(4) WING Travel (第3種郵便物認可) 第 2193 号 2014 年(平成 26 年)2 月 24 日 スペシャルインタビュー Special Interview 新AXESS へ順調に移行 新機能「スイッチャブルアクセス」 BTM 関連プロダクトもリリース予定 最新のベストソリューション提供へ 今後の展開について アクセス国際ネットワーク 代表取締役社長 中野星子 氏 昨年10月にトラベルポート社のワールドスパン のホストシステムをベースとする新AXESSをリ リースしたアクセス国際ネットワーク (AXESS)。3月末の完全移行まで、現在は旧 システムも使用できる併用期間として、ユー ザーである旅行会社毎に移行作業が進んでい る。ホストシステム刷新の最大のメリットは、 機能のレベルアップや新たなプロダクトの提供 など、最新のトラベルポートのソリューション を提供できるようになった点。今後日本のGDS として、日本市場にマッチしたベストなソリューションをいかに提供して いくのか、代表取締役社長の中野星子氏に現在の状況や今後の展開につい て話を伺った。 ホストシステム刷新の経緯について (中野氏)ここ数年、旅行業界や航空業界 の環境は、非常に短い期間で変化してい ます。その変化に対応できないと、 AXESS を使って頂けなくなる。GDS は、ユーザーである旅行会社の皆様にと って、いわば道具のひとつです。使い勝 手が良く、かつ性能も良い点が常に求め られます。 私どもが日本においてリーディングカ ンパニーであり続けるために、長年使っ てきたこれまでのホストシステムから、 今回思い切って最新鋭の機能を持つトラ ベルポートへ、システムの移行を決めま した。 左から中野氏、トラベルポート上級副社長 兼CCOカート・エカート氏 3 月末に全旅行会社の移行が完了 新 AXESS で新年度をスタート 移行状況について (中野氏)昨年 10 月 1 日に新 AXESS を リリースしてから、今年の 3 月末までは 旧 AXESS と並行運用しております。こ れは一斉にすべての旅行会社様に移行し て頂くのではなく、各旅行会社様のご都 合に合わせて、あらかじめお話させて頂 いた上で、移行スケジュールを決め、そ のスケジュールに基づき、順次移行を進 めるためです。 現状、2月半ばの段階で概ね予定通り移 ましたが、スイッチャブルアクセス機能 を利用することで、トラベルポートが展 開するアポロ、ワールドスパン、ガリレ オの 3 つの予約発券システムから AXESSの PNR を変更、参照することが できるようになる機能です。 例えば、3 つの予約システムを使えば、 出張者の方が海外の出張先で予約を変更す ることが可能となり、 さらに変更した内容 を日本でも確認できるようになります。 「第二弾」は? (中野氏)第二弾としては、早い時期に、 BTM(BusinessTravelManagement) 関連のプロダクトをリリースする予定で す。出張者の方がご自分自身で予約、変 更できるもの、モバイル対応、リスクマ ネージメントができるプロダクトなど、 ユーザーである旅行会社の皆様に使って 頂けるようなプロダクトをリリースでき ればと考えております。 例えば、リスクマネージメントでは、 外国で何か起きた際に、 会社の方がそこ にいるのか、すぐ分かるようになり、か つ予約記録を使ってその社員の方とコミ ュニケーションができて、安否確認がで きるような便利なプロダクトを予定し ております。ホストを新しくする際、旅 行会社様から一番関心が高かったのは、 24 時間サポートとリスクマネージメン トだったこともあり、これをカバーで きる機能を今後必ず取り入れます。 日本の製造業を見ると、日本では人 口に限りがあり、今後世界へマーケッ トを開拓していく必要があります。景 BTM関連プロダクトのイメージ 気が上向く中、こうした背景から業務 出張は増えていくかと思いますので、 これに当社の新たなBTM 関連のプロダ クトがうまくかみ合ってくれればと思 います。 トラベルポートが持つ最新鋭のエン ジンを利用することで、従来では難し かった便利なプロダクトをリリースで きる環境を得ることができました。今 後もユーザーである旅行会社の皆様の ご意見を聞きながら、 皆様にとって便利 なプロダクトを次々とリリースし、単 なるホスト移行で終わらずに、常に進 化していきたいと考えております。 日本の市場に合ったベストソリューションを 日本流へのアレンジは? (中野氏)日本には特有のやり方がありま す。例えば団体の運賃、また予約と発券、 精算ときちんと分かれている仕事環境、 インハウスさんのお仕事の進め方も海外 行が進んでおります。3 月初めには、ほぼ とは異なります。日本の特性に合わせて、 すべての旅行会社様が新AXESSを利用で トラベルポートのグローバルなプロダク きる環境となり、3月末をもって全ての旅 行会社様の移行が終わるという計画です。 トを日本流にカスタマイズする必要があ ります。 3 月末には旧 AXESS の運用が終了し 当社は日本のマーケットに合った、 日本 ます。4 月 1 日に新年度を迎えるにあた り、すべてきれいに移行が完了します。 当社にとって新年度は、まさに新 AXESS と共にスタートをできる形とな ります。 の旅行会社様にとって、 一番使い勝手の良 いプロダクトにアレンジできる、 それが当 社の一番の強みであると考えています。 性能はグローバルで最新、さらに日本 語対応で、日本の仕事の進め方に合った プロダクトである、その意味でも当社の プロダクトは、日本のマーケットに合っ たベストソリューションとして提供でき ると自負しております。 日本航空唯一の推奨 GDS LCC 含め、航空会社にも満足できる機能を 新 AXESS、機能面で高い評価 航空会社との関係について (中野氏)日本においては、当然日系の航 空会社のシェアが高くなります。特に AXESS は日本航空唯一の推奨GDS とい う役割も担っております。 ただ、その一方で、日本航空以外のエア ラインさんにとっても AXESS は重要な販 売チャネルでありたいと思っています。航 空会社様からの要望に対してもきちんと応 えていく必要があります。例えば、経由利 用を含めたイールドマネージメントなど、 新 AXESS の評判は? (中野氏)一番気にしている点 です。ある旅行会社様が 11 月 末に移行し、その際これまで AXESSを何十年以上にもわた って使って頂いていたベテラ ンの方々から「やはり慣れた これまでの AXESS が良かっ た」という声を頂きました。特 に発券面でのエントリーが変 わり、画面もこれまでの AXESS と新 AXESS とでは多 少異なっているためでした。 しかし 1ヶ月ほど経つと、同 じベテランの方から今度は「新 しい方が良い」という声を頂くようにな りました。反応が早く、機能も充実して いる点への評価を頂いているようです。 例えば新 AXESS では、航空会社との リンクレベルが高くなり、最後の 1 席ま で残席表示ができる最高レベルの接続に 向上したり、シートマップを参照できた りする航空会社数が増え、より確実な予 約が行えるようになりました。また発券 (中野氏)この後、第二弾、第三弾と機能 をレベルアップしていく予定で、ユーザ ーの皆さんにこれまで以上に使って頂け るよう、ベストなソリューションを提供 して参ります。 まず2月に「スイッチャブルアクセス」 という機能のリリースを予定していま す。これは、今まで日本で作った予約記 録(PNR)を海外から変更、または参照 する場合、日本に連絡を取る必要があり 今まで対応できなかった機能も新 AXESS では可能となりましたので、旅行会社様だ けでなく、航空会社様に対しても満足のい く機能を提供できるものと信じています。 またLCCも当社にとって大事なお客様 です。すでにAXESS ではLCC13 社の予 約が可能です。今後も積極的にLCC への 営業をかけていこうと考えております。 旅行会社様からもLCCを取り扱ってほし いというリクエストが強いのも事実です。 昨年の予約(セグメント数)の推移 新AXESS画面(Uモード) 機能は日本の旅行会社様のニーズに合わ せたカスタマイズを行い、例えば REISSUE では新旧差額計算や入力操作を簡 易に行えるようになりました。 慣れてしまうと「 性能 の良 い 新 AXESSが良い」 という声を頂くように なり、時間が経てば、皆さん新 AXESS の良さを分かって頂けると感じており ます。 (中野氏)ボリュームゾーンである中国 線や韓国線で影響を受けた一方、中距離 アジアのベトナムやタイの数字が伸びて おり、勢いがあります。 また LCC のセグメント数も大きく伸 びています。当社で予約できる 156 航空 会社のうち、セグメント数で昨年ベスト 10 に入った LCC もあるほどです。急激 に便数が増えたことで、セグメント数が 大幅に伸びたのが背景です。 旅行会社、航空会社へのメッセージを (中野氏)まずは今回の移行で旅行会社、 航空会社、そしてトラベルポートの皆様 から大きなご協力を頂いたことに関し て、深く御礼申し上げたいと思っており ます。新年度がスタートする4月より、新 機能を盛り込んだ新AXESS が本格的に スタート致しますので、ぜひとも今後当 社にご期待頂ければと思います。
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