黄海エコリージョンの保全活動 王 瑩

黄海エコリージョンの
保全活動
王 瑩 (ワン イン)
WWF 中国
[email protected]
2015年5月28日
内容
WWFにとっての黄海
黄海の主な脅威
黄海での保全活動
解決方法の探求
黄海エコリージョンの概況
黄海エコリージョン
•
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•
中国、朝鮮半島に囲まれた大陸棚
渤海を含め、東シナ海の北端に接する黄海全域 (グローバル200 )
面積 約 400,000 平方km
平均水深 44 m
最深部 140 m
One primary factor that makes the YSE
unique and rich in biodiversity is its vast
intertidal mudflat system. These mudflats
are among the most valuable but fully
unappreciated nature’s gifts to China
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Global 200 Ecoregion
なぜWWFが黄海の保全に取り組むのか?
生態系サービスと高い生物多様性
アシ原
浅海
干潟/ 潮間帯
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渡り鳥の経由地
EAAF
干潟-私たちの生活を支える
• 質の高い数百万トンの水産物を生産
• 干潟で重要な水産物としての貝類
• 低い “栄養段階”
• 消費者にとって欠かせないタンパク源
• 貝類の年間生産量22トン/ha (小麦4トン/ha)
黄海の環境保全上の主な脅威
世界的にも、最も改変、開発が進められている海洋生態
系の中の一つ
•生息地の消失
•過剰漁業
•汚染
黄海エコリージョンプロジェクト
黄海エコリージョン保全プログラム
日中韓の科学者による哺乳類、
渡り鳥、魚類などのそれぞれ
の生息環境の重要要素を勘案
し、23箇所の生物多様性優先
保全地域 (PPA) を抽出
2002-2007
2008-2009
黄海エコリージョン支援プロジェクト(YESSP)
鴨緑江河口干潟生態系ベース管理モデルプ
ロジェクトを実施。底生生物、渡り鳥、漁
業の関わりを調べ、沿岸湿地の管理計画を
提言
2010-2013
YSESP
中国、韓国で、湿地の生態系
サービス、保全の重要性への理
解を深めるため、優先保全地域
での小規模助成事業を実施
2013-2014
YSESP
モデル事業の取りまと
め、報告書の作成と配
布
2015
次期YSESP
主なパートナー:
中国国家海洋局, 国
連黄海プロジェクト、
遼寧省海洋漁業局,
遼寧省海洋水産科学
研究院、丹東海洋漁
業局、北京林業大学、
瀋陽理工大学、韓国
海洋科学技術院など
黄海生物多様性優先保
全地域 (PPA)
23PPAs=
•海洋生物多様性
の重要生息域
•固有性
•絶滅危惧種
•重要商用種
国境をまたいだ、この種の重
要生息域地図の先駆け
YSESP—少額助成事業の支援地域
2008年
2009年
中国モデル地区
鴨緑江河口域沿岸・生
態系ベース管理モデ
ルプロジェクト
海洋保護区
鴨緑江国家級自然保護区
(1997年編入), 遼寧省
資金規模:
1500万円 (パナソニック社 ご支援 )
1500万円相当 (遼寧省海洋漁業庁)
プロジェクト関係者
WWF
パナソニック株式会社
遼寧省海洋漁業庁
国連黄海プロジェクト管理オフィス
丹東市海洋漁業局
遼寧省海洋水産科学研究院
丹東市鴨緑江自然保護区管理局
鴨緑江自然保護区 位置と概況
 1987年設立。1997年に国
家級自然保護区に格上げ。
 総面積101,000 ha
41.3%が東港市に属する
 周辺人口13万人
プロジェクトで得られた知見—優先する底生生物
優先種
Bullacta exarata
干潟表層部:泥螺
干潟内部:
江户明樱蛤、青蛤
春期と秋期.
Cyclina sinensis
Moerella jedoensis
漁労活動が、モ
デル活動域の底
生生物の種構成
の変化に明確な
影響を及ぼして
いる。
プロジェクトで得られた知見—渡り鳥の優占種
オオソリハシシギ
渡りのピーク: 3月28日-4月28日
ハマシギ
渡りのピーク
•この3種で観測個体数の92.6%
3月28日- 5月10日
• アゲマキ播種の時期と渡りの
ピークが重複する
•各渡り鳥の体重は、鴨緑江干潟
の滞在中に2倍に増加
オバシギ
渡りのピーク:4月7日-5月15日
明らかとなった生態的なつながり
影響は
限定的
漁労活動により
優占種が変化
渡り鳥による底生生物の捕獲圧
は、自然の再生産の許容範囲
最大の問題は、人為的な活動による底生生物層の破壊
生態系ベース管理
長期的な保全目標とモニタリング計
画の策定
生物多様性と生息地保全
 生息地の復元
ゾーニングに基づいた管理の規格化
管理システムの構築
企業、管理当局間の環境パートナー
シップの形成
一般への普及啓発と環境教育
鴨緑江湿地の統合的管理の見地から
の生態保全の実行
人為活動
調和
底生生物層
渡り鳥
多様な利害関係者の協働
持続可能性
順
応
的
管
理
生態系ベース管理に基づいた政策提言
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黄海エコリージョンにおける
湿地保全管理国際ワークショップ
2014年10月 生物多様性締約国会議(韓国 平昌)
2014年11月 世界公園会議 オーストラリア シドニー
なぜ貝類が重要なのか
海域養殖生産量
貝類
水産物生産量
魚類
海域養殖
甲殻類
海域漁業
海藻類
他
黄海 域内
黄海 域外
出典:Fishery Statistical Yearbook 2013
主な貝類の生産量変化
2009年-2013年
カキ
タイ
ラギ
アワビ
サザエ
アカガイ
ホタテ
ハマ
グリ
マテガイ
ムラサキガイ
カキ, クラム、アワビの生産量が2009年から2013年にかけ
て増えている
黄海における主な貝類の生産量変化
2009年-2013年
全国産量
山東
遼寧
河北
江蘇
四省合計
 黄海における貝類生産量は増加傾向
 中国における貝類生産量のトップ3;山東省、遼寧省、江蘇省(いず
れも黄海に接する省)
流通と市場
(1) ローカル市場
日本
(2) 卸売りと小売りから国内市場
韓国
米国
海外市場
オースト
ラリア
カナダ
……
図:冷より引用
中国産二枚貝の主な輸出先(金額)
 輸出先上位三カ国: 日本, 韓国, アメリカ
 2012年、2013年は、二枚貝の輸出額は日本が最も高かったが、
2014年は韓国がわずかに上回った。
2014年
中国および黄海の輸出量、輸出額の比較
総輸出額(万ドル)
黄海エコリージョン省市
輸出額(万ドル)
総輸出量(トン)
黄海エコリージョン省市
輸出量(トン)
黄海エコリージョンが主な貝類の輸出元
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主要な輸出元の省、遼寧省の輸出状況
輸出額(万ドル)
輸出量(トン)
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解決方法の探求:
黄海の保全価値の高い湿地の保全のための持続可能な貝類モデルプロジェクト
漁労活動
漁業、養殖
持続可能な貝類の規格
持続可能性
消費者への啓発 + 海外
市場、国内市場の需要
底生生物層
湿地管理
渡り鳥
生物多様性モニタリン
グと保全
保全重要域の抽出と生物多様性モ
ニタリングと保全
+ 主要関係者
市場変革による解決
グローバルレベルでの健全な海洋を維持するための持続
可能な漁業を定め、奨励する
持続可能な漁場を認証する
周辺環境、他の生物種に悪影響が及ばない
持続的な漁業資源の捕獲
責任ある漁業管理
透明性があり、トレーサビリティが担保されたサプライチェーン
漁船から食卓まで
持続可能な水産物を消費することを人々に奨励する
エコラベル
Presentation to Company Name
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2015年6月23日星期二 - 36
一緒に, 改善していき
ましょう!
Thank you