第165回 原医研セミナーのご案内

第165回
原医研セミナーのご案内
下記のとおりセミナーを開催いたします。多数ご参集ください。
記
日
場
1. 演
演
時: 平成27年3月30日(月)午後4時~
所: 霞総合研究棟 7階 701セミナー室
題:ドナーとレシピエントの性別不一致が同種造血
幹細胞移植の移植成績に与える影響
者:血液・腫瘍内科研究分野 大 島 久 美 講 師
移植片対宿主病(GVHD)は同種造血幹細胞移植の成績を左右する最大の合併症である。
GVHD の病態は、移植片中のドナーT 細胞、レシピエントの抗原提示細胞、標的臓器の相互
干渉により形成されるため、HLA 適合度が GVHD の発症と重症度に最も関係する因子と考
えられる。しかし、HLA 適合移植においても、マイナー組織適合性抗原の差異によってドナ
ーT 細胞はレシピエント抗原を異物と認識する。女性ドナーから男性レシピエントへの HLA
適合血縁者間移植において、Y 染色体がそのような抗原として、GVHD 発症だけでなく移植
片対白血病(GVL)効果にも影響を与えることが報告されている。そこで、ドナーとレシピエ
ントの性別の組み合わせが、GVHD 発症と GVL 効果、最終的な移植成績に与える影響につ
いて、造血細胞移植学会一元化データベースに登録された多数のデータを用いて解析した。
この結果について、文献的考察を加え報告する。
2.演
題:同所性マウス左片肺移植を用いた肺移植後閉塞
性細気管支炎発症機序の解明
演 者:大学病院 呼吸器外科 三村 剛史 助教
肺移植後の慢性拒絶反応である閉塞性細気管支炎(BO: bronchiolitis obliterans)は、移植
肺機能不全の最大原因であり、その発症機序は未だ不明である。BO 機序解明に遺伝子改変
が可能なマウスモデルは不可欠であるが、再現性の高い BO マウスモデルの報告は皆無であ
った。このたび留学先のミシガン大学で同所性マウス肺移植での慢性拒絶反応モデルを高い
再現性をもって確立したので報告する。このモデルは、従来の異所性気管移植モデルとは異
なり、ドナー肺の血管・気管支をレシピエント肺の血管・気管支と各々吻合する、環境的に
は人間への肺移植を模倣したモデルである。マウスを用いるため、種々の抗体が使える、大
量生産が可能、各種遺伝子改変マウスを使える、など様々な長所があり、その汎用性は高い。
このモデルを開発し、さらに種々のマウス系統の組み合わせから、慢性拒絶反応モデルを開
発した。
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広島大学霞地区運営支援部総務グループ
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