貯血式自己血採取の補助

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貯血式自己血採取の補助
◎小出 采歩 1)、安田 卓矢 1)、辻井 恵美 1)、緑川 智恵美、安藤 恭代 1)
社会医療法人財団石心会 埼玉石心会病院 1)
【はじめに】貯血式自己血輸血は輸血感染症や輸血後
化はなかった。②自己血採取状況:マスクや手袋未着用で
GVHD および同種免疫抗体産生などを防止する良質な輸血
行っていたが、細菌汚染防止のためマスクと手袋着用を規
療法である。しかし、採取時の迷走神経刺激反射や血液の
定とした。③自己血の処理方法:セグメント作成時にライ
細菌汚染の可能性もあり、適正な貯血が重要となる。従来、
ン内の血液をバック内に戻し、保存液と混和してからシー
医師が穿刺から自己血バックの処理まで行っていたが、
リングを行った。セグメントとバック内の色調変化を比較
2015 年 2 月より検査技師が自己血採取の補助を開始した。
できるようになった。 その振り返りと、今後の展望について報告する。
【結果と考察】検査技師の補助開始以降で自己血採取量の
【自己血採取補助の業務範囲】2014 年 11 月より整形外科、
増加は認めなかった。赤血球製剤との使用単位の比較では、
心臓血管外科を限定として試験運用を開始、この間に他部
年々、自己血の割合は減少傾向であった。主治医の時間不
門との調整を行い 2015 年 2 月より本稼働の承認を得た。患
足も減少の一因と思われ、今後、調整の必要性を感じた。
者への自己血に関する説明、重量式減圧採血装置への自己
また、マスクと手袋の着用、自己血処理の変更による細菌
血バックのセット、ライン接続、貯血後の処理、患者との
汚染防止効果は、補助開始前の状況を把握していないため、
氏名照合を業務範囲とした。
今後調査していきたい。
【補助開始前後での比較】①自己血輸血の実施状況:手術
【結語】貯血式自己血輸血は良質な輸血療法であるが、採
で使用した赤血球製剤/自己血使用単位(自己血使用割合)は、
取量は増加していない。採取の補助をはじめて診療部から
2012 年度 1564 単位/409 単位(26%)、2013 年度 2116 単位
の評価が良く、手術室での採取(希釈式自己血輸血)への要
/416 単位(18%)、2014 年度 1964 単位/413 単位(20%)であっ
望がある。診療部と協働して自己血採取を推進したい。
た。検査技師が携わるようになったが、自己血採取量の変
連絡先 04-2953-6611