May 2015 グローバルファンド ファクトシート グローバルファンド日本委員会では、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)の概要を定期的にまとめてご紹介しています。 ■主要ドナーと累計拠出額 ■世界エイズ・結核・マラリア対策基金とは 金額順、単位:USドル 世界エイズ・結核・マラリア対 策基金(グローバル 政府ドナー(約 50カ国 1 機関) その他のドナー(民間財団、企業など) ファンド)は、途上国の三大感染症対策を支える官民 総額 316 億 4019 万ドル 総額 19 億5346 万ドル 連携基金です。 主要拠出国(累計で5 億ドル以上の拠出国) 世界で年間 300万人以上もの命を奪うエイズ、結核、 主要ドナー(累計で300万ドル以上のドナー) マラリアは三大感染症と言われ、貧しい国の発展を 米国 妨げる重大な要因となっています。グローバルファン フランス 39億 3135万 ドは、中低所得国のこれら三疾病対策のために資金 イギリス 31億 1502万 を提供する機関として、2002 年1月にスイスに設立 ドイツ 23億 9594万 日本 23億 4645万 (国際医薬品購入ファシリティ) 欧州委員会 16億 1518万 国連財団を通した個別寄付 1936万 カナダ 13億 7796万 イタリア 10億 4914万 されました。G7を初めとする各国の政府や民間財団、 企業など、国際社会から大規模な資金を調達し、中 低所得国が自ら行う三疾病の予防、治療、感染者支 援、保健システム強化に資金を提供しています。国 連システム内に新たに作られた基金ではなく、また個 人や企業の出捐による民間財団でもなく、官民パー トナーシップにより成り立っていることが特徴です。 106億 8734万 スウェーデン 9億 5615万 オランダ 8億 1997万 スペイン 6億 6226万 ノルウェー 6億 5188万 ■資金の調達と供与 ビル&メリンダ・ゲイツ財団 14億 (RED) 2 億9191万 Debt2Health(債務振り替え) 9001万 シェブロン 6000万 UNITAID 3869万 Idol Gives Back 1660万 (米国のテレビ番組「アメリカン・アイドル」の チャリティー特番) BHPビリトン 1000万 武田薬品 598万 コミック・リリーフ 498万 タヒル財団(RED) 426万 M・A・Cエイズ基金 325万 アングロ・アメリカン 300万 グローバルファンドウェブサイトを元に作成(2015年4月30日現在) グローバルファンドは 2015 年 4月までに、国際社会 から約 336 億ドルを集め、低・中所得国が行う三大 ■資金供与の詳細 感染症対策と保健システム /コミュニティ・システム 事業実施機関による使途別の支出割合 強化を支援しています。現在、110 以上の国・地域で モニタリング・評価 の三大感染症対策事業に、年間約 30 億~ 40 億ドル 4% の資金を供与しています。グローバルファンドが提供 その他 小規模インフラ整備・ 医療用以外の機材 8% する資金は、開発途上国に対する国際的なエイズ対 策支援の20%、結核対策支援の75%、マラリア対策 12% 保健器具・ 医療機材 21% 研修 支援の 67% (2013 年) を占め、各国の感染症対策を支 薬剤 9% プログラム 運営 人材関連 える重要な資金源となっています。 (2002-2013 年度までの累計) 11% 19% 15% ■グローバルファンドの成果( 2014 年12月1日時点) 抗レトロウィルス(ARV)治療を受けている HIV感染者数 万人 800 730万人 700 500 300 200 100 0 2004 万人 1400 マラリア感染予防のために家庭に配布された 殺虫剤処理蚊帳数 1230万人 1120万人 1000 330万人 300万人 250万人 200万人 140万人 200 38万人 13万人 2006 0 2008 2010 2012 2014 1.5 330万人 1 200万人 0.5 100万人 38.5万人 2006 2008 2億3000万 2 460万人 2004 3億1000万 2.5 770万人 400 3億6000万 3 600万人 600 77万人 4億5000万張 3.5 970万人 860万人 800 420万人 億張 4.5 4 1200 610万人 600 400 新規に発見され治療を受けた 結核患者数 2010 2012 2014 1億6000万張 200万張 7000万張 4600万張 770万張 1800万張 0 140万張 2004 2006 2008 2010 2012 2014 グローバルファンド|ファクトシート May 2015 ■グローバルファンドのしくみ ガバナンス ( 理事会構成 ) ドナー・ブロック10議席 先進国 政府代表 日 グローバルファンドは、官も民も意 思決定に関わる 事業実施ブロック10議席 仕 組みを作った先 進的な組 織です。最 終 議決権を 仏 米 持つ理事会では、先進国政府などドナー側と、途上 途上国 政府代表 独 国政府やNGO など事業実施側が10 議席ずつ公平な 英 議決権を持つことが大きな特徴です。また、政府代 表 だけではなく、NGO、 感 染 症の当 事 者 団 体、 民 議席数 間財団、民間企業も名を連ねています。このような 途上国NGO 様々な立場に立つ組織とパートナーシップを組むこと 先進国NGO 民間財団 で、運営にかかるノウハウや専門性、現場ニーズの 感染者 コミュニティの 代表 民間企業 把 握、人権問題への配 慮など多様な視 点を感 染 症 対 策 盛り込み、対 策の効率、効果を高めています。 議決権のない理事 (WHO, UNAIDSなど) 出所:グローバルファンド日本委員会 ■日本とグローバルファンド 日本が議長国を務めた 2000 年の G 8九州沖縄サミットで感染症対策が主要議題となり、 追加的資金調達の必要性についてG8 首脳が確認したことが、グローバルファンド設立の発端となりました。 このことから、日本はグローバルファンドの 「生みの親」のひとつと称されています。 様々なセクターの組織や個人がグローバルファンドにかかわっています。 企業 日本政府 累積拠出額は 23 億4645 万ドル(約 2358 億円)にのぼるグ ローバルファンドの主要ドナー。大菅岳史 外務省国際協力局 参事官が日本政府代表理事を務める。日本は単独議席を持 つ 5カ国のうちの1つ。 国際協力機構(JICA) アジア・アフリカ等の27ヶ国(2008 年より現在までの累計) で、 武田薬品:グローバルファンドへの寄付を通じてアフリカに おける保健人材の育成・強化を支援(2010-2019) 住友化学:同社が開発・生産するマラリア防除用の蚊帳をグ ローバルファンドの資金供与を受けた途上国が調達 ソニー:グローバルファンドが支援するHIV/エイズ予防のた めの行動変容プロジェクトに機材の無償提供と技術指導 (2011) グローバルファンドの資金供与を受ける実施機関に対し能力 強化等の技術協力や、国別調整メカニズム (CCM) メンバーとし て支援を実施。資金面と技術面で相互補完的な支援を行う。 日本人職員 戦略投資効果局長の國井 修氏をはじめ、グローバルファンド NGO 事務局に勤務する日本人職員は6 名 結核予防会、シェア、AMDA 社会開発機構などがグロー バルファンドの資金を活 用し て事 業実 施や 技術 供与。ア 各種委員会の委員を務める日本人専門家 フリカ日本協議会、エイズ & ソサエティ研究会議、 日 審査委員会: 本リザルツ、マラリア・ノーモア・ジャパン、日本国際交 井戸田一朗氏(しらかば診療所院長) 流 セ ン タ ー な ど が 三 大 感 染 症 対 策 や グローバルファンド (2015 年 4月現在) に関するアドボカシー(政策提言)に取り組む。 グローバルファンド日本委員会 Friends of the Global Fund, Japan Joining the Fight Against AIDS, Tuberculosis and Malaria copyright Ⓒ 2015 Japan Center for International Exchange 編集・発行:グローバルファンド日本委員会 〒106-0047 東京都港区南麻布 4-9-17 公益財団法人 日本国際交流センター内 Tel 03-3446-7781 Fax 03-3443-7580 Email [email protected] URL http://fgfj.jcie.or.jp
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