2015 年 3 月 17 日の世界ソーシャルワークデイにあたり、国際ソーシャルワーク学校連盟（IASSW）会長の Vimla V. Nadkarni 教授によるご挨拶世界中のソーシャルワーカーの皆さんへナマステ。これは、ヒンズー教の挨拶で、意味は「私の聖なる部分は、貴方の聖なる部分に触れる」という意味です。世界ソーシャルワークデイのテーマである「人間の尊厳と価値の確保」の本質も同じです。本テーマは、ソーシャルワーカーと社会開発のグローバルアジェンダの 4 つのテーマにおいて 2 つ目にあたります。グローバルアジェンダは、ソーシャルワーカーがグローバルな規模で展開するボトムアップの運動です。この日は、倫理綱領に含まれている「人々の固有の尊厳と価値」というソーシャルワークの価値基盤への使命感を再確認する機会です。 Beth Ellen Cooper 牧師の言葉によれば、「地球上の全ての人々が、生きているか死んでいるかを問わず、人間であるからこそ、その人間性の一部として生来の本質的な美徳を有します」。我々はこの価値を教わり、この価値をソーシャルワークの学生に教え続けています。この価値を認め、実践し、全ての人々を、彼／彼女らを取り巻く包括的な文脈において、家族、コミュニティ、社会及び自然環境の中で、かけがえのない完全なる人間として扱わなければなりません。我々は、個人の違いと文化及び民族の多様性に関心を持ち、それを認め、尊重します。自己決定、即ち自分の選択と決断を下す人々の権利を進めると同時に、それは他人の権利と正当な利益を脅かしてはいけません（国際ソーシャルワーク学校連盟・IASSW／国際ソーシャルワーカー協会・IFSW、倫理原則の声明、2012）。例えば、世界中で多くの人々に対して残酷な行為を犯す者は、この権利を失います。パキスタンのペシャーワルにて学校を爆撃し、132 人の子どもを殺害した者がいました。BBC が作成した最近のドキュメタリー映画「インドの娘たち」の中で、10 歳の子どもをレイプした犯人による「単なる物乞いのため彼女の命に価値がない」という発言を聞くと、心が非常に痛みます。このような文脈において、一対どのようにして、人々の「固有の尊厳と価値」の原則を実践に移せば良いのでしょうか。我々は、人々の強みに注目し、十分な理解と同意の下で我々のサービスを利用するにあたり、最大限に参画できるよう、彼／彼女らをエンパワーします。全ての人が有する変われる力とその機会を促進するよう努めることで、社会に対して責任をもつ形で自分らのニーズを満たせることになります。要するに、個人の能力と政治的な力の向上です。我々は、専門職の価値、倫理原則、倫理基準に沿って、社会的に責任をとれる方法で、クライエントの利益とより広い社会の利益の間に生ずる対立を解消するよう努力します（全米ソーシャルワーカー協会、倫理綱領）。我々は、クライエントにのみでなく、彼／彼女らに影響を及ぼし、彼／彼女らの人間性を奪い、彼／彼女らの権利を剥奪する制度にも働きかけます。尊厳が守られる扱い方を受けるという人々の権利のためにアドボケートし、人々の価値と尊厳が保たれるよう、より人間らしい制度を築きます。正当で民主的な社会開発活動に従事するという人々の権利が法制と実践によって侵害・制限されないことを保障するために、全ての会員に協働を呼びかけます。我々は、倫理的で、充分な理解を踏まえた介入ができるソーシャルワーク及び社会開発実践者を育てる教育と養成プログラムのためにアドボケートします。皆さんや皆さんのソーシャルワーク学校が世界ソーシャルワークデイにあたりどのような企画に取り組んだか、ぜひ聞かせて頂きたいです。本連盟のウェブサイトで公開するため、会員となっている全てのソーシャルワーク学校・大学・学科と教員に自分たちの活動に関する資料を送って頂きたいと思います。皆さんにとって、たいへん生産的な世界ソーシャルワークデイ及び月間になることを願っています。国際ソーシャルワーク学校連盟（IASSW）会長ソーシャルワーク校設立学長（引退）博士 Vimla V. Nadkarni 教授会長室：タタ社会科学院ソーシャルワーク校 212 号室 Post Box 8313, V.N. Purav Marg, Opposite Deonar Depot Mumbai 400 088、電話：91-22-25525446 IASSW の公式ウェブサイト：www.iassw-aiets.org IASSW の Facebook：http://www.facebook.com/IASSW.AIETS IASSW の Twitter：@IASSW_AIETS IASSW の Linkedin：International Association of Schools of Social Work (group)