千葉県浦安市を対象とした 液状化ハザードマップの高度化に向けた取り組み Geo-disaster Mitigation Engineering 梶原 和博,R.M.Pokhrel 研究概要 将来の地震被害に備えるため、これまで多くの自治体で液状化ハザードマップの整備が 行われてきた。このハザードマップに定量的な被害予測の情報が含まれると、防災への有 効な利活用が期待できる。本研究では、2011年東北地方太平洋沖地震前後に実施され た航空レーザー測量(Konagai et al., 2013)から得られた道路沈下量と、液状化の被害 規模を表すPL値との相関性に及ぼす道路規格の影響を考慮して、液状化による道路の 沈下量を定量的に予測する新たな液状化ハザードマップの構築を試みた。 地盤情報の整備とPL値分布の算出 浦安市の液状化ハザードマップ (http://www.bousai.pref.chiba.lg.jp/portal/) 液状化判定(道路橋示方書)を行うため、地盤の塑性指 数、平均粒径、細粒分含有率、単位体積重量、地下水位の 情報を収集した。東北地方太平洋沖地震後に実施された 市内23箇所のボーリング調査結果と土質試験結果を用い てパラメータの推定法を構築した。これにより、既存の109 箇所のボーリング調査地点のパラメータを推定し,同地震 の外力を設定して液状化判定を行った。 得られたPL値分布は、同地震によって発生した浦安市の 液状化の様子と概ね整合している。特に戦後の埋立地盤 の液状化被害が、古い時代に形成された地盤と比較して大 きかった事実を反映している。 新たな液状化ハザードマップの構築 浦安市内159 地点の道路沈下量とPL値を抽出した。同じPL 値でも舗装厚が厚いほど沈下量が小さくなる傾向が得られた。 この関係を用いて、液状化による道路の沈下量を定量的に表 現する新たな液状化ハザードマップの作成手法を示した。 新たな液状化ハザードマップは、液状化被害予測だけでなく、 緊急輸送道路や避難ルートの検討など、防災戦略への有効 な利活用にも適用できると考えられる。 Settlement Subsidence KIYOTA Lab., Institute of Industrial Science, University of Tokyo 2015
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