朴 龍洙 高次タンパク質の大量発現用バクミドの開発及び応用

高次タンパク質の大量発現用バクミドの開発及び応用
翻訳後修飾の可能な昆虫細胞、特に蚕幼虫を、高いタンパク質生産に用
研究の背景と目的
朴 龍洙
いた。従来の昆虫細胞に遺伝子を導入する方法は、バキュロウイルス発現系
に頼っており、発現までの煩雑な操作や長時間を要するなどの問題点が指摘
されている。そこで、我々は、昆虫細胞や蚕に有効なバクミドシステムを開発
し、各種タンパク質の発現に応用し、生物機能について検討した。
グリーン科学技術研究所 教授
昆虫細胞は哺乳動物細胞に比べ取り扱いやすく、高いタンパク質生産能力
■ キーワード
を持ち、翻訳後修飾も本来のタンパク質に近いものができるなどの利点があ
る。既に、昆虫の中でも蚕はインターフェロンなど有用なタンパク質の生産に
・ 蚕
・ バキュロウイルス
・ 遺伝子組換えタンパク質
・ 昆虫細胞
利用されている。しかし、昆虫細胞に遺伝子を導入する方法は、バキュロウイ
研究の概要
・ バクミド
ルス発現系に頼っており、発現までの煩雑な操作や長時間を要するなどの問
題点が指摘されている。そこで、我々は、昆虫細胞や蚕に有効なバクミドシス
テムを開発し、糖鎖合成に用いられるヒト糖転移酵素の発現やヒト抗体の発
現に成功しており、これらの発現量や生物機能についてここで紹介する。
・
■ 技術相談に応じられる関連分野
特筆すべき研究ポイント:
遺伝子発現方法:従来の煩雑なバキュロウイルスを使用しないで、
・ 昆虫を用いたヒト由来の高次
新規バクミドを使用する点。
タンパク質の生産
・
新規研究要素: (世界初あるいは日本初など)
簡便な蚕への遺伝子導入方法。
セールスポイント
・
従来技術との差別化要素・優位性:
従来より遺伝子発現時間を約1/5短縮できる。
・
特許等出願状況:
BmNPV シャトルベクター
(特願2002-340005、ライセンス可)
イメージ図
応用、企業化
・ 対象分野:
医薬産業食品、
今後の展望
化学産業
・ 企業化または商品化のイメージ:
未知タンパク質の発現
未知タンパク質の構造解析
未知、或いは既知タンパク質の機能解析
・ 企業貢献度と内容:
創薬分野におけるタンパク質のスクリーニング
タンパク質生産の迅速化
■ その他の研究紹介
 油脂系廃棄物からバイオディーゼルやリボフラビン(ビタミンB2)の生産: 製油産業から大量の油脂が廃油脂とし
て廃棄されている。これらの廃棄物は、ビタミンB2やバイオディールに返還され、廃棄物を使い尽くす研究を行って
います。
 廃バイオマス(古紙、パルプスラッジ、木材チップなど)による糖化用のセルラーゼの効率的生産: 強力なセルラー
ゼを廃バイオマスから生産し、生産されたセルラーゼでバイオマスを糖化する、糖化とセルラーゼの生産を一体化
する研究を行っています。