SI単位への移行 - 国際ジオシンセティックス学会 日本支部

ジオシシセテ f ソ
ケ
ス
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主
体
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技術資料
S
単位への移行
室蘭工業大学工学部
木
幡
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T
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志
はじめに
1
9
9
2 年(平成,1{j:)に「計量法」が全面的に改正され、計量法で定める計量単位(法定単位)
が国際的に合意された i
i
.位系である[]i]I
際単位系 (
SI)に統一されることになった。しかしながら、
ニω改正は社たに比 (
f
",
J影響が大きいことなどから、完全実施までには 3段階の猶予 W
J
I¥
1J
が1
1
2け
られていたが、その i
d終期限は、 1
9
9
9年 9J
l;
.
W 日であった。したがって、 1
9
9
9年 1
0f
l I1以
降、計量単作はすべてい l
際単位系 (
S
I
) に統ーされている。このような状況を踏まえ、ここでは
S
I 単位への移行一に際して注意すべき点などにつし〉て述べることとする。なお、 S
I 単位につ liて
は
、 これまでさまざまな学協会誌で取り上げられているが、その中でもわかりやすく解説されて
いると思わオ lるものに、 「土と基礎 J ミ二講陀
があり、また、最近では「基礎工 J 2)に特集が制 1
1
)
まれているので参考にされたい。
2
S
Iの誕生と法的規制
S
Iが登場したのは、今から 4
0年前に遡る。百時、世界各国の計量単位として統一されていた
ものは、 1
8
8
5 年に締結されたメートル条約に基づくメートル法であったが、メートル法の単位
系の中にも、 m
;
}
Jq
i
.
f
ウ
:
系
や MKS単位系など、数種の単位系が存在し、一般の人から専門家まで
共通に使える」貫性をもった単位系とはなり得ないことが憂慮されていた。そこで、 1
9
6
0年に
開催された国際度量衡総会において国際単位系 (
S
I
)が誕生したわけである。 i
S{Jとは、国際単位
系を表すフランス語の略称で iLeSvstとmel
n
t
e
r
n
a
t
i
o
n
a
ld
'
U
n
i
t
e
s
J の頭文字をとったものである。
今回の法改正によって法定計量単位に S
I 単位が取り込まれたことから、ジオシンセティック
スの分野にも多大な影響が及ぼされると思われる。法律による主な規制内容は、①法定計量単位
以外の計量単位を取引又は証明に用いてはならない(計量法第 8条)、②非法定計量単位の目盛
りを付した計量器は、販売又は販売の目的で陳列してはならない(計量法第 9条)、である。(!)
でいう「取引又は証明」とは、具体的には契約書、仕様書、性能証明書および、官公庁への提出書
類などが該当し、カタログ類、取り扱い説明書、契約書に添付する参考資料および広告類などは
該当しない~ )。ただし、後者の該当しないものにおいても随時 S
I化することが望ましいとして
いる
3.
S
I単位への移行
ジオシンセテ fックスの適用は、そのほとんどが地盤に関係しているので、 S
I 単位への移行
に関する注意点は、地盤工学の分野に S
I 単位を導入する際の注意点と同じであると思われる。
以ドには、叶単位への移行に際して注意すべき点を述べる c
-応力およびJ:j ~}J 単位1))選択
S
I単位では、応力および圧力の単位に P
a (パスカル)あるいは N/nγ(ニュート./毎平方メー
ト)~ ) をj
室
4
"
1
~. 2きるつ定際の使用にあた")て、どちらを選択するかはユーザーの判断に任されて
キ U) M (メガ)、
いる。また、 k (
、
1
1
1
(ミリ)などの接頭語を付けることが許されていて、和 l
J
L単位を (
i
fJ
3よさに川いられる。 ただし、組、工単位を作るときには、原則として接頭語は
~
I-
lっと
し、単位の先頭につけ、また分母には付けないのが望ましい。たとえば、 kN/l
l
1e は可であるが、
kN/cll1"は不可である。なお、 N/1
l
1
1
l
12や g
/CI
l
13は、特定分野または慣行として例外的に使用が認め
N/1l1ーを用いる場合が多い。
られている。地盤工学の分野では、応力や圧力の単位として、 kPaや k
一方、鉄およびコンクリー卜材料の応力の単位には N/Il1Il1"を使用している。なお、地盤工学会
の例では、土質試験・士質調査基準のうち、力学試験関係では、応力は力を断面積で割ったもの
という概念が伝わりやすいという意味合いから、応力の単位に kN/Il1-'を用いているのに対して、
Pa を用いている。いずれにしても、
土の保水性試験方法で、は、圧力を扱う場面が多いので、 k
A
つの基準内では、どちらかに統ーしている。すなわち、力学試験関係基準においては、応力の単
位を kN/m"としているので、間隙水圧の単位には kN/Il1"を用いている。
-密度 (ρ) と単位体積重量 (γ)
従来単位では、「密度 J と I
単位体積重量」の単位が g
l
CI
l
1
、
と g
f
/
c
m3 で表されていたが、これ
らの数値が一致していたため、しばしば両者を厳密に区別することなく使われていることが多い
I単位では、「質量」と「重量」を明確に区別しているため、「密度 lの単位は g/cm3 と変わ
が
、 S
〆 ρで関係づけられる。
らないが、「単位体積重量」の単位は , kN/m、で表される。両者は、 γ g
二
=1
.
5
0t
/
m
'の土の単位体積重量 γ
tは、以下のようになる。
例えば、湿潤密度 ρ,
γ,
=g
nXρt 9
.
8
1(
m
/ピ) X (
1
.50X103) (
k
g
/
m3)
二
=
14.7X103 (N/m3)
=
14.7kN/m3
.有効数字
I単位表示になるので、
前述したように、今後、圧力計や荷重計など、市販の計量器の表示は S
I 単位へ換算することはなくなると思われるが、現状におい
圧力や応力に関して従来単位から S
ては、ほとんどの場合、換算が必要である。地盤工学会の例では、単位の換算に際しては、原則
として必要に応じた有効数字の桁数を持つ換算係数を用いることとしている。換算係数には、国
I
S ではそれに準拠した換算係数を規定している。例えば、
際的に規約した換算係数があり、 J
r
k
g
f
Jを r
N
J に換算する場合には、 r
9
.
8
0
6
6
5:正確な換算係数 J、 r
9
.
8
0
7:有効数字が 4 桁の
換算係数」、 1
9
.
8
1 :有効数字が 3桁の換算係数 J、 1
9
.
8:有効数字が 2桁の換算係数」、 1
1
0:有
効 数 字 が l桁の換算係数」と定めている。しかし、実務においては、土質調査結果などの測定精
1
0
J とする場合が多いようである。
度やデータのばらつきなどを考慮、して、換算係数を 1
4. おわりに
I 単位への移行に際して注意すべき主な点について述べた。なお、
以じ簡単ではあるが、 S
I単位の導入によって経験式における係数が変わる場合があるの
ここで述べたこと以外にも、 S
で、設計等においては細心の注意が必要である c
<参考文献>
1)土質工学会:ミニ講座「土質工学における S
I
J、土と基礎、 Vo.
14
2, N
o
.
3
"
'
N
o
.
1
0, 1
9
9
4
.
I単位 J、基礎工、 Vo.
12
7, No1
1, 1
9
9
9
.
2
) 総台土木研究所:特集「基礎の設計と S
目
I単位等普及推進委員会編:新計量法と S
I化の進め方、通商産業省計量行政室、
3
) 通商産業省 S
1
9
9
9
A斗 A
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