GC-MS/MS による牛肉中の残留農薬一斉分析法の検討 - 福岡市

GC-MS/MS による牛肉中の残留農薬一斉分析法の検討
内山賢二・中村正規
福岡市保健環境研究所保健科学課
Simultaneous Determination Method for Pesticide Residues in Beef by Gas
Chromatography with Tandem Mass Spectrometry
Kenji UCHIYAMA and Masanori NAKAMURA
Health Science Division, Fukuoka City Institute for Hygiene and the Environment
要約
GC-MS/MS による牛肉中の残留農薬一斉分析法を検討し,117 化合物について一律基準濃度
(0.01ppm)での妥当性評価試験を実施した.試験溶液は,試料をアセトンおよび n-ヘキサン(1:
2)混液で抽出し,アセトニトリル/n-ヘキサン分配を行い,エチレンジアミン-N-プロピルシリル化
シリカゲルミニカラムで精製し調製した.添加回収試験を実施者 2 名で 2 併行 3 日間行い,厚生労
働省より示された「食品中に残留する農薬等に関する試験法の妥当性評価ガイドライン」の各性能
パラメーター(選択性・真度・精度・定量限界)を評価した結果,117 化合物のうち 4 化合物で真
度が目標値に適合しなかったが,113 化合物においてすべての目標値に適合した.従って本分析法
は牛肉中の残留農薬分析法として有用であると考える.
Key Wor ds:ガスクロマトグラフ・タンデム型質量分析計
determination,残留農薬
1
GC-MS/MS,一斉分析
simultaneous
pesticide residue
はじめに
検討した.
平成 22 年 12 月に「食品中に残留する農薬等に関する
平成 18 年 5 月 29 日に食品中に残留する農薬等のポジ
試験法の妥当性評価ガイドラインについて」が改正され
ティブリスト制度が導入され,畜水産物においても新た
2)
に多くの農薬等について暫定基準が設定された.これに
めに使用される試験法は,このガイドラインの基準に適
1)
伴い,厚生労働省は分析法を通知
し,「GC/MS によ
(以下,ガイドライン),食品規格への適合判定のた
合していることが求められる.
る農薬等の一斉試験法(畜水産物)」(以下,通知法)
そこで,検討した試験法について,ガイドラインに従
が示された.通知法では,抽出液をゲル浸透クロマトグ
って 117 化合物を対象に一律基準濃度での妥当性評価も
ラフィー(以下,GPC)で食品中の脂肪分を除去(以下,
行ったので報告する.
脱脂)することとなっている.しかし GPC による精製は
2
多検体を同時並行で処理することができないため,処理
実験方法
に長時間を要する等の問題がある.
今回,脱脂方法として,GPC の代わりに多検体同時処
2.1
理が可能なアセトニトリル/n-ヘキサン分配を用い,測定
に GC-MS/MS を用いた牛肉中の残留農薬一斉分析法を
- 110 -
試料
福岡市内で市販されていた牛肉(牛の筋肉)を用いた.
2.2
試薬等
加え振とうし,静置した後,アセトニトリル層を合わせ
標準品:和光純薬工業(株),林純薬工業(株),
た.これを減圧下で濃縮し乾固させ,アセトンおよび n-
Dr.Ehrenstorfer GmbH 社,Riedel de Haën 社製残留農薬分
ヘキサン(1:1)混液 2mL に溶解した後,全量を PSA
析用を用いた.
ミニカラムに負荷し,同じ溶液 20mL で溶出した.溶出
標準原液:各標準品を 1000mg/L となるようにアセト
ンに溶解し調製した.
液を減圧下で濃縮し乾固させ,アセトンおよび n-ヘキサ
ン(1:1)混液 2mL に溶解し試験溶液とした.
標準溶液:標準原液を混合し,1mg/L となるようにア
セトンで調製後,さらにアセトンおよび n-ヘキサン(1:1)
2.6
添加回収試験(妥当性評価)
117 化合物について,一律基準濃度(0.01ppm)での添
混液で適宜希釈して使用した.
エチレンジアミン-N-プロピルシリル化シリカゲル
加回収試験を実施者 2 名で 2 併行 3 日間行い,ガイドラ
(PSA)
ミニカラム:VARIAN 社製 BOND ELUT LRC-PSA
インに従い選択性・真度・精度(併行精度・室内精度)・
(500mg/3mL)をアセトンおよび n-ヘキサン(1:1)混
定量限界を評価した.
液 10mL でコンディショニングし使用した.
ろ紙:アドバンテック東洋(株)製ろ紙 5A を使用した.
3
その他の試薬:残留農薬試験用を使用した.
2.3
装置
3.1
ガスクロマトグラフ:Varian 社製 CP-3800
結果
GCMS/MS 条件の検討
各化合物の 10mg/L 標準溶液を電子イオン化(EI)に
質量分析計(MS/MS):Varian 社製 1200
より SCAN モードで測定し,強度が高いイオンをプリカ
ホモジナイザー:Kinematica 社製 PT-MR 3100
ーサーイオン(Q1)とした.PRODUCT SCAN モードで
コリジョンエネルギーを変化させ,1mg/L とした各化合
2.4 測定条件
2.4.1 ガスクロマトグラフ
物の標準溶液を測定し,相対的に最も感度が高かったプ
ロダクトイオン(Q3)をモニターイオンとした.測定条
既報3),4)に基づき次のとおりとした.
件を表 1 に示した.各化合物の検量線は 0.01∼0.1µg/mL
カラム:J&W Scientific 社製 DB-5MS(0.25mm i.d.×
の濃度で相関係数は 0.986 以上と良好な直線性を示した.
30m, 0.25 m)
カラム温度:50℃(1min)−25℃/min−125℃(0min)
3.2
アセトニトリル/nヘキサン分配の検討
試料の抽出液をアセトニトリル/nヘキサン分配し,
ア
−10℃/min−300℃(10min)
キャリアーガス流量:1mL/min(ヘリウム)
セトニトリル層を減圧濃縮し,窒素パージで乾固させ,
注入口温度:250℃ ,注入量:2µL(スプリットレス)
残渣を目視で確認したところ,脂肪分は確認されなかっ
2.4.2 質量分析計
た.また,添加回収試験において,ほとんどの化合物で
イオン化モード:EI(70 eV),イオン化電流:50µA
良好な結果が得られたことから,
アセトニトリル/nヘキ
イオン源温度:225℃ ,インターフェース温度:250℃
サン分配による脱脂は GPC の代替法として適用可能で
その他の条件:表 1 のとおり
あった.
2.5
試験溶液の調製
試料 20g に水 20mL,アセトンおよび n-ヘキサン(1:
3.3 添加回収試験(妥当性評価)
3.3.1 選択性および定量限界
2 ) 混 液 100mL を 加 え ホ モ ジ ナ イ ズ し , 遠 心 分 離
ブランク試料を測定したところ,すべての化合物にお
(2500rpm,5min)した後,有機層をろ過した.残留物
いて定量を妨害するようなピークはみられず,選択性の
に n-ヘキサン 50mL を加え,再度ホモジナイズし遠心分
条件を満足するものであった.添加回収試料(0.01ppm)
離を行い,有機層をろ過し,ろ液を合わせ無水硫酸ナト
のクロマトグラムから S/N を求めたところ,すべての化
リウムで脱水後,n-ヘキサンで 200mL に定容した.その
合物において S/N≧10 であったため,
定量限界を 0.01ppm
うち 50mL を減圧濃縮し,窒素パージで乾固させ,残渣
と設定した.
を秤量し粗脂肪量とした.これを n-ヘキサン 20mL に溶
3.3.2 真度および精度
解,n-ヘキサン飽和アセトニトリル 30mL を加え振とう
結果を表 2 に示した.117 化合物のうち 4 化合物(ア
し,静置した.アセトニトリル層を分取し,残った n-ヘ
ルドリン,フェンスルホチオン,ピラクロホス,シフル
キサン層に再度 n-ヘキサン飽和アセトニトリル 30mL を
トリン)が真度において目標値である 70∼120%に適合
- 111 -
しなかったが,その他 113 化合物についてはすべての目
スルホン体に酸化されるため5)真度が低下したと考えら
標値(真度:70∼120%,併行精度:RSD%<25,室内精
れた.
120%を超過したピラクロホスおよびシフルトリン
度:RSD%<30)に適合した.真度が適合しなかった主
は,試料成分のマトリックス効果(試料成分が対象化合
な理由として,アルドリンは脂溶性が高くアセトニトリ
物の測定値に影響を与える現象)により GC-MS/MS での
ル/n-ヘキサン分配においてアセトニトリル層に十分に
測定値が増強されたためと考えられた.
移行しなかったため,またフェンスルホチオンは容易に
表1
No.
化合物名
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
57
58
59
※1
イソプロカルブ
フェノブカルブ
エトプロホス
クロルプロファム
トリフルラリン
ベンダイオカルブ
ペンシクロン
α−BHC
チオメトン
デスメディファム
トリフルミゾール代謝物
β−BHC
γ−BHC
テルブホス
ダイアジノン
ピリメタニル
ターバジル
テフルトリン
δ−BHC
ピリミカルブ
ジメテナミド
クロルピリホスメチル
パラチオンメチル
アラクロール
トルクロホスメチル
シメトリン
ヘプタクロル
ピリミホスメチル
フェニトロチオン
マラチオン
エスプロカルブ
メトラクロール
クロルピリホス
ジエトフェンカルブ
チオベンカルブ
ジメチルビンホス
シアナジン
フェンチオン
アルドリン
パラチオン
テトラコナゾール
ホスチアゼート
ペンディメタリン
シプロジニル
フィプロニル
ペンコナゾール
イソフェンホス
ピリフェノックス(Z)
ヘプタクロルエポキシド
フェントエート
ジクロシメット
キナルホス
プロシミドン
トリフルミゾール
ピリフェノックス(E)
op`-DDE
ブタクロール
パクロブトラゾール
ブタミホス
各化合物の測定条件
測定条件
Q1(m/z)
Q3(m/z)
121
150
158
213
306
166
180
219
246
181
201
219
219
231
179
198
161
177
219
166
230
286
263
160
265
213
237
290
277
173
222
162
314
225
257
295
225
278
263
291
336
195
252
224
367
248
213
262
353
274
277
157
283
206
262
246
176
236
286
77
121
114
171
264
151
125
145
88
122
136
145
145
175
121
118
88
127
145
71
154
241
109
132
250
170
143
125
109
99
91
133
258
168
100
109
189
109
193
109
128
103
162
118
213
192
185
200
263
246
221
102
96
179
200
176
147
125
202
CE(eV)
※1
-20
-15
-10
-10
-15
-10
-25
-20
-10
-15
-25
-20
-20
-15
-30
-40
-25
-15
-20
-25
-20
-30
-10
-11
-25
-15
-35
-20
-15
-15
-10
-11
-15
-15
-10
-20
-20
-25
-30
-10
-25
-10
-10
-40
-25
-20
-10
-20
-15
-10
-15
-10
-15
-15
-20
-25
-11
-10
-10
CE:Collision energy
- 112 -
No.
60
61
62
63
64
65
66
67
68
69
70
71
72
73
74
75
76
77
78
79
80
81
82
83
84
85
86
87
88
89
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99
100
101
102
103
104
105
106
107
108
109
110
111
112
113
114
115
116
117
化合物名
フルトラニル
フルジオキソニル
ヘキサコナゾール
プロチオホス
プレチラクロール
チフルザミド
pp`-DDE
ウニコナゾールP
ミクロブタニル
クレソキシムメチル
フルシラゾール
op`-DDD
ディルドリン
シプロコナゾール
フェノキサニル
エンドリン
ピリミノバックメチル(Z)
クロルベンジレート
フェンスルホチオン
pp`-DDD
op`-DDT
メプロニル
トリアゾホス
エディフェンホス
ピリミノバックメチル(E)
ピラフルフェンエチル
レナシル
プロピコナゾール
pp`-DDT
ジフルフェニカン
テブコナゾール
ピリブチカルブ
ビフェントリン
エトキサゾール
フェンプロパトリン
ビフェノックス
ホサロン
シハロホップブチル
メフェナセット
シハロトリン
アクリナトリン
フェナリモル
ピラクロホス
cis-ペルメトリン
trans-ペルメトリン
ピリダベン
カフェンストロール
シフルトリン
ハルフェンプロックス
ボスカリド
フルシトリネート
シペルメトリン
ピリミジフェン
フルミオキサジン
フェンバレレート
フルバリネート
ジフェノコナゾール
デルタメトリン
測定条件
Q1(m/z)
Q3(m/z)
CE(eV) ※1
173
248
175
309
162
194
246
234
179
206
233
235
263
222
189
281
302
251
293
235
235
269
161
173
302
412
153
259
235
266
250
165
181
300
181
341
182
256
192
197
289
139
360
163
163
309
100
163
263
342
199
163
184
354
167
250
323
253
145
154
111
239
132
166
176
137
152
116
165
165
193
82
125
209
256
139
125
165
165
119
106
108
256
349
136
191
165
218
125
108
166
270
152
310
111
91
136
141
93
111
194
127
127
147
72
91
129
140
157
127
169
326
125
200
265
172
-11
-20
-20
-15
-15
-10
-25
-20
-10
-7
-20
-25
-30
-15
-15
-20
-15
-20
-12
-25
-25
-10
-15
-15
-15
-12
-11
-10
-25
-30
-15
-10
-10
-20
-11
-11
-11
-15
-10
-5
-10
-25
-10
-25
-25
-15
-10
-15
-25
-15
-10
-10
-30
-15
-15
-25
-20
-10
表2
真度
併行精度
※3
室内精度
※4
化合物名※1
No
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
57
58
59
※2
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
イソプロカルブ
フェノブカルブ
エトプロホス
クロルプロファム
トリフルラリン
ベンダイオカルブ
ペンシクロン
α−BHC
チオメトン
デスメディファム
トリフルミゾール代謝物
β−BHC
γ−BHC
テルブホス
ダイアジノン
ピリメタニル
ターバジル
テフルトリン
δ−BHC
ピリミカルブ
ジメテナミド
クロルピリホスメチル
パラチオンメチル
アラクロール
トルクロホスメチル
シメトリン
ヘプタクロル
ピリミホスメチル
フェニトロチオン
マラチオン
エスプロカルブ
メトラクロール
クロルピリホス
ジエトフェンカルブ
チオベンカルブ
ジメチルビンホス
シアナジン
フェンチオン
アルドリン
パラチオン
テトラコナゾール
ホスチアゼート
ペンディメタリン
シプロジニル
フィプロニル
ペンコナゾール
イソフェンホス
ピリフェノックス(Z)
ヘプタクロルエポキシド
フェントエート
ジクロシメット
キナルホス
プロシミドン
トリフルミゾール
ピリフェノックス(E)
op`-DDE
ブタクロール
パクロブトラゾール
ブタミホス
添加回収試験結果
評価
(%)
(RSD%)
(RSD%)
結果
90
87
92
97
89
71
106
85
93
103
100
90
86
91
91
97
78
90
88
82
95
100
98
98
94
88
78
94
99
95
85
94
89
91
90
90
70
94
53
105
103
76
85
94
96
101
97
102
89
100
95
98
99
117
107
79
91
108
97
6.9
6.6
7.0
5.9
10.1
7.8
9.4
6.0
8.5
17.6
6.7
7.9
8.4
6.8
7.4
6.4
10.7
3.7
4.1
7.8
4.6
8.8
6.1
6.9
5.7
6.7
13.7
3.4
8.8
3.3
5.3
3.2
6.3
5.5
5.1
3.2
12.5
5.6
5.3
8.4
8.8
4.4
5.7
3.9
9.6
4.0
5.9
6.6
4.4
6.5
6.3
5.3
3.7
14.5
13.8
4.6
9.8
4.8
3.9
9.7
9.0
9.5
9.4
13.2
13.5
11.4
11.1
15.6
28.0
9.0
9.6
9.0
11.8
11.3
9.4
22.4
7.2
12.3
11.6
7.3
9.3
9.2
9.1
9.9
12.3
19.6
9.5
11.2
8.7
6.5
8.0
6.4
10.9
8.4
9.3
13.4
8.4
12.3
11.3
12.8
12.4
8.7
10.3
12.9
15.7
7.8
13.4
8.0
10.8
11.5
7.4
8.3
17.9
19.7
7.4
10.0
11.0
10.1
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
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○
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60
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108
109
110
111
112
113
114
115
116
117
※1 *のついた化合物は牛の筋肉の基準値が 0.01ppm(一律基準含む)のもの.
※2 添加濃度 0.01ppm における真度の目標値 70∼120%
※3 添加濃度 0.01ppm における併行精度の目標値 RSD%<25
※4 添加濃度 0.01ppm における室内精度の目標値 RSD%<30
- 113 -
真度 ※2
併行精度 ※3
室内精度※4
評価
(%)
(RSD%)
(RSD%)
結果
108
95
106
85
93
99
73
117
101
96
92
81
86
100
99
86
93
97
68
86
85
106
109
106
101
100
78
108
109
103
110
102
94
103
120
116
115
114
114
112
110
109
124
115
111
99
113
124
98
104
115
111
112
86
113
117
105
108
6.2
7.4
8.8
4.2
4.8
5.0
3.3
4.7
8.6
5.4
9.9
6.3
13.9
9.7
6.3
23.5
7.8
5.9
10.3
6.8
6.1
4.3
11.0
8.6
6.8
7.3
5.9
5.3
4.3
6.8
7.4
5.4
5.5
4.9
6.0
9.0
5.7
5.6
4.9
7.1
6.3
8.6
12.3
5.5
6.8
5.3
5.6
3.9
7.1
4.8
4.4
6.9
6.7
3.7
6.2
7.0
4.7
6.1
10.8
10.0
13.9
6.9
6.8
9.4
5.2
10.1
9.8
10.0
23.1
7.4
17.2
14.2
9.4
22.0
10.8
9.1
15.2
9.4
8.1
8.9
12.1
13.1
10.7
13.6
11.9
13.6
15.6
9.2
12.3
11.7
8.3
9.5
9.2
11.0
9.9
10.4
10.8
12.0
11.7
12.9
15.8
11.8
10.4
13.4
11.6
10.8
11.2
9.7
9.9
12.9
12.2
9.4
9.1
11.0
9.8
13.3
○
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×
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化合物名※1
No
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*
フルトラニル
フルジオキソニル
ヘキサコナゾール
プロチオホス
プレチラクロール
チフルザミド
pp`-DDE
ウニコナゾールP
ミクロブタニル
クレソキシムメチル
フルシラゾール
op`-DDD
ディルドリン
シプロコナゾール
フェノキサニル
エンドリン
ピリミノバックメチル(Z)
クロルベンジレート
フェンスルホチオン
pp`-DDD
op`-DDT
メプロニル
トリアゾホス
エディフェンホス
ピリミノバックメチル(E)
ピラフルフェンエチル
レナシル
プロピコナゾール
pp`-DDT
ジフルフェニカン
テブコナゾール
ピリブチカルブ
ビフェントリン
エトキサゾール
フェンプロパトリン
ビフェノックス
ホサロン
シハロホップブチル
メフェナセット
シハロトリン
アクリナトリン
フェナリモル
ピラクロホス
cis-ペルメトリン
trans-ペルメトリン
ピリダベン
カフェンストロール
シフルトリン
ハルフェンプロックス
ボスカリド
フルシトリネート
シペルメトリン
ピリミジフェン
フルミオキサジン
フェンバレレート
フルバリネート
ジフェノコナゾール
デルタメトリン
4
まとめ
の適合判定の試験法として確立したい.
GC-MS/MS による牛肉中の残留農薬一斉分析法を検討
文献
した.脱脂にアセトニトリル/n-ヘキサン分配を行い,精製
にエチレンジアミン-N-プロピルシリル化シリカゲルミニ
1) 厚生労働省通知食安発第 0124001 号:食品に残留する
カラムを用いることで短時間に多くの検体を処理するこ
農薬,飼料添加物又は動物用医薬品の成分である物質
とができ,全ての化合物で妨害ピークは見られなかった.
の試験法,平成 17 年 1 月 24 日
117 化合物で一律基準濃度での妥当性評価を行った結
2) 厚生労働省通知食安発第 1224 第 1 号:食品中に残留
果,113 化合物について評価基準を満足したため,本分析
する農薬等に関する妥当性評価ガイドラインの一部
法は牛肉中の残留農薬分析法として有用であると考えら
改正について,平成 22 年 12 月 24 日
3) 久保記久子,畑野和広:GC/MS/MS による農産物中の
れた.
残留農薬の一斉分析,福岡市保健環境研究所報,31,
ガイドラインでは,添加回収試験を「基準値濃度」で行
うこととなっている.また,一斉試験法の場合,基準値濃
88-94,2006
度の添加が困難であるため,「各農薬等の基準値に近い一
4) 畑野和広,久保記久子:GC/MS/MS による農産物中の
定の濃度」および「一律基準濃度」の 2 濃度による評価で
残留農薬の一斉分析(Ⅱ)
,福岡市保健環境研究所報,
も良いとされている.従って,基準値が 0.01ppm(一律基準
32,89-94,2007
を含む)以外の項目については,今後「各農薬等の基準値
5) 農薬残留分析法研究班編:最新農薬の残留分析法【改
に近い一定の濃度」での添加回収試験を実施し,食品規格
- 114 -
訂版】
,423∼425,中央法規,2006