATA資料を基に作成 (レートは’08.5.8時点のものを適用)
3 事業継続の必要性
○オール関西の力を結集した画期的な取組~関空の競争力強化に最適な体制
大阪府のリーダーシップにより構築した関西の府県政令市の協力体制。
各自治体が費用を分担するこの合理的なスキームを活用すべき。
(本府が撤退した途端、このスキームは崩壊。再構築困難。)
○空港間の競争が本格化~関空の競争力強化は急務
国内他地域でも空港の利用促進への取組が活発化。さらに、首都圏空港の容量拡大(2010年問題)。
この競争から脱落せず、関空と大阪・関西の地位を維持・向上させることが必要。
(中部利用促進協議会:今年度から、就航奨励金制度(旅客・貨物)、輸入貨物への資金支援金制度を創設)
○国の取組を促す~国による抜本的な関空の競争力強化施策を求める
2期事業の推進、関空会社の長期債務の縮減について、大阪府が地元のリーダーシップをとり、
国に取組を求めることが重要。
旅客便の増:直行都市の増加
関空の競争力強化
貨物便の増:運送コストの低下、配送時間の短縮
府民の利便性向上
物流の円滑化
経済の活性化
継続にあたっては、関係府県政令市と協議調整の上、
事業内容等を精査し、規模についてもスリム化を図る
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《参考》報告書等抜粋
アジア・ゲートウェイ構想 (平成19年5月 アジア・ゲートウェイ構想戦略会議)
○関西国際空港・・・は、我が国を代表する国際拠点空港として、ふさわしい路線の開設や増便が実現でき
るよう、・・・「航空自由化」を二国間交渉により推進する。併せて、国内空港とのネットワークの充実や機能
分担等により、国際競争力の強化のための施策を推進する。
○関西国際空港については、本年8月に2本目の滑走路供用により日本初の完全24 時間空港となるものの、
アジア諸国との競争を踏まえ、連絡橋料金引き下げをはじめとするアクセスの改善、財務構造の抜本的
改善等を通じた国際競争力の強化、物流関連施設の整備等を検討し、フル活用を図っていく。
今後の空港及び航空保安施設の整備及び運営に関する方策について 答申
(平成19年6月 交通政策審議会航空分科会)
○関西空港の国際競争力を強化し、金利動向に左右されない安定的な経営基盤の確立に向けて、関西国際
空港株式会社の財務構造の抜本的改善について、そのあり方を検討すべきである。
○現在、地元経済界、自治体、関西国際空港株式会社が一体となって、強力に関空利用促進事業を展開
しているところであるが、引き続きその継続強化を図ることが適切である。
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