HLAふしぎ物語

難知性腫瘍へのHLAミスマッチ
移植戦略
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HLA
マイナー組織適合性抗原
ナチュラル・キラー(NK)細胞
IPA/ NIMAコンセプト
特定非営利活動法人 HLA研究所
佐治博夫@HLAコンサルタント
HLA
Human Leukocytes Antigens
Human MHC
‘Major Histocompatibility Complex’
HLAは血液型ではありません
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たまたま血液から見つかっただけです
たまたま血液で検査するだけです
では、その本体はなに?
「自他認識のマーカー」です
自他認識は「免疫」がします
HLAは免疫のイニシエーターです
⇒同種間では組織適合性抗原に見えます
HLAのふしぎ・その1
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ハプロタイプとは?
– 親から子へ遺伝するセットのHLA型
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多数の座位が遺伝子重複で形成
HLAクラスI:A B C E F G H J・・・
– 重鎖(H)と軽鎖(β2ミクログロブリン)のヘテロ
ダイマー;自己やウイルス・ペプチドを提示

HLAクラスII:DR DQ DP DO・・・
– α鎖とβ鎖のヘテロダイマー;非自己ペプチドを
提示
HLAハプロタイプは何種類?
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A-B-DRの3座だけで考えてみる(日本人)
A座(30)、B座(50)、DR座(30)
理論的ハプロタイプの数:
– 30×50×30=45,000種?

一人のヒトは2つのハプロタイプをもつ
– 45,000×45,000=約20億種

実際にはハプロタイプは「保存」されるか
ら日本人には2,000万種類?
HLAのふしぎ・その3
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HLAの型で「疾患感受性」がわかる
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HLAの型で「免疫応答能力」がわかる
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HLAの型で「自己免疫素因」がわかる
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なぜなら、HLAは免疫の多様性を規定す
る分子だから。
HLAのふしぎ・その4
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ハプロタイプは「進化的に保存される」
– HLA抗原セットがその環境で生存に有利
– 数1,000年は維持される
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同じハプロタイプが異なる地域で生成さ
れることは非常にまれである

よって、ハプロタイプを共有するものは、
祖先を共有することの証明⇒
HLAハプロタイプでルーツ探し
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ハプロタイプは進化的に保存される
⇒ハプロタイプの分布を追跡すると
先祖たちが移動してきた道筋がわかる
– ハプロタイプの存在はその地域で子孫を残
した証になる。
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⇒民族の由来がわかる
日本人はどこからきたか?
Magnitude of HLA and/or mHA
GVHD Freq.(%)
50
in a-GVHD after SCT
Unrelated/ HLA Incom.
Unrelated/ HLA Comp.
HLA Effect
for GVHD
40
30
Sibling/ HLA Incom
20
10
Sibling/ HLA ID
0
Post Tx Days
mHA Effects
for GVHD
Retrospective study
IPA/ NIMA effect
Tamaki S, Ichinohe T et al: BMT (2001)
OVERALL SURVIVAL
Maternal donor (n=46)
Paternal donor (n=50)
JSHCT Data base
難治性腫瘍へHLAミスマッチ
移植を適用する

難治性・治療抵抗性 腫瘍の特徴
– 猛烈な進化能力、変異能力
↓

マイナー組織適合性抗原(ショットガン)に
加え、HLA(強い免疫原性)を参加させる
NK細胞の働きに期待する

HLA標的GVHDの制御が課題だが
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難治性腫瘍へHLAミスマッチ
移植を適用する
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難治性・治療抵抗性 腫瘍の特徴
– 猛烈な進化能力、変異能力
↓
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マイナー組織適合性抗原(ショットガン)に
加え、HLA(強い免疫原性)を参加させる
NK細胞の働きに期待する
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HLA標的GVHDの制御が課題だが
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