LCCの戦略

2013-09-12
MG0412 まい
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概要・目的
LCCとは
日本のLCC
LCCの特徴
なぜ低価格が実現できるのか
利用者の声(プラス・マイナス)
LCCの課題
主張
参考文献
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概要
LCCはどういった経営をしているのかを知り、その
強みと弱みを考察する。
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目的
LCCは日本の足となれるような重要な役割を果たせる
のかを検討し、経営においてどのような点に優れてい
るのかを知る。
ローコストキャリア(Low-Cost Carrier)の略称であり、
格安航空会社のことを示す。ANAやJALといった既存の
大手エアラインなどとは異なり、効率の向上によって航
空運賃が非常に格安に設定され、簡素化された航空輸
送サービスを提供する航空会社である。
[1]
欧米やアジア各国では多くの格
安航空会社が存在し、激しい競
争を展開している一方で、日本
のLCCはあまり普及していない。
そんな中で、2012年に日系の
航空会社としては初の正式な
LCCとなるPeachが就航した。
日本には他にも、エアアジア・
ジャパンやジェットスター・ジャパ
ンといった格安航空会社が存在
している。
[2]
LCC路線図 [画像1]
LCCの最大の特徴は、航空券の安さである。Peachでは、関
空-千歳の基本運賃を4,780~14,780円(片道・税込)に、
関空-福岡の基本運賃を3,780~11,780円(片道・税込)
に設定しており、これまでの大手エアラインとは比較にならな
いほど低く抑えられている。大手エアラインでは、-千歳の
基本運賃は3~4.5万円(時期による)が相場である。
[3]
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人件費の削減
航空機の清掃は別の専門業者が行うのが通常であるが、
LCCでは客室乗務員が行うことで機内清掃にかかるコ
ストを削減している。また、パイロットや客室乗務員は、
訓練が必要な新卒採用ではなく、経験者を中途採用し
て訓練費にかかる費用を削減している。
[4]
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座席数を多くする
同じ機種であっても、座席数を増やせば一度のフライト
でより多くの乗客を運ぶことができる。したがって、1人あ
たりのコストを下げることができる。
しかし、もちろん座席を増やした分だけ座席の間は窮屈
になるという欠点がある。 [4]
ジェットスター・ジャパンの機内
[画像2]
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無料サービスの廃止や縮小
通常、乗客に対しては無料の機内食が提供されるが、食
事自体の原価はもちろん、短時間に配膳しなければなら
ないため多くの客室乗務員を搭乗させなければならず、
多くのコストがかかる。そこで機内食を有料にすることで、
食事の原価が回収できるとともに、食事をする乗客の人
数がかなり減少するので、客室乗務員の人数を減らすこ
ともできる。
[4]
エア・アジアの機内食例
[画像3]
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利用者に若者が大変多く、新しい需要を掘り起こして
いると感じた。Peachの宣伝が若い人たちにも浸透し
ていたことが良く分かった。しかし、ビジネス客には不
安要素があり、当分利用しないだろうと思う。
(Peach利用者)
機内食は、飛行機に乗る前にオンラインブッキングの
時点で申し込みをしておくと、機内で直接買うよりは安
く楽しむことができる。10種類くらいはリストに上がっ
ていて、種類は豊富。水や飲み物とのセットメニュー
などが手ごろな値段で売っている。(エアアジア利用)
[5]
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シートの狭さが話題になっていたが、確かに少し狭かった。
膝の辺りはそれほど窮屈ではないが、膝上の空間が狭く
感じ、ギリギリ雑誌を広げて読める位。また、前の人が座
席を倒すと、雑誌は広げられず、やむを得ず自分も席を倒
すような状態になる。
(Peach利用者)
ただ、安くあげるために便がしょっちゅう変更になり(例え
ば一日3回のフライト予定があるとして、空席が多い場合
には3便が2便になったりする)予定が立てにくいことが難
点。過去に何回もフライト時間が変更になり、予定の調節
に苦労した。 (エアアジア利用)
[5]
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LCCを浸透させる
日本の市場には、まだLCCはあまり浸透していない。現
在、LCCの知名度は39.7%であり、実際に利用したこ
とがある人は全体の22.9%である。さらに知名度を上
げ、利用者を増やしていくことが課題である。
[6]
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コスト削減と顧客獲得の両立
利用者の口コミからもわかるように、コストを下げることに重
点を置いた結果、ダイヤの乱れなど見逃しがたい問題が発
生している。やむを得ない事ではあり、利用者はそのことを
頭に入れたうえでLCCを利用すべきであるが、このような運
航をしていてはリピーターを増やすことは難しい。料金が安
い事がLCCの魅力である一方で、顧客の継続的な獲得も進
めなければならない。
[口コミより]
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他社との差別化
今後、LCCの利用者が増え事業が成功すると、他の
LCCが次々に参入してきて市場が溢れてしまう可能性
がある。例えば欧州だけでも2003年から2005年まで
の間に50社以上のLCCが姿を消した。顧客の獲得の
ためには、コストを上げずに他社と差別化することが求
められる。
[6]
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国際線市場の拡大
総体的に見て、国内航空市場は今後、大幅な成長は期待で
きない。他の交通手段である新幹線の整備が進んでいること
や、高速バスも多く運行していることが後押しするからである。
したがって、海外からの旅行者も期待できる国際線市場を拡
大することが有効である。そして、LCCであっても日本の航空
会社であるということは、日本人旅行者にとっても大きな安心
材料になるだろう。
[6]
日本で本格的なLCCが就航することにより、利用者が目的に合わ
せて航空会社を選択できるようになり、これまでと旅行や移動のあ
り方が大きく変わる。しかし、格安航空は日本らしい徹底したサー
ビスや客第一主義といった側面が欠落しているように思われる。
一見それは悪いことのように思われるが、時代の変化に伴っては
必要なことではないだろうか。LCCが日本の市場に出回ることによ、
既存のエアラインにも影響が生じ、価格競争によってより多くの人
が利用するようになれば、日本経済に与える力も大きくなる。LCC
にはそういった期待も込められているのではないかと考える。
[1] LCCとは?-LCC(格安航空)ガイド,参照 2012-10-20.
http://lowcostcarrier.net/lcc-basics/about-lcc.html
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[2] 格安航空会社,Wikipedia,参照 2013-09-06.
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%BC%E5%AE%89%E8%88%AA%E7%A9%BA%E4%BC%9A%E
7%A4%BE
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[3] 国内、海外のLCC情報(価格、サービス、航空券),参照2013-09-06.
http://travel.yahoo.co.jp/lcc/
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[4] LCCはなぜ航空券が格安なのか?-LCC(格安航空)ガイド,参照 2012-10-20.
http://lowcostcarrier.net/lcc-basics/why-the-ticket-of-lcc-is-low-priced.html

[5] LCC体験記・感想・レビューまとめ,格安航空会社jp 参照 2012-11-25.
http://lccjp.com/lccreviews/
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[6] 日本版LCCの可能性と課題 参照2013-08-22.
http://www.travelvision.jp/event/detail.php?id=50855
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[画像1] 5円で帰省も!? 今が買い時「国内線LCC」活用術 - 日経トレンディネット
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20120531/1041260/?SS=expand-life&FD=1547562244
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[画像2] 就航したLCCを比べてみよう:日経ビジネスDigital
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http://business.nikkeibp.co.jp/article/NBD/20120801/235213/?ST=pc
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[画像3] 話題のLCC、機内食を徹底比較 - エアアジア・ジャパン編 | マイナビニュース
http://news.mynavi.jp/articles/2012/07/30/lccmeal/index.html